ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」のスタンダードラインナップ7本を解説致します。シーバスリーガルは世界100以上の国に輸出されている人気ブランドです。2019年度の統計では全世界累計440万ケースの販売量となっており、これはウイスキー全体で世界第19位の売上本数。今やシーバスリーガルはスコッチを代表する銘柄といっても過言ではありません。

普段からシーバスをお飲みになっている方はもちろん、普段はあまり飲まないという方にも読んでいただければうれしいです。

 

 

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」とは?

Chivas Regal シーバルリーガル
製造元:シーバスブラザーズ社(ペルノリカール系列)
正規代理店:ペルノ・リカール・ジャパン
主なモルト原酒:ストラスアイラ、グレンキース、グレンリベット、ロングモーンなど

1801年、スコットランドのアバディーンで小さな高級食料品店が開業しました。このお店が後のシーバス社の前身となります。1858年には兄ジェームスと、弟ジョンのシーバス兄弟がシーバスブラザーズ社を創業。60年代になるとメインのビジネスをウイスキーの製造販売に移行します。

シーバス兄弟は60年代から80年代にかけて、いくつかのブレンデッドウイスキーをリリース。これが評判を呼び、シーバスブラザーズ社はウイスキーメーカーとしての知名度を増していきます。そして1891年に完成したのが「シーバスリーガル」。当時のシーバスはまだノンエイジ商品で、その後正式に商標登録されたのが、1909年にアメリカとカナダで発売された「シーバスリーガル25年」。25年は世界初のラグジュアリーウイスキーと称され、富裕層を中心に絶大な人気を得ることとなります。

しかし時代は思わぬ方向へ。シーバス25年は1920年~33年まで続いた「アメリカ禁酒法時代」の影響で一度は終売となってしまいます。復活を遂げたのは禁酒法明けから数年たった1938年。「シーバスリーガル12年」としてブランドが立ち上がり、世界中のウイスキー愛好家から支持を受け人気を取り戻していきます。

2001年にはスコッチ業界大手のペルノリカールがシーバルブラザーズ社を買収して傘下とします。その後はマーケティングが強化され、世界中に輸出されるようになります。そして現在、スコッチを代表するグローバルブランドとして確固たる地位を確立させています。

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説

  1. シーバスリーガル12年
  2. シーバスリーガル ミズナラ12年
  3. シーバスリーガル18年
  4. シーバスリーガル ミズナラカスクフィニッシュ18年
  5. シーバスリーガル アルティス20年
  6. シーバスリーガル25年
  7. シーバスリーガル アイコン

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル12年

シーバスリーガル12年
700ml 40%
参考価格:3100円

シーバスリーガルのスタンダードとして長年愛されている有名銘柄。12年は世界中のほとんどの国で飲むことができるといっても良いでしょう。一番の特徴は、やはり飲みやすさ。スムースで甘みがあり、クセのない味わいは多くの人から支持される「優等生フレーバー」。ストレートだと少し飲みごたえに欠ける部分はありますが、ネガティブな要素はどこにもありません。それでいて加水に対しても強く、ロックやハイボールでも美味しいく飲めるのも魅力的。

まさに万能のスコッチ。コスパも良いので「一家に一本」置きたいボトルですね。

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル ミズナラ12年

シーバスリーガル ミズナラ12年
700ml 40%
参考価格:4000円

2013年10月に発売された日本市場限定品。日本のウイスキーづくりへの情熱や技術に感銘を受けた、マスターブレンダー「コリン・スコット」氏によって生み出されました。日本人の味覚を意識してブレンドされた特別なシーバスリーガルです。

最大の特徴は、ブレンドに貴重なミズナラの樽の原酒を使用している所。ミズナラ樽の原木は平均200~250年の樹齢が必要とされており、非常に希少性の高いものとなっています。その上材質が柔らかく、浸透性の高い特性があることから水漏れをおこしやすいというデメリットもあります。ミズナラの木材は、選定から製樽に至るまで高い技術と経験が必要となっており、こういった要素もミズナラ樽の希少性を上げているようです。

シーバスリーガル ミズナラ12年は、原酒の一部を日本原産のミズナラ樽でマリッジ。とは言うものの…正直いってミズナラの風味は感じません(笑)そもそも、希少性の高いミズナラの原酒を、安価なブレンデッドに使用することなどできるはずもないので、「ミズナラ樽はほとんど使用されていない」と思います。

しかし個人的にはその辺を全く気にしていません。なぜなら、ミズナラの風味はさておいて、このウイスキーは非常にクオリティが高いからです。通常の12年よりも洗練されたフルーティーさと心地よさがあり、甘みと飲みやすさに一体感があります。ミズナラ12年が発売された時には驚きましたね。シーバスブラザーズ社の実力を再認識したウイスキーです。

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ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル18年

シーバスリーガル18年
700ml 40%
参考価格:6000円

マスターブレンダー「コリン・スコット」氏の最高傑作と名高い18年。個人的にもシーバス社のブレンド技術の高さがこの1本に込められているような感覚があります。12年よりも飲みごたえがあり、しっかとした印象。酒齢18年以上のリッチな原酒をブレンドし、豊潤な甘さと豊かなアロマに加え、かすかなピート香が複雑さをつくり出しています。加水に対しても強く、ロック、ハイボール、水割り、どんな飲み方でも期待に応えてくれます。シーバスブランド自体、全体的にウイスキーのバランスが良いと感じていますが、18年はその中でも間違いなく上位、ってか一番かもしれません…

12年やミズナラ12年は良く売れているようですが、18年は少し値段が高いということもあって、国内ではあまり人気がありませんでした。しかしここ数年は、上位版として徐々に認知されてきたようで、バーなどでも取り扱うところが増えてきました。初心者から玄人まで、すべてのウイスキーファンから愛される欠点のないウイスキー。ワンランク上のブレンデッドウイスキーとして自宅で愉しむのもいいですね。

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル ミズナラカスクフィニッシュ18年

出典:https://www.chivas.com/ja-JP/our-collection/chivas-regal-18-mizunara

シーバスリーガル ミズナラカスクフィニッシュ18年
700ml 43%
参考価格:10000円

2020年1月に発売開始。ミズナラ12年の上位版としてリリースされ、こちらも日本市場限定ボトルとなっています。18年以上熟成されたモルトとグレーンをブレンドし、その後日本産の希少なミズナラの樽でフィニッシュを施しています。

ミズナラ12年との違いは、ミズナラ樽がしっかりと??使用されているところ。ミズナラカスクから生み出されるフレーバーについてを語るのは難しいのですが、ミズナラ18年が影響を受けているのは明らかです。構成原酒としてではなくカスクフィニッシュに使用されることで、スパイシーで個性的な風味と、シーバスらしさのあるソフトさ・なめらかさが融合。わずかながらオリエンタルな雰囲気を醸し出しています。正直言って、このフレーバーがミズナラカスクの影響かどうかはわかりませんが、ミズナラ18年にはブレンデッドウイスキーとは思えない程の複雑さがあると思います。

これぞ、日本の職人によって作り上げられたミズナラ樽の実力!ということでしょうか。そのことを強調するかのように、パッケージデザインはブランド史上初となる漢字表記の「水楢」を使用しています。和柄ラベルはオフィシャルのスコッチウイスキーではありえないので、その辺も日本に対してもリスペクトを感じますね。

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル アルティス20年

出典:https://www.pernod-ricard-japan.com/news/whisky/20170930/1954/

シーバスリーガル アルティス20年
700ml 40%
参考価格:18000円

2016年11月に発売されたアルティスは、シーバスリーガル史上初のブレンデッドモルトウイスキーとして販売されました。発売当初はエイジング表記がないボトルでしたが、現在は終売となり、年数表記のある「アルティス20年」に切り替わっています。

シーバスリーガル アルティス20年はブレンデッドモルトウイスキーではなく、グレーン原酒「ストラスクライド」がブレンドされたブレンデッドウイスキーに仕様が変更されています。また、パッケージデザインも大胆に変更されており、リニューアルというよりはもはや新作といった感じです。

モルト原酒はスペイサイドの5つの蒸留所から、長期熟成を贅沢に使用。シーバスリーガルで最も重要な蒸留所であるストラスアイラをはじめ、ロングモーンとトーモア。シーバスの原酒調達用に建てられたアルタベーンとブレイヴァル。5種類のモルト原酒が絶妙にブレンドされ、円熟かつ複雑な飲み口と余韻をつくりだしています。

2017年に行われた世界的な酒類品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2017」では、ノンエイジ・ブレンデッドスコッチウイスキー部門で最高賞「トロフィー」を受賞。発売されてすぐ評価されてるのはすごいですね。日本のブレンデッドウイスキーはだいぶ時間を要したのに…。さすがはシーバスリーガル。

酒齢20年以上のスペイサイドモルトとなると、リッチではありますがある意味ブレンドの難しさもでてくると思いますが、見事に調和していますね。個人的には加水するよりもストレート。ハイボールや水割りではアルティスの良さは最大限に感じられないかも…

 

ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル25年

シーバスリーガル25年
700ml 40%
参考価格:40000円

酒齢25年以上の長期熟成モルト・グレーン原酒がブレンドされた至高の高級ウイスキー。誕生の歴史は1909年とラインアップの中で最も古く、当時はヨーロッパとアメリカ・カナダを結んだ豪華客船で飲まれており、富裕層から絶大な支持を受けていました。

樽香がほどよく香り、複雑でバランスのとれた味わいです。絶妙なブレンドにより、長期熟成モルトの個性が見事に調和していることがわかります。上品な口当たりとクリーミーさが魅力的で、シリーズでは25年のみに生み出されている個性となります。

高級なので気軽に飲めないのは残念ですが、時折贅沢に、ゆっくりとウイスキーを愉しむ時にはおすすめ。飲み方は加水するよりも、ぜひストレートで。アルコール感や、不快なクセは一切感じないため、ストレートになれていない初心者の方にも飲んでほしい銘柄です。

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ブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」おすすめの7銘柄を解説|シーバスリーガル アイコン

シーバスリーガル アイコン
700ml 40%
参考価格:50万円

シーバスリーガルアイコンは2015年12月から発売された、数量限定となるプレミアムウイスキーです。参考価格は50万円。シーバルリーガル史上最も高額なボトルで、ブレンドにはシーバスの中核となるストラスアイラのほか、20以上の蒸留所の原酒と、銘柄は公開されていませんが閉鎖蒸留所の原酒も使用しています。酒齢は公開されていませんが、おそらく長期熟成の原酒を含むリッチなブレンドが施されていることでしょう。

高価な理由は、特別な原酒が使われていること以外にもあります。アイコンのボトルは、英国の名門ガラスメーカー「ダーティントン」製のクリスタルデカンタが採用されており、手吹きによって一つ一つハンドメイドされた特別なボトルです。さらに、エチケットラベルには金属細工が施されているほか、トランクスタイルの外箱も高級感のある上質なものとなっています。もはやウイスキー自体が美術品…

アイコンを飲むことはなかなかできそうにありませんが、もしチャンスがあるのなら飲んでみたいですね。ウイスキーファンとして思うのは、見かけだけでないことを証明するためにも通常ボトルでのリリースも検討してほしい所です。

シーバスリーガル アイコン

 

 



 

 

最後に紹介したアイコンは別格のウイスキーですが、それ以外のボトルならバーなどで飲むことができると思います。気になった銘柄は飲んでみましょう。

個人的に最もコスパが良いと思うのは「ミズナラ12年」。どこにミズナラ感があるのかは謎ですが、それとは関係なしに素晴らしいバランスと飲みやすさをもっています。この価格帯には数多くのブレンデッドスコッチウイスキーがありますが、その中でもトップクラスと言えるでしょう。まだ飲んだことのない方はぜひお試し下さい。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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