【2023年版】アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説!おすすめボトルも登場

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではアイリッシュウイスキーの現在稼働中及び、生産準備中の蒸留所51か所を解説いたします。ウイスキー造りを始めて間もない生産者は情報が少ないため、基本データのみを記述しています。

アイリッシュウイスキーの蒸留所は、19世紀後半から20世紀にかけての全盛期にはスコッチウイスキーと世界のウイスキーシェアを争っていましたが、その後、様々な理由から産業の衰退が進みます。1975年には「新ミドルトン蒸溜所」と「ブッシュミルズ蒸溜所」のわずか2か所にまで蒸溜所の数は減ってしまいました。

しかし、近年は再び人気を取り戻しており、5大ウイスキーの中で最も販売本数を伸ばしています。クラフト蒸溜所の数も増え、新しい商品もどんどんリリースされています。

そこで今回は、アイリッシュウイスキー蒸留所の概要、創業年、オーナー企業名のほか、歴史やウイスキーの特徴、リリースしているおすすめボトルなどもご紹介。アイリッシュウイスキーの新しい蒸溜所や銘柄を知りたい方におすすめの内容となっております。

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ウイスキー蒸溜所の解説記事↓

 

 

【2023年版】アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説!おすすめボトルも登場

1ページ目

1. Bushmills ブッシュミルズ
2. Copeland コープランド
3. Echlinville エクリンヴィル
4. Hinch ヒンチ

2ページ目

5. Rademon Estate レイデモンエステート
6. Killowen キルオーウェン
7. Matt D’arcy マットダーシー(準備中)
8. Boatyard ポートヤード
9. Cooley クーリー
10. Great Northern グレートノーザン
11. Old Carrick Mill オールドキャリックミル

3ページ目

12. Slane スレーン
13. Boann ボアン
14. Teeling ティーリング
15. Dublin Liberties ダブリンリバティーズ
16. Roe & Co ロー&コー
17. Pearse Lyons ピアースライオンズ
18. Lambay ランベイ

4ページ目

19. Powerscourt パワーズコート
20. Glendalough グレンダロッホ
21. Kilbeggan キルベガン
22. Tullamore タラモア
23. Monasterevin (Paddy McKillen) モナスターヴィン(パディーマクキラン)(準備中)
24. Royal Oak ロイヤルオーク
25. Ballykeefe バリーキーフ

5ページ目

26. Waterford ウォーターフォード
27. Gortinore ゴーティノア(準備中)
28. Blackwater ブラックウォーター
29. Tipperary ティパレイリー
30. Midleton ミドルトン
31. Blacks ブラックス
32. Clonakilty クロナキルティ

6ページ目

33. West Cork ウエストコーク
34. Cape Clear Island ケープクリアアイランド(準備中)
35. Lake view Estate レイクビューエステート(準備中)
36. Killarney キラニー(準備中)
37. Skellig Six18 スケリッグシックスエイティーン
38. Dingle ディングル
39. Burren バレン

7ページ目

40. Micil ミシル
41. Lough Ree ロッホリー
42. Shed シェッド
43. Lough Mask ロッホマスク
44. Achill Island アキルアイランド
45. Nephin ネーフィン(準備中)
46. Connacht コノート

8ページ目

47. Lough Gill ロッホギル
48. An Dúlamán アランデュラマン
49. Ardara アーダラ(準備中)
50. Crolly クロリー
51. Glendree グレンドリー

 

 

アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説|Bushmills ブッシュミルズ

出典:https://www.bushmills.eu/

ブッシュミルズ

地域:北アイルランド・アントリム州
創業年:1784
ホセ・クエルボ社

ブッシュミルズ蒸留所は1972年にミドルトン蒸留所と合併。「アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ(IDG)」を形成します。しかしその後、1988年にはペルノリカール社に買収されます。そして2005年にスコッチ大手のディアジオ(ギネスグループ)に売却されますが、2014年には現在のオーナーである、メキシコの大手テキーラメーカー「ホセ・クエルボ社」が蒸留所を買い取ります。

「世界最古の蒸留所」として、アイリッシュウイスキーの代名詞とも呼べるのがブッシュミルズ。ラベルには誇らしげに「SINCE1608」と掲げられています。

しかし、実際に蒸留所が登録されたのは1784年のこと。1608年というのは、イングランド国王「ジェームズ1世」がアントリムの領主に蒸留免許を与えた年となっており、当時のブッシュミルズ蒸留所の創業年と完全に一致するわけではありません。

したがって「1608年」というのは、恐らく「アントリムのブッシュ村一帯にウイスキー蒸留が許可された年」ということになります。それでもブッシュミルズが正式に登録されたのも1784年とかなり古いので、歴史ある蒸留所であることには変わりありません。

ブッシュミルズ蒸留所のシンボルといえば、美しい双塔のパゴダ屋根(麦芽を乾燥させるキルン棟の屋根)。これは、1885年に火災で焼失し、その後再建された際にスコットランド人の建築技師「チャールズ・ドイグ」の設計によって制作されました。

チャールズ・ドイグはパゴダ屋根の生みの親と呼ばれており、スコットランドの蒸留所を数多く設計している人物ですが、アイリッシュウイスキーの蒸留所に携わったのはブッシュミルズのみとなっています。

 

建物の見た目はスコットランドの蒸留所のようですが、実は見た目だけでなく、ウイスキーの製造スタイルもスコッチと似通っています。

最も特徴的なのは、アイリッシュウイスキーは大麦麦芽以外の穀物を使用するのが一般的ですが、ブッシュミルズ蒸留所ではスコッチウイスキーのように「モルト100%」でウイスキーを造ることにこだわっているところ。一般的なスコッチと違うのは「3回蒸留」を採用していることくらいでしょうか。

ブッシュミルズ蒸留所の仕込みはワンバッチ麦芽100トン。大麦はすべてのノンピーテッドのアイルランド産モルトを使用。かつては意外にも、ピーテッド麦芽を使用していたこともあったそうです。

ポットスチルはすべてストレートヘッド型。初留・後留・再留の合計10基が稼働しています。仕込み水はブッシュ川の上流にあるセント・コロンバの泉から。創業当時は直火焚きでしたが、現在はスチーム間接加熱に切り替わっています。

ブッシュミルズ蒸留所はアイリッシュウイスキーの中で「ジェムソン」、「タラモアデュー」に次いで第3位の売上げを誇ります。(日本市場では売り上げトップ)現在の年間売上げ本数は約1000万本で、生産能力は年間450万リットル。

2022年までに第2蒸留所が稼働する予定となっており、もし2023年時点で稼働している場合は、生産能力が倍の900万リットルとなっているはずが、2023年7月時点では確認できませんでした。

 

「Bushmills ブッシュミルズ」おすすめのウイスキー

ブッシュミルズ ブラックブッシュ


ブッシュミルズ ブラックブッシュ

 

ブッシュミルズ シングルモルト 10年

ブッシュミルズ シングルモルト 10年

 

 

アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説|Copeland コープランド

出典:https://copelanddistillery.com/

コープランド

地域:北アイルランド・ダウン州
創業年:2019
The Copeland Distillery

コープランド蒸留所は2016年にクラウドファンディングで資金調達を成功させ、2019年クラフト蒸留所として創業しました。

古い映画館とボトリング会社の敷地を再利用する形で蒸留所を設立。モルトウイスキーとポットスチルウイスキー、クラフトジンやラムの製造を行っています。

 

 

アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説|Echlinville エクリンヴィル

出典:https://echlinville.com/

エクリンヴィル

地域:北アイルランド・ダウン州
創業年:2013
シェーン・ブラニフ氏

エクリンヴィル蒸留所は北アイルランドのダウン州で2013年に創業した蒸留所。エクリンヴィルは、かつて栄えた「ロイヤルアイリッシュ蒸留所(閉鎖蒸留所)」のブランドを復活させることを目指しています。

創業者は実業家のシェーン・ブラニフ氏。大麦麦芽の栽培からこだわっており、18ヘクタールの敷地で原料を育て、自社でフロアモルティングも行っています。

エクリンヴィル蒸留所は「フィールド・トゥ・グラス」としても知られています。これは、自社で穀物の栽培から、製麦、瓶詰めまでのウイスキー造りの工程を、全て蒸留所内で行っていることを指す言葉です。ワインでいえば「ドメーヌ」といったところ。「フィールド・トゥ・グラス」を取り入れたのはエクリンヴィル蒸留所がアイルランドで初めて。現在は多くのアイリッシュクラフトウイスキー蒸留所が「フィールド・トゥ・グラス」での生産を行っています。

エクリンヴィル蒸留所で製造しているのは、モルトウイスキー、ポットスチルウイスキー、ポチーン(スコッチで言うニューポット)、ジン、ウォッカ。全ての商品が「ダンヴィルズ」というブランド名で販売されています。この「ダンヴィルズ」というのは、旧ロイヤルアイリッシュ蒸留所で使われていたブランド名で、エクリンヴィルで復活させた形です。

閉鎖した蒸留所が造っていた「ブランド」を復活させるのは、スコッチでは珍しいかもしれませんが、蒸留所=ブランド名=商標登録済み、だったりするため、アイリッシュウイスキーやアメリカンウイスキーではよくあること。

今となってはピンとこない「ロイヤルアイリッシュ蒸留所」も、かつてはダブリンのジェムソンに次ぐ有名な大規模蒸留所でした。北アイルランドのベルファスト市民にとって、ダンヴィルズは誇りとされる名門。そんな背景からロイヤルアイリッシュで造られていた「ダンヴィルズ」のブランドを復活させたいという強い思いがあるようです。

エクリンヴィル蒸留所で使用されている蒸留器は通常のポットスチルではなく、独自の工夫が施された特殊なもの。ウイスキー用のスチルは6基あります。一回のバッチで2万4000リットルの麦汁を抽出。発酵槽は5つ。現在までに「ダンヴィルズVR」、「同スリクラウンズ」、そして「1808」などの製品がリリースされています。

 

「Echlinville エクリンヴィル」おすすめのウイスキー

ダンヴィルズ スリークラウン ピート

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ダンヴィルズ 12年 ペドロヒメネスカスク シングルモルト

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アイリッシュウイスキー蒸留所51カ所解説|Hinch ヒンチ

出典:https://hinchdistillery.com/pages/experiences

ヒンチ

地域:北アイルランド・ダウン州
創業年:2021
テリー・クロス氏

北アイルランドのバリナヒンチの町に位置するヒンチ蒸留所は、2021年にオープンしたウイスキー蒸留所。

蒸留所の名前である「ヒンチ」は、ゲール語で「島の町」という意味。蒸留所の開業にあたっては、北アイルランド政府から地域経済の活性化を図るために、約20億円という巨額な補助金がでて建設されています。日本の蒸留所では絶対にありえない金額の補助金ですね。

ヒンチ蒸留所には有名シェフのレストランやバーも備えており、単なるウイスキー蒸留所ではなく、観光客も呼び込める要素を取り入れており、地域経済の新たな救世主として期待されています。

北アイルランドでは長い間、新規蒸留所は創業しておらず、北アイルランドのウイスキー蒸留所といえば「ブッシュミルズ」の一択。ウイスキー検定やコニサーの試験対策でアイリッシュの蒸留所の位置を覚えるのは楽勝でしたね(笑)※私が受験した当時はアイルランドの蒸留所は4カ所(ブッシュミルズ、クーリー、ミドルトン。キルベガン)のみ。

ヒンチ蒸留所はウイスキー用のポットスチルが3基。3回蒸留を行いモルトウイスキーとポットスチルウイスキーを造っています。その他、ジン用の蒸留所が1基あります。

まだ生産は始まったばかりであるため、現在は他社の原酒を使用したアイリッシュブレンデッド、シングルモルト、ポットスチルウイスキーなどを販売。既に約20カ国に輸出されており、海外のコンペティションでも賞を受賞しています。

ちなみにジンは「ナインスウェーブ」という、アイルランドの神話に基づいた名前がつけられています。アイルランド国内ではけっこう人気らしい…

 

「Hinch ヒンチ」おすすめのウイスキー

ヒンチ 10年 シェリー カスク フィニッシュ

ヒンチ 10年 シェリー カスク フィニッシュ

 

 

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