スコッチウイスキーの閉鎖蒸留所23カ所解説!おすすめボトルも登場

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では閉鎖したスコットランドのモルトウイスキー蒸留所23か所を解説いたします。

蒸留所の地域、創業年、閉鎖年、歴史、ウイスキーの特徴、閉鎖の理由、実際に購入できるおすすめボトルなどもご紹介。

閉鎖した蒸留所のシングルモルト・スコッチウイスキーの情報や、現在の流通価格を知りたい方におすすめの内容となっております。

なお、一度は閉鎖となり再び稼働した蒸留所(ポートエレン、ローズバンク、ブローラ、など)は、この記事では対象外とさせて頂きます。

「新」蒸留所として復活したモルトウイスキー蒸留所の解説は「スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!おすすめボトルも登場」をご覧ください。

 

【現在稼働中】スコットランドのウイスキー蒸留所解説↓

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所23カ所解説!おすすめボトルも登場

1ページ目

1. Banff バンフ
2. Ben Wyvis ベンウィヴィス
3. Caperdonich キャパドニック
4. Coleburn コールバーン
5. Convalmore コンバルモア
6. Dallas Dhu ダラスドゥ
7. Glen Albyn グレンアルビン
8. Glenesk グレネスク
9. Glen Flagler グレンフラグラー
10. Glenlochy グレンロッキー

2ページ目

11. Glen Mhor グレンモール
12. Glenugie グレンアギー
13. Glenury Royal グレンユーリーロイヤル
14. Imperial インペリアル
15. Inverleven インヴァリーブン
16. Kinclaith キンクレイス
17. Ladyburn レディバーン
18. Littlemill リトルミル
19. Lochside ロッホサイド
20. Millburn ミルバーン
21. North Port ノースポート
22. Pittyvaich ピティヴァイク
23. St. Magdalene セント・マグデラン

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Banff バンフ

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fc/Banffscotland.jpg

Banff バンフ

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1824
  • 閉鎖年:1983
  • 流通価格:¥801,300 税込

バンフ蒸留所は東ハイランド・バンフ州の中心地で、デブロン川の河口に位置していた蒸留所。「バンフ」は町の名前でもあり、「子豚」を意味するゲール語「バンフ」に由来しています。蒸留所には合計6基のポットスチルがあり、仕込み水はフィスケイドリー農場の泉の湧き水を使用していました。

バンフの創業は1824年。しかしその後閉鎖され、1863年にジェームズ・シンプソン氏によって、元の場所から約1マイル離れた土地に再建されます。

そのため、新たに建設された蒸留所の創業年は1863年になりますが、UD時代のオフィシャルボトルなどに記載されている創業年は、一番最初に蒸留所が完成した「1824年」となっています。新しいよりも「古くて歴史があった方がなんかいい」。みたいな考え方ってありますよね(笑)

バンフ蒸留所が閉鎖したのは1983年。当時所有していたDCL社によって閉鎖が決定されています。バンフのウイスキーは英国下院議会に提供されるなど、当時の評価は高いものでした。バンフ蒸留所の閉鎖した理由ははっきりとしていません。

蒸留所が閉鎖後の1991年には火災で建物が焼失。蒸留所としての復活は難しくなってしまいました。

第2次世界大戦中には、爆弾によって熟成庫が被災。1000ガロンものウイスキーが流失し、近隣に生息していた動物達が酔っぱらってしまったというエピソードもあります。

戦争や火災など、様々なトラブルに見舞われた蒸留所でしたが、ハイランドらしい個性と華やかさのある銘酒。バンフは一度は飲んでおきたい、幻のシングルモルトウイスキーです。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Ben Wyvis ベンウィヴィス

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000004815/

Ben Wyvis ベンウィヴィス

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1965
  • 閉鎖年:1977
  • 流通価格:¥920,000 税込
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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「ベンネヴィス」にも似た名前「ベンウィヴィス」は、北ハイランド・ロス州に位置する「ベンウィヴィス山」から名付けられています。インバーゴードングレーンウイスキー蒸留所の敷地内に、1965年に建設されたモルトウイスキー蒸留所です。

生産規模は小さく、ワンバッチの仕込み量は大麦麦芽2トン。6つの鋳鉄製ウォッシュバックを使用。ポットスチルは初留と再留が1基ずつの合計2基。

再留釜は初留と同じ形状・サイズでしたが、再留釜にはネック部分にウォータージャケット(水冷エンジン)が取り付けられており、ラインアームが非常に短かくつくられていました。これによってボディに厚みのあるオイリーな酒質のウイスキーを生み出すことができていました。

ベンウィヴィスの稼働期間は短く、1976年にわずか11年の操業で蒸留所は閉鎖となり、取り壊されています。しかしポットスチルはキャンベルタウンにある「グレンガイル蒸留所」移設しており、再利用されています。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Caperdonich キャパドニック

Caperdonich キャパドニック

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1898(1901年~1965年まで生産停止)
  • 閉鎖年:2003
  • 流通価格:¥32,712 税込
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キャパドニックは1898年にグレングラントの第2工場(第2蒸溜所)として建設されました。ゲール語で「秘密の井戸」という意味。

創業当初にウイスキー不況に見舞われ、開設3年後の1901年からは操業停止を余儀なくされます。そして再び生産を再開したのは1965年。それまで蒸留所は「グレングラントNo.2」と呼ばれていましたが、この際に「キャパドニック」という新しい名称に変更されます。

2000年にはペルノリカール社によって買収されますが、2003年に閉鎖となり、その後フォーサイス社が建物を買収。現在、蒸留所は解体されています。

キャパドニックの謎なところは、閉鎖して20年近くも経っているのにも関わらず、オフィシャルボトルとしてリリースされている点。気になっている方も多いと思います。

ペルノリカールは2020年に、スコットランド・スペイサイド地方の秘蔵モルトコレクション『シークレット スペイサイド』シリーズの一つとして3種のキャパドニック「キャパドニック 21年」「キャパドニック 25年」「キャパドニック 30年」を同時リリース。

閉鎖している蒸留所のシングルモルトウイスキーが、オフィシャルボトルとして再発売されることは極めて珍しいことです。おそらく、原酒は2000年に買収した際に手に入れたものでしょう。

フォーサイス社には蒸留所の建物のみを売却し、貯蔵庫にあった樽ストックはペルノリカールの集中熟成庫に移動させたものと思われます。実際に、キャパドニックのウイスキーは全てブレンデッド用としてつくられており、主にシーバスリーガル(親会社はペルノリカール)の構成原酒に使用されていました。

つまり、2020年に発売されたキャパドニックは、残された原酒(長期熟成になってしまった??)で、シーバスリーガルの構成原酒としては使用しないものを使用してボトリングしていると考えられます。

いずれにしてもキャパドニック蒸留所は閉鎖しているため、原酒は減り続ける一方で、復活する予定も今のところありません。『シークレット スペイサイド』シリーズのキャパドニックは、いつまで生産されるのか分からない状況です。気になる方は早めに購入しておくのも良いと思います。

 

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Coleburn コールバーン

Coleburn コールバーン

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1897
  • 閉鎖年:1985
  • 流通価格:¥275,000 税込

コールバーンの創業は1897年。エルギンから南に4マイル離れた場所にあります。蒸留所はパゴダ屋根の父と称されている、有名なデザイナー「チャールズ・ドイグ」氏によって設計されています。地元産の「砂岩」と、ウェールズ産の「青いスレート石」が使われており、キルン屋根と美しい建物が印象的な蒸留所でした。

コールバーン蒸留所は1950年代から60年代にかけて大規模な改修工事が行われました。冷却装置の「ワームタブ」は「コンデンサー」に変更され、蒸留も「石炭直火方式」から「スチーム加熱方式」に改められました。伝統的な製造方法から脱却し、現代的で効率の良い生産方法に改良したことで、蒸留所の生産能力は向上します。

しかし、1985年に突然閉鎖することが決定。閉鎖した理由は分かりませんが、大幅な製造方法の方針転換によって、ウイスキーの品質が変わったことには違いありません。ひょっとしたらそれが一つの要因になったのかも⁉

閉鎖後は、蒸留所内の生産産設備は全て撤去されてします。現在、所有者はディアジオからボトラーズ会社の「マーレイマクダビッド社」に移り、同社の倉庫として利用されています。

倉庫にするのには勿体ないくらい、外観が綺麗で魅力的な閉鎖蒸留所。生産設備を導入して復活させてほしいくらいですね。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Convalmore コンバルモア

出典:By Christopher Gillan, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9255579

Convalmore コンバルモア

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1894
  • 閉鎖年:1985
  • 流通価格:¥288,000 税込
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1894年に設立されたコンバルモア蒸留所は、創業後すぐにグラスゴーのブレンデッドウイスキー業者「W.P.ローリー(ローリー社)」に買収されます。同社のブレンデッドウイスキーの原酒として活用されました。

その後、所有権はローリー社から事業を引き継ぐ形で、ジェームズ・ブキャナン社へ移ります。ブキャナンのウイスキーは、英王室専用ウイスキーに選ばれるなど、当時は高級ブレンデッドウイスキーとして名声を高めており、国際的にも需要がありました。オーナーが転々と代わるコンバルモア蒸留所でしたが、ウイスキーの生産は途切れることなく続きます。

しかし1909年に、不運にも蒸留所は火災によって焼失。その後はすぐに再建されます。そして蒸留所が新しくなったと同時に導入されたのが、ポットスチルではなく連続式蒸留機を使ったモルトウイスキーの蒸留です。

現在ではロッホローモンド蒸留所や宮城峡蒸溜所では、連続式蒸留器を使用してモルトウイスキーがつくられていますが、この当時としては今以上にかなり斬新な試みです。

連続式蒸留器によって、毎時2270リットルもの原酒を生み出すことができました。しかし当然の問題として、ポットスチルのものと比べウイスキーは全く異なる個性となってしまったことから、1915年には通常通りのポットスチルによる生産が再開されています。その後、1965年にはポットスチルを2基から4基に増設しています。

1985年に蒸留所の閉鎖が決まります。その後、コンバルモア蒸留所の敷地と隣接する「ウィリアム・グラント&サンズ社」が買い取り、ウイスキー生産設備は撤去され、現在は同社のウイスキー熟成庫として利用されています。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Dallas Dhu ダラスドゥー

出典:By JThomas, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=13996628

Dallas Dhu ダラスドゥー

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1898
  • 閉鎖年:1983
  • 流通価格:246,400円
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ダラスドゥー(ダラスデュー)は、1898年にグラスゴーのライト&グレイグ社によって設立。当初は「ダラスモア」という名前でしたが、1921年にベンモア・ディスティラリーズ社に買収された際に、ダラスドゥー蒸留所へと名称変更されました。蒸留所はエルギン出身の蒸留所専門家の建築家「チャールズ・ドイグ」によって設計されています。

ダラスドゥー蒸留所のオーナーは次々と移り変わりますが、1929年にはDCL社が買収。そこから長い期間ウイスキーの生産を続けていましたが、1983年に突如として閉鎖が決まります。

蒸留所は閉鎖後、オーナーのDCL社によって「ヒストリック・スコットランド」に寄贈されます。現在はウイスキー博物館として公開されており、オーディオガイドを通じてウイスキー製造や蒸留所の歴史を学ぶことができるとのこと。

ダラスドゥーはシングルモルトとしてはかなりレアな存在です。現在では一部のボトラーズでのみその存在を確認できます。シングルモルトとしての評価は高く、ウイスキー評論家「ジム・マーレー」からは「神秘的な複雑味を持つコーヒーのような美酒」と称されていました。

ちなみに、ダラスデューとはゲール語で「黒い水の流れる谷」という意味。「黒い水」だから「コーヒー」なのか、実際にコーヒー的な深い香ばしさを感じたのでしょうか…。今となってはその確認がとれないほど、お目にかかれないウイスキーです。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Albyn グレンアルビン

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000001539/

Glen Albyn グレンアルビン

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1846
  • 閉鎖年:1983
  • 流通価格:不明

グレンアルビンはカレドニア運河に面した土地にあった蒸留所。この場所は北海と大西洋を結ぶ水上輸送の利便性に恵まれていたことから、第一次世界大戦中には連合軍によって蒸留所は接収されており、Uボート(ドイツ海軍の保有する潜水艦の総称)の対策用の機雷を製造していました。姉妹蒸留所であるグレンモール(1892~1983)はすぐ向かい側にあります。

創業者はインヴァネス市長を務めていた人物。一度大規模な火災に見舞われ、1855年に破産。その後の20年間は製粉所として使われていましたが、1884年にAMグレゴリーによってグレンアルビン蒸留所は買収され、ウイスキー生産が再開されます。

そして1920年には「マッキンレーズ&バーニー社」がグレンアルビンを買収。同社は隣にあるグレンモール蒸留所を創設した企業で、グレンアルビンとグレンモールは姉妹蒸留所として運営されることになります。

1983年に閉鎖され蒸留所は取り壊されており、現在はスーパーマーケットを含む大型ショッピングセンターとして利用されています。

ポットスチルは2基のみという小規模な蒸留所でしたが、ウイスキーの個性はハイランドモルトの王道となるリッチさとフルーティーがあり、モルトファンの中でも評価の高い蒸留所となっています。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenesk グレネスク

出典:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000017881

Glenesk グレネスク

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1897
  • 閉鎖年:1985
  • 流通価格:¥71,500 税込

グレネスク蒸留所はモントローズの北方2マイルに位置し、1897年にワイン商のジェームズ・アイルズによって創設されました。当初はリンネル(亜麻の繊維を用いた織物)工場だったそうです。その後、「ハイランドエスク」「ノースエスク」と名前を変えながら、川から水源を引いてウイスキーの製造を始めます。

1938年にはジョセフ・ホッブス(ASD社)によって蒸留所は買収され、名前は「モントローズ」に。その際、グレーンウイスキーの工場へと転換。以後は、DCL社(Distillers Company Limited)がモルトウイスキーの生産を再開するまで、主に大麦麦芽の製造施設としても使用されています。

DCL社がグレネスク蒸留所を所有したのは1954年。豊富な資金力で蒸留所は生産設備を増強していきます。1968年には大規模なドラム式モルティング施設を建設。そして1980年には「グレネスク」に名称変更されます。

しかし、名称を変更して間もない1985年に蒸留所は閉鎖。その後、ウイスキーの蒸留が行われることはありませんでしたが、モルティング施設は現在でも稼働し続けており、巨大なモルト製造工場としてウイスキー業界に貢献しています。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Flagler グレンフラグラー

出典:By Alan Stewart, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9304120

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000000929/lowland_glenflagler/page1/order/

Glen Flagler グレンフラグラー

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1965
  • 閉鎖年:1985
  • 流通価格:¥98,890 税込

グレンフラグラーは、1964年にモファット・グレーンウイスキー蒸留所の施設内に建設された、モルトウイスキーの蒸留所。ポットスチルは6基。1965年からモファット蒸留所が閉鎖される1985年まで、約20年間にわたってウイスキー造りが行われていました。

モファット蒸留所はグレーンとモルトの両方を造る蒸溜所。現代では「ロッホローモンド蒸留所」が同じような形でウイスキーを生産しています。こうした複合蒸溜所は、当時としてはそこまで珍しかった訳ではありません。グレーンウイスキーの蒸留所の敷地はが広いため、敷地内にモルトウイスキーの蒸留設備を作るケースは多かったようです。

グレンフラグラー蒸留所では麦芽の割合や樽の違いにより、モルト原酒の造り分けが行われており、以下の3種類のウイスキーを製造していました。

  • キリーロッホ(Killyloch):ノンピート麦芽で仕込まれたローランドタイプのウイスキー。
  • グレンフラグラー(Glen Flagler):ライトピーテッド麦芽を使用したスペイサイドタイプのウイスキー。
  • アイルブレイ(Islebrae):ヘビリーピーテッド麦芽を仕込みに含んだスモーキーなウイスキー。

多彩な原酒造りをする魅力的な蒸留所でしたが、1976年に生産休止(モスボール)となります。

その後は80年代のウイスキー不況の影響もあって、再び稼働されることはなく、グレンフラグラー蒸留所を含むモファット蒸留所は1986年に閉鎖します。

現在、残っているのは古びて黒ずんだウエアハウスのみ。最後の蒸留年が76年ということもあって、現存するシングルモルトウイスキー「グレンフラグラー」のボトルはレアな存在です。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenlochy グレンロッキー

出典:https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/glenlochy.html

出典:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000017837

Glenlochy グレンロッキー

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1898
  • 閉鎖年:1983
  • 流通価格:¥341,000 税込

グレンロッキーの創業は1898年。デイビッド・マッカンディーによって設立。ベンネビス山から流れ出る、ネヴィス川の水を仕込み水とし、2基のポットスチルでウイスキーを生産していました。

蒸留所は創業当初からウイスキー市場が不安定な状態が続いており、いわゆる衰退期に差し掛かったところでした。それに伴って、原酒造りも制限することを余儀なくされ、本来の生産能力に見合わない仕込み量で操業を続けていました。しかしウイスキー不況は回復の兆しを見せず、グレンロッキー蒸留所は長年に渡り生産休止となります。

1938年に、オーナーがジョセフ・ホップス氏のASD(アソシエイテッド・スコティッシュ・ディスティラーズ)社に代わったことで、生産が再開されますが、1953年にはスコッチ大手のDCL社がASD社を買収すると、1983年に閉鎖の決定が下されます。

現在、蒸留所内部の生産設備は完全に撤去されていますが、建物自体は歴史的な価値を持つ建造物としてスコットランド政府により保護が義務付けられています。(他の蒸留所でも結構あるあるです)

シングルモルトとしてはなかなかお目にかかれない銘柄。バーで見つけたときは感動します(笑)

 

 

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