ノンエイジ(NAS)のウイスキーとは?年数表記のルールと見分け方

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

「年数が書かれていないウイスキーは、若いのかな?」「年数が長いほど、おいしいのかな?」と気になったことはありませんか。ウイスキーには、熟成年数を表示していない「ノンエイジ(NAS)」のボトルがあります。

年数表示には決まりがあり、数字から読み取れることと、ラベルだけでは分からないことがあります。今回は、その違いを整理しながら、ノンエイジの見方や選び方を紹介します。

ノンエイジ(NAS)とは

ノンエイジは「No Age Statement」の略で、直訳すると「年数表示なし」です。ラベルに熟成年数が書かれていないウイスキーのことを指します。

10年や12年など年数が書かれたウイスキーと比べると、ノンエイジは酒齢(熟成年数のこと)の若い原酒を中心に作られている傾向があるとされています。その分、比較的手頃な価格で、親しみやすい味わいのものが多い印象です。

ただ、ここで誤解しやすいのが「ノンエイジ=若い酒」というイメージです。年数が書かれていないからといって、必ずしも短期熟成とは限りません。長期熟成の原酒を多く使った高級ウイスキーにも、ノンエイジの銘柄はたくさんあります。

ですので、まずは「年数を書いていない」という事実だけを押さえておいてください。中身が若いかどうかは、年数がないことからは判断できないのです。

スコッチウイスキー|年数表記のルール

ここが大事なポイントです。スコッチウイスキーでは、年数を表示する場合、その数字が何を示すのか、法律で定められています。

「Scotch Whisky Regulations 2009(スコッチウイスキー規則2009)」では、年数表示はボトルに入っている原酒のうち、最も若いものの熟成年数を示すことになっています。たとえば「12年」と表示されていれば、使われている原酒はすべて12年以上熟成されています。平均年数ではなく、「一番若い原酒が何年か」を示す数字です。

なお、ジャパニーズウイスキーも、年数表示の基本的な考え方は同じです。年数の異なる原酒をブレンドした場合、表示する熟成年数は、最も若い原酒の年数が基準になります。このルールは、日本の「ウイスキーの表示に関する公正競争規約」に定められています。

ユースケ
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原酒(げんしゅ)とは
蒸留したウイスキーを樽で熟成させた、ボトリング前のもの。ブレンデッドウイスキーは、複数の原酒を混ぜ合わせて造られます。その中に若い原酒が含まれていれば、ボトルに表示できる年数は、その原酒の熟成年数が基準になります。

年数表記がないと何が分からないのか

では、年数が書かれていないボトルについて、ラベルから何が分かるのでしょうか。

スコッチウイスキーは、年数表示の有無にかかわらず、少なくとも3年以上熟成させることが法律で定められています。

ただし、年数が表示されていなければ、原酒が3年熟成なのか、それより長く熟成されているのかはラベルから分かりません。長期熟成の原酒が使われていることもあれば、3年熟成の原酒が含まれていることもあります。ノンエイジの大事なポイントは、熟成年数をラベルから判断できないことです。

熟成年数が味わいにどう影響するのかは、別の記事で詳しく紹介しています。ここでは、ラベルから分かることに絞って見てきました。ノンエイジは「若いウイスキー」という意味ではなく、「熟成年数を表示していないウイスキー」と考えると分かりやすいでしょう。

ラベルでの見分け方

店頭でボトルを手に取ったら、まず熟成年数の表示を探してみましょう。年数が表示されていれば、その数字は使われている原酒のうち最も若いものの熟成年数です。年数表示がなければ、ノンエイジです。

年数以外にも、ラベルには蒸留所名や樽の種類、アルコール度数などが記載されていることがあります。こうした情報は、味わいを想像する手がかりになります。

ラベルのデザインや表示の位置は商品によってさまざまです。大きく目立つ数字が熟成年数とは限らないので、表示の意味を確かめながら見てみましょう。同じ蒸留所から、年数表示のあるボトルとないボトルが出ていることもあります。いくつか見比べると、ラベルの読み方にも慣れていきます。

ノンエイジが増えた理由

近年、ノンエイジのスコッチを見かける機会が増えています。その背景の一つは、長期熟成の原酒の在庫です。需要が伸びても、長く熟成させた原酒はすぐには増やせません。年数を表示しないことで、造り手が異なる熟成年数の原酒を組み合わせ、目指す味わいをつくりやすくなる面もあります。

ただ、ノンエイジを選ぶ理由は銘柄によってさまざまです。在庫事情だけでなく、どんな味わいを目指すかも関わってきます。

また、ジャパニーズウイスキーでは、新しい蒸溜所ならではの事情もあります。

蒸溜所ができてから年月が浅いと、長期熟成した原酒の在庫がまだ十分に育っていない場合があります。そうした蒸溜所では、熟成年数の長い商品がそろうのを待たず、若い原酒を使ったノンエイジ商品を発売することがあります。

若い原酒を使っているからといって、必ずノンエイジになるわけではありません。年数を表示する場合は、ブレンドした原酒のうち最も若いものの年数が基準です。そのため、「3年」「4年」と表示するか、年数をあえて表示せずノンエイジとして発売するかは、ブランドや商品ごとの判断になります。

短い年数を前面に出すより、味わいやブランドの個性を伝えたい場合に、ノンエイジが選ばれることもあります。

ユースケ
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実は、1980年代半ばごろまでは、年数表記のあるスコッチは今ほど一般的ではなかったそうです。そう考えると、近年のノンエイジの広がりは、昔のスタイルに戻る動きとも言えるのかもしれません。

 



 

年数と価格・味の関係

熟成年数が長いほど価格も高くなる傾向はありますが、必ずしもそうとは限りません。

価格には、熟成にかかるコストや樽の希少性、ブランドの位置づけなど、さまざまな要素が関わります。年数表示がなくても高価格帯の商品はありますし、年数表示があっても比較的手に取りやすい商品もあります。

味わいも、年数だけでは決まりません。樽の選び方や蒸留所の個性、原酒の組み合わせによっても変わります。

ユースケ
ユースケ

お客様におすすめするときは、年数より『この香りが好きかどうか』を大切にしてもらうことが多いかな。数字にとらわれず、自分の舌で選んでみて(笑)
もちろん、熟成年数を基準に選ぶのもありだけどね(笑)

ノンエイジを選ぶときの考え方|初心者向け

ノンエイジを選ぶときは、年数の表示だけで判断せず、どんな香りや味わいが好みかを目安にしてみましょう。年数が書かれていないからといって、品質が低いとは限りません。年数表示があっても、数字だけで自分に合うかどうかは分かりません。

飲み方に合わせて選ぶのも一つの方法です。ハイボールにするなら、炭酸で割っても香りや味わいを楽しめるものが候補になります。ストレートで飲むなら、樽の香りや余韻など、じっくり味わいたい特徴に注目してみてください。

迷ったときは、ラベルにある蒸留所名や樽の種類なども手がかりになります。年数にとらわれず、飲み方や好みに合いそうな一本を探してみましょう。

よくある質問

ノンエイジは若いウイスキーなのですか?
必ずしもそうとは限りません。ノンエイジは熟成年数が表示されていないという意味です。若い原酒が使われている場合も、長く熟成された原酒が使われている場合もあり、年数表示がなければラベルからは分かりません。

年数表示がないウイスキーは、品質が低いのですか?
年数表示の有無だけで、品質の良し悪しは判断できません。年数が書かれていないことが、品質の低さを意味するわけではありません。

年数表記のルールは、どの国でも同じですか?
国や地域によって規則は異なります。この記事では、スコッチウイスキーのルールを説明しています。他の国のウイスキーについて知りたい場合は、その国や地域の規則を確認しましょう。

ノンエイジかどうかは、どこで確認できますか?
ボトルのラベルを確認しましょう。熟成年数の表示がなければ、ノンエイジです。数字が書かれていても、それが熟成年数を示す表示かどうかを確かめてください。

ラベルにある数字は、熟成年数を表しているのですか?
数字がすべて熟成年数とは限りません。「12年」のように年数が明記されていれば熟成年数の表示ですが、「40%」はアルコール度数、「700ml」は容量を表します。数字の近くにある単位や表記も確認してみましょう。

 



 

まとめ

ノンエイジのボトルから分かるのは、熟成年数が表示されていないということです。中の原酒が何年熟成されているかはラベルだけでは分かりません。一方、年数が表示されていれば、その数字は最も若い原酒の熟成年数です。

年数は選ぶときの一つの手がかりですが、それだけで味や品質が決まるわけではありません。ラベルの情報を見ながら、自分が飲みたいと思えるウイスキーを探してみましょう。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

【お酒に関するご注意】
年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。

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