【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?おすすめ銘柄も解説

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではカナディアンウイスキーについて、初心者向けに分かりやすく解説致します。

皆さんはカナディアンウイスキー」をのんだことがありますか?最近はスコッチやジャパニーズなどのモルトウイスキーや、アメリカンではバーボンが人気となっていますが、5大ウイスキーに属しており、コアなファンが多いのがカナディアンウイスキーです。

今回はカナディアンウイスキーの重要な部分をぎゅっとまとめましたので、カナディアンウイスキーが好きな方、今まで興味がなかった方もぜひ最後までご覧ください。

 

【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?

カナディアンウイスキーとは
カナダ国内でカナディアンウイスキーの法定義に基づいて、穀物を原料に造られているウイスキーのこと。アメリカン禁酒法時代に生産量を伸ばし、5大ウイスキーのひとつに数えられている。アメリカンウイスキーによく似た性質をもっており、現在でもアメリカ国内での需要が高い。5大ウイスキーの中では一番マイルドで軽いウイスキーと言われている。
ユースケ
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カナディアンウイスキーの特徴は、5大ウイスキーの中でも最も味わいが軽いこと。穀物由来の風味と、熟成樽からのフレーバーが印象的ですが、アメリカンウイスキー(バーボンウイスキー)よりも酒質はライトで飲みやすい味わいです。ストレートで飲むよりも、ハイボールや水割りでごくごく飲むスタイルに適しています。

 

【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?法定義について

カナディアンウイスキーの法定義(簡易版)

法定義

穀物を原料に酵母によって発酵を行い、カナダで蒸留し、小さな樽(700リットル以下)で、最低3年間貯蔵したもの

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

法定義はシンプルなものになっていますが、カナディアンウイスキーにはその他にも細かくルールが定められており、その中でも重要なものは以下の通り。

  • カナダ国内で糖化、蒸留、熟成を行う。
  • 樽詰めの度数は40%以上で、3年間以上、木製の樽で熟成させる。
  • フレーバー(カナディアン以外のスピリッツやワインなど)を添加してもよい。
  • カナディアンウイスキーとして認められる品質であること。

『小さな樽=700リットル以下』と表記してありますが、そもそも700リットルという大きなサイズの樽は、ウイスキーの熟成に使用しません。つまりこの定義は「常識的なサイズの樽で熟成させる」という風に捉えることができます。

 

フレーバーの添加について

カナディアンウイスキーの法定義で最も特徴的なものに『フレーバーを添加してよい』というルールがあります。これは一体どういうことでしょうか?

簡単に言うと「他のお酒を混ぜて良い」ということ。

ちょっと驚きですよね?

5大ウイスキーの法定義を見てみると、スコッチ・アイリッシュ・アメリカンではウイスキーに他のお酒を入ることは一切禁止です。(ジャパニーズウイスキーには法定義がありません)

お酒を混ぜるどころか、ボトリングする際に添加するものすら厳しく決められています。主に添加が許されているのは、色付けのために使用する「カラメル色素」くらい。これはウイスキーの風味に影響を与えるものではないため、許されています。

しかし、カナディアンウイスキーでは、ウイスキーの風味に大きく影響を与えるようなスピリッツやワイン(カナダ産以外の可能)を添加して良いことになっており、5大ウイスキーの中でもカナディアンだけの特別なルールとなっています。

正直いってウイスキー以外のお酒が混ぜられているのに「5大ウイスキーなのかい」と突っ込みどころ満載ですが…

そもそもカナディアンウイスキーとは「そういう物」と理解する必要があります。

また添加について量の制限が設けられており、「9.09%までは加えてもいい」と定められています。もし量の制限が無ければ…他のお酒の方が多く配合されてしまうケースもでてしまい、それこそ「ウイスキー」とは呼べるものにはなりませんからね。

 

【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?種類について

カナディアンウイスキーは大きく3種類に分かれています。

  • フレーバリングウイスキー(ブレンド用原酒)
  • ベースウイスキー(ブレンド用原酒)
  • カナディアン・ブレンデッドウイスキー

フレーバリングウイスキーとベースウイスキーはブレンデッドウイスキーの原酒として製造されており、製品化はされていません。つまり、カナディアンウイスキーのほとんどが「カナディアン・ブレンデットウイスキー」ということになります。

ユースケ
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その他、スコッチの「シングルモルト」や、アメリカンの「ライウイスキー」のようなタイプを製造している蒸留所もありますが、この記事では伝統的なカナディアン・ブレンデッドウイスキーの解説をしていきます。

 

フレーバリングウイスキー

フレーバリングウイスキーとは
バーボンウイスキーに似たタイプの力強いタイプのウイスキーで、カナディアン・ブレンデッドウイスキーの核となる原酒。

フレーバリングウイスキーは、ライ麦、トウモロコシ、大麦麦芽などを原料にして造られており、バーボンウイスキーでも使用されている「連続式蒸留器」で生産しています。

バーボンよりもライ麦由来のスパイシーな風味がありますが、重厚でしっかりした味わいはアメリカンウイスキーに良く似た特製をもっています。

 

ベースウイスキー

ベースウイスキーとは
ニュートラルスピリッツ(熟成前の状態)に近い、軽いタイプのウイスキーで、ブレンデッドのベースとなる原酒。

ベースウイスキーはその名の通りカナディアンウイスキーのベースとなる原酒です。トウモロコシなどが原料となっており、連続式蒸留器で製造。フレーバリングウイスキーを造る時よりも高いアルコール度数で蒸留し、スピリッツの風味よりもアルコールの生産効率を優先して造られています。そのためベースウイスキーはクセがなく、よりニュートラルな状態に造られています。

また、熟成期間が短く、熟成樽は主に古樽を使用。樽由来のフレーバーをあえて出さないように造られており、ニュートラルスピリッツに近い、若くて軽いタイプの原酒に仕上が手います。

 

カナディアン・ブレンデッドウイスキー

カナディアン・ブレンデッドウイスキーとは
フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドして造る、現在カナディアンの主流となっているウイスキー。

現在一般的に販売されているカナディアンウイスキーのほぼ全てが、カナディアンブレンデッドウイスキー。近年はカナダでもクラフトウイスキー蒸留所が増加していることから、「カナディアン・シングルモルト」や「カナディアン・ライウイスキー」も存在していますが、専門店でないと入手できません。

カナディアンブレンデッドウイスキーの一般的なブレンド比率は、フレーバーリングウイスキーが10~30%。ベースウイスキーが70~90%。ブレンドの際に、9.09%までは「カナダ産以外のもの」を添加しても良いことになっています。主に添加されているものは以下の通り。

  • アメリカンバーボンウイスキー
  • フルーツブランデー(果物が原料の蒸留酒)
  • 酒精強化ワイン(シェリー、ポート、マデイラなどが有名ですが、他にも色々あるので、一体何が混ぜられているのか…)

 

【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?主な蒸留所一覧|9か所

出典:https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/canadian-club-walkerville.html

カナディアンの蒸留所はアメリカの国境に近い、人口の多いエリアに集中しています。生産量の多い主な蒸留所は9か所。

  1. アルバータ (アルバータ州・ビームサントリー社)
  2. ブラックベルベット (アルバータ州・コンスタレーション・ブランズ社)
  3. ハイウッド (アルバータ州・ハイウッドディスティラーズ社)
  4. ギムリ (マニトバ州・ディアジオ社)
  5. カナディアンミスト (オンタリオ州・ブラウンフォーマン社)
  6. ハイラムウォーカー (オンタリオ州・ペルノリカール社)
  7. フォーティクリーク (オンタリオ州・カンパリ社)
  8. ヴァレーフィールド (ケベック州・ディアジオ社)
  9. グレンオラ (ノヴァスコシア州・ロウチーマクリーン)

 

【初心者向け講座】カナディアンウイスキーとは?歴史について

カナディアンウイスキーの歴史について簡単に解説致します。

1756~1763年 英仏植民地戦争。カナダはフランスの植民地になります。その後、1763年のパリ平和条約により、イギリスに譲渡されます。

1769年 カナダ・ケベック州に「ジョン・モルソン蒸留所」が設立。公式記録でカナダ初の蒸留所。

1776年 アメリカ独立宣言。独立戦争後、イギリス王室支持者たちは、アメリカに住むのを嫌がりました。そして、イギリスの植民地であるカナダへ移住。ライ麦や小麦などを作りました。やがて余剰な穀物を使ったウイスキー産業が、五大湖周辺のエリアで発展。カナディアンウイスキーの土台がここから始まります。

1840年代 カナダ統一政府誕生。この頃、カナダ全土で200以上のウイスキー蒸留所がありました。

1860年代 カナディアンウイスキーのアメリカへの輸出が始まります。

1882年 ハイラム・ウォーカーがウイスキービジネスで大成功。「クラブ」を商標登録。のちに「カナディアン・クラブ」となり、世界中で知れ渡るようになっていきます。

1920~1933年 アメリカ禁酒法時代。アメリカではウイスキーを製造できなくなった為、カナディアンウイスキーの需要が一気に高まります。カナダはウイスキーの輸出を禁止していませんでした。アメリカへの密輸が大量に行われ、カナディアンウイスキーの全盛期となります。
ユースケ
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密輸はカナディアンウイスキーの発展に貢献したけど、マフィアの活動資金にもなって社会問題になりました…

1930年代~1970年代 大手企業による蒸留所の買収や統廃合が盛んに行われます。1972年にはシーグラム社がキリンビールと共同出資して「キリン・シーグラム社」を設立。

1980年代 ハードリカー不況。蒸留所の閉鎖が相次ぎます。大手企業による統廃合がさらに進みます。

そして現在、
かつて200以上あったカナディアンウイスキーの蒸留所は統廃合の結果、現在は10か所ほどになりました。アメリカンウイスキーと同様に、大手企業の資本力によって大量生産と品質管理ができるようになり、カナディアンウイスキーは発展。
5大ウイスキーで一番クセがなく飲みやすいウイスキーとして、再び人気を取り戻しています。

 

次のページではカナディアンウイスキーのおすすめの飲み方・銘柄を解説

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