Chivas Regal シーバスリーガル
Chivas Regal シーバスリーガル
製造企業:シーバスブラザーズ社
系列企業:ペルノリカール社
Amazon価格:¥4,250 税込(シーバスリーガル12年)
40% 700ml
シーバスリーガルの歴史は1801年、スコットランドのアバディーンに小さな高級食料品店が開業されたところから始まります。これが後のシーバス社の起源となります。1858年には、兄ジェームスと弟ジョンの「シーバス兄弟」が、シーバスブラザーズ社を創設。1960年代になると、メインのビジネスをウイスキー製造販売に移行します。
シーバス兄弟は60年代から80年代にかけていくつかのブレンデッドウイスキーを発売し、これが高い評価を受け、シーバスブラザーズ社はウイスキーメーカーとしての評判を確立していきました。そして1891年に生まれたのが「シーバスリーガル」。
当初、シーバスはノンエイジの商品でしたが、1909年にアメリカとカナダで初めて商標登録され、その名の通り25年の熟成を誇る「シーバスリーガル25年」が発売されました。この製品は世界初のラグジュアリーウイスキーとして称賛を受け、特に富裕層の間で非常に人気を博しました。
しかし、時代は予期せぬ方向に進みました。シーバス25年は1920年から1933年まで続いた「アメリカ禁酒法時代」の影響で一時的に終了。製品は禁酒法が撤廃された1938年に復活。「シーバスリーガル12年」としてブランドは再び脚光を浴び、世界中のウイスキー愛好家から支持を受けるようになりました。
日本では吉田茂元首相も愛飲していたシーバスリーガル。スコッチ第三位の売上を誇る名門ブレンデッドスコッチは、これからも世界を代表するウイスキーブランドとして飲まれていくことでしょう。
Clan Campbell クランキャンベル
Clan Campbell クランキャンベル
製造企業:シーバスブラザーズ社
系列企業:ペルノリカール社
価格:不明
40% 700ml
知る人ぞ知るブレンデッドスコッチ「クランキャンベル」。製造元はシーバスリーガルでおなじみのシーバスブラザーズ社で、日本ではマイナーブランドですが、年間100万ケース近く販売している人気ブランドです。
クランキャンベルは、スコットランドの名門貴族であるキャンベル家に伝わる秘伝のブレンドウイスキーです。スコットランド特有の氏族制度であるクラン(先祖が同族の血縁集団)に属するキャンベル一族は、スコットランドだけでなく世界中に1,400万人以上のメンバーを持ち、300以上のクランの中でも最大規模を誇っています。
キャンベル家の秘伝のウイスキーとしては、「アーガイル」という銘柄がありますが、これはキャンベル家の居城であるインバレアリー城の売店でのみ販売されている限定品。その代わりとして一般販売向けに開発されたのが、「クランキャンベル」となります。原酒はスペイサイドのモルトウイスキーをメインとしており、シーバスブラザーズ社傘下の「アベラワー」や「グレンアラヒー」などがキーモルトとして採用されています。
かつては12年物が流通していましたが、現在のクランキャンベルには年数表示がないタイプとなり、ラベルにはアーガイル地方の山々と、”Noble”(高貴な)という文字が表記されています。
日本ではほとんど販売されていないようで、一部のオールドボトルが出回っている程度です。
Clan MacGregor クランマクレガー
Clan MacGregor クランマクレガー
製造企業:アレクサンダーマクレガー社
系列企業:ウィリアム・グラント&サンズ社
Amazon価格:¥1,646 税込
40% 700ml
「クランマクレガー」は、グレンフィディック蒸留所などを所有する「ウィリアム・グラント&サンズ社」が1980年代にリリースした比較的新しいウイスキーブランド。グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、ガーヴァンのグレーン原酒を主に使用。
もともと「グランツ」のセカンドラベル的な位置づけでしたが、1990年代に入ると急速な成長を遂げ、1997年には年間販売100万ケースを突破するまでになります。販売先の多くはアメリカ。2000年以降はベネズエラやタイなどの新興国市場での販売量を伸ばしています。
「クランマクレガー」という名は、「マクレガー氏族」に由来。彼らはアーガイル地方に隣接するグレンガイルとグレンロッキーを拠点にしていましたが、1603年にスコットランド国王ジェームズ6世(イングランド国王ジェームズ1世)によって「アウトロー」と宣告され、追放されてしまったという歴史があります。
製造元のアレクサンダーマクレガー社は、マクレガー氏族の復興を目指す会社であり、「クランキャンベル」とは深い因縁があります。クランキャンベルは、マクレガー一族を追いやった「アーガイル公キャンベル」のことを指しており、現在ではウイスキーの「売上」で両者は争う形となっています…
Claymore クレイモア
Claymore クレイモア
製造企業:A・ファーガソン社
系列企業:ホワイト&マッカイ社
Amazon価格:¥1,350 税込
40% 700ml
クレイモアは、スコットランドのハイランド戦士たちが使った両手で持つ巨大な剣を指します。この剣は敵を突くためではなく、なぎ倒すために使用され、その大きさから従者2人に担がせて戦場に運ばれることもあったと言われています。
一方で、ウィスキーのブランド名として使われるようになったのは比較的新しく、1977年にイギリス国内向けの廉価なウイスキーブランドとして市場に登場。当初はDC社傘下の企業が製造していましたが、現在はホワイト&マッカイ社傘下のA・フアーガソン社がブランド権を持っています。
大剣としての「クレイモア」が初めて文献上で登場したのは、13世紀の頃。スコットランド独立の英雄であるウィリアム・ウォレスがイングランド軍を破った1297年のスターリングブリッジの戦いで手にしていたとされています。また、1314年のバノックバーンの戦いで勝利したスコットランド王「ロバート・ザ・ブルース」もクレイモアを所持していたそうです。
これらの物語は、1995年のアメリカ映画『ブレイブハート』でも描かれています。劇中の剣は、歴史的な文献や研究に基づいて再現されたもので、実際の戦闘で使用された剣の大きさとは異なっているようです。
ウイスキーとしての「クレイモア」は、年数表記はありませんが8年熟成の原酒を中心にしてブレンドされています。リーズナブルなブレンデッドスコッチですが、少し個性的なので好き嫌いは分かれるかも。
Cutty Sark カティサーク
Cutty Sark カティサーク
製造企業:エドリントングループ社
Amazon価格:¥1,265 税込
40% 700ml
「カティサーク」は帆船のシンボルマークが印象的なブレンデッドスコッチ。日本でも根強くウイスキーファンに愛されており、ドライ&ライトなテイストでリーズナブルなことから、飲食店でもハイボールなどで飲まれている銘柄となっています。
「カティサーク」というブランドの誕生は、1923年にさかのぼります。スペイサイドのグレンロセスを中心としたブレンデッドウィスキーで、禁酒法時代(1920~1933年)のアメリカ市場をターゲットにした、ライトタイプのウイスキーとして人気となります。
カティサークの軽快な味わいは、当時の「ベリーブラザーズ&ラッド社」(BBR社)の社長であったフランシス・ベリーによって考案されています。彼は何度もアメリカに渡航し、市場調査と販売ルートの開拓に努め、大衆受けするウイスキーの開発に成功。禁酒法時代の頃は正規で輸出することはできなかったため、ウィスキーは一度バハマなどに輸出され、そこから密輸される形でアメリカに運ばれていました。
「カティサーク」はアメリカ人の好みに合わせるため、当時一般的であったカラメルによる着色をやめ、純粋な自然の色合いにこだわりました。現在でもこの伝統は守られており、カティサークにはカラメルなどの人工的な着色料は一切使用されていません。
ラインナップには、オリジナルから12年、18年といった定番アイテムが含まれています。ブランド権は長らくBBR社が所有していましたが、2010年にエドリントングループ社に譲渡され、世界市場に向けたマーケティングをより強化しています。
現在のカティサークには、エドリントングループ傘下の蒸留所である「グレンロセス」「マッカラン」「ハイランドパーク」「ブナハーブン」などの原酒が使用されています。
Dewar’s デュワーズ
Dewar’s デュワーズ
製造企業:ジョン・デュワー&サンズ社
系列企業:バカルディ社
Amazon価格:¥1,711(デュワーズ ホワイトラベル)
40% 700ml
スコッチの代表銘柄といっても過言ではない「デュワーズ」。「ビッグファイブ」と呼ばれるウイスキー会社のリーダー的な存在でした。
ビッグファイブとは、当時誕生して間もなかったブレンデッドスコッチを世界に広めた(認めさせた)銘柄のこと。ウイスキーは当時、「スコットランドの地酒」でしかなかった訳ですが、シングルモルトよりも飲みやすいブレンデッドウイスキーが誕生してからは、ビッグファイブを中心とした数多くの銘柄が海外で販売されるようになります。ビッグファイブはその中でも代表的な5ツのブランドであり、ウイスキーの発展に大きく関わりました。
ビッグファイブは以下の通り。
「ヘイグ」のジョン・ヘイグ
「ジョニーウォーカー」のアレクサンダー・ウォーカー
「ホワイトホース」のピーター・マッキー
「デュワーズ」のトーマス・デュワー(創業者 ジョン・ディワーの息子)
ジョン・ディワー&サンズ社の創業は1864年。小さなワインとスピリッツを取り扱う商社として誕生します。そして実際に同社を大きく成長させたのは、創業者の息子たち。兄「アレクサンダー」と弟「トーマス」の兄弟。兄と弟は生産部門と販売部門をそれぞれ担当し、力を合わせてウイスキーの価値を高めていきます。
ディワーズの名声を確固たるものにしたのが。現在でもフラッグシップボトルとなっている「ディワーズ・ホワイトラベル」。1906年に誕生したこのウイスキーは、禁酒法後のアメリカ市場で人気となります。
現在は1998年にバカルディ社に買収され、同グループの傘下となっていますが、ジョン・ディワー&サンズ社としてのウイスキー造りは継続されています。そして未だにアメリカ市場では根強く人気があり、スコッチの売上1,2を争う存在です。
Famous Grouse フェイマスグラウス
Famous Grouse フェイマスグラウス
製造企業:マシュー・グローグ&サンズ社
系列企業:エドリントングループ社
Amazon価格:¥1,614 税込 (ザ フェイマスグラウス ファイネスト)
40% 700ml
雷鳥がシンボルのブレンデッドスコッチウイスキー「フェイマスグラウス」。製造しているマシュー・グローグ&サンズ社の創業は1800年。パース近郊で貴族の領地の管理人(執事)をしていたマシューによって設立。当初はワインを中心に販売していましたが、自社ブランドのウイスキーも手がけるようになったことで、急速に事業を拡大させます。
そして彼の死後、3代目マシュー・グローグによって新しいブランド「ザ・グラウス・ブランド」が完成。当時、上流階級の間でブームだったグラウスシューティング(雷鳥狩り)をモチーフとしたブランドを作ることで、上流階級にアピールする狙いから名付けられています。雷鳥はスコットランドの「国鳥」でもあることからも親しみがわくようで、雷鳥ラベルのウイスキーは大成功します。
その後ブランド名を「ザ・フェイマスグラウス」に変更。独創的なキャッチコピーなども人気を加速させ、1930年代にはアメリカ市場に進出。世界中に販路を拡大します。
1970年に経営権はロバートソン&バクスター社(後のエドリントングループ社)に譲渡され、家族経営からグローバル企業へと変貌を遂げることになります。しかし大手の傘下にはいることで、フェイマスグラウスの「グレンロセス」「タムドゥー」「ハイランドパーク」「マッカラン」などのモルト原酒を安定的に確保することが可能となり、現在でもメジャーなスコッチとして人気を博しています。
Fort William フォートウィリアム
Fort William フォートウィリアム
製造企業:ベンネヴィスディスティラリー社
系列企業:ニッカウヰスキー
Amazon価格:¥1,429 税込
40% 700ml
ベンネヴィス蒸留所が手がけるブレンデッドウイスキーは2種類あって、一つが「ネヴィス・デュー」。そしてもう一つのブランドが「フォートウィリアム」になります。以前はシングルモルトと同じ「ベンネヴィス」の名で販売されていましたが、混同されてしまうことから2012年に「フォートウィリアム」に名称変更されています。
フォートウィリアムとは、西ハイランドの古くから繁栄した港町の名前。背後にはイギリスで最も高いベンネヴィス山(標高1,344メートル)がそびえ立っており、リゾートタウンとして有名です。町の端に位置にはベンネヴィス蒸留所があります。
べンネヴィス蒸留所は1825年に創業者である「ロングジョン」として知られるジョン・マクドナルドによって建てられました。ジョンは身長193センチの長身で、かつては彼に因んで名付けられた「ロングジョン」というブレンデッドスコッチも生産していました。彼の死後、ブランド権はペルノリカール社に移行。そのため現在はロングジョンとベンネヴィス蒸留所との関係は絶たれてしまいました。
ベンネヴィス蒸留所その後、いくつかの企業の傘下となっていましたが、1989年にニッカウヰスキーによって買収され、現在も同社のもとで運営されています。「フォートウィリアム」は、日本とスコットランドの技術が融合した製品であり、中身は主にペンネヴィスのモルト原酒を中心にブレンドされています。
Grant’s グランツ
Grant’s グランツ
製造企業:ウィリアムグラント&サンズ社
Amazon価格:¥1,646 税込(グランツ トリプルウッド)
40% 700ml
ウィリアム・グラント&サンズ社は、1887年にダフタウンの町にグレンフィディック蒸留所を創設したことで知られています。ウィリアム・グラントは、父が仕立て屋であった家庭に生まれながらも、独立してウィスキーの蒸留業者として成功。彼はワーテルローの戦いに参戦した勇者の息子として育ちましたが、彼自身は父の仕事を継がず、ウイスキー造りを行うことを決意します。
グレンフィディック蒸留所は、1887年12月25日に最初のウィスキーが蒸留され、それが家族総出で築かれた成功のスタートでした。その後、ウィリアム・グラントは隣接するバルヴェニーハウス(領主の館)を買い取り、改装して第2の蒸留所「バルヴェニー」を設立。
しかし、1898年には大手ブレンド会社「パティソンズ社」が倒産し、顧客として原酒を卸していたウィリアム・グラント&サンズ社は厳しい状況になります。この危機に立ち向かうため、ウィリアム・グラントは自社の原酒を使用した商品を開発することとなります。
そして完成したのが「グランツ・スタンド・ファースト」。ウィリアム自らがブランドを手がけた商品となり、現在でもウィリアム・グラント&サンズ社の伝統と品質を体現したものとして、世界中で高く評価されています。
現在のスタンダードボトルは「グランツ トリプルウッド」。より個性的に仕上げた「グランツ トリプルウッド スモーキー」も近年急速に売上を伸ばしています。
Great King Street グレートキングストリート
Great King Street グレートキングストリート
製造企業:コンパスボックス社
Amazon価格:¥3,950 税込
43% 500ml
「グレートキングストリート」はボトラーズ会社の「コンパスボックス社」が手がけるブレンデッドスコッチウイスキー。同社は業界の革命児として知られ、その革新的なアプローチで注目を集めています。この商品は2011年にリリース。エジンバラに実在する「通りの名前」を商品名に採用しており、この通りはコンパスボックス社が最初に登記した住所でした。
通常のブレンデッドスコッチとは異なり、グレートキングストリートは非常に独創的なコンセプトで構築されています。ブレンドの構成については詳細なデータが公開されており、使用している原酒は4種類。グレーンウイスキーはローランド産を46%。モルトウイスキーは北ハイランド産が2種、スペイサイド産が1種の計3種類使用しています。
熟成樽は66%がファーストフィルのアメリカンオーク・バレル。26%がニューフレンチオーク・フィニッシュ、8%がファーストフィルのシェリーバット。「ニューフレンチオーク・フィニッシュ」は、シングルモルトでもあまり聞かない種類の樽ですが、これはフレンチオークの鏡板を新材に付け替えたもの。
日本の蒸留所では、「ミズナラ材」で鏡面だけを組み替えた樽(ミズナラヘッド)がありますが、フレンチオークでも同じような技法が使用されているようです。
「ニューフレンチオーク・フィニッシュ」は、コンパスボックス社独自の熟成樽。常に新しい香りや味わいを追求する姿勢を貫いており、これからもウイスキー愛好家を刺激し続けることでしょう。
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