TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 おすすめボトル解説

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ウィルソン&モーガン グレンエルギン 2008 ヴァージンオーク

ウィルソン&モーガン グレンエルギン 2008 ヴァージンオーク
46% 700ml
参考価格:10000円
株式会社ePower

ヴァージンオークの効いた1本

イタリアの人気ボトラーズ「ウィルソン&モーガン」の代表的なシリーズ、クラシックセレクションのボトル。 2008蒸留、2021年ボトリングのグレンエルギン。熟成後にヴァージンオークでのフィニッシュを施しています。ヴァージンオークの原酒をブレンドすることは珍しくありませんが、このウイスキーはフィニッシュでの利用。グレンエルギン本来の個性は失わせず、全体に複雑さと個性をもたらすことができており、改めてヴァージンオーク・フィニッシュの可能性を示しているような気がします。

補足ですが、ヴァージンオークとは「新樽」のこと。通常スコッチの熟成樽は何らかのお酒の熟成に使用した「古樽」を使います。近年は熟成に使用される樽のバリエーションが増えていますが、伝統的にはほとんど使うことのなかった、ヴァージンオークでの熟成を行う蒸留所も増えています。

メインの「熟成」と、その後仕上げとして行われる「後熟(フィニッシュ)」では、ウイスキーに付与される影響が変わります。ヴァージンオークの利用方法と、熟成している銘柄に今後も注目していきたいですね!

グレンエルギン 2008 ヴァージンオーク (ウィルソン&モーガン) 46度 700ml
スピリッツ

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ダンカンテイラー レアレスト オブ ザ レア キンクレイス 1969 35年

出典:https://www.duncantaylor.com/index.html

ダンカンテイラー レアレスト オブ ザ レア キンクレイス 1969 35年
52.8% 700ml
参考価格:11万円
河内屋酒販株式会社

閉鎖したキンクレイス蒸留所のシングルモルト

ボトラーズ「ダンカンテイラー」のリリースする、貴重な原酒や長期熟成がブレンドされた、レアレスト・オブ・ザ・レアシリーズの一つ。中身は閉鎖したキンクレイス蒸留所のシングルモルト。1975年に閉鎖。稼働はわずか17年間のみで、希少価値の高いウイスキーとなっています。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ

ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ

40% 700ml
参考価格:5500円
ディアジオ ジャパン株式会社

ジョニ黒の上位版 ジョニ金が金賞

ジョニ黒がTWSC2022で最高金賞受賞というジャイアントキリングを見せつけましたが、その上位ボトルとなるゴールドラベルは金賞という結になりました。

ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ はかつて18年物としてリリースされていたゴールドラベル 18年の後継ボトルとして誕生。その後、「18年」と「ゴールドラベルリザーブ」という別々のブランドに分かれます。ゴールドラベルリザーブは年数表記がなくなったことで価格が改訂され、現在ではグリーンラベルと同等クラスの5000~6000円代のブランドとなっています。

ジョニ赤・ジョニ黒の上位ボトルという存在でありながら、あんまり存在感のない銘柄でしたが、今回の金賞受賞をきっかけにもう少し認知度を上げてほしいですね。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ジョニーウォーカー ダブルブラック

ジョニーウォーカー ダブルブラック
40% 700ml
参考価格:3000円
ディアジオ ジャパン株式会社

ブラックはブラックでも「ダブルブラック」

ジョニーウォーカーダブルブラックは、日本では2013年から定番ラインナップとなりました。ブラックラベルをベースにスモーキーさを際立たせたブレンデッドウイスキー。キーモルトはブラックラベルと同じで、カーデュ(スペイサイド)、タリスカー(スカイ島)、ラガヴーリン(アイラ島)。ラガヴ―リンやタリスカーといったピーティーで個性的なキーモルトが、通常のブラックよりも多くブレンドされています。

ジョニーウォーカーシリーズのなかではダントツにスモーキー。モルトウイスキーだけをブレンドしたグリーンラベルよりも燻製香が強く、ブレンデッドスコッチ全体からみても、なかなか個性的です。近年はアイラモルトを主体にしたブレンデッドが増えたことで、ダブルブラックよりもクセの強い銘柄は存在しています。その中でもリーズナブルで完成度の高いウイスキー。

ジョニ黒とボトルデザインが似ていることから、間違ってダブルブラックを購入して飲んでみたらスモーキー…「ニセモノじゃね??」とビギナーには勘違いされてしまうこともあるようです。できるのなら紛らわしいダブルブラックというネーミングではなく、全く違う「色」で命名してほしかった所もあります。

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JOHNNIE WALKER(ジョニーウォーカー)
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TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ロッホローモンド シグネチャー

ロッホローモンド シグネチャー

40% 700ml
参考価格:2500円
株式会社 都光

単一の蒸溜所でつくられる「シングル・ブレンデッドウイスキー」

ロッホローモンド蒸留所内で造られているモルト原酒とグレーン原酒のみをブレンドした、シングルブレンデッドウイスキー。モルトとグレーンの両方を生産している蒸留所は他にもありますが、単一蒸留所の原酒だけで造られたウイスキーはロッホローモンド シグネチャーの他ありません。

これだけでもかなり個性的なボトルですが、熟成方法もユニーク。シェリー酒で用いられている「ソレラシステム」(継ぎ足し熟成)を採用しており、オロロソシェリー樽とリチャーしたアメリカンオーク樽で構成された600樽によって、熟成とマリッジが同時に行われるような形でつくられています。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ディンプル 12年

ディンプル 12年

40% 700ml
参考価格:3000円
日本酒類販売株式会社

金色ネットで覆われたボトル

ブレンデッドウイスキー「ヘイグ」の上位ボトルとして発売されたディンプル。かつては「ピンチ」という名称で流通していたボトルもありました。ピンチはアメリカ向けにつくられていたもので、日本でも特級ボトルはピンチのほうがメインで流通していました。現在は全てのボトルがディンプルに統一されています。ディンプルはなんといってもボトルデザインが個性的。三面の窪みのあるボトルに、金色のネットで覆われた姿はなんとも言えない味がでています。昔のボトルのほうがネットが固くて少し太かったような気がしますね。

12年物のブレンデッドということもあって完成度は高く、フルーティーでなめらか。スモーキーさがほとんどなく、スコッチにしては甘めで飲みやすい味わいです。ジャパニーズウイスキーが好きな方におすすめしたい銘酒。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 デュワーズ カリビアンスムース8年

デュワーズ カリビアンスムース8年
40% 700ml
参考価格:3000円
バカルディ ジャパン株式会社

ラム樽で後熟したデュワーズの限定ボトル

デュワーズの限定シリーズ「イノベーション・シリーズ」の第一弾として、2021年5月にリリース。8年以上熟成させたモルトとグレーンをブレンドし、ラム樽で最長6か月間再度熟成する「ダブルエイジ製法」でつくられています。

ダブルエイジはブレンド後にアメリカンオークで6ヶ月以上の後熟を行うという、デュワーズ独自の製法のこと。カリビアンスムースは特別にラム樽を使用しており、これまでのデュワーズとは異なる個性を生み出しています。通常、リーズナブルなウイスキーではあまり感じることのないトロピカルフレーバー、ハチミツや黒糖の風味がありスイートなアロマ。コクがあるのにすっきりとスムースな飲み心地は、まさにカリビアンスムース。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 デュワーズ ジャパニーズスムース8年

出典:https://shop.dewars.com/products/dewars-japanese-smooth

デュワーズ ジャパニーズスムース8年
40% 750ml
参考価格:3000円
バカルディ ジャパン株式会社

ミズナラ樽を使用したブレンデッド

日本未発売の限定品。樹齢200年を超える水楢の木から作られたミズナラ樽で6か月間の後熟を行っています。外箱には「和」という大きな文字。外国人が好きなストレートな表現。このままのボトルデザインで正規輸入されたら面白いのですが。

ミズナラ樽をつかったブレンデッドウイスキーは「シーバスリーガルミズナラ」などが代表的。こちらは日本限定ボトルとして発売。日本のウイスキー造りをリスペクトする形で誕生した、日本人としてはうれしいボトルでした。しかし今回のデュワーズジャパニーズスムースに関しては、シーバスと逆で主に海外向け。比べられるのが嫌だったのでしょうか(笑)いずれにしても、リーズナブルでありながら見事に金賞を獲得。日本でも販売してほしいですね。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 バランタイン 7年

バランタイン 7年
40% 700ml
希望小売価格:2,100円
サントリースピリッツ株式会社

バランタインの歴史の名を残す銘酒

2021年にリリースされた新しいバランタイン。7年以上熟成させたモルト原酒をバーボン樽で後熟し、短期熟成でありながら飲みごたえと力強さのあるブレンデッドウイスキーに仕上がっています。

バランタインといえばラインナップが豊富ですが、実はこの7年物というのは初めてリリースされたものではありません。バランタインの初代マスターブレンダー、ジョージ・バランタインが1872年にリリースしたのが一番初めの「7年」で、昔のボトルを復刻させた形となっています。当時はまだウイスキーの年数表記が一般的でなかったため、バランタイン8年は注目を浴びたようです。

バランとしては初の年数表記ボトルが7年。その記念すべき復刻ボトルが金賞を獲得。個人的には12年や17年のほうが上のように思いますが、受賞はお見事です。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ホワイトホース 12年

出典:https://www.kirin.co.jp/alcohol/whisky_brandy/whitehorse/

ホワイトホース 12年
40% 700ml
参考価格:2200円
ディアジオ ジャパン株式会社

ストレートでもおいしいバランス

1998年からリリースされている日本市場向けのボトル。TWSC2020では銀賞でしたが今回ランクアップ。主にブレンドされているのはラガブーリン、クレイゲラキ、グレンエルギン。現代的なライトボディ・ブレンデッドとはやや異なり、ピートとフルーティーなフレーバーがしっかりと感じます。

ドライな飲み口で、昔ながらの骨格のあるブレンデッド。ハイボールやロックでもおいしいのですが、ストレートでも飲み飽きない。こういうタイプはTWSCでは高評価されやすい傾向にありますね。

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TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 バランタイン 17年 トリビュートリリース

バランタイン 17年 トリビュートリリース
48% 700ml
参考価格:12000円
サントリースピリッツ株式会社

ラインナップに新たに加わった日本限定の17年

5代目マスターブレンダーであるサンディー・ヒスロップ氏が手がけた日本市場限定ボトル。これまでリミテッドエディションとしてリリースされていましたが、2020年から定番ラインアップ新たに加わりました。通常の17年と比べると以下のような違いがあります。

  • 小売希望価格  17年9000円 → トリビュート10000円
  • アルコール度数  17年40% → トリビュート48%
  • 冷却濾過  17年あり → トリビュートなし(ノンチルフィルタード)
  • 熟成樽  17年は2~3回使用したアメリカンオーク樽がメイン。トリビュートリリースはファーストフィルとのアメリカンオーク樽やヨーロピアンオーク樽の原酒も使用している。

日本限定ボトルということ以外は、通常の17年と何が違うのかが分かりにくいと言われていたトリビュートリリース ですが、比べてみると結構違いがありますね。味わいもピーティーな風味を感じる17年に対し、トリビュートはほとんどクセがありません。甘みを強く感じ、バニラ、ハチミツ、オーキーなアロマが中心。ウイスキーを割って飲む文化のある日本人向けのバランスに仕上がっています。

17年との価格差はわずか1000円ですが、それ以上にクオリティの高い1本。まだ飲んだことのない方には是非おすすめします。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 バランタイン 21年

バランタイン 21年
40% 700ml
希望小売価格:20,000円
サントリースピリッツ株式会社

ちょうどいい熟成期間 ちょうどいいバランス

バランタインシリーズのなかでも評価の高い21年物。以前よりも値上がりはしましたが、それでも十分納得のパフォーマンスです。17年よりもリッチなテイストで…30年ほど柔らかくはない。ブレンデッドウイスキーとしてはある意味、ちょうどよい熟成期間といえる1本ではないでしょうか。

香りは花のようなエレガントさ。ハチミツ、ハーブ、フレッシュフルーツ。奥にはバニラ、カスタードクリーム。良いウイスキーというのは、香りのバリエーションが尽きることはありませんね。ただし加水に対しては17年のように耐えることはできません。ストレート、トワイスアップ、ロックくらいがベスト。ハイボールや水割りだとアルコール度数が下がり、必要以上にドライな味わいになってしまいます。

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TWSC2022では「金賞常連」から「初受賞」のボトルまで、幅広くスコッチウイスキーが選出されました。この中から最高金賞へと昇格する銘柄はあるでしょうか。TWSC2023も要チェック!

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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