

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
シェリー樽熟成のウイスキーが好きなら、ミッシェル・クーブレイは一度飲んでおきたいブランドです。
PXやオロロソ、アモンティリャードなどのシェリー樽を使いながら、ただ濃厚で甘いだけではなく、モルトの個性やピート、ワイン樽の風味まで上手く組み合わせています。
しかも面白いのは、蒸留所の知名度ではなく「どんな樽で、どう育てるか」を大切にしているところ。
この記事では、定番のクリアラックやオーバーエイジドから、ブルゴーニュワイン樽を使った限定品まで、ミッシェル・クーブレイのおすすめウイスキー8本をご紹介します。
それぞれ樽の個性がかなり違うので、自分好みの一本を探してみてください。
ミッシェル・クーブレイ(Michel Couvreur)とは?

出典:https://www.mfwwineco.com/michel-couvreur
ミッシェル・クーブレイは、フランス・ブルゴーニュ地方のブーズ=レ=ボーヌを拠点とするウイスキーメーカーです。
もともとミッシェル・クーブレイ氏は、ブルゴーニュワインの生産・熟成・販売に携わっていた人物。1960年代にはスコットランドへ渡り、ウイスキーと出会います。
その後、1970年代末からスコットランドで選んだ蒸留原酒をブルゴーニュへ運び、自らの地下セラーで熟成させる独自のスタイルを確立しました。
ミッシェル・クーブレイが重視したのは、蒸留所の名前よりも**「樽と時間」**。
シェリーをはじめ、優れたワインを熟成させた樽を厳選し、その樽によって原酒を育てるという、ワインの「エルヴァージュ(育成・熟成)」に近い考え方をウイスキーに持ち込んだ人物です。
そして2022年には、ブルゴーニュのブーズ=レ=ボーヌに自社蒸留所を設置。
地元産大麦を使用し、ブルゴーニュで製麦。木桶による長時間発酵と、直火加熱による伝統的な2回蒸留を行っています。
現在もスコットランド産原酒の熟成を続ける一方、自社蒸留原酒も樽の中でゆっくりと育てており、公式サイトでは本格的なリリース時期として2032年頃が一つの目安として示されています。
これからさらに面白くなりそうなブランドですね。
シェリー酒のタイプを簡単に解説

ここで、ミッシェル・クーブレイを理解するうえで重要な「シェリー」について簡単に整理しておきます。
- フィノ
フロールと呼ばれる酵母の膜の下で熟成する辛口タイプ。色調は淡く、アーモンド、パン生地、塩気などを思わせる繊細な風味が特徴です。
- オロロソ
酸化熟成によって造られる辛口シェリー。クルミやヘーゼルナッツ、ドライフルーツ、スパイスなど、厚みのある香りを持っています。ウイスキーの熟成樽としても代表的な存在です。
- アモンティリャード
最初はフィノのようにフロールの下で熟成し、その後は酸化熟成へ移行するタイプ。フィノの繊細さとオロロソのナッティーな風味を併せ持っています。
- モスカテル
マスカット系品種「モスカテル」から造られる甘口シェリー。レーズン、蜂蜜、花、熟したブドウなど、華やかで濃厚な甘さが特徴です。
- PX(ペドロ・ヒメネス)
天日干ししたペドロ・ヒメネス種のブドウから造られる極甘口タイプ。レーズン、黒蜜、デーツ、チョコレートなどを思わせる非常に濃厚な味わいを持っています。
- クリーム
一般的にはオロロソなどの辛口シェリーに、PXなどの甘口シェリーを加えて甘みを持たせたタイプです。
ミッシェル・クーブレイでは、こうした異なるワインの個性を持つ樽を使い分けることで、それぞれ全く違うウイスキーを造り上げています。
【2026年版】ミッシェル・クーブレイおすすめウイスキー8選|シェリー樽好きに飲んでほしい!

- ミッシェル クーブレイ クーヴルーズ クリアラック
- ミッシェル クーブレイ イントラヴァガンザ クリアラック
- ミッシェル クーブレイ スペシャル ヴァッティング
- ミッシェル クーブレイ オーバーエイジド モルトウイスキー
- ミッシェル クーブレイ ブロッサミング オールド シェリード
- ミッシェル クーブレイ 12年 フリーティング R
- ミッシェル クーブレイ 15年 フリーティング S
- ミッシェル クーブレイ ハイフェン ダブルオリジン
ミッシェル クーブレイ クーヴルーズ クリアラック
ミッシェル クーブレイ クーヴルーズ クリアラック
- 度数・容量:43%・700ml
- 熟成年数:約3年
- 樽:PX、オロロソシェリー樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:9,680円
「初めてミッシェル・クーブレイを飲む」という方におすすめしたいのが、クーヴルーズ・クリアラックです。メーカー公式では「Single Malt Cereal Spirit」と表記されており、約3年間熟成させた若いモルトスピリッツを使用しています。
熟成期間だけを見るとかなり若いのですが、ミッシェル・クーブレイらしく樽へのこだわりは十分。PXとオロロソの樽を使用し、若いモルト特有の麦芽、アーモンド、青草のような爽やかさに、シェリー樽由来のドライフルーツやスパイスが重なります。
長期熟成のような重厚感はありませんが、むしろ若さを活かした軽快さが魅力。
「熟成年数が若くても、樽次第でここまで表情が変わるのか」と感じられる、ミッシェル・クーブレイの入門ボトルと言えるでしょう。
2026年8月時点では、日本国内でおよそ9,000~12,000円前後で販売されています。ショップによる価格差が大きいので、購入前に比較するのがおすすめです。
ミッシェル クーブレイ イントラヴァガンザ クリアラック
ミッシェル クーブレイ イントラヴァガンザ クリアラック
- 度数・容量:50%・700ml
- 熟成年数:約3年
- 樽:オロロソ、モスカテル
- 楽天市場価格[2026年8月]:11,980円
「クリアラックでは少し物足りない」という方には、イントラヴァガンザがおすすめ。基本となる蒸留原酒はクリアラックと同系統ですが、こちらは樽を選び、加水を抑えて50%でボトリングされています。
熟成にはオロロソに加えてモスカテル樽を使用。若々しい麦芽やアーモンドのニュアンスに、蜂蜜、ブドウ、白い果実を思わせる華やかな甘さが加わります。
50%というアルコール度数もあって、クリアラックよりボディが厚く、余韻も力強い仕上がり。単純な「クリアラックの高アルコール版」ではなく、樽の選択によって一段リッチなスタイルに仕上げているところが面白いですね。
2026年8月時点の販売価格は、およそ10,000~15,000円前後です。
ミッシェル クーブレイ スペシャル ヴァッティング
ミッシェル クーブレイ スペシャル ヴァッティング
- 度数・容量:45%・700ml
- 熟成年数:12年
- 樽:主にアモンティリャード樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:24,640円
スペシャル・ヴァッティングは、その名の通り複数のモルト原酒を組み合わせて造られるブレンデッドモルトです。中心となるのはアモンティリャード樽で熟成した、濃厚で成熟した原酒。そこへ若くヨード感やピートを持つモルト、さらに繊細なタイプのモルトを組み合わせることで、バランスを整えています。
香りはシェリー、革、タバコ、ドライフラワー。口に含むとシルキーで力強く、余韻には控えめなピート。
ただ甘く濃厚なだけではなく、潮気やスモークを使ってシェリー樽の厚みを引き締めているのが、このボトルの面白いところです。「シガーとの相性」が提案されており、食後にゆっくり楽しみたいウイスキーですね。
2026年8月時点では、およそ24,000~26,000円前後で流通しています。
ミッシェル クーブレイ オーバーエイジド モルトウイスキー
ミッシェル クーブレイ オーバーエイジド モルトウイスキー
- 度数・容量:43%・700ml
- 熟成年数:12年
- 樽:主にPXシェリー樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:17,600円
ミッシェル・クーブレイの定番ラインで、個人的にもブランドのスタイルを理解しやすいと思うのが「オーバーエイジド」。若く力強いモルトと、より成熟した原酒を組み合わせることで、フレッシュさと熟成感のバランスを取っています。
公式資料では12年表記。熟成には主に甘口のPX樽が使用されています。ドライフラワー、タバコ、シェリー、アーモンド。口当たりはしっかりしていますが、43%なのでアルコールの刺激は比較的穏やか。
フィニッシュにはわずかなスモーキーさもあり、濃厚なシェリー一辺倒ではありません。「ミッシェル・クーブレイを1本だけ選ぶなら?」と聞かれた場合、クリアラックと並んでおすすめしやすいボトルです。
2026年8月時点では、およそ13,000~18,000円前後。以前よりかなり価格は上がっています。
ミッシェル クーブレイ ブロッサミング オールド シェリード
ミッシェル クーブレイ ブロッサミング オールド シェリード
- 度数・容量:45%・700ml
- 熟成年数:15年
- 樽:PXシェリー樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:45,800円
ミッシェル・クーブレイのシェリー樽ウイスキーを本格的に味わうなら、「ブロッサミング オールド シェリード」は外せません。名前にある「Blossoming」は、花が開く、成熟する、といった意味を持つ言葉。非常に古いPX樽で熟成させたシングルカスクで、15年熟成の原酒を使用していると紹介されています。
色調はかなり濃く、香りにはシェリー、花、バニラ、煮詰めた果実。口に含むと柔らかく濃厚で、ドライフルーツやアーモンドの余韻が長く続きます。
PX樽の力はかなり強いのですが、単純に甘いだけではなく、麦芽由来のフレッシュさが残されているところがポイント。まさに「樽熟成の魔術師」という言葉が似合うボトルだと思います。
2026年8月時点では2025エディションも流通しており、販売価格は45,000~57,000円前後。かなり高級なウイスキーになりました。
ミッシェル クーブレイ 12年 フリーティング R
ミッシェル クーブレイ 12年 フリーティング R
- 度数・容量:49%・500ml
- 熟成年数:12年
- 樽:オロロソ・シェリー樽、酒精強化ピノ・ノワール樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:15,840円
ミッシェル・クーブレイの限定シリーズの中で、シェリー樽熟成モルトとブルゴーニュのワイン文化が交わっている一本があります。それが「12年 フリーティング R」です。
2012年8月にスコットランドで蒸留されたシングルモルトを使い、まずオロロソ・シェリー樽で約5年間熟成させています。そのあと、Savigny-lès-Beaune(サヴィニー・レ・ボーヌ、フランス・ブルゴーニュ地方の産地名)にあるDomaine Chandon de Briailles(ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ)が使っていた、酒精強化ピノ・ノワール(アルコールを添加して発酵を止め、甘みとコクを残したワイン)の古樽に移し替え、さらに6年以上じっくり後熟させています。
香りや味わいには、オロロソ樽由来のアーモンドやナッツ、ドライフルーツ、そしてほのかな酸化熟成のニュアンスがあります。そこにピノ・ノワール樽からくる、凝縮した赤系果実の印象が重なってくるのがこのボトルの面白いところです。濃縮した赤い果実の香りと軽いスモーキーさが核になる味わい。
アルコール度数は49%のナチュラルストレングス(加水調整なし)なので、口当たりにはしっかりとした厚みがあります。とはいえシェリー樽の甘さだけが前に出るわけではなく、モルト自体の力強さやワイン樽由来の果実味、わずかなスモークが折り重なって、奥行きのある味わいに仕上がっています。
2024年2月にボトリングされ、本数はわずか約1,800本、容量500mlの限定品。シェリー樽熟成を土台にしながら、ブルゴーニュのピノ・ノワール樽で個性を加えるという、ミッシェル・クーブレイらしい樽使いを楽しめます。
ミッシェル クーブレイ 15年 フリーティング S
ミッシェル クーブレイ 15年 フリーティング S
- 度数・容量:48%・500ml
- 熟成年数:15年
- 樽:ムルソー樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:18,480円
ブルゴーニュの白ワイン樽熟成という、ミッシェル・クーブレイらしいアプローチを味わいたい方には、「15年 フリーティング S」がぴったりです。
2009年1月にスコットランドで蒸留された、ピートを使っていないノンピートのシングルモルトを使っています。最初の8年間はニュートラルオーク(新樽由来の香りが強く出すぎない、クセの少ないオーク樽)で熟成させ、そのあとMeursault(ムルソー)の生産者Florent Garaudet(フロラン・ガローデ)が使っていた白ワイン樽に移して、最後の7年間を過ごしています。
ムルソーは、Chardonnay(シャルドネ)を主体とするブルゴーニュの白ワイン産地として知られる場所です。このボトルは、長期熟成モルトの落ち着いた土台に、ムルソー樽由来のバターや蜂蜜、ほのかなトースト香を思わせる要素が重なっていて、繊細で上品な味わいに仕上がっています。
フリーティングRが赤系果実や軽いスモークを前面に出すスタイルだったのに対して、こちらは淡い黄金色の液体そのままに、やわらかく端正な方向性が魅力。48%のナチュラルストレングス、ノンフィルター(冷却濾過をしていない、モルト本来の旨味や香りの成分を残した状態)で仕上げられているので、軽やかさだけでなくモルト本来の厚みもしっかりとあります。
2025年4月29日にボトリングされた631本限定リリース。ブルゴーニュの白ワイン樽がもたらす、穏やかで複雑な熟成香は、ミッシェルクーブレイの新たな可能性を感じさせるボトルです。
ミッシェル クーブレイ ハイフェン ダブルオリジン
ミッシェル クーブレイ ハイフェン ダブルオリジン
- 度数・容量:48%・500ml
- 熟成年数:異なる熟成年数の原酒を使用
- 樽:モスカテル樽で16か月間マリッジ
- 楽天市場価格[2026年8月]:40,480円
「ミッシェル クーブレイ ハイフェン ダブルオリジン」は、スコットランドとフランス、ノンピートとピーテッドという二つの個性を結びつけたボトルです。
原酒には、スコットランドで蒸留されたノンピートのシングルモルトと、フランスで蒸留されたピーテッド麦芽のシングルモルトを使っています。
この二つのモルトをモスカテル樽で16か月間マリッジ(複数の原酒を樽の中で一緒に寝かせてなじませる工程)させ、2024年2月にナチュラルストレングスでボトリング。
異なる国で造られたモルトに、ノンピートとピーテッドという対照的な個性を持たせているところが、このボトルのおもしろさ。穏やかなモルトの風味を持つ原酒と、ピート由来の個性を備えた原酒を合わせ、モスカテル樽で時間をかけてなじませることで、ただのブレンドにとどまらない一体感が生まれています。
商品名の「Hyphen」は英語で「ハイフン」、つまり言葉と言葉をつなぐ記号のこと。この銘柄では、スコットランドとフランスという二つの蒸留地をつなぐ存在として、その名前が使われています。
940本限定のリリース。ミッシェル・クーブレイが得意とする樽熟成に加えて、異なる原酒をつなぎ合わせるブレンドの発想まで一度に味わえる、個性豊かな一本です。

ミッシェル・クーブレイの魅力は、やはり樽使いの幅広さにあります。
PXやオロロソといったシェリー樽を中心に、モスカテルやピノ・ノワール、ムルソーなど、ブルゴーニュを拠点とするメーカーならではの樽を使ったボトルもあり、同じブランドとは思えないほど味わいはさまざまです。
初めて飲むなら、クリアラックやオーバーエイジドあたりが選びやすいと思います。もう少し濃厚なシェリー樽熟成を楽しみたいならブロッサミング、個性的な樽使いを求めるならフリーティングシリーズやハイフェンも面白いですね。
価格は以前より上がっていますが、樽熟成による味の違いを楽しみたい方には、今でもおすすめしたいブランドです。気になるボトルがあれば、ぜひ一度飲んでみてください。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。



















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