【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|プルトニー Pulteney
地域:北ハイランド
創業年:1826年
タイ・ビバレッジ社
スコットランドの最北にある港街、ウィックにある蒸留所。ウィックはヨーロッパ最大のニシンのとれる港として有名で『ウィックの「金」はプルトニーのウイスキー、「銀」はニシン』と言われていた時代もありました。
ノンピーテッドモルトから造られるウイスキーは、潮気を感じる個性的でオイリーな味わい。ピーティーではありませんがアイラ島を思わせるような独特な風味が人気となり、シングルモルトとしての売り上げを増やしています。
オールド・プルトニー12年
オールド・プルトニー12年
- アルコール度数:40%
- 参考価格:4700円
シングルモルトのラインナップは12年、15年、18年、25年と充実しており、酒齢が上がるたびにより個性的で面白くなっていくのが、プルトニーの魅力です。
オールド・プルトニー12年はノンピーテッドでありながら実に個性的。まったりとした「塩バニラキャンディー」。ハイランドでありながらアイランズモルトのような独特の風味を持っています。
飲み方はストレートがおすすめですが、ハイボールにしても個性は失われない所も魅力です。
【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ブレアアソール Blair Athol
地域:南ハイランド
創業年:1798年
MHD
旧UD社時代のオフィシャルボトル「花と動物」シリーズでは、カワウソが描かれたラベルが印象的だったブレアアソール。蒸留所の名前も『カワウソの小川』という意味のゲール語から名付けられています。蒸留所の歴史はハイランドの中でも長く、1798年の創業。ブレンデッドウイスキー「ベル」の重要な原酒として重宝されてきました。
ブレアアソールではシングルモルト用とブレンデッド用で原酒造りをしっかり分けており、オフィシャルシングルモルト(花と動物12年)にはシェリー樽熟成を使い、ブレンデッドにはバーボン樽で寝かせたものを主に使用しています。
ブレアアソール 12年 花と動物
ブレアアソール 12年 花と動物
- アルコール度数:43%
- 参考価格:10000円
花と動物シリーズのブレアアソール(ブレアソール)はシェリー樽の原酒を使用した昔ながらのハイランドモルト。近年増加傾向にある、甘みと樽熟成がしっかりとした初心者向けシングルモルトとは違って、華やかさのあるドライテイスト。スパイス、フルーツ、モルト、オロロソシェリーの風味が複雑に混じり合っています。
クセは少なく、なめらかな口当たりのライト~ミディアムボディ。やはりストレートで飲みたいですね。
値上がりしても未だに人気のあるボトル。購入するなら早めがいいかもしれません。
【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ベンネヴィス Ben Nevis
地域:西ハイランド
創業年:1825年
ニッカウヰスキー
ベンネヴィス山の麓にあるベンネヴィスはニッカウヰスキーが所有する蒸留所。創業は1825年。創業家であるマクドナルド家が経営していたのは1940年代まで。その後はオーナーがいく度と変わりますが、1989年にニッカウヰスキーが買収します。
ここ数年は、生産量の7割ほどをニューポットの状態で日本に送り、ニッカ製品のブレンデッドウイスキーの原酒として利用されています。スコッチの法律上は「スコッチ」と名乗らなければ問題はありません。しかし日本で熟成を経たとしても、「ジャパニーズウイスキー」とも当然名乗れないわけですから、「スコッチでもジャパニーズでもないウイスキー(ワールドブレンデッド)」のブレンド原酒として大いに貢献しています。
ベン・ネヴィス 10年
ベン・ネヴィス 10年
- アルコール度数:43%
- 参考価格:8500円
ベン・ネヴィス蒸留所のオフィシャルボトルは「ベン・ネヴィス 10年」のみで、蒸留所の規模(生産量)からすれば、もう少しシングルモルトのラインナップがあっても良いと思ってしまいます。
ハイランドモルトの中では平均的な個性の強さ。若干のピーティーさにフルーティー&モルティーフレーバー。樽香は控えめで、ドライにまとまっています。加水するとバニラやはちみつ。ハイボールにしても飲みごたえがあります。
昔ながらのボトルデザインもカッコよくて好き。
【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ロイヤルブラックラ Royal Brackla
地域:東ハイランド
創業年:1812年
バカルディ社
シングルモルトで「ロイヤル」を名乗ることが許された蒸留所はわずか3か所。「ロイヤルロッホナガー」「グレンユーリーロイヤル」。そして「ロイヤルブラックラ」。グレンユーリーロイヤルは閉鎖してしまったので、現在操業しているのはロッホナガーとブラックラだけとなっています。
ロイヤルブラックラ が王室御用達となったのは1835年。植民地戦争で各地を転々としていたウィリアム4世が、蒸留所の近く訪問した際に献上され、認められました。その後ロイヤルブラックラは『キングス・オウン・ウイスキー』(王様のウイスキー)と呼ばれ、名声が高まりました。
ロイヤル・ブラックラ 12年
ロイヤル・ブラックラ 12年
- アルコール度数:46%
- 参考価格:8200円
ロイヤル・ブラックラ 12年はファーストフィルのシェリー樽でフィニッシュを施しています。香りの印象からはシェリーの風味は強く感じませんが、余韻にはオロロソシェリーのドライフルーツやナッツのような香ばしさがあります。
昔のボトルよりもフレッシュでクセがなく、さらに飲みやすくなった印象。ハイボールやロックでもスッキリと飲みたい場合には適しています。
公式サイトでは「年間数量限定商品」との記載がありました。スコッチのフラッグシップボトルが限定生産というのは珍しいかもしれません。(クラフト蒸留所系は多いのですが…)
【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ロイヤルロッホナガー Royal Lochnagar
地域:東ハイランド
創業年:1845
MHD
英王室の夏の保養所「バルモラン城」が近くにあることから、女王一家が蒸留所を見学に訪れ、そのことがきっかけで「王室御用達」を許可するワラントを授かりました。それ以降、「ロッホナガー」から「ロイヤル」を付けて「ロイヤルロッホナガー」と呼ばれるようなります。
ヴィクトリア女王はロイヤルロッホナガーを気に入っていたようで、一級品のボルドーワインにロッホナガーを数滴入れて飲むという、如何にも王室らしい⁉飲み方をしていたそうです。
原酒の9割はブレンデッド用となっており、「ジョニーウォーカー」や、日本では馴染みのない「ウィンザー」にブレンドされています。
ロイヤルロッホナガー 12年
ロイヤルロッホナガー 12年
- アルコール度数:40%
- 参考価格:4200円
東ハイランドのシングルモルトウイスキーは独特な個性をもった銘柄が多いのですが、ロイヤルロッホナガー12年はその中でも控えめでスムースな印象です。華やかさがあり、青りんご、モルト、はちみつ、ウッディネスなバニラ。ライトボディで繊細。
クセが少なく飲みやすいので、初心者向け。シングルモルトの価格は高騰していますが、12年物なのに4000円台で購入できるのも魅力ですね。コスパに優れた1本。
【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ロッホローモンド Loch Lomond
地域:南ハイランド
創業年:1965年
ヒルハウス・キャピタルマネジメント社
当時スコットランド最古の蒸溜所であったリトルミル蒸留所(1772-1994 )によって創業されました。現在の場所に移転したのは1965年。その後1984年には一度閉鎖されますが、1987年にはアレクサンダー・ブロッホ&グレンカトリン社が買い取り、生産を再開します。1994年にはグレーンウイスキーの蒸溜所と自社専用の樽工場を新設。この当時、ロッホローモンドはモルトとグレーンの両方を生産している唯一の蒸溜所でした。
2007年にカフェスチル(コフィ―スチル)型の連続式蒸留器も導入され、多種多様な原酒を生み出す複合蒸留所としてさらに注目されるようになります。
ロッホローモンドは多種多様なモルト原酒を生み出していることから、シングルモルトのブランド銘もそれぞれ別々の名が付けられていました。しかし2019年にオーナーが中国の投資会社に変わったことで、ブランド銘の見直しが行われて、分かりにくい呼称を改訂。現在、オフィシャルシングルモルトは「ロッホローモンド」の名称に統一されています。
ロッホローモンド 12年
ロッホローモンド 12年
- アルコール度数:46%
- 参考価格:4700円
ロッホローモンド蒸留所のオフィシャルボトルは数多くありますが、やはり代表的なのは「ロッホローモンド 12年」でしょう。バーボンカスク、リフィルカスク、リチャーカスクの3種の樽で熟成した原酒をバランスよくブレンド。多様な原酒を造り分けるロッホローモンド蒸留所ならではの、高品質なシングルモルトウイスキーです。
クラシックなハイランドモルトというよりも、現代的な12年物のシングルモルトと言った印象。ストレートに限らず、ハイボールやロック、水割りなどの飲み方にも対応できるようなボディをもっており、クセも少なく万人受けする飲みやすさがあります。
ハイランドは分別されている「地域」のなかでは最も広域で、ハイランドと一言にいっても「東西南北」でスタイルが異なります。
造られているオフィシャル・シングルモルトウイスキーが多種多様にあって面白いでので、気になったボトルはぜひ飲んでみて下さい♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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