【2023年版】スコッチウイスキー「グレンドロナック」流通価格と品薄の理由を解説

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTubeTikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではシングルモルトスコッチウイスキー「グレンドロナック」の現状について解説致します。

グレンドロナックは現在稼働中の蒸留所ですが、一部のオフィシャルボトルは品薄状態が続いており、流通価格は定価を上回っています。

そこで今回は、品薄となっている「グレンドロナック」について、2023年9月時点でのオフィシャルボトル 本の解説と、各ボトルの定価と流通価格、グレンドロナックがなぜ品薄になっているのかを考察していきます。

 

 

 

スコッチウイスキー「グレンドロナック」流通価格と品薄の理由を解説|グレンドロナック蒸留所

出典:By Brooks patty – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=127803928

グレンドロナック Glendronach

  • 地域:東ハイランド
  • 創業年:1826
  • オーナー:ブラウンフォーマン社
  • 正規代理店:アサヒビール株式会社

 

グレンドロナック蒸留所は、東ハイランドのアバディーンシャー州ハントリーに位置しています。”グレンドロナック”とは、ゲール語で “イバラの谷” または “ブラックベリーの谷” を意味する “グレン・ドロナハ” に由来しています。

蒸溜所は1826年にジェームス・アラデスによって設立。合法的にウイスキーを製造するライセンスを申請した、2番目の蒸留所として知られています。(1番目はザ・グレンリベット)

蒸留所の年間生産能力は140万ℓ。初留と再留の蒸留器がそれぞれ2基ずつ備えられています。仕込み水は、敷地内にあるドロナックバーンから。麦芽はノンピーテッドを基本としていますが、ブレンデッドウイスキーの原酒向けにピーテッドモルトでの仕込みも一部行われています。

 

出典:https://www.glendronachdistillery.com/the-mastery-of-glendronach/

伝統的なドロナック蒸留所のハウススタイルは、なんといってもシェリー樽での熟成です。

最近ではシングルモルトウイスキーにもピーテッドタイプが登場していますが、シェリー樽から生まれるフルーティーで濃厚な甘みをもつウイスキーは、愛好家や評論家からも高く支持されています。

グレンドロナック蒸溜所の経営者は何度か代わっていますが、2016年からはブラウン・フォーマン・コーポレーションの傘下となり、以降は安定してウイスキーを生産。蒸留所は生産設備に対しての投資だけでなく、観光客を誘致するためにビジターセンターも導入しています。

 

 

スコッチウイスキー「グレンドロナック」流通価格と品薄の理由を解説|オフィシャルボトルの定価・流通価格

出典:https://www.glendronachdistillery.com/

グレンドロナック蒸留所のオフィシャルボトル一覧【9本】

  1. グレンドロナック トラディショナリーピーテッド
  2. グレンドロナック カスクストレングス
  3. グレンドロナック ポートウッド
  4. グレンドロナック 8年 ヒーラン
  5. グレンドロナック 10年 フォーグ
  6. グレンドロナック 12年 オリジナル
  7. グレンドロナック 15年 リバイバル
  8. グレンドロナック 18年 アラダイス
  9. グレンドロナック 21年 パーラメント

 

 

グレンドロナック トラディショナリーピーテッド

グレンドロナック トラディショナリーピーテッド

  • 48% 700ml
  • 定価(税抜):¥7,600
  • 流通価格(税込):¥8,617

2020年に発売されたスモーキーな風味を持つボトル。

グレンドロナックは通常ノンピートで仕込まれていますが、「グレンドロナック トラディショナリーピーテッド」はピーテッドモルトで仕込まれてた原酒を使用。熟成樽にはペドロヒメネスシェリー樽、オロロソシェリー樽、ポートワイン樽が使われてるため、グレンドロナックらしい甘やかな風味もあります。

アイラモルトのような強烈さはないものの、ハイランドモルトのなかではしっかりとスモーキー。

 

グレンドロナック カスクストレングス

グレンドロナック カスクストレングス(BATCH12)

  • 58.2% 700ml
  • 定価(税抜):不明
  • 流通価格(税込):¥19,670

加水せずにボトリングしたカスクストレングスのグレンドロナック。バッチごとに熟成樽が異なっていますが、「BATCH 12」は、オロロソシェリー樽とペドロヒメネスシェリー樽の2種類の原酒を使用しています。

シェリー樽の風味を存分と堪能できる、グレンドロナック蒸留所の特徴的なキャラクターが反映されている1本。

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グレンドロナック ポートウッド

グレンドロナック ポートウッド

  • 46% 700ml
  • 定価(税抜):不明
  • 流通価格(税込):¥11,560

「グレンドロナック ポートウッド」は、ポルトガルの酒精強化ワイン「ポートワイン」の樽(ポートパイプ)でフィニッシュをほどこした商品。ペドロヒメネスシェリー樽とオロロソシェリー樽で熟成された後、3年間ドウロ産のポートワイン樽で後熟しています。

シェリー樽とポートワイン樽由来の風味が絶妙に混じりあっており、複雑な印象。濃厚すぎず、かといって「ライトテイスト」でもなく、ちょうど良いボディ。

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グレンドロナック 8年 ヒーラン

グレンドロナック 8年 ヒーラン

  • 46% 700ml
  • 定価(税抜):不明
  • 流通価格(税込):¥8,560

「グレンドロナックに8年物なんてあったっけ?」と、モルト好きからもその存在を知られていないのが、「グレンドロナック 8年 ヒーラン」ではないでしょうか。

このボトルは「100%シェリー樽」にこだわるグレンドロナックとしては異例の、バーボン樽の原酒を合わせたもの。8年以上のオロロソシェリー樽とバーボン樽で構成されており、グレンドロナックの新たなるスタイルを愉しむことができます。

「ヒーラン」という名前は、グレンドロナック蒸溜所のあるアバディーンシャー地方の方言で「ハイランド」を意味しています。伝統的なハイランドモルトを意識して、この商品がつくられたことを察することができます。

 

グレンドロナック 10年 フォーグ

グレンドロナック 10年 フォーグ

  • 43% 1000ml
  • 定価(税抜):不明
  • 流通価格(税込):¥8,600

免税店向け商品。「グレンドロナック 10年 フォーグ」は、ペドロヒメネスシェリー樽とオロロソシェリー樽の酒齢10年以上の原酒を合わせています。

原酒の構成として「グレンドロナック12年」と同様ですが、熟成期間が少し短め。それでも12年物と引け劣らないクオリティをもっており、「知る人ぞ知るグレンドロナック」としてウイスキーファンから支持されています。

 

グレンドロナック 12年 オリジナル

グレンドロナック 12年 オリジナル

  • 43% 700ml
  • 定価(税抜):¥5,770
  • 流通価格(税込):¥7,398

グレンドロナックのフラッグシップボトル。ペドロヒメネスシェリー樽とオロロソシェリー樽の100%シェリーカスクウイスキー。口に含むとしっかりとした甘みがあるのが最大の特徴。ドライフルーツ、チョコレート、キャラメル、スパイス。

生産が追いついておらず流通価格が高騰していますが、むしろ手に入る内に1本買っておきたいボトルです。加水しても味わいがしっかりとしているので、ロックや水割りでもおいしく飲むことができます。

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グレンドロナック 15年 リバイバル

グレンドロナック 15年 リバイバル

  • 46% 700ml
  • 定価(税抜):¥14,000
  • 流通価格(税込):¥13,500

「グレンドロナック 15年 リバイバル」は、12年物と同様、ペドロヒメネスシェリー樽とオロロソシェリー樽のシェリー100%で構成されているウイスキーです。

酒齢15年以上のシェリーカスク原酒が使用されていることで、12年物と比べて重厚でフルボディな口当たり。甘みも強く、グレンドロナックの魅力をしっかり感じ取れる1本。

12年物よりも価格は2倍になりますが、満足できる上質なシェリーカスクウイスキーです。

 

グレンドロナック 18年 アラダイス

グレンドロナック 18年 アラダイス

  • 46% 700ml
  • 定価(税抜):¥17,000
  • 流通価格(税込):¥48,880

「グレンドロナック 18年 アラダイス」はヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽100%で構成された商品。12年物や15年物などとは異なり、PXシェリー樽の原酒は含まれておらず、クラシックなタイプのシェリーカスクウイスキーとなります。

ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽100%といえば、忘れてならないのが「ザ・マッカラン18年シェリーオーク」です。オロロソシェリー100%のオフィシャルボトルが消えゆくなか、グレンドロナックとマッカランは未だ18年物をリリースし続けています。

それに加え両者の凄い所は、希少な「ヨーロピアンオーク」で作られたシェリー樽のみを使用している点にあります。シェリー樽の18年クラスをリリースする蒸留所(グレンファークラスなど)は他にもありますが、どの蒸留所も「アメリカンオークのオロロソシェリー樽」も使用しています。

ヨーロピアンオークのシェリー樽は、アメリカンオークよりもスパイシーでドライに仕上がる傾向がありますが、それでもグレンドロナックは「甘め」に感じます。マッカラン18年と比べるのも少し違うかもしれませんが…、ダークラムのような甘みとコクがあり、余韻も完熟フルーツ、チョコレート、コーヒー豆といった、深みのあるアロマが広がっています。

最後にもう一つユニークなのは、この後紹介する「グレンドロナック 21年 パーラメント」よりも流通価格が高価なところ。普通は長期熟成ボトルのほうがボトリング本数が少なく、定価も高く設定されているので高額になるはずですが、何故かグレンドロナック18年の流通価格は上位ボトルよりも高くなっています。

その辺もやはり、「ヨーロピアンオークのシェリーカスク100%の希少性から」なのでしょうか…

グレンドロナック アラダイス 18年 46度 箱付 700ml 正規
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グレンドロナック 21年 パーラメント

グレンドロナック 21年 パーラメント

  • 48% 700ml
  • 定価(税抜):¥23,500
  • 流通価格(税込):¥37,980

「グレンドロナック21年 パーラメント」は、最上位のオフィシャルボトル。オロロソシェリー樽とペドロヒメネスシェリー樽の長期熟成原酒をブレンドしています。

キャラメル、アーモンド、ヌガー、シナモン、オレンジピール、洋梨、レーズンサンド、
ドライマンゴー、ドライフィグ、ダージリンティー、ハチミツ、砂糖醤油。香のバリエーションが非常に豊かで複雑。香りだけでおいしさが分かります。

口に含むとなめらかでトロピカル。終盤以降はドライで心地よくビター。余韻は長く、シェリー樽由来の甘み、苦み、スパイスが混ざり合った芳香。

21年以上の原酒のみを贅沢にブレンドしているだけあり、とにかく奥行きがすごい…。グレンドロナック特有の甘みもしっかりあります。

 

 

「グレンドロナック」品薄の理由について

スプリングバンク蒸留所のオフィシャルボトルが品薄な理由は、以下の4つがあげられます。

 

1,世界的なウイスキー原酒の品薄

グレンドロナックに限らず、世界的にウイスキーの人気が継続していることで、シングルモルトの需要が上がっています。それに伴って、人気銘柄であるグレンドロナックの注文量も増えており、品薄となっています。

 

2,世界情勢の不安定化

ここ数年、パンデミックの影響で船の入港が遅れることにより欠品が生じていたそうです。そのほか、戦争や原油高などの世界情勢が不安定化しているもの品薄の要因になっています。

グレンドロナックはウイスキーの熟成にシェリー樽だけを使用していることから、「樽の調達」も容易ではないはずです。

 

3,業務店(バー)に対して欠品させないために出荷規制をかけている

グレンドロナックに限らず、人気のあるウイスキーに対してメーカーさんがよく行っている手法です。

小売販売よりも、バーに卸すことを優先して頂けるのは、バーを経営している側からすれば大変有難いことです。しかし、それによって小売の流通量が減り、価格が高騰しているのは、これまで自宅で楽しんできた一般のウイスキーファンからすれば迷惑な話かもしれません…。

いずれにしても、2023年9月現在、「バー」であってもグレンドロナックの上位ボトル(18年、21年、その他限定品など)は定価で購入するのは難しい状態です。おそらく業務店向けの酒屋さんにも在庫がないのだと思います。

グレンドロナックの正規代理店は、ウイスキー業界大手の「アサヒビール」さんですが、その力を持ってしても、日本への入荷は増やせない状況…なのか…

 

4,シェリー樽の不足により生産量が増やせない

グレンドロナック蒸留所の年間生産量は140万ℓで、蒸留器は合計4基あります。生産量は少ない方ですが、近年「クラフト蒸留所」が増えた中では、むしろ中規模の蒸留所とも言える生産規模で、決して少ない訳ではありません。

では、なぜグレンドロナックは生産量が増やせないのでしょうか?

これは推測ですが、要である「シェリー樽」を十分に入手できないことを推測しています。

シェリー樽にはいろいろな種類がありますが、ウイスキーの熟成用として最も需要があるのは、言うまでもなく「オロロソシェリー」です。そして、最近は「PXシェリー」の人気も上がってきており、多くの蒸留所やボトラーズでも利用されるようになってきました。

オロロソシェリー樽とPXシェリー樽はグレンドロナックの生命線です。そのどちらも需要が増えていることで、シェリー樽の入手がこれまで以上に難しくなっているのかもしれません。

 

ユースケ
ユースケ

各社がシェリー樽を取り合っている状況ですが、歴史あるグレンドロナック蒸留所であっても、十分に樽を確保できていない可能性は高いですね。

 

 

 

スコッチウイスキー「グレンドロナック」流通価格と品薄の理由を解説|終売や休売の予定

2023年9月現在、グレンドロナックのオフィシャルボトルについて、終売や休売といった情報はありません。
しかし、シェリー樽のシングルモルトウイスキーの人気はとどまることを知らないので、シェリー系の代表格であるグレンドロナックの欠品・品薄については、しばらく改善されることはないでしょう。
現状では、終売や休売とはなっていませんが、ネットなどでは「18年」や「21年」が高騰しており、近い将来、一部の長期熟成が「終売」になってしまうこともあるかも…
グレンドロナックはこれからも需要が増え続けそうなので、オフィシャルボトルについての情報は、常に気にしながら見守っておきたいですね。

 

 



 

 

出典:By Brooks patty – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=127803895

「あま~いシングルモルトスコッチウイスキー」として、一部から熱烈に支持を受けている「グレンドロナック」。

シェリー樽が不足している今だからこそ、シェリー系ウイスキーの筆頭としてその存在感を示してほしいですね。オフィシャルボトルの供給が少しでも増えることを願っています。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

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