

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
ブルックラディ蒸留所が手がける、世界屈指のスーパーヘビリーピーテッド・シングルモルトウイスキー「オクトモア」。
最新作「オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ」は、アイラ島オクトモア農場産の大麦を100%使用し、アイラ島のテロワール(風土)をストレートに表現したモデルです。
前作16.3と比較するとフェノール値や樽構成に違いが見られますが、アイラ島産大麦由来の濃厚な甘みと、複雑な樽熟成によるエレガンス、そして圧倒的なピート感の融合は健在です。
この記事では、17.3の基本スペックや特徴、おすすめの飲み方、そして前作16.3との違いまで詳しく解説します。
【ウイスキーレビュー】オクトモア 17.3の味わい・評価|前作16.3との違いを徹底解説

オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ|基本スペック
| 項目 | 詳細スペック |
| 銘柄名 | オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ |
| 蒸留所 | ブルックラディ蒸留所(スコットランド・アイラ島) |
| 大麦の産地・品種 | アイラ島・オクトモア農場産 コンチェルト種大麦100% |
| フェノール値(PPM) | 132.1 PPM(※麦芽段階の計測値) |
| アルコール度数(ABV) | 60.9%(カスクストレングス) |
| 熟成年数 | 5年 |
| 熟成樽 | ファーストフィル・バーボン樽、各種セカンドフィルワイン樽等の組み合わせ |
| 仕様 | ノンチルフィルター、無着色(ナチュラルカラー) |
オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ|特徴と背景

オクトモアにおける「.3(ドットスリー)」の役割
オクトモアシリーズにおいて、「.3」を冠するモデルは「アイラ島産大麦(アイラ・バーレイ)」を使用した、テロワールを最も強く追求したシリーズです。
ブルックラディ蒸留所からほど近い「オクトモア農場(アイリーンフィールド)」で収穫された大麦のみを100%使用。スコットランド本土産の大麦を使用する定番の「.1」とは異なり、アイラ島の気候、土壌、風土そのものをウイスキーの味わいとして仕込む「シングルエステート(単一農園)」の思想が貫かれています。
フェノール値(PPM)と「味の強さ」に関する事実
オクトモア 17.3のフェノール値は132.1 PPM。ウイスキー界においては依然として超ヘビリーピーテッドの領域です。
なお、ウイスキーにおけるPPM(フェノール値)はあくまで仕込み前の「麦芽段階」で測定された数値です。蒸留や熟成の過程で成分が変化するため、数値の高さがそのまま完成したボトルのスモーキーさの強さに直結するわけではありません。
17.3では、アイラ産大麦特有の豊かな麦の甘みと、多彩な樽熟成由来のフルーティさが加わることで、単に煙たいだけでなく多角的なフレーバーの調和を実現しています。
5年熟成と多彩な樽構成が生み出す多層的な風味
オクトモア 17.3の熟成期間は5年。熟成樽にはファーストフィルのバーボン樽のほか、セカンドフィルのリベラ・デル・ドゥエロ樽、ソーテルヌ樽、アイスワイン樽、シラー樽が用いられ、各樽で全期間熟成された原酒がヴァッティングされています。
王道のバーボン樽由来のバニラやオークの風味に対し、赤ワイン樽や極甘口・アイスワイン樽由来のフルーティな果実味や上品な酸味が複雑に交差。
強烈なピートスモークに押し負けることなく、個性の異なる樽原酒が多角的に組み合わさることで、深みのある洗練されたフレーバーを構成しています。
【実飲ウイスキーレビュー】オクトモア 17.3 アイラ・バーレイをテイスティング

- シングルモルトスコッチウイスキー
- 60.9% 700ml
- フェノール値:132.1 PPM
- 樽:ファーストフィルのバーボン樽、セカンドフィルのリベラ・デル・ドゥエロ樽、ソーテルヌ樽、アイスワイン樽、シラー樽で全期間熟成
- 抜栓時期:2026年9月
- テイスティング時期:2026年9月(抜栓から一日後)
- whiskybaseでの評価:88.67/100
- 定価:30,580円(税込)
- 楽天市場価格[2026年9月]:30,580円
- Amazon価格[2026年9月]:29,920円
香り
味わい
甘くてフルーティー。少し酸味も感じます。徐々に強烈にピーティーでスモーキー。焼けるような強い刺激と燻製香に支配されます。ミディアムボディ。中盤からピートの個性が徐々に上がっていき、余韻まで強い強度で継続。最後はドライで少しビター。焼け焦げた味わいが長く残ります。
加水後はオイリーに変化。変わらず強烈なスモーキーさに加え、土っぽい感じ。後半はよりドライでビターな個性が引き立ちます。
評価
「オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ」の評価としては…
「ピーティーウイスキーの王様!4種類のワイン樽が織りなすハーモニー。でも結局スモーキーじゃん」です。
「.3」シリーズといえば、お馴染みなのがアイラ島のオクトモア農園で栽培された大麦「アイラ・バーレイ」。スコティッシュ・バーレイを使用する「.1」と比べて生産量も少なく、毎年限られた本数しかリリースされない貴重なボトルです。
年々価格が上がっていることもあってか、「.3」だけは最初からボトルを購入せず、まずBARで1杯飲んでから考える、という方も多い印象。実際、BAR WHITE OAKでも「.3」の需要は、「.1」「.2」と比べてもかなり高めです。
ただし、「飲んでから買うか決めよう」と思っている間に、定価で買えなくなってしまう可能性もあります。もともとの流通量が少ないシリーズなので、購入を検討している方は、早めに在庫と価格を確認しておいたほうがいいでしょう。
そして今回の「オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ」で特に注目したいのが、熟成樽の多さです。これまでの「.3」と比べても、かなり変化のある構成。過去のオクトモアシリーズ全体を振り返っても、5種類もの樽で熟成した原酒を組み合わせているタイプは、かなり珍しかったはず。
今回の樽を簡単に解説。この内容は考察を含みます。バーボン樽以外の4種類は、すべてワイン樽です。
- ファーストフィルのバーボン樽:オーソドックスな樽。構成としては、たぶんバーボン樽がメインでしょう。
- セカンドフィルのリベラ・デル・ドゥエロ樽:スペインの赤ワイン樽。リベラ・デル・ドゥエロは白ワインも作っていますが、生産量は極めて少ないので、普通に考えれば、テンプラニーリョ種の赤ワイン樽だと思います。
- ソーテルヌ樽:フランス・ボルドーの極甘口ワイン。
- アイスワイン樽:氷結したブドウから作られる甘口ワイン。いろんな国で造ってます。カナダ、ドイツ、オーストリアが名産地。
- シラー樽:赤ワイン樽。いろんな国で造られてますが、スコットランドに近いフランス産の可能性が高い。
こうした複数の樽を使っているだけあって、香りはかなり複雑。バーボン樽100%で造られた「オクトモア 17.1」と比較すると、より重厚でありながら、奥にはフルーティーさや、少しエキゾチックなニュアンスも潜んでいます。
とはいえ、表面を支配するのは、やっぱりオクトモアらしい強烈なスモーキーさ。その煙の裏側を、種類の異なるワイン樽が支えているような印象です。
香りだけでなく、味わいもかなり多面的。シェリー樽やポートワイン樽とは少し違う、ワイン樽特有のタンニンが感じられ、ビターさとボディの厚みにもつながっています。ただ、個人的には、ワイン樽のキャラクターを必要以上に前へ出すのは、オクトモアとしては少し違うようにも思います。
あくまで主役は、超ヘビリーピーテッドのアイラモルト。ワイン樽は、それを塗り替えるのではなく、複雑さを加えるために使う。そのバランスを取るためなのか、リベラ・デル・ドゥエロ樽だけはセカンドフィルが採用されています。
もちろん、このあたりは私個人の考察にすぎません。
実際にはバーボン樽の比率が少なく、ワイン樽原酒のほうが多い可能性もありますし、正確な構成比まではわかりません。それでも飲んでみた印象として、骨格そのものは、これまでの「.3」シリーズと大きく変わっていないように感じました。おそらく今回も、バーボン樽を軸にしながら、複数のワイン樽原酒をバランスよく組み合わせた構成なのではないでしょうか。
「オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ」は、オクトモアらしさをしっかり残しながら、これまでの「.3」とは少し違ったアプローチを見せてくれる1本です。
4種類のワイン樽が複雑さや奥行きを与えている。でも、最後に残る感想はやっぱりこれ。
「結局、めちゃくちゃスモーキーじゃん」
そこまで含めて、オクトモア。シリーズのファンなら、今回の17.3も十分納得できる仕上がりだと思います。
おすすめの飲み方と味わいの変化

- ストレート
カスクストレングス(60.9%)の力強い原酒パワー、濃密な甘み、ダイレクトなピートスモークを最も素直に体験できます。まずは何も加えず、グラスの中での香りの開きをじっくり楽しみましょう。
- 少量の加水(ティースプーン1〜2杯)
水を入れることでアルコールの刺激が優しくなり、奥に隠れていたフルーティな甘香やシトラス、バニラの風味が開放されます。スモーキーさは軽減しません。全体としての飲みやすさと香りの広がりが増すため、味の変化を楽しみたい時におすすめ。
前作「オクトモア 16.3」との違い・比較

前作「オクトモア 16.3」と「オクトモア 17.3」の比較です。
| 比較項目 | オクトモア 16.3 | オクトモア 17.3 |
| フェノール値 | 189.5 PPM | 132.1 PPM |
| アルコール度数 | 61.6% | 60.9% |
| 大麦 | アイラ島・オクトモア農場産100% | アイラ島・オクトモア農場産100% |
| 熟成樽構成 | バーボン樽、ソーテルヌ樽、ペドロ・ヒメネス樽等 | ファーストフィル・バーボン樽、各種セカンドフィルワイン樽等 |
| 香味の傾向(考察) | 濃厚な極甘口ワイン樽由来の甘みと強烈なピートの対比 | 多彩な樽が組み合わさった複雑で調和のとれたフルーティさ |
スペック・樽構成から見る比較考察
-
数値の違い: 16.3(189.5 PPM / 61.6%)に対し、17.3(132.1 PPM / 60.9%)は数値上、やや控えめな設定。
-
大麦の共通点: ともにアイラ島のオクトモア農場産大麦100%を使用。土台となるテロワールの要素は共通。
香味の比較考察|16.3と17.3、どっちがスモーキー?
16.3は、高いPPM値に加えて、ペドロ・ヒメネスやソーテルヌといった甘口ワイン樽の主張が強く、濃厚な甘みと強烈なスモークが前面に出るタイプです。
特に印象的なのが、PXシェリー樽由来と思われるレーズン、ビターチョコレート、キャラメルのような風味。甘く濃厚なニュアンスと、オクトモアらしい強いピートがぶつかり合うような味わいで、この部分は17.3にはあまり見られない、16.3ならではの個性だと思います。
一方の17.3は、PPMの数値こそ16.3より低いものの、実際に飲めば十分すぎるほどスモーキー。複数のワイン樽原酒をヴァッティングしていることもあり、「甘い」「煙たい」という単純な方向性ではなく、フルーティーさ、タンニン、ビターさなどが重なった、より複雑でバランスの取れた仕上がりです。
16.3が、「パワフルなスモークとPXシェリー樽の濃厚な甘みのコントラスト」
を楽しむ一本だとすれば、
17.3は、「アイラ大麦の素朴な甘みと、複数のワイン樽が生み出すエレガントな複雑さの調和」
といった印象です。
では、「16.3と17.3、どちらがスモーキーなのか?」私なら、「体感としては同じくらい」と答えます。
フェノール値を見ると、16.3が189.5PPM、17.3が132.1PPM。数値だけなら16.3のほうが明らかに高いのですが、実際に飲み比べると、その差ほどスモーキーさに大きな開きは感じません。
もちろん16.3のほうが力強く感じる場面はありますが、17.3も十分にオクトモアらしい強烈なピートを持っています。
結局のところ、両者の違いは「煙の強さ」そのものよりも、「その煙を、どんな樽香や甘みと組み合わせているか」の違いと考えたほうが分かりやすいと思います。
まとめ

「オクトモア 17.3 アイラ・バーレイ」は、アイラ島産大麦の甘みと、複数のワイン樽が生み出す複雑さ、そして強烈なピートスモークが融合した一本です。
前作16.3よりPPM値は低いものの、体感的なスモーキーさに大きな差はなく、違いはむしろ樽由来の風味にあります。16.3が濃厚な甘みとピートの対比なら、17.3はフルーティーさやビターさを含む、より複雑でエレガントな仕上がり。
多彩な樽を使っていても、最後はやっぱりオクトモア。強烈なスモーキーウイスキーが好きな方におすすめです。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。








コメント