スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!おすすめボトルも登場

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではスコットランドにある、現在稼働中のモルトウイスキーの蒸留所128か所を解説いたします。蒸留所の地域、創業年、オーナー企業名のほか、歴史やウイスキーの特徴、リリースしているおすすめボトルもご紹介。シングルモルト・スコッチウイスキーの銘柄をざっくりと知りたい方にもおすすめの内容となっております。

スコットランドの蒸留所は急激に増加し続けています。これは、スコッチのルールが変わったことで、これまで蒸留所の許可が下りなかった小規模生産者の創業が相次いでいるため。もちろん、世界的なウイスキーブームの影響もあります。

今回は全ての蒸留所を解説することはできませんでしたが、新たに創業したクラフト蒸留所の情報も載せていますので、長い記事となっていますが最後までご覧いただければうれしいです。

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スコットランドのグレーンウイスキー蒸留所紹介記事はこちら↓

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所の記事↓

 

【2023年版】アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説の記事↓

 

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!おすすめボトルも登場

1ページ目

1. アードベッグ Ardbeg
2. アードモア Ardmore
3. アードナッホー Ardnahoe
4. アードナマッハン Ardnamurchan
5. アードロス Ardross
6. アービッキー Arbikie
7. アイル・オブ・ハリス Isle of Harris
8. アイル・オブ・ラッセイ Isle of Raasay

2ページ目

9. アナンデール Annandale
10. アベラルギー Aberargie
11. アイル・オブ・ジュラ Isle of Jura
12. アイルサベイ Ailsa Bay
13. アバフェルディ Aberfeldy
14. アビンジャラク Abhainn Dearg
15. アベラワー Aberlour
16. アルタベーン Allt-A-Bhainne
17. インチデアニー InchDairnie
18. インチガワー Inchgower
19. ウルフバーン Wolfburn
20. エデンミル Eden Mill
21. エドラダワー Edradour
22. オーバン Oban
23. オーヘントッシャン Auchentoshan
24. オスロスク Auchroisk
25. オルトモア Aultmore
26. カードゥ Cardhu
27. カリラ Caol Ila
28. キニンヴィ Kininvie

3ページ目

29. キルホーマン Kilchoman
30. キングスバーンズ Kingsbarns
31. クライヌリッシュ Clynelish
32. クラガンモア Cragganmore
33. クレイゲラキ Craigellachie
34. クライドサイド Clydeside
35. グラスゴー Glasgow
36. グレンウィヴィス Glen Wyvis
37. グレンアラヒー Glenallachie
38. グレンエルギン Glen Elgin
39. グレンオード Glen Ord
40. グレンガイル Glengyle
41. グレンカダム Glencadam
42. グレンキース Glen Keith
43. グレンギリー Glen Garioch
44. グレンキンチー Glenkinchie
45. グレングラッサ Glenglassaugh
46. グレングラント Glen Grant
47. グレンゴイン Glengoyne
48. グレンスコシア Glen Scotia

4ページ目

49. グレンスペイ Glen Spey
50. グレンダラン Glendullan
51. グレンタレット Glenturret
52. グレントファース Glentauchers
53. グレンドロナック Glendronach
54. グレンバーギ Glenburgie
55. グレンファークラス Glenfarclas
56. グレンフィディック Glenfiddich
57. グレンマレイ Glen Moray
58. グレンモーレンジィ Glenmorangie
59. グレンロセス Glenrothes
60. グレンロッシー Glenlossie
61. ザ・グレンリベット The Glenlivet
62. スキャパ Scapa
63. ストラスアイラ Strathisla
64. ストラスアーン Strathearn
65. ストラスミル Strathmill
66. スプリングバンク Springbank
67. スペイサイド Speyside
68. スペイバーン Speyburn

5ページ目

69. ダフタウン Dufftown
70. ダフトミル Daftmilt
71. タムドゥー Tamdhu
72. タムナヴーリン Tamnavulin
73. タリスカー Talisker
74. タリバーディン Tullibardine
75. ダルウィニー Dalwhinnie
76. ダルモア Dalmore
77. ダルユーイン Dailuaine
78. ダルメニャック Dalmunach
79. ティーニニック Teaninich
80. ディーンストン Deanston
81. トーモア Tormore
82. トバモリー Tobermory
83. トマーティン Tomatin
84. トミントール Tomintoul
85. トラベイグ Torabhaig
86. ドーノッホ Dornoch
87. ノッカンドオ Knockando
88. ノックニーアン Nc’nean

6ページ目

89. ノックドゥー Knockdhu
90. ハイランドパーク Highland Park
91. バリンダルロッホ Ballindalloch
92. バルヴェニー Balvenie
93. バルブレア Balblair
94. バルメナック Balmenach
95. フェッターケアン Fettercairn
96. ブナハーブン Bunnahabhain
97. ブラッドノック Bladnoch
98. ブリュードッグ BrewDog
99. ブルックラディ Bruichladdich
100. プルトニー Pulteney
101. ブレアアソール Blair Athol
102. ブレイヴァル Braeval
103. ブローラ Brora
104. ベンネヴィス Ben Nevis
105. ベンリアック Benriach
106. ベンリネス Benrinnes
107. ベンローマック Benromach
108. ボウモア Bowmore
109. ボーダーズ Borders
110. ポートエレン Port Ellen
111. ホーリルード Holyrood
112. マクダフ Macduff
113. マッカラン Macallan
114. マノックモア Mannochmore
115. ミルトンダフ Miltonduff
116. モートラック Mortlach
117. ラガヴーリン Lagavulin
118. ラフロイグ Laphroaig

7ページ目(最終)

119. ラグ Lagg
120. リンドーズアビー Lindores Abbey
121. リンクウッド Linkwood
122. ロイヤルブラックラ Royal Brackla
123. ロイヤルロッホナガー Royal Lochnagar
124. ローズアイル Roseisle
125. ローズバンク Rosebank
126. ロックランザ Lochranza
127. ロッホローモンド Loch Lomond
128. ロングモーン Longmorn

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アードベッグ Ardbeg

アードベッグ Ardbeg
地域:アイラ島
創業年:1815
MHD

スモーキーモルトの定番!アイラ南東部の黒い流星

アードベッグはポートエレン製のヘビリーピーテッド麦芽を使用し、クセのあるパワフルなウイスキーを造り続けている蒸留所。

2008年にはフラッグシップである「10年」が、ワールド・ウィスキー・オブ・ザ・イヤー受賞。世界中のアードベギャン(アードベッグをこよなく愛するファンの総称)を虜にし続けています。

蒸留所が創業したのは1798年と言われていますが、当時は生産量がかなり少なかったことから、この年が創業年とは発表していません。公式には1815年となっており、創業者のジョン・マクドゥーガルによって商業用ライセンスが取得され、生産量が拡大した年に設定されています。

麦芽のフェノール値は55~65ppmでアイラ島最強。

ポットスチルはランタンヘッド型。初留、再留2基ずつ。年間生産量240万ℓ。

再留釜(2回目の蒸留をするポットスチル)には精留器が備え付けられており、アイラ島ではアードベックだけとなっています。

ウイスキーの熟成は主にアメリカンオークのバーボンカスクで、シェリーカスクや新樽、フレンチオークなども使用されています。シングルモルトとしての人気が非常に高いのですが、その割には蒸留所の規模が小さいことからオフィシャルボトル以外はあまり出回っていません。

一部のボトラーズのみ流通していますが、ちょっと値段高いよね(笑)

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スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アードモア Ardmore

出典:https://www.suntory.co.jp/whisky/ardmore/

アードモア Ardmore
地域:ハイランド
創業年:1898
ビームサントリー

ティーチャーズの原酒として活躍 ラフロイグのリフィル樽を使用

ゲール語で「大きな岬」という意味を持っていますが、蒸留所はハイランドの山の中にあります。現在はビームサントリーの所有となっており、古くからブレンデッドウイスキー「ティーチャーズ ハイランドクリーム」のメイン原酒として活躍。

酒質はおだやかでライトボディ。フェノール値12~14ppmから生み出される原酒は、キーモルトとしてちょうどよい個性と言えるのでしょうか。

年間生産量は555万ℓ。初留、再留4基ずつ。

通常のアードモア以外にも、オフィシャルシングルモルトとしてリリースされていませんが、ノンピーテッド仕込みの「アードレア」というウイスキーも造っています。ノンピートタイプは基本的に、他の蒸留所との原酒交換やブレンデッド用の原酒にまわされています。

通常のアードモアの熟成樽は、ラフロイグで使用したリフィルバーボンカスクを使用。ラフロイグ10年はファーストフィルのバーボンカスクにこだわっていますから、その後アードモアに使用できるのはちょうどいい訳ですね。

 

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アードナッホー Ardnahoe

出典:https://ardnahoedistillery.com/

アードナッホー Ardnahoe
地域:アイラ島
創業年:2018
ハンターレイン社

アイラ9番目の蒸留所はハンターレインが設立

ボトラーズ会社のハンターレイン社が2018年に創業。ゲール語で「高い丘の上」という意味の蒸留所名で、実際にアイラ海峡を見下ろすことのできる高台に建てられています。

ちなみにアードナッホーではブルックラディ蒸留所でかつて手腕を振るったジム・マキューワン氏が、プロダクションディレクターとしてウイスキー造りを支えています。

年間生産量は100万ℓ。初留、再留1基ずつ。

ポットスチルのラインアームが非常に長く、約7.3メートルもあります。この長いアームによって還流を増やすこと可能。よりエステリーで個性的な原酒を生み出すことができます。

使用するモルトはポートエレン製。全てヘビリーピーテッドという訳ではなく、5ppm~50ppmまでのさまざまなピートレベルのモルトで仕込みを行い、多彩な原酒を造り分けています。熟成庫はまだ完成しておらず、樽詰めしたウイスキーはグラスゴーにあるハンターレイン社の集中熟成庫へ運んでいます。

2018年の創業ですが、実際にウイスキーの蒸留が開始されたのは2019年1月。これからが楽しみですね。

 

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アードナマッハン Ardnamurchan

出典:https://www.adelphidistillery.com/

アードナマッハン Ardnamurchan
地域:ハイランド
創業年:2014年
アデルフィー・ディスティラリー社

ボトラーズのアデルフィーが創業した蒸留所

アードナマッハン(アードナムルッカン)は、スコットランド最西端にあるアードナマッハン半島にある蒸留所。ボトラーズ会社のアデルフィーによって2014年に創業しました。

アデルフィーの本社はローランドのファイフ地方にあり、西ハイランドのはずれまではかなり距離がありますが、蒸留所を建設した理由としては、アデルフィーの共同経営者であるドナルドがこの土地を所有していたことから。他に有力な建設候補地が無かったことも決め手となったそうです。

年間生産量は50万ℓ。初留、再留1基ずつ。

麦芽はノンピーテッドとピーテッドの両方を使用。ピーテッド麦芽は伝統的な製麦「フロアモルティング」でつくられたもので、将来的には蒸留所で自家製麦を行う予定。

生産量の4割程は、ブレンド用原酒として他社へ売却。シングルモルトとしての初リリースは2020年で「Ardnamurchan AD/9.20:01 Single Malt」が15,950本限定で発売されました。

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スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アードロス Ardross

アードロス Ardross
地域:ハイランド
創業年:2018

北ハイランド・インバネス近郊のアベロンバレーにある蒸留所。蒸留所は50エーカーほどの敷地のある元農場。古い建物や建材などを利用して建てられました。モルトウイスキーの他、クラフトジンも生産。

 

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アービッキー Arbikie

出典:https://arbikie.com/

アービッキー Arbikie
地域:ハイランド
創業年:2015
アービッキー・ディスティリング社

自家栽培の原料でウイスキーやジンを造る

スターリング家の3兄弟(ジョン、アイアン、デビッド)によって2013年に蒸留所の建設がスタート。800ヘクタールの農地を所有しており、そこで栽培した穀物や果物に商品をつくっています。

2014年には自社畑のジャガイモを使ったウォッカの蒸留。そして2016年にはジン、モルトウイスキー、ライウイスキーの生産もスタートしています。

年間生産量は20万ℓ。初留、再留1基ずつ。ウイスキーはドイツ製のポットスチル、ウォッカとジンは40段バブルキャップ付きコラムスチルで蒸留しています。

 

 

スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アイル・オブ・ハリス Isle of Harris

特産品のハリスツイード

アイル・オブ・ハリス Isle of Harris
地域:アイランズ (ハリス島)
創業年:2015年

ハリス・ツイードの次はウイスキー

アイル・オブ・ハリスはハリス島初となるウイスキー蒸溜所。アウター・ヘブリディーズ諸島に属しており、島の「北部はルイス島」、「南部はハリス島」と呼ばれています。この2島は同じ島ですが名前が併用されているので、一般的にはハリス島を含む2島を合わせて「ルイス島」と認識されているようです。

ルイス・ハリスの両島を含めた面積は、アウター・ヘブリディーズ及びインナー・ヘブリディーズも含めたヘブリディーズ諸島の中でも最大。ちなみにルイス島には2007年設立の「アビンジャラク蒸留所」があります。

ハリス島と言えば有名なのが、島特産の織物「ハリス・ツイード」。スコットランドを代表する名産品で、かばんや小物、タオルケット、スーツなど様々なアイテムに使用されています。

しかし、島には他に産業もないので若者が職を探して島を離れて行くのが問題に。そこで島の人たちが考えたのがウイスキー産業。雇用を生み、蒸留所の見学で観光客を呼び込むことができれば「島おこし」ができるのではと考えたのです。

アイル・オブ・ハリスは小規模な蒸留所ですが、島全体の希望といえる存在なのです。

 

蒸留所ではクラフトジンを造っています。「アイル・オブ・ハリスジン」のキーボタニカルは島でとれる昆布。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022 では金賞を獲得しています。

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スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!アイル・オブ・ラッセイ Isle of Raasay

出典:https://raasaydistillery.com/

アイル・オブ・ラッセイ Isle of Raasay
地域:アイランズ (ラッセイ島)
創業年:2014

アイランズの新鋭 こだわりの熟成樽

アイル オブ ラッセイ蒸溜所のあるラッセイ島は、スカイ島と本土に挟まれた場所に存在する南北に約23km、東西に約5kmという細長い形の島です。人口はわずか約150人ほど。かつては密造酒が造られていた歴史もありますが、公認蒸留所(合法)となってからは初のウイスキー蒸所となっています。

ポットスチルは初留、再留1基ずつ。ラインアームには6つの銅製プレートで構成された精溜器が取り付けられています。

そして、最もユニークと言えるのが熟成樽。ラッセイ蒸溜所では、一般的にスコッチで使用するバーボン樽やシェリー樽を使用せず、STR樽(シェービング、トースティング、リチャーリングを施した樽)のようなウイスキーの熟成用に加工を施した樽すら使っていません。

使用しているのは「ウッドフォードリサーブ」から調達したライウイスキー樽、ボルドーの赤ワインバリック樽、ヘビーなチャーを施した北米産のチンカピングリ材(ホワイトオークの仲間)の新樽。個性的な樽によって、多彩な原酒造りを行っています。

2021年には記念すべき初リリースとなる「アイル オブ ラッセイ イノーギュラルリリース2020 」が登場。生産本数7,500本(国内入荷数150本)。ノンチルフィルター、ナチュラルカラーでボトリング。

アイル オブ ラッセイ

 

 

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