ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは

ユースケ
ユースケ

こんばんは。ユースケです。

僕の自己紹介:経歴9年の現役バーテンダー。ウイスキー文化研究所認定「ウイスキーエキスパート」。JSA認定「ソムリエ」。

この記事ではアメリカンウイスキーのことを、わかりやすく初心者向けにお話しようと思います。皆さんは、「アメリカンウイスキー」という言葉をあまり聞かないかもしれません。アメリカで作ったウイスキーで「連邦アルコール法」に従って作られたものが、アメリカンウイスキーです。

アメリカンウイスキーの代表的なものが、「バーボンウイスキー」ですね。じつは、アメリカではバーボン以外にもウイスキーを作っています。

今回は、バーボンウイスキーはもちろんのこと、他のウイスキーの紹介と、バーボンウイスキーの誕生の歴史についてもお話ししようと思います。

意外と知らなかったバーボンのことや、他のアメリカンウイスキーのことを知ることで、また新しい世界が開けてきます。お好みのウイスキーを見つけることもできると思います。最後まで是非ご覧ください。

 

ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?

アメリカンウイスキーとは

アメリカ合衆国の連邦アルコール法で規定された通り作られているウイスキーのことです。

蒸留所の数は9か所で、生産規模の大きい蒸留所が複数のブランドを生産している傾向があります。主な生産地はケンタッキー州テネシー州ですが、近年マイクロディスティラリー(小規模蒸留所)が増えており、さまざまな州で多彩なアメリカンウイスキーが生産されています。

アメリカンウイスキーの主流は、トウモロコシを原料にした「バーボンウイスキー」です。その他、日本で一般的なのは「ライウイスキー」や「ホイートウイスキー」などがあります。

 

アメリカンウイスキーの定義

アメリカンウイスキーの法定義は以下のようになります。

穀物を原料に190プルーフ(95%)以下で蒸留し、オーク樽で熟成(コーンウイスキーは必要なし)

80プルーフ(40%)以上でボトリングしたもの

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

ウイスキーコニサー資格認定試験教本
↓2018上巻


↓2020中巻

↓2021下巻

スコッチやアイリッシュなどのモルトウイスキーの法定義と比べれば、簡単な記述に見えますが、実際は各アメリカンウイスキーにそれぞれの定義が存在しています。細かな法定義は、「アメリカンウイスキーの種類」で説明していきます。

 

ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?7種類あります

アメリカンウイスキーは以下の7種類のことをいいます。

≪バーボン・ウイスキー≫

法定義

原料の51%以上がトウモロコシで、160プルーフ(80%)以下で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。2年以上熟成させたものがストレート・バーボンウイスキー。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

トウモロコシを51%以上使って作り、内側を焦がした新樽で熟成させたウイスキー。

主な銘柄:ジム・ビーム、メーカーズマーク、ワイルドターキー、ハーパー、ジャックダニエルなど

アメリカンウイスキーの王様「バーボンウイスキー」は全世界で飲まれているアメリカを代表するお酒です。

バーボンウイスキーについては別の記事で詳しく説明しています。

バーボンウイスキーの作り方は、スコッチやアイリッシュなどでご説明した「グレーンウイスキー」と似ています。

グレーンウイスキーと違う点は、

  • 内側を真っ黒に焦がした新樽のみを使うところ。(グレーンウイスキーは廃材になる前の、かなり古い樽)
  • 連続式蒸留器の蒸留度数が低い。(バーボンのほうがフレーバーは強くてパワフル)
  • 水が硬水。(硬水の為、特殊な技法であるサワーマッシュ方式が行われる)
  • 樽の熟成させる環境。(ケンタッキー州のほうが乾燥していて暑いため、熟成が早い)

などがあります。

バーボンの特徴は何といってもバニラのような香りと、深みのある味わいです。これは熟成させている樽の影響が強くでていることからです。他のウイスキー(モルトウイスキー)と比べると、バーボンは樽熟成での影響を強くする特徴があります。

 

ユースケ
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※シングルモルトをバーボンと同じ内側を焦がした樽に入れて熟成させると、原料が大麦麦芽にもかかわらず、まるでバーボンみたいなウイスキーになってしまいます。それくらい、「樽」の影響を受けてしまうのが「ウイスキー」なのです。

バーボンウイスキー

 

≪ライウイスキー≫

法定義

原料の51%以上がライ麦で、160プルーフ(80%)以下で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。2年以上熟成でストレート・ライウイスキー。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

→ライ麦を51%以上使って作り、内側を焦がした新樽で熟成させたウイスキー。

主な銘柄:オールドオーバーホルト、ワイルドターキーライ、ノブクリークライ、ミクターズ・シングルバレル・ライなど

バーボンに次いで生産量が多いのが、ライウイスキーです。バーボンと製造方法が似ており、違うのは原料の配合のみといった感じです。バーボンのブランドが、ライウイスキーを作っていることはよくあります。(ワイルドターキー、ウッドフォードリザーブなど)

味わいもバーボンに似ていますが、バーボンと比べると若干軽めに作られることが多いです。ただ、銘柄によってはバーボンのように力強いライウイスキーもありますので、一概には言えませんね。

バーテンダーでも、ブラインドテイスティングで「バーボン」と「ライウイスキー」を言い当てるのは至難の業です。

 

≪ホイートウイスキー≫(ウィートウイスキー)

法定義

原料の51%以上がホイート(小麦)で、160プルーフ(80%)以下で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。2年以上熟成でストレート・ホイートウイスキー。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

→小麦を51%以上使って作り、内側を焦がした新樽で熟成させたウイスキー。

主な銘柄:バーンハイムなど。

ホイート(小麦)がメインで作られるウイスキー。こちらも原料以外はバーボンとほぼ変わりません。ホイートウイスキー(ウィートともいいます)はライウイスキーよりもさらに軽めなイメージです。やわらかい味わいで、落ち着きのあるウイスキーです。

 

≪モルトウイスキー≫

法定義

原料の51%以上がモルトで、160プルーフ(80%)以下で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。2年以上熟成でストレート・モルトウイスキー。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

主な銘柄:ウエストランド アメリカンオーク など

アメリカでもモルトウイスキーを作っていました。ただし、スコッチやアイリッシュと定義が違います。原料として51%以上でモルトウイスキーを名乗れます。そういった意味では、アメリカンウイスキーの「モルトウイスキー」は全く別のウイスキーと言えます。ちなみに、100%モルトで作って場合は「アメリカン・シングルモルトウイスキー」になります。

これも、スコッチの「シングル」(一つの蒸留所)とは違う意味で使用されています。

アメリカン・モルトウイスキーはほとんど流通しておらず、ウイスキーの専門店でない限り見つけられないものとなっていますが、マイクロディスティラリーが増加傾向にある為、将来的にはアメリカン・モルトウイスキーの輸入量が多くなるかもしれません。

 

≪ライモルトウイスキー≫

法定義

原料の51%以上がライモルト(ライ麦芽)で、160プルーフ(80%)以下で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。2年以上熟成でストレート・ライモルトウイスキー。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

ライモルト(ライ麦を麦芽にしたもの)を使って作るウイスキーです。100%ライモルトで作って場合は「シングル・ライモルトウイスキー」になります。

ライモルトウイスキーは日本ではほとんど流通していません。

ユースケ
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恥ずかしい話、わたくしも飲んだことがありません…

 

≪コーンウイスキー≫

法定義

原料にトウモロコシ(コーン)を80%以上使用し、160プルーフ(80%)以下で蒸留したもの。ストレート・コーンウイスキーは古樽か、内側を焦がしていないオークの新樽に125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めし、2年以上熟成させたもの。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

主な銘柄:ジョージアムーン コーン ウイスキー、プラットヴァレーなど

コーンウイスキーはトウモロコシの風味を大切にしてつくるウイスキーです。原料をほぼトウモロコシで作り、熟成も古い樽をつかうことで影響力をマイルドにして、優しく風味付けをしています。

※法定義には「熟成」が入っていないので、アメリカンウイスキーで唯一、熟成させなくてもウイスキーとして認められています。(国際的にみると、熟成しなくてもウイスキーと認められることは異例です)

味わいは、軽めです。でも風味はしっかりあります。「コーン茶」のような香ばしさと甘さがありますね。

 

≪アメリカン・ブレンデッド・ウイスキー≫

法定義

ストレートウイスキーにそれ以外のウイスキーかスピリッツをブレンドしたもので、ストレートウイスキーを20%以上含む。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

日本では見かけたことのない種類のアメリカンウイスキーです。定義を見る限りは「カナディアンウイスキー」に似たタイプではないかと思います。

 

ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?アメリカンウイスキーの歴史

アメリカンウイスキーの歴史について、簡単にご説明します。

17世紀頃 新大陸に渡ったスコットランド人やアイルランド人によってウイスキー作りの文化が広がります。農業の副業として、初めはライ麦などでウイスキーを作っていました。

1776年 アメリカ独立宣言。独立戦争後にジョージ・ワシントンが初代アメリカ大統領に就任。

1791年 ウイスキーに課税をするという政策に、スコットランドやアイルランドの移民たちが猛反発。「ウイスキー戦争」と呼ばれる大規模な反乱になります。大統領のワシントンは軍隊で鎮圧。その後、課税を嫌がった移民たちは、当時はまだ開拓がされていなかったケンタッキーテネシーに逃げていきます。

1783年 エヴァン・ウィリアムズがウイスキーを製造。「アメリカンウイスキーの父」とされている人物です。当時のウイスキーは、現在のアメリカンウイスキーとは少し違いますが、ウイスキー作りを本格的に広めていった人物として有名です。

1789年 エライジャ・クレイグ牧師がトウモロコシを原料にウイスキーを作ります。「バーボンウイスキーの祖」とされる人物です。バーボンのスタイルはこのころから確立していきます。クレイグ牧師の周りに移り始めてきた人たちも、ウイスキー作りを真似するようになり、その後ケンタッキーはバーボンの故郷として有名になっていきました。

1861年 アメリカ南北戦争。北軍が勝利。その後、北軍の資金などがケンタッキー州にも流れ始め、バーボン業界が企業化していきます。1880年にはわずか10社ほどの会社が、200以上あったケンタッキー州の蒸留所の生産量を上回るほどに、大規模生産化が進んでいきます。

1920~1933年 史上最悪の悪法「禁酒法」の時代です。ウイスキーを製造できなくなった為、多くの蒸留所が閉鎖になります。バーボンの衰退で、カナディアンウイスキーの密輸が大量に行われます。

1934年 禁酒法が終わり、バーボン業界は大手資本が介入。蒸留装置が連続式蒸留器になり、生産能力が上がります。

1948年 連邦アルコール法制定。アメリカンウイスキーの定義や規則ができます。この頃からアメリカンウイスキーの輸出が盛んになります。

1964年 アメリカンウイスキーのなかで、バーボンの割合が半分を超えます。業界では蒸留所の買収や、大手企業への移行が盛んになります。

そして現在

かつて200以上あったケンタッキーバーボンの蒸留所ですが、統廃合の結果、わずか9蒸留所にまで減ってしまいました。しかし、アメリカンウイスキー作りが衰退したわけではありません。いまやテネシーの「ジャックダニエル」は単一銘柄の売上げでは世界有数を誇っています。また、そのほか多くの蒸留所が世界中にバーボンウイスキーを出荷しており、アメリカを代表するお酒へとなっていきました。

 

アメリカンウイスキーの歴史 まとめ

  • アメリカンウイスキーはスコットランド人やアイルランド人によってはじめられた副業から発展。
  • ケンタッキー州でバーボンウイスキーが誕生し、生産が盛んになる。
  • その後、企業化、統廃合の結果、蒸留所は減ったものの、その人気から世界のバーボンウイスキーになった。

 

ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?おすすめの飲み方

アメリカンウイスキーのおすすめの飲み方

ユースケ
ユースケ

結論 おすすめの飲み方は「ストレート」「オンザロックス」「ハイボール」。でも、結構なんでも合います。

 

モルトウイスキーの場合は「ストレート」という回答でしたが、アメリカンウイスキー、とくにバーボンウイスキーは力強い個性がありますので、飲み方は一通り合います。飲み方はご自身の好きなものでいいと思います。

 

ちなみに私は…

    • 高級なバーボンは「ストレート」
    • ちょっといいバーボンは「ストレート」か「オンザロックス」
    • リーズナブルなものは「オンザロックス」か「ハイボール」

こんな感じでたのしみます♪

 

ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?おすすめアメリカンウイスキー

ウイスキー初心者、またはアメリカンウイスキー初心者向けにおすすめの銘柄をご紹介します。

選考基準は「バーボン以外のおすすめアメリカンウイスキー」です。バーボンは良く飲んでいても、その他のアメリカンウイスキーを飲んだことない方もいると思います。今回は、馴染みの薄いアメリカンを3本ご紹介いたします。

アメリカンウイスキーの良さを、新たに発見する意味でも参考にしてみてください。

おすすめアメリカンウイスキーその1「オールドオーバーホルト」

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おすすめポイント!

  • ストレート・ライウイスキーの代表格。
  • リーズナブルでコスパ的に高評価!
  • ライウイスキー特有のドライさと、軽めの飲みやすさ。

おすすめアメリカンウイスキーその2「バーンハイム」

おすすめポイント!

  • コクのある味わいの中に飲みやすさがあり、複雑なフレーバー。
  • バーボンとは明らかに異なる!やわらかな口当たり。
  • ストレート・ウィートウイスキーの代表格。おすすめポイント!

おすすめアメリカンウイスキーその3「プラット ヴァレー」

おすすめポイント!

  • ストレート・コーンウイスキーの代表格。
  • コーンなのにフルーティー!?優しく香ります。
  • 「ストーンジャグ」がかっこいい!飾っておいてもよし。

 

各種類、アメリカンウイスキーのなかでは王道の銘柄をご紹介しました。それでも、ウイスキーの専門店でないと置いていないものもあります。上記のサイトでの購入がおすすめです。

 

まとめ

・ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?

→アメリカ合衆国の連邦アルコール法で規定された通り作られているウイスキーのこと。

・ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?7種類あります

→「バーボン」「ライ」「ホイート」「モルト」「ライモルト」「コーン」「ブレンデッド」

・ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?アメリカンウイスキーの歴史

→移民の副業から始まる。のちにケンタッキー州を中心に企業化・統廃合を経て大規模生産に。

・ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?おすすめの飲み方

→「ストレート」「ハイボール」「オンザロックス」

・ウイスキー初心者向け講座 アメリカンウイスキーとは?おすすめアメリカンウイスキー3種類

→ライウイスキー「オールドオーバーホルト」

→ホイート(ウィート)ウイスキー「バーンハイム」

→コーンウイスキー「プラット ヴァレー」

 

 

アメリカンウイスキーの種類から歴史まで、たっぷり解説させて頂きました!

禁酒法時代、低迷を余儀なくされたアメリカンウイスキーでしたが、その後盛り返し、世界中で愛されるウイスキーとなりました。現在は、蒸留所の数が年々増え続けています。伝統的なアメリカンウイスキーと、挑戦的なあたらしいウイスキーがそれぞれをリスペクトしながら共栄、共存しています。これからもアメリカのウイスキーに目が離せませんね。

バーボンウイスキーもおいしいですが、他のアメリカンをまだ飲んだことのない方は、是非一度飲んでみてください。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、また。

 

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