TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 おすすめボトル解説

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ポートシャーロット 10年

ポートシャーロット 10年
50% 700ml
参考価格:7000円
レミー コアントロー ジャパン株式会社

スコットランド産モルトでつくるピーティーなウイスキー

アイラ島のブルイックラディ蒸留所でつくられている、フェノール値40ppmのヘビリーピーテッドタイプのシングルモルト。かつては「ポートシャーロット スコティッシュバーレイ」としてリリースされていましたが、その後継ボトルとなったポートシャーロット10年も、大麦麦芽はスコットランド産(インバネス州産)を使用しています。

すでに国際的な評価は非常に高く、 アメリカのウイスキー専門誌「ウイスキー・アドヴォケイト(Whisky ADVOCATE)」では93点という高得点を獲得。これは全体で第4位となっており、スコッチウイスキーの中では最高位となる快挙。その他、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2021では、最高金賞(ダブルゴールド)を受賞しています。

熟成樽はファーストフィルのアメリカンウイスキー樽がメインで、比率が65%。セカンドフィルのアメリカンウイスキー樽が10%。セカンドフィルのフレンチワイン樽が25%。ここで気になるのが「アメリカンウイスキー樽」であること。バーボンだけではなく、アメリカン・ライウイスキーなどの樽も使っているのでしょうか。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ロッホローモンド 12年

ロッホローモンド 12年

46% 700ml
参考価格:4600円
株式会社 都光

3年連続金賞受賞の殿堂入りウイスキー

ロッホローモンド蒸留所のフラッグシップ銘柄である12年物が2022年も金賞を獲得。3年連続の金賞で見事殿堂入りを果たしました。また、2019年と2020年には「 スコッチシングルモルト 12年熟成以下の部」でカテゴリーウィナーに選ばれています。蒸留所としてはロッホローモンド以外にも、「インチマリン12年」が最高金賞を受賞。個性的なスチルから多彩な原酒をつくり分けるという、一風変わった蒸留所というイメージがありました。しかし近年では高評価ウイスキーを次々と生み出していることから、ロッホローモンドの原酒造りに注目が集まっています。

ロッホローモンド 12年 はノンピートとミディアムピートでつくった2種類の原酒をベースに、リフィルカスク、リチャーカスク、バーボンカスクの3種の樽で熟成し、ブレンド。フルーティーさと樽からのバニラ、ウッディネス、カラメルの甘いアロマ。口当たりはまろやかでフレッシュ。軽いピーティーさが複雑さを生み出しています。

5000円以内で購入できるシングルモルトの中では優れた1本。2年連続でカテゴリーウィナーに輝いたのも納得です。中途半端な長期熟成よりも12年以上という設定が、ロッホローモンドのウイスキーには合っているのかもしれません。

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ロッホローモンド
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TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 カーデュ 18年

カーデュ 18年

40% 700ml
参考価格:7800円
日本酒類販売株式会社

シェリー樽のきいたお手頃な18年物

カーデュ(カードゥ)はジョニーウォーカーのキーモルトとなっている蒸留所です。なめらかでクリーミーな口当たりが特徴的で、古くからコアなファンから支持を受けています。ラインナップは12年、15年、カーデュ ゴールド リザーブなどがありますが、今回金賞を受賞した18年は、12年物と比べても高品質で弱点のないウイスキーです。際立った個性はありませんが、バランスのとれた優等生タイプ。

熟成樽はバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽を使用しています。12年はバーボン樽主体ですが、18年にはシェリー原酒が多く使われていることから、華やかさと円熟感があってリッチなテイスト。ボディもしっかりとしています。価格はシングルモルトの18年物の中ではお手頃な8000円程。
いいウイスキーですね、カーデュ18年。正直言ってノーマークでした(笑)

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 グレングラント 15年

グレングラント 15年
50% 700ml
参考価格:円
CT SPIRITS JAPAN株式会社

免税店向けボトルが正規販売へ

国際的にも評価が高いグレングラントからは、15年が金賞受賞。これまで免税店向けに販売されていたボトルでしたが、2021年12月より正規販売されています。近年ではサンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティション2021でダブルゴールドを獲得するなど、数多くあるグラントのラインナップの中でも上位に入る品質だと思います。

熟成樽はファーストフィルのバーボン樽。50度というハイプルーフ設定と、ノンチルフィルタードでのボトリングは、他のボトルにはない18年だけの特徴。口に含むと甘みがあり、凝縮感と円熟感。フレッシュなアロマもあります。

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TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 グレンアラヒー 15年

グレンアラヒー 15年
46% 700ml
流通価格:14000円
株式会社ウィスク・イー

人気急上昇のシェリー系ウイスキー

2020年に発売開始。ペドロヒメネスシェリー樽とオロロソシェリー樽の原酒のみを使用したリッチテイストなシングルモルト。グレンアラヒーは12年、18年、25年とラインナップが豊富ですが、年数表記のあるものでカスクの種類が公開されているのは15年のみ。シングルモルト界の巨匠、ビリー・ウォーカー氏によるプロデュースが成功した結果、これまではブレンデッドウイスキーの原酒に過ぎなかったグレンアラヒーですが、現在ではスペイサイドを代表する人気モルトとなりました。

その人気ぶりの影響か、あるいはシェリー樽の価格高騰の影響か…ここ2、3年くらいで流通価格が高くなっているのが気になります。かつての2倍~2.5倍くらいまで上昇しており、品薄状態も続いています。評価の高い銘柄の宿命なので仕方がないのですが、グレンアラヒーをはじめとするシェリー系ウイスキーの値段があがってしまうのは、モルトファンからすれば頭が痛くなる話です。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 グレンフィディック 18年 スモールバッチリザーブ

グレンフィディック 18年 スモールバッチリザーブ
40% 700ml
参考価格:17000円
サントリースピリッツ株式会社

専用の大桶で後熟

グレンフィディックの18年物は何度かリニューアルを繰り返しており、「スモールバッチリザーブ 」は3代目に当たります。初代は「エクセレンス」。二代目が「エンシェントリザーブ」としてリリースされていました。

グレンフィディック 18年 スモールバッチリザーブ は、スパニッシュ・シェリー樽とアメリカンオーク樽の原酒をブレンドし、その後3ヶ月以上の後熟が行われています。後熟に使用する樽は、オーク材で作られた後熟専用の大桶。ウイスキーにさらなる深みを与えるために、追加熟成は期間を見計らって行われています。スモールパッチ(少量生産)というだけあって、かなり丁寧に造られている印象。1樽ずつ厳格に管理されたは上質な味わいです。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 グレンフィディック 21年

グレンフィディック 21年
40% 700ml
希望小売価格は36,300円(税込)
サントリースピリッツ株式会社

カリビアンラム・フィニッシュが見事にマッチ

TWSC2021から続いて二年連続の金賞受賞。世界的に人気ブランドなだけあって、流石の安定感ですね。グレンフィディック21年はシェリー樽とバーボン樽の原酒をブレンドし、カリビアンラムの樽で4か月の後熟を施したウイスキーです。21年以上の原酒をブレンドしている時点で、十分にリッチな配合でありながら、最後にダメ押しのラムカスク・フィニッシュ。個人的に長期熟成の後にカスクフィニッシュをしているウイスキーは、ちょっと気難しいというイメージがありましたが、このウイスキーに関してはラムカスクの風味が全体にうまく溶け込んでいます。「風味が物足りないから」という理由でカスクフィニッシュを施しているようには感じません。

TWSC2023で三年連続の受賞を目指すことになるでしょう。殿堂入りを果たせるのか注目です。

グレンフィディック 21年 グランレゼルヴァ ラムカスク フィニッシュ 43.2% 700ml

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ザ シングルトン ダフタウン 18年

ザ シングルトン ダフタウン 18年
40% 700ml
参考価格:8000円
ディアジオ ジャパン株式会社

ダフタウンの個性を有する知られざる銘柄

スペイサイドにあるダフタウン蒸留所の18年物。日本では2018年からオフィシャルボトルとしてリリースされています。ヨーロピアンオークのシェリー樽とバーボン樽の原酒がバランスよくブレンドされた、王道のスタイル。12年物の上位版となるわけですが、価格差以上にクオリティが高く、これまで注目されていなかったことには少し驚きです。フルーティーでモルティーな風味のなかに、シェリー樽原酒のニュアンスがほどよく感じられ、落ち着きがありつつも個性的な仕上がり。

ダフタウン自体は決してマイナーな蒸留所ではありませんが、「シングルトン・ブランド」は何故か…あんまり人気がない(笑)今回の金賞獲得を機に、改めて評価されることでしょう。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 ボウモア 18年

ボウモア 18年
43% 700ml
希望小売価格9,600円(税別)
サントリースピリッツ株式会社

シェリー比率高めのボウモア

「アイラモルトの女王」と呼ばれているボウモアは、名実ともにスコッチのトップブランドに君臨する蒸留所の一つ。ボウモア18年は12年よりもシェリー比率が高い配合となっており、ピートスモークとシェリーカスクのフルーティーさが絶妙です。やわらかくて甘みのある個性は、スコッチ全体から見ても唯一無二の存在。金賞を受賞するにふさわしい銘柄と言えるでしょう。

そんなボウモア18年にも2022年に悲報が…人気銘柄の宿命「休売」がついに発表されました。需要の高いボウモアですから、休売は仕方がないという気持ちが強く、正直驚いたというよりは「やっぱりな」「そろそろだと思ってた」などと、冷静に見た方も多かったのではないでしょうか。定番ボトルとしては休売になりましたが、今後は数量限定で不定期に発売されることを予想しています。

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BOWMORE(ボウモア)
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TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 18.35 温泉あがりにみつ豆を食べて深海で遊ぶ

18.35 温泉あがりにみつ豆を食べて深海で遊ぶ
58.1% 700ml
価格:12,800円(税込)
The Scotch Malt Whisky Society

みつ豆⁉インチガワー

2021年11月にザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ日本支部がリリースした日本支部限定ボトル。中身はスペイサイドのインチガワー蒸留所。エキストラ・バーボンホグスヘッドで7年間熟成させた後、ファーストフィルのペドロヒメネス・ホグスヘッドで3年間熟成した10年物。ボトリング本数は284本。

ボトルタイトルの文章がなかなか個性的で、初めはどんな味なんだろうと興味をそそるウイスキー。ただこういったネーミング手法に騙されてはいけない、といった、ひねくれた考えを持っているのは私だけでしょうか(笑)あくまでも、インチガワーと知った上で冷静にテイスティングをしたのですが…結果としては非常に優秀。個人的には最高金賞でも良いのではと思うほどでした。フルーティーで複雑な味わい。飲みごたえがあり、香りに奥行と気品さを感じます。

これまで飲んだインチガワーの中では最高の1本。ソサエティならではの「樽使い」には恐れ入りました。

以下は公式テイスティングコメントの引用です。

薬草園のハーブの中にいるような爽やかな草のにおいと共に、杏、小梅、茹でた赤えんどう豆の香り。シナモン、ジンジャーティーが続く。静かな深海で麦の甘味、べっこう飴、糖度の高いフルーツが踊り、そのクラシックな潮味は塩分の多い温泉に入っているかのようだ。僅かな柑橘と、白コショウ、ピーカンナッツの味わい。ふくよかで厚みのある余韻が続いていく。
7年間ex-bourbon hogshead にて熟成後、1st fill hogshead / PXカスクに移し替え。

 

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 26.178 グラニースミスのシルクスカーフ

26.178 グラニースミスのシルクスカーフ
58.7% 700ml
価格:13400円
The Scotch Malt Whisky Society

シルキーなクライヌリッシュ

2021年に行われたギャザリングイベントの記念ボトル。コードナンバー26はクライヌリシュ蒸留所。セカンドフィルのバーボンンバレルで9年間熟成。香りはハチミツ、メープルシロップ、べっ甲飴、レモンケーキ、バニラ、アップルパイ。口に含むとなめらかで甘みのあるフレッシュフルーツのあと、徐々にビターでドライ。クライヌリッシュのカスクストレングスは他のボトラーズでも何度か飲んだことがありますが、そのなかでも秀悦。

以下は公式テイスティングコメントの引用です。

白樺の樹液、ホワイトチョコレートとカスタードパウダーの甘さ、リンゴ、オレンジ、バナナに囲まれた果樹園のフルーツがそれぞれバランスよくまとまっている。続いて柔らかく絹のような質感、桃、新鮮な庭の野菜、ホットアップルパイにまぶしたナツメグとシナモン。加水するとスコットランドの丘の中腹に咲く杢の花の香りが漂い、メープル、ピーカンパイ、バタースコッチ、蜂蜜でコーティングされたデーツを感じる。その後、ジューシーな青リンゴがシロップ漬けのアプリコット、ラズベリーリップルアイスクリーム、ソフトレモンカードを添えたプラムとバターファッジが加わる。絹のような質感は残りつつ、カスタードと砕いたクルミをまぶした蜜蝋のオイリーな柔らかさが増す。

 

TWSC2022金賞のスコッチウイスキー33選 9.192 2つの市場の物語

9.192 2つの市場の物語
57.4% 700ml
価格:18,700円
The Scotch Malt Whisky Society

グレングラントの17年物

コードナンバー9はグレングラント。ファーストフィルのバーボンバレルで17年熟成。

以下は公式テイスティングコメントの引用です。

洋ナシのベルヘレン(シャンティクリームとダークチョコレートが入った冷たい洋ナシのタルト)のそれぞれの香り、キャラメル、バニラ、チェリーパイプタバコ、ペンキの香りも。
味わいは蜂蜜の甘さから始まり、その後ゆっくりとシナモンロール、オレンジオイル、噛みタバコの穏やかなスパイス感が広がり、フィニッシュはリコリスのドライ感。
香りがいったん抜けるとサンミゲル市場(マドリード)の生ハムと、クリスマスマーケットのサイダー、ダークチョコレート、オレンジ、レモン、バニラスライスのミックスした香り。
味わいはバニラチーズケーキとジンジャーブレッド、トリークル、オーク、ドライウッドのスパイス。

 

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