【2026年版】アメリカンウイスキー110銘柄を徹底解説|おすすめブランド完全ガイド

15、Bulleit(ブレット)

Bulleit(ブレット)

種類: バーボンウイスキー(ハイライ)、ライウイスキー

蒸溜所:ブレット・ディスティリング・カンパニー、ケンタッキー州シェルビー郡

楽天市場価格[2026年8月]:3,023円(ブレット バーボン)

ブレットは、高ライ麦(ハイライ)レシピによるスパイシーな味わいで知られるバーボンブランドです。現在は世界最大級の酒類メーカー、ディアジオの傘下で展開されており、バーボンとライウイスキーを中心に世界100か国以上で販売されています。

ブランドのルーツは1830年代にさかのぼります。創業者とされるオーガスタス・ブレットは、ケンタッキー州ルイビルで酒場を営みながら、ライ麦を多く使用した独自のバーボンを造っていたと伝えられています。しかし、その後輸送中に消息を絶ったという逸話が残る一方で、実在性や詳細を裏付ける資料は限られており、現在ではブランドストーリーの一部として語られています。

現代のブレットは、オーガスタス・ブレットの子孫を名乗るトーマス・E・ブレット・ジュニア氏によって1987年に復活しました。1995年に「ブレット バーボン」が発売されると、その個性的な味わいが評価され、2000年にディアジオがブランドを取得。2017年にはケンタッキー州シェルビー郡に最新設備を備えたブレット蒸溜所が完成し、自社蒸溜による生産体制を本格化させています。

代表銘柄の「ブレット バーボン」は、トウモロコシ68%、ライ麦28%、モルト大麦4%という高ライ麦のマッシュビルを採用。一般的なバーボンよりもライ麦の比率が高いため、ドライでキレのある味わいが特徴です。

製造には、ケンタッキー州特有の石灰岩で自然ろ過された水と独自の酵母を使用。アルコール度数は45%と比較的高めですが、バランスに優れているため、ストレートやロックはもちろん、ハイボールやオールドファッションドなどのクラシックカクテルのベースとしても高い人気を誇ります。

ラインナップは、「ブレット バーボン」のほか、「ブレット ライ」、長期熟成の「ブレット 10年」、樽出しの力強い味わいを楽しめる「バレルストレングス」、近年では「アメリカン・シングルモルト」なども展開しています。

現在では世界で最も成長しているアメリカンウイスキーブランドの一つとして知られ、伝統的なバーボンとは一線を画すスパイシーなスタイルを確立しています。

 

16、Catskill Distilling Company(キャットスキル・ディスティリング・カンパニー)

Catskill Distilling Company(キャットスキル・ディスティリング・カンパニー)

種類:バーボンウイスキー、バックウィート(蕎麦)ウイスキー、ウォッカ

蒸溜所:キャットスキル・ディスティリング・カンパニー、ニューヨーク州サリバン郡ベセル

楽天市場価格[2026年8月]:在庫なし

キャットスキル・ディスティリング・カンパニーは、ニューヨーク州ベセルに設立されたクラフト蒸溜所です。2010年に創業し、ニューヨーク州で初期に認可を受けた「ファーム・ディスティラリー(農場蒸溜所)」の一つとして知られています。地元産の穀物を積極的に使用し、地域に根ざしたクラフトスピリッツ造りを理念としていました。

蒸溜所は、1969年に開催された伝説的な「ウッドストック・フェスティバル」の会場跡地に整備されたベセル・ウッズ・センター・フォー・ジ・アーツの向かいに位置していました。創業者は獣医師のモンテ・サックス氏と妻のステイシー・コーエン氏で、音楽と平和の精神が息づく土地ならではのブランドづくりを目指していました。

最初に発売された商品は、2011年の「ピース・ウォッカ」です。その後はバーボンやライウイスキー、バックウィート(そば)ウイスキーなどへラインナップを拡大し、大手メーカーにはない個性的なクラフトブランドとして注目を集めました。

代表銘柄の「ザ・モスト・ライチャス」は、トウモロコシ70%、ライ麦20%、モルト大麦10%のマッシュビルを採用したバーボンウイスキー。ウイスキー業界のレジェンドとして知られるリンカーン・ヘンダーソン氏がレシピ開発に助言したとされ、バニラやキャラメルの甘みに、ライ麦由来のスパイスが調和したバランスの良い味わいが特徴です。

また、この蒸溜所を代表するもう一つの個性が、「そば」を原料に使用した「バックウィートウイスキー」です。一般的なトウモロコシやライ麦主体のアメリカンウイスキーとは異なり、ナッツや穀物を思わせる香ばしさと、やわらかな口当たりを楽しめます。

そのほか、ニューヨーク州産のリンゴを使用したアップルスピリッツや限定商品のリリースにも積極的に取り組み、地域色豊かな蒸溜所として存在感を示しました。しかし近年は経営環境の悪化などから事業継続が難しくなり、ブランドは縮小。現在では流通量も少なく、ボトルを見かける機会は限られています。

 

17、Catskill Provisions(キャットスキル・プロビジョンズ)

Catskill Provisions(キャットスキル・プロビジョンズ)

種類:ハニーウイスキー、ライウイスキー、メープルバーボン、ストレートバーボン

蒸溜所: ニューヨーク州キャリクーン周辺(受託蒸溜を経て自社運営へ)

楽天市場価格[2026年8月]:9,980円(キャットスキル ザ モースト ライティアス ニューヨーク ストレート バーボンウイスキー)

キャットスキル・プロビジョンズは、ニューヨーク州キャッツキル地方の豊かな自然と地元の農産物を生かしたクラフトスピリッツブランドです。創業者は出版業界で長年活躍したクレール・M・マリン氏で、養蜂家としての経験を活かし、「地域の恵みを一つのボトルに詰め込む」というコンセプトのもとブランドを立ち上げました。

ブランドは2010年代前半にスタートし、当初は受託蒸溜によってウイスキーを製造していました。その後、地元生産者との連携を深めながら、自社ブランドとしての酒造りを本格化。ニューヨーク州産の穀物やキャッツキル地方で採れたハチミツ、メープルシロップなどを積極的に使用し、地域色豊かなクラフトスピリッツを展開しています。

代表銘柄の「ポリネーター・ライ(Pollinator Rye)」は、キャッツキル産の生ハチミツを加えたライウイスキーです。ライ麦由来のスパイシーな風味に、ハチミツの自然な甘みと花のような香りが調和し、甘すぎず奥行きのある味わいに仕上げられています。「Pollinator(ポリネーター)」とは「花粉媒介者」を意味し、ミツバチの重要性を伝えるブランドの理念が商品名にも込められています。

一方、「ポリネーター・バーボン」は、ニューヨーク州産の穀物を原料としたストレートバーボンをベースに、メープルシロップやハチミツのニュアンスを取り入れた、まろやかで親しみやすい味わいが特徴です。また、「ザ・モスト・ライチャス ニューヨーク ストレート バーボン」は、クラフトバーボンらしい豊かな穀物の風味とオークの甘み、スパイス感のバランスに優れた一本として人気を集めています。

キャットスキル・プロビジョンズは、単にウイスキーを造るだけでなく、養蜂や環境保全活動にも積極的に取り組んでいることでも知られています。売上の一部をミツバチの保護活動へ寄付するなど、持続可能な農業や生態系の維持を支援する活動を続けており、ブランドの大きな特徴となっています。

 

18、Cock of the Walk(コック オブ ザ ウォーク)

Cock of the Walk(コック オブ ザ ウォーク)

種類: ウィーテッド・ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー

蒸溜所:プリザベーション蒸溜所、ケンタッキー州バードスタウン

楽天市場価格[2026年8月]:19,580円(コック オブ ザ ウォーク リザーブ)

コック オブ ザ ウォークは、ケンタッキー州バーズタウンのプリザベーション蒸溜所が手がけるプレミアム・ウィーテッド・バーボンです。ブランド名は、アメリカ南部で「その場を取り仕切る人物」や「誰よりも優れた存在」を意味する古い慣用句に由来しており、自信と誇りを表現したネーミングとなっています。

現在販売されている「コック オブ ザ ウォーク」は、1990年代にケンタッキー・バーボン・ディスティラーズ(KBD)が展開していた同名ブランドを、プリザベーション蒸溜所が現代向けに再構築したものです。当時のブランドへの敬意を払いつつ、より高品質なシングルバレル・バーボンとして生まれ変わりました。

原酒の蒸溜元は公表されていませんが、ケンタッキー州内の蒸溜所で造られた厳選原酒を使用しているとされています。その後、プリザベーション蒸溜所が樽を選定し、シングルバレルとしてボトリングしています。

プリザベーション蒸溜所は、家族経営のクラフトディスティラリーとして2010年代に設立されました。「歴史あるケンタッキーバーボン文化の保存(Preservation)」を理念に掲げ、持続可能な蒸溜所運営にも積極的に取り組んでいます。敷地内では井戸水を使用し、農場や家畜を活用した環境に配慮した酒造りを行うなど、地域とのつながりを大切にしている点も特徴です。

コック オブ ザ ウォークには、小麦を副原料とするウィーテッド・マッシュビルが採用されています。熟成年数はおよそ8年前後で、110プルーフ(55%)のシングルバレルとして、冷却濾過を行わずにボトリング。、樽ごとの個性や厚みのある味わいをダイレクトに感じることができます。

生産量は限られており、日本への入荷数も多くありません。クラフト蒸溜所ならではのこだわりと、シングルバレルならではの唯一無二の個性を楽しめる、知る人ぞ知るプレミアムバーボンの一つです。

コック オブ ザ ウォーク
created by Rinker

 

19、Colonel E.H. Taylor(コロネル E.H. テイラー)

Colonel E.H. Taylor(コロネル E.H. テイラー)

種類: ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー、ライウイスキー

蒸溜所: バッファロートレース蒸溜所、ケンタッキー州フランクフォート

楽天市場価格[2026年8月]:16,198円

コロネル E.H. テイラーは、「近代バーボンの父」と称されるエドマンド・ヘインズ・テイラー・ジュニア大佐(Colonel Edmund Haynes Taylor Jr.)の名を冠したプレミアムブランドです。現在はバッファロートレース蒸溜所が製造しており、ボトルド・イン・ボンドの伝統を受け継ぐ高級バーボンシリーズとして世界中の愛好家から高い評価を受けています。

テイラー大佐は1830年にケンタッキー州で生まれ、1860年代後半から本格的にバーボン業界へ参入しました。後にO.F.C.(Old Fire Copper)蒸溜所を取得し、当時としては画期的だった蒸気暖房設備や銅製発酵槽、科学的な品質管理、近代的な熟成庫などを導入。品質向上に大きく貢献し、アメリカンウイスキーの近代化を推し進めた人物として知られています。

また、粗悪なウイスキーが市場に出回っていた19世紀後半には、品質保証制度の必要性を強く訴え続けました。その功績は1897年に制定された「ボトルド・イン・ボンド法(Bottled in Bond Act)」の成立へとつながり、現在でもアメリカンウイスキー史における最重要人物の一人として語り継がれています。

現在のコロネル E.H. テイラーシリーズは、この歴史と理念を受け継ぎ、基本的にボトルド・イン・ボンド規格で製造されています。すべて一つの蒸溜所で、一つの蒸溜シーズンに造られた原酒のみを使用し、新樽で最低4年間熟成。100プルーフ(50%)でボトリングされるという厳格な基準を満たしています。

ラインナップは「スモールバッチ」を中心に、「シングルバレル」「ストレート・ライ」のほか、「バレルプルーフ」「フォーグレイン」「シーズンド・ウッド」「アマランス」など、限定リリースも数多く展開されています。特に限定品は生産本数が少なく、発売と同時に完売することも珍しくありません。

コロネル E.H. テイラーは、現在ではバッファロートレース蒸溜所を代表するプレミアムシリーズとして確固たる地位を築いており、「イーグル・レア」「ブラントン」「ジョージ・T・スタッグ」などと並ぶ人気ブランドの一つです。供給量が需要に追いつかないことから世界的に入手困難な銘柄として知られ、限定品を中心に二次流通市場では定価を大きく上回る価格で取引されることも少なくありません。

コロネル E.H. テイラー
created by Rinker

 

20、Corsair(コルセア)

Corsair(コルセア)

種類: オルト・ウイスキー、アメリカンシングルモルト、ライウイスキー、ジン、ラムなど

蒸溜所:コルセア蒸溜所、テネシー州ナッシュビル&ケンタッキー州ボーリンググリーンの2拠点体制

楽天市場価格[2026年8月]:8,450円(コルセア ライマゲドン アメリカンライウイスキー)

コルセアは、幼なじみのダレック・ベル氏とアンドリュー・ウェバー氏が2008年に創業したクラフトディスティラリーです。二人は自宅のガレージでビールやワインの自家醸造を楽しんでいたことをきっかけに蒸溜へ興味を持ち、「既成概念にとらわれないウイスキー造り」を目標としてブランドを立ち上げました。

創業当初はケンタッキー州ボウリンググリーンで操業を開始し、その後テネシー州ナッシュビルへ事業を拡大。ナッシュビルのマラソン・ビレッジ蒸溜所は、蒸溜設備とタップルームを備えた観光拠点として人気を集め、2016年にはウィーホー(Wedgewood-Houston)地区に本社機能を兼ねた新施設も開設されています。現在はナッシュビルがブランドの中心拠点となり、見学ツアーや試飲を通じてクラフトスピリッツ文化を発信しています。

コルセア最大の特徴は、自らを「オルト・ウイスキー(Alternative Whiskey)」の蒸溜所と位置付けていることです。バーボンやライウイスキーの伝統的な枠組みにとらわれず、通常では使用されない穀物や製法を積極的に採用し、独創的なウイスキーを数多く生み出しています。

代表銘柄の「ライマゲドン(Ryemageddon)」は、モルト化したライ麦と未発芽ライ麦のみを使用した珍しい100%ライウイスキーです。濃厚なスパイス感とモルティな甘みを兼ね備え、一般的なライウイスキーとは異なる力強い個性を楽しめます。

また、「トリプル・スモーク」はピーテッドモルト、チェリーウッドで燻したモルト、ブナ材で燻したモルトの3種類を組み合わせたアメリカン・シングルモルトで、スモーキーで複雑な香味が高く評価されています。「ダーク・ライ」はチョコレートモルトを使用することで、コーヒーやダークチョコレートを思わせる香ばしさを表現したユニークな一本です。

さらに、キヌアやソバ、ブルーコーン、レッドホワイトウィートなど、多彩な穀物を使用した限定ウイスキーも数多くリリースしています。こうした実験的な酒造りはクラフトディスティラリーならではの挑戦として高く評価され、アメリカンウイスキーの可能性を広げる存在となっています。

ウイスキー以外にも、ジン、ラム、アブサン、リキュールなど幅広いスピリッツを製造しており、ジャンルを超えた酒造りにも積極的です。世界的な酒類コンペティションでは数百に及ぶ受賞歴を誇り、クラフトスピリッツ界を代表する革新的なブランドの一つとして知られています。

コルセア ライマゲドン アメリカンライウイスキー
created by Rinker

 

21、Cowboy Bourbon(カウボーイ・バーボン)

Cowboy Bourbon(カウボーイ・バーボン)

種類: テキサス・ストレートバーボンウイスキー、カスクストレングス、無濾過

蒸溜所: ギャリソン・ブラザーズ蒸溜所、テキサス州ハイ

楽天市場価格[2026年8月]:在庫なし

カウボーイ・バーボンは、ギャリソン・ブラザーズ蒸溜所を代表するフラッグシップかつ限定リリースのプレミアムバーボンです。毎年、特に出来の良い樽だけを厳選してボトリングする希少なシリーズで、テキサスバーボンの力強さを象徴する一本として世界中の愛好家から高い評価を受けています。

ギャリソン・ブラザーズ蒸溜所は、2006年にダン・ギャリソン氏によって創業されました。2010年にはテキサス州で初めて合法的にバーボンを蒸溜・販売した蒸溜所となり、現在ではテキサス・クラフトバーボンのパイオニアとして知られています。すべての工程をテキサス州内で行い、州産の穀物や石灰岩層でろ過された地下水を使用するなど、「100%テキサス産」にこだわった酒造りを続けています。

カウボーイ・バーボンには、厳選された長期熟成樽のみが使用されます。加水や冷却濾過を一切行わないカスクストレングスでボトリングされるため、樽本来の濃厚な香味やオイリーな質感をそのまま楽しめるのが特徴です。生産本数は毎年限られており、発売後すぐに完売することも珍しくありません。

最大の特徴は、テキサス州特有の過酷な熟成環境です。夏には40℃を超える高温と乾燥した気候により、樽と原酒の接触が非常に活発になります。そのため熟成年数以上に熟成感が進み、濃厚な樽香や深い色合い、凝縮した風味を備えたバーボンへと仕上がります。一方で「エンジェルズシェア(天使の取り分)」も非常に多く、熟成中に失われる原酒の割合が高いことでも知られています。

アルコール度数はリリースごとに異なりますが、多くは70%前後という非常に高いプルーフで瓶詰めされます。2025年リリースは146.4プルーフ(73.2%)という、いわゆる「ハズマット(Hazmat)」の基準を超える超高アルコール仕様となり、大きな話題を集めました。

カウボーイ・バーボンは、テキサスという土地が生み出す大胆な熟成と、クラフト蒸溜所ならではの徹底した品質管理を体現した一本です。一般的なケンタッキーバーボンとは異なる力強い個性を楽しめる、テキサス・バーボンを代表するプレミアムブランドとして高い人気を誇っています。

 

22、David Nicholson(デイビッド ニコルソン)

David Nicholson(デイビッド ニコルソン)

種類: ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー

蒸溜所:ラックス・ロー・ディスティラーズ、ケンタッキー州バードスタウン

楽天市場価格[2026年8月]:4,550円(デビッド ニコルソン 1843)

デイビッド・ニコルソンは、19世紀から続く歴史あるバーボンブランドです。現在はケンタッキー州バーズタウンのラックス・ロー・ディスティラーズが展開しており、「1843」と「Reserve」という2つの主要ラインを中心に展開されています。

ブランド名の由来は、1843年にセントルイスで食料品店を営んでいたデイビッド・ニコルソン氏にあります。彼が店の裏で独自のバーボンレシピを生み出し、「43」と呼ばれる特徴的なレシピを完成させたという伝承が残されています。現在も、この歴史的なレシピを受け継ぐブランドとして展開されています。

その後、デイビッド・ニコルソンのブランドはセントルイスを拠点とする酒類企業によって発展し、2000年にはラックスコ社(現ラックス・ロー・ディスティラーズの母体)に取得されました。現在は、ラックス・ローが手がける「レベル」「エズラ・ブルックス」「ブラッド・オース」などと並ぶ主要ブランドの一つとして位置づけられています。

代表銘柄の「デイビッド・ニコルソン 1843」は、ウィーテッド・バーボン(小麦を副原料に使用するバーボン)です。一般的なバーボンで使用されるライ麦の代わりに小麦を使用することで、柔らかく滑らかな口当たりを実現しています。

一方、「デイビッド・ニコルソン Reserve」は、ライ麦を使用した高ライ(ハイライ)タイプのバーボン。「1843」とは異なり、ライ麦由来のスパイス感や力強さを楽しめる設計になっています。

両銘柄とも100プルーフ(50%)でボトリングされており、バーボンらしい力強さを残しながら、バランスの良い味わいに仕上げられています。「1843」は滑らかで甘いウィーテッドスタイル、「Reserve」はスパイシーで厚みのあるハイライスタイルという明確な個性の違いがあり、飲み比べることでバーボンの原料による味わいの変化を楽しむことができます。

なお、現在のデイビッド・ニコルソンはラックス・ロー・ディスティラーズのブランドとして展開されていますが、過去には外部から調達した原酒を使用していた時期もあり、蒸溜元の詳細については銘柄や時期によって異なります。そのため、特定の蒸溜所由来と断定することはできません。

長い歴史を持つブランドストーリーと、ウィーテッド・バーボン、ハイライ・バーボンという異なる個性を楽しめる点が、デイビッド・ニコルソンの大きな魅力。知名度こそ一部のプレミアムブランドには及びませんが、隠れた実力派バーボンといえるでしょう。

デビッド ニコルソン 1843
created by Rinker

 

23、Devil’s River(デビルズリバー)

Devil’s River(デビルズリバー)

種類:テキサス・ハイライバーボンウイスキー、シングルバレル、バレルストレングス、ライウイスキー、フレーバードウイスキー

蒸溜所:デビルズリバー蒸溜所(テキサス州サンアントニオ)

楽天市場価格[2026年8月]:5,130円(デビルズリバー ライ)

デビルズリバーは、テキサス州サンアントニオを拠点とするクラフトウイスキーブランドです。テキサスの土地、水、気候を生かした力強いウイスキー造りを特徴としており、近年注目を集めているテキサス・ウイスキーの代表的なブランドの一つです。

ブランドはマイク・キャメロン氏によって立ち上げられ、2017年に正式に市場へ登場しました。ブランド名は、南西テキサスを流れる「デビルズ・リバー」に由来しています。この川は透明度の高い美しい水源として知られており、ブランド名にはテキサスの自然や開拓精神への敬意が込められています。

その後、サンアントニオに蒸溜所と直営施設を開設し、製造だけでなく試飲や観光体験を提供する地域密着型のクラフト蒸溜所として展開しています。テキサスらしい開放的な雰囲気と、独自性のある商品展開によってファンを増やしてきました。

代表銘柄の「デビルズリバー バーボン」は、高ライ麦タイプのマッシュビルを採用したテキサス・ストレートバーボン。ライ麦由来のスパイシーさと、トウモロコシ由来の甘みを組み合わせた力強いスタイルが特徴です。

また、「バレルストレングス」や「シングルバレル」など、より樽の個性を楽しめる限定ラインも展開されています。特にバレルストレングスは、加水による調整を行わず、樽から取り出した原酒の力強さを残した仕様で、テキサスの厳しい熟成環境による濃厚な味わいを楽しむことができます。

デビルズリバーでは、バーボンだけでなくライウイスキーにも力を入れています。ライウイスキーはライ麦比率の高いレシピを採用し、スパイス、ハーブを思わせるシャープな風味が特徴です。さらに、シナモンやコーヒーなどを加えたフレーバードウイスキーも展開し、クラフトブランドらしい幅広い表現を行っています。

テキサス・ウイスキーの大きな特徴は、州内の高温で乾燥した気候による熟成の速さです。夏場の激しい温度変化によって樽の呼吸が活発になり、短期間でも濃厚な樽香や深い色合いが生まれます。デビルズリバーも、このテキサス特有の環境を活かした、力強く濃密なスタイルを追求しています。

デビルズリバー ライ
created by Rinker

 

24、Early Times(アーリータイムズ)

Early Times(アーリータイムズ)

種類:日本向け輸出仕様はバーボンウイスキー、米国内向けはケンタッキー・ウイスキー

蒸溜所:バートン1792蒸溜所(ケンタッキー州バーズタウン)

楽天市場価格[2026年8月]:1,380円(アーリータイムズ ホワイト)

アーリータイムズは、1860年にケンタッキー州で誕生した歴史あるアメリカンウイスキーブランドです。創業者はジョン・ヘンリー・「ジャック」・ビーム氏で、後に世界的なバーボン一族となるビーム家の流れをくむブランドの一つとして知られています。

ブランド名の「Early Times」は、開拓時代の昔ながらの酒造りや伝統的な製法を意味する「Early Times Method」に由来しています。創業当時のバーボン造りへの敬意を込めた名称であり、現在でもクラシックなアメリカンウイスキーの象徴的なブランドとして受け継がれています。

発売後、アーリータイムズは品質の高さと手頃な価格から人気を獲得しました。特に禁酒法時代(1920〜1933年)には、多くの蒸溜所が閉鎖に追い込まれる中、ブラウン・フォーマン社がブランドの在庫原酒を取得し、政府公認の「薬用ウイスキー」として販売を継続しました。この時代を乗り越えたことで、アーリータイムズは数少ない歴史あるブランドとして存続することになります。

禁酒法終了後は本格的な生産を再開し、1950年代にはアメリカ国内で最も売れているバーボンブランドの一つに成長しました。長年にわたり、アメリカの家庭やバーで親しまれる定番ウイスキーとして広く流通してきました。

しかし1980年代以降、アーリータイムズの製品仕様には大きな変化がありました。米国内向けのスタンダード品では、熟成に使用済み樽を一部使用する製法へ移行したため、アメリカの規定上「バーボン」と表記できなくなり、「ケンタッキー・ウイスキー」として販売されるようになりました。

一方、日本向け輸出品は新樽熟成のバーボン規格を満たしているため、現在でも「バーボンウイスキー」として販売されています。このように、同じブランド名でも販売地域によって分類が異なる珍しいケースとなっています。

長年ブランドを所有していたブラウン・フォーマン社は、2020年にアーリータイムズをサゼラック社へ売却しました。その後、2021年からはサゼラック傘下のバートン1792蒸溜所で製造されています。これにより、現在は「1792」や「バートン」ブランドと同じケンタッキーの伝統的な製造環境の中で生産されています。

現在のラインナップには、日本市場で長く親しまれている「アーリータイムズ ホワイト」などがあります。軽快で親しみやすい味わい。クセが少なく飲みやすいため、ストレートやロックだけでなく、ハイボールやカクテルのベースとしても優れています。

アーリータイムズ ホワイト
created by Rinker

 

25、Eagle Rare(イーグルレア)

Eagle Rare(イーグルレア)

種類:ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー

蒸溜所:バッファロートレース蒸溜所(ケンタッキー州フランクフォート)

楽天市場価格[2026年8月]:5,550円(イーグル・レア 10年)

イーグル・レアは、1975年にシーグラム社によって誕生したプレミアム・バーボンブランドです。ブランド名は、アメリカの国鳥である「ハクトウワシ(Bald Eagle)」を意味するイーグルと、希少性や特別感を表す「レア(Rare)」を組み合わせたものです。力強さと優雅さを兼ね備えたバーボンというコンセプトが、ブランド名にも込められています。

発売当初は10年熟成のシングルバレル・バーボンとして展開され、当時としては珍しい長期熟成プレミアムバーボンとして注目を集めました。その後、所有者の変遷を経て、現在はサゼラック社傘下のバッファロートレース蒸溜所で製造されています。

バッファロートレース蒸溜所では、「バッファロートレース」「ブラントン」「E.H.テイラー」など数多くの有名ブランドを製造していますが、イーグル・レアはその中でも特に長期熟成にこだわったプレミアムラインとして位置づけられています。

使用される原酒は、バッファロートレースの低ライ麦タイプのマッシュビルを採用しています。トウモロコシ由来の豊かな甘みと、ライ麦による穏やかなスパイス感を持つ原酒を、厳選された樽でじっくり熟成させることで、滑らかで奥行きのある味わいを生み出しています。

スタンダードボトルである「イーグル・レア 10年」は、最低10年間熟成された原酒を使用し、90プルーフ(45%)でボトリングされています。10年熟成ならではの落ち着いた樽香と、バランスの良い余韻が魅力です。

近年ではラインナップの拡充も進んでいます。2025年には「イーグル・レア 12年」が通常ラインに加わり、95プルーフ(47.5%)という、より力強い仕様で展開されています。さらに限定品として、「イーグル・レア 17年」や「ダブルイーグル・ベリー・レア(20年熟成)」など、極めて希少な長期熟成ボトルも存在します。

特に「ダブルイーグル・ベリー・レア」は、長期熟成された原酒を使用した最高級クラスのバーボンで、専用のクリスタルデキャンタに収められるなど、コレクターズアイテムとしても高い人気を誇ります。

イーグル・レア 10年
created by Rinker

 

26、Elijah Craig(エライジャクレイグ)

Elijah Craig(エライジャクレイグ)

種類:ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー、ライウイスキー

蒸溜所:ヘヴンヒル蒸溜所(ケンタッキー州バーズタウン)

楽天市場価格[2026年8月]:3,486円

エライジャ・クレイグは、18世紀のバプテスト派牧師であり、アメリカの酒造史に名を残すエライジャ・クレイグ氏に敬意を表して名付けられたプレミアムバーボンブランドです。エライジャ・クレイグは「バーボンの父」と呼ばれる人物で、1789年頃に焦がしたオーク樽(チャーした新樽)でウイスキーを熟成させる製法を発見したという逸話で広く知られています。

ただし、近年の研究では「エライジャ・クレイグがバーボンの発明者である」という説には確実な史料が少なく、伝説的なブランドストーリーとして語り継がれている側面があります。それでも、チャーしたオーク樽による熟成がアメリカンウイスキーの発展に大きな影響を与えたことは間違いなく、現在でもバーボン文化を象徴する人物の一人として認識されています。

ブランドとしてのエライジャ・クレイグは、1986年にヘヴンヒル社によって発売されました。当時、長期熟成バーボンの価値がまだ十分に評価されていなかった時代に、ヘヴンヒルは熟成による深みを前面に押し出したプレミアムバーボンとして展開しました。

現在はヘヴンヒル蒸溜所の主要ブランドの一つとして生産されています。ヘヴンヒルは1935年創業の家族経営系蒸溜所で、禁酒法終了後に設立された比較的新しい蒸溜所ながら、現在ではジムビームやバッファロートレースと並ぶケンタッキーを代表するバーボンメーカーの一つとなっています。

エライジャ・クレイグの製造は、過去にはバーンハイム蒸溜所(ルイビル)などで行われていた時期もありましたが、現在はヘヴンヒルのバーズタウン拠点を中心に生産されています。

代表銘柄の「エライジャ・クレイグ スモールバッチ」は、94プルーフ(47%)でボトリングされるスタンダードラインです。複数の熟成樽を厳選してブレンドすることで、安定した品質と複雑な味わいを実現しています。

かつては「12年熟成」の年数表記付きボトルがスタンダードでしたが、需要増加に伴い現在は年数非表記(NAS)のスモールバッチへ変更されています。一方で、限定的にリリースされる「エライジャ・クレイグ バレルプルーフ」では、樽出しに近い濃厚な味わいを楽しむことができます。

ラインナップには、バレルプルーフ、18年熟成、ライウイスキーなども展開されています。特に「エライジャ・クレイグ バレルプルーフ」は、世界的なウイスキーコンペティションでも高い評価を受けており、熟成バーボンの力強さと複雑さを求める愛好家から人気を集めています。

長い熟成による樽香、クラシックな製法、そして「バーボンの父」という歴史的な物語を持つエライジャ・クレイグは、ヘヴンヒルを代表するブランドであり、ケンタッキーバーボンの伝統を現在に伝える重要な一本です。

エライジャクレイグ
created by Rinker

 

27、Evan Williams(エヴァンウィリアムス)

Evan Williams(エヴァン・ウィリアムス)

種類:ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー

蒸溜所:ヘヴンヒル蒸溜所(ケンタッキー州バーズタウン)

楽天市場価格[2026年8月]:1,550円

エヴァン・ウィリアムスは、ケンタッキー州を代表する歴史あるバーボンブランドのひとつです。ブランド名は、ウェールズ出身の移民であり、アメリカ初期の蒸留家として知られるエヴァン・ウィリアムス氏に由来しています。

伝承によれば、エヴァン・ウィリアムスは1783年にケンタッキー州ルイビルのオハイオ川沿いで蒸留所を設立し、ケンタッキーで最初期に商業的なウイスキー造りを行った人物とされています。そのため、ブランドでは「ケンタッキー初の商業蒸留家」として紹介されることがあります。

ただし、歴史研究ではこの説について異なる見解もあり、エヴァン・ウィリアムスが実際にどの程度の規模で蒸留を行っていたかについては議論があります。それでも、ケンタッキーの蒸留文化を象徴する人物の一人として、現在もブランドストーリーの中心に位置づけられています。

現在のエヴァン・ウィリアムスブランドは、ヘヴンヒル社によって1957年に発売されました。禁酒法終了後に設立されたヘヴンヒルは、現在ではケンタッキーを代表する大手バーボンメーカーの一つであり、エライジャ・クレイグと並ぶ主要ブランドとしてエヴァン・ウィリアムスを展開しています。

製造は現在、ヘヴンヒルのバーズタウンを中心とした生産体制で行われています。過去にはルイビルのバーンハイム蒸溜所でも製造されていましたが、現在はヘヴンヒル独自の熟成・ブレンド技術によって安定した品質を維持しています。

代表銘柄の「エヴァン・ウィリアムス ブラックラベル」は、手頃な価格ながら本格的なバーボンの味わいを楽しめる定番ボトル。特にアメリカ国内では、日常的に楽しめるスタンダードバーボンとして高い人気を持ち、ジムビームやアーリータイムズなどと並ぶ「手頃で品質の高いバーボン」の代表格として知られています。

ラインナップも豊富で、より深みのある味わいを楽しめる「エヴァン・ウィリアムス 1783 スモールバッチ」、アメリカのボトルド・イン・ボンド法に基づく「ボトルド・イン・ボンド」、さらに単一樽から瓶詰めされる「シングルバレル」などを展開しています。

「エヴァン・ウィリアムス シングルバレル」は、ヴィンテージ表記が入る珍しいバーボンの一つで、樽ごとの個性を楽しめる点が特徴です。発売時期や樽番号によって味わいが異なるため、コレクターや愛好家からも支持されています。

エヴァン・ウィリアムスは、歴史的な物語を持ちながら、日常的に楽しめる価格帯を維持している点が大きな魅力です。安定した品質、豊富なラインナップ、そしてケンタッキーらしい甘く力強い味わいによって、世界中で愛され続けているバーボンブランドです。

 

28、Ezra Brooks(エズラブルックス)

Ezra Brooks(エズラブルックス)

種類:ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー、ライウイスキー、ブレンデッドウイスキー、ブルボンクリーム

蒸溜所:ラックス・ロー・ディスティラーズ(ケンタッキー州バーズタウン)

楽天市場価格[2026年8月]:2,948円(エズラ・ブルックス 99プルーフ)

エズラ・ブルックスは、1957年に誕生した歴史あるケンタッキーバーボンブランドです。手頃な価格ながら本格的な味わいを持つブランドとして長く支持されており、現在はラックス・ロー・ディスティラーズを代表する主要銘柄の一つとなっています。

ブランドは、フランク・シルヴァーマン氏によって立ち上げられました。当時、ジャックダニエルの人気が高まり供給不足となっていた市場背景を受け、新たなプレミアムアメリカンウイスキーとして展開されたとされています。

発売当初は、ケンタッキー州ローレンスバーグにあったホフマン・ディスティリング社で製造されていました。その後、ブランドの所有権や製造体制は何度か変化し、1993年にはLuxcoの前身であるデイヴィッド・シャーマン社の傘下となりました。現在はLuxcoが設立したラックス・ロー・ディスティラーズで生産されています。

エズラ・ブルックスの大きな特徴の一つが、「チャコール・メロウイング」と呼ばれる製法です。これは蒸留後の原酒を木炭層でろ過する工程で、一般的にはテネシーウイスキーで知られる手法ですが、エズラ・ブルックスも発売当初からこの工程をブランドの個性として打ち出してきました。

また、バーボンの基本であるサワーマッシュ製法を採用しています。これは前回蒸留した発酵液の一部を次回の仕込みに加える伝統的な方法で、発酵環境を安定させ、毎回一貫した品質のウイスキーを造る役割を果たしています。

代表銘柄の「エズラ・ブルックス ブラックラベル」は、40%(80プルーフ)で瓶詰めされるスタンダードボトル。軽快なオーク香と穏やかなスパイス感、クセが少なく飲みやすいため、ストレートからハイボール、カクテルまで幅広く楽しめます。

「エズラ・ブルックス 99プルーフ」は、ブランドを代表する人気ラインの一つです。50%(99プルーフ)という高めのアルコール度数でボトリングされており、通常版よりも力強いコクと厚みがあります。

さらにプレミアムラインとして「オールドエズラ 7年 バレルストレングス」も展開されています。こちらは7年以上熟成された原酒を加水せず瓶詰めする仕様で、濃厚な樽香、熟した果実、ダークチョコレートのような複雑な風味を楽しめる一本です。

そのほかにも、ライ麦由来のスパイシーな個性を楽しめるライウイスキー、複数の原酒を組み合わせたブレンデッドウイスキー、甘みを加えたブルボンクリームなど、クラフト感のある幅広い商品展開を行っています。

エズラ・ブルックスは、希少な限定品で注目を集めるタイプのブランドではありませんが、長い歴史、独自のチャコール・メロウイング、安定した品質、そして手頃な価格という魅力を持っています。日常的に楽しめるケンタッキーバーボンとして、アメリカ国内外で愛され続けている実力派ブランドです。

エズラブルックス 99 プルーフ
created by Rinker

 

29、Few Spirits(フュー スピリッツ)

FEW Spirits(フュー スピリッツ)

種類:ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー、ストレートライウイスキー、アメリカン・シングルモルトウイスキー、ジン

蒸溜所:FEW Spirits(イリノイ州エバンストン、918 Chicago Avenue)

楽天市場価格[2026年8月]:10,980円(FEW Spirits バーボン)

FEW Spiritsは、2011年にポール・ヘトコ氏によって設立されたイリノイ州エバンストンのクラフト蒸溜所です。小規模ながら、原料の選定から蒸留、熟成、瓶詰めまでを自社で管理する「grain to glass(グレイン・トゥ・グラス)」の製造哲学を掲げ、独自性の高いアメリカンウイスキーを生み出しています。

蒸溜所名の「FEW」は、エバンストンの歴史に深く関わる人物であるフランシス・E・ウィラード(Frances E. Willard)の頭文字に由来しています。彼女は19世紀の禁酒運動を主導した女性活動家で、禁酒団体「Woman’s Christian Temperance Union(WCTU)」の会長を務めた人物です。

エバンストンはかつてアルコール販売が厳しく制限されていた「禁酒の町」として知られていました。そんな土地に再び蒸溜所を誕生させたこと自体が、FEW Spiritsの大きな物語となっています。禁酒運動の歴史を持つ街で、現代的なクラフトスピリッツ文化を築くという対比がブランドの象徴です。

創業者のポール・ヘトコ氏は、写真家やマーケティング分野での経験を持つ人物で、単なる伝統的なウイスキー製造ではなく、「歴史を尊重しながら新しい表現を追求する」ことを目的に蒸溜所を立ち上げました。

また、ヘトコ氏は自身の家族のルーツや第二次世界大戦によって失われたヨーロッパの醸造文化への思いを背景に、アメリカで新たなスピリッツ文化を築くことを目指したとされています。

FEW Spiritsでは、クラフト蒸溜所らしい小型の蒸留設備を使用し、伝統的なバーボンやライウイスキーだけでなく、実験的な原料や製法にも積極的に挑戦しています。

代表的な「FEW Bourbon」は、コーンを主体としたバーボンで、甘い穀物感とオーク樽由来の香ばしさが特徴です。バニラ、キャラメル、トーストした木材のニュアンスに加え、ライ麦由来のスパイス感が加わり、力強さと滑らかさを兼ね備えています。

「FEW Rye」は、ライ麦特有のペッパーやハーブを思わせる風味を前面に出した一本です。一般的なケンタッキースタイルのライウイスキーとは異なり、クラフトらしい個性的な香味を楽しめる点が魅力です。

また、FEW Spiritsはジン造りにも力を入れており、「FEW American Gin」などを展開しています。ウイスキー蒸溜所ならではの豊かなボタニカル表現を取り入れたジンとして評価されています。

さらに、アメリカン・シングルモルトにも取り組んでおり、近年アメリカ各地で広がる新しいウイスキー文化の一翼を担っています。スコッチの伝統をそのまま模倣するのではなく、アメリカ産原料や独自の熟成環境を活かした表現を追求しています。

2020年代には、FEW Spiritsはヘヴンヒル・ブランズの傘下となりました。これにより、小規模クラフト蒸溜所として培った個性と、大手メーカーの販売・流通網を組み合わせた展開が進められています。一方で、2026年初頭には創業者ポール・ヘトコ氏がブランド運営から離れたことも報じられ、創業期から続いた時代に一つの節目を迎えています。

フュー スピリッツ バーボン
created by Rinker

 

30、Finger Lakes Distilling(フィンガーレイクス・ディスティリング)

Finger Lakes Distilling(フィンガーレイクス・ディスティリング)

種類:ストレートライウイスキー、ウィーテッド系ボトルド・イン・ボンド・バーボン、ピュア・ポットスティル・ウイスキー、ジン、ウォッカ、ブランデー、グラッパ、リキュールなど

蒸溜所:フィンガーレイクス・ディスティリング(ニューヨーク州バーデット)

楽天市場価格[2026年8月]:在庫なし

フィンガーレイクス・ディスティリングは、ニューヨーク州フィンガーレイクス地域に誕生したクラフト蒸溜所です。2007年にブライアン・マッケンジー氏によって設立され、2008年末から本格的な蒸溜を開始しました。ニューヨーク州におけるクラフト蒸溜所の先駆け的存在の一つであり、現在では同州を代表するファーム・ディスティラリーとして知られています。

創業者のブライアン・マッケンジー氏は、フィンガーレイクス地域で生まれ育った人物です。地元の農業やワイン文化に強い影響を受け、地域で育った原料を使い、その土地ならではのスピリッツを造ることを目標に蒸溜所を立ち上げました。

蒸溜所は、ニューヨーク州最大級の湖の一つであるセネカ湖を望む場所に位置しています。周辺には数多くのワイナリーが存在する「フィンガーレイクス・ワインカントリー」が広がっており、ブドウ栽培や農業が盛んな地域です。フィンガーレイクス・ディスティリングも、その土地の環境を活かした「ファーム・トゥ・ボトル(Farm to Bottle)」の理念を掲げています。

ニューヨーク州のファーム・ディスティラリー認証を取得しており、州内で栽培された穀物や果実など、地域産原料を積極的に使用しています。大量生産ではなく、土地の個性を表現するクラフトスピリッツ造りを重視しています。

代表的なウイスキーブランドが「McKenzie(マッケンジー)」シリーズ。ライウイスキー、バーボン、ポットスティル・ウイスキーなど、多彩なラインナップを展開しています。

「McKenzie Rye Whiskey」は、ニューヨーク産のライ麦を使用したストレートライウイスキーです。ライ麦由来のスパイシーさや穀物の香ばしさを持ちながら、クラフトウイスキーらしい柔らかな個性を楽しめます。

また、「McKenzie Bottled-in-Bond Bourbon」は、ボトルド・イン・ボンド法に基づいて製造されたプレミアムバーボンです。単一蒸溜所・単一蒸留年度の原酒を4年以上熟成し、100プルーフで瓶詰めする伝統的な規格を採用しています。ウィーテッド(小麦使用)タイプのレシピによって、一般的なバーボンよりも滑らかで甘みのある味わいを目指しています。

さらに、伝統的な銅製ポットスチルを使用した「McKenzie Pure Pot Still Whiskey」など、アメリカでは珍しいスタイルのウイスキーにも挑戦しています。アイルランドのポットスチルウイスキー文化から着想を得ながら、アメリカ産原料による独自の表現を追求しています。

蒸溜設備にはポットスチルと連続式蒸留器の両方を備えており、製品ごとに適した製法を使い分けています。ウイスキーだけでなく、ジン、ウォッカ、ブランデー、グラッパ、リキュールなど幅広いカテゴリーの商品を製造している点も特徴です。

特にブランデーやグラッパでは、周辺地域のワイン文化とのつながりを活かしています。フィンガーレイクスという土地の農業・醸造文化を総合的に表現する蒸溜所として、多方面から評価されています。

フィンガーレイクス・ディスティリングは、ケンタッキーの伝統的なバーボンとは異なる、ニューヨークらしい地域性と革新性を持ったブランド。地元農業との結びつき、少量生産へのこだわり、そして多様な蒸溜技術を融合させた、アメリカン・クラフトウイスキーの魅力を体現する存在といえます。

 

31、Fleischmann’s(フライシュマンズ)

Fleischmann’s(フライシュマンズ)

種類:かつてはブレンデッドウイスキー、ライウイスキー、ケンタッキー・ストレートバーボンを展開。現在は主にジン・ウォッカブランドとして存続

蒸溜所:現在はサゼラック社が商標を保有

楽天市場価格[2026年8月]:在庫なし

Fleischmann’s(フライシュマンズ)は、19世紀に誕生した非常に長い歴史を持つアメリカの酒類ブランドです。その起源は1868年、チャールズ・フライシュマン氏、マクシミリアン・フライシュマン氏、ジェームズ・ガフ氏によって設立された酵母製造事業にさかのぼります。

当初の主力事業は蒸留酒ではなく、パンやビールなどに使用される酵母の製造でした。フライシュマンズ社の酵母は品質の高さから急速に普及し、19世紀後半にはアメリカ最大級の酵母メーカーへと成長しました。

1870年にはオハイオ州リバーサイドに蒸溜所を建設し、酵母事業で培った発酵技術を生かして蒸留酒製造へ進出しました。当初はジンやウォッカを中心に展開し、さらに「シルバングローブ(Sylvan Grove)」などのバーボンも製造していました。

フライシュマンズは、酵母メーカーとしての知名度を背景に酒類市場でも存在感を高め、20世紀にはウイスキーブランドとしても広く流通しました。かつてはブレンデッドウイスキー、ライウイスキー、ケンタッキー・ストレートバーボンなど幅広いカテゴリーの商品を展開し、アメリカの家庭やバーで親しまれていました。

しかし、1920年から1933年まで続いた禁酒法によって酒類事業は大きな影響を受けました。禁酒法終了後、フライシュマンズは蒸留酒事業を再編し、1940年にはケンタッキー州オーウェンズボロの蒸溜所を取得して、ウイスキー生産の中心拠点を移しました。

その後、ブランドの所有権は時代とともに変化していきます。フライシュマンズは複数の企業によって所有され、1995年にはBarton Brandsの傘下となり、さらに2009年にはサゼラック社へ移行しました。現在はサゼラックがブランド商標を保有しています。

かつてのフライシュマンズは、バーボンやライウイスキーを含む総合的なアメリカンウイスキーブランドでしたが、現在ではジンとウォッカブランドとしての展開が中心となっています。特に「Fleischmann’s Gin」は、手頃な価格帯のアメリカンジンとして長く流通してきました。

一方、フライシュマンズのもう一つの歴史である酵母事業は酒類ブランドとは別の道を歩んでいます。現在、フライシュマンズの酵母関連事業はAB Mauri傘下で継続されており、食品産業における重要なブランドとして存続しています。

フライシュマンズは、現在のウイスキー市場では目立つ存在ではありませんが、19世紀から続くアメリカ酒類産業の歴史を語るうえで重要なブランド。酵母製造から蒸留酒へ進出し、禁酒法を乗り越え、時代の変化に合わせて形を変えてきた点は、アメリカンウイスキー史における興味深い一例といえます。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました