

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
ウイスキーの世界で「ボトラーズ」とは、蒸溜所とは別の独立系の会社が原酒を買い付け、自社でボトリングして販売するブランドや業者のことを指します。
各社がリリースするボトラーズウイスキーは、個性豊かでバラエティに富んだラインナップが特徴です。蒸溜所が公式に販売する「オフィシャルボトル」とは異なり、単一の希少な原酒、長期熟成やカスクストレングス(無加水)など、特別感あふれる一本に出会えるのが魅力の一つ。
今回は、世界中の有名な「ボトラーズ会社」と「代表的なブランド(シリーズ)」、全110選を一挙にご紹介。それぞれの特徴や、おすすめのボトルもあわせて解説しています。
初心者の方はもちろん、ウイスキー上級者にも楽しんでいただける「ボトラーズ完全ガイド」。ボトラーズについて深く知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- ボトラーズ会社=販売元の社名。
- ボトラーズブランド(シリーズ名)=ボトラーズ会社がリリースする各ブランド名。
- 【2026年版】ウイスキーの有名ボトラーズ会社&ブランド110選|おすすめボトルも紹介|一覧
- エイコーン / Acorn Limited
- アデルフィ / Adelphi
- ADラトレー / A.D. Rattray
- アレクサンダー マレー / Alexander Murray
- アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニー / Alistair Walker Whisky Company
- アンガス・ダンディー/ Angus Dundee
- アーカイヴス / Archives
- アートフル ドジャー ウイスキー コレクティブ / Artful Dodger Whisky Collective
- アスタ モリス / Asta Morris
- ベリーブラザーズ&ラッド / Berry Bros. & Rudd
- ブラックアダー / Blackadder
- ブレイブ・ニュー・スピリッツ / Brave New Spirits
- ケイデンヘッド / Cadenhead’s
- カスクシェア / Caskshare
- チャプター7 ウイスキー / Chapter 7 Whisky
- チーフタンズ / Chieftain’s
- チョルトン ウイスキー / Chorlton Whisky
- クラクストンズ / Claxton’s
- コンパスボックス / Compass Box
- カーンモア / Càrn Mòr
- DSテイマン / DS Tayman
- ダークネス / Darkness
【2026年版】ウイスキーの有名ボトラーズ会社&ブランド110選|おすすめボトルも紹介|一覧

1ページ目
1.エイコーン / Acorn Limitedz
2.アデルフィ / Adelphi
3.ADラトレー / A.D. Rattray
4.アレクサンダー マレー / Alexander Murray
5.アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニー / Alistair Walker Whisky Company
6.アンガス・ダンディー/ Angus Dundee
7.アーカイヴス / Archives
8.アートフル ドジャー / Artful Dodger
9.アスタ モリス / Asta Morris
10.ベリーブラザーズ&ラッド / Berry Bros. & Rudd
11.ブラックアダー / Blackadder
12.ブレイブ・ニュー・スピリッツ / Brave New Spirits
13.ケイデンヘッド / Cadenhead’s
14.カスクシェア / Caskshare
15.チャプター7 ウイスキー / Chapter 7 Whisky
16.チーフタンズ / Chieftain’s
17.チョルトン ウイスキー / Chorlton Whisky
18.クラクストンズ / Claxton’s
19.コンパスボックス / Compass Box
20.カーンモア / Càrn Mòr
21.DSテイマン / DS Tayman
22.ダークネス / Darkness
2ページ目
23.ダグラスレイン / Douglas Laing
24.ダグラスマッギボン / Douglas McGibbon
25.ドラムモー / Dràm Mòr
26.ダン イーダン / Dun Eideann
27.ダンカンテイラー / Duncan Taylor
28.エディション スピリッツ / Edition Spirits
29.エリクサー ディスティラーズ / Elixir Distillers
30.フェイブル ウイスキー / Fable Whisky
31.ジェムストーン スピリッツ / Gemstone Spirits
32.グリーンモア スピリッツ / Gleann Morr Spirits
33.グローバルウイスキー / Global Whisky
34.ゴールドフィンチ / Goldfinch Whisky Merchants
35.ゴードン&マクファイル / Gordon & MacPhail
36.グレート ドラムス / Great Drams
37.ハンナ ウイスキー マーチャンツ / Hannah Whisky Merchants
38.ハート ブラザーズ / Hart Brothers
39.ヒドゥン スピリッツ / Hidden Spirits
40.ハウス オブ マッカラム / House of MacCallum
41.ハンターレイン / Hunter Laing
42.イアン マクロード / Ian Macleod
43.インフリークエント フライヤーズ / Infrequent Flyers
44.JGトムソン / JG Thomson
3ページ目
45.ジャック・ウィバース・ウイスキー・ワールド / Jack Wiebers Whisky World
46.ジェームズ イーディー / James Eadie
47.ジェームズ マッカーサー / James MacArthur
48.キルンズマンズ ドラム / Kilnsman’s Dram
49.キングスバリー / Kingsbury
50.ラ メゾン ド ウイスキー / La Maison du Whisky
51.リキッド トレジャーズ / Liquid Treasures
52.リトル ブラウン ドッグ スピリッツ / Little Brown Dog Spirits
53.ロンバード スコッチウイスキー / Lombard Scotch Whisky
54.マキロップズ チョイス / MacKillop’s Choice
55.モルトバーン / Maltbarn
56.モルツ オブ スコットランド / Malts of Scotland
57.ムーンインポート / Moon Import
58.マーレイ マクダヴィッド / Murray McDavid
59.ナ ブラザレン / Na Braithrean
60.ノーススター スピリッツ / North Star Spirits
61.オックスヘッド / Oxhead
62.パロマ / Paloma
63.パールズ オブ スコットランド / Pearls of Scotland
64.ペグ ウイスキー / Peg Whisky
65.レスト アンド ビー サンクフル / Rest and Be Thankful
66.ロジャーズ ウイスキー カンパニー / Roger’s Whisky Company
4ページ目
67.サマローリ / Samaroli
68.サミュエル ガリバー / Samuel Gulliver
69.サンジバー ウイスキー / Sansibar Whisky
70.スコッチ&タトゥーズ / Scotch & Tattoos
71.スコッチモルト販売 / Scotch Malt Sales
72.スコッツ セレクション ウイスキー / Scott’s Selection Whisky
73.シグナトリー ヴィンテージ / Signatory Vintage
74.シルバーシール / Silver Seal
75.シングル カスク ネイション / Single Cask Nation
76.スコッチ モルト ウイスキー ソサエティ / Scotch Malt Whisky Society (SMWS)
77.シングル ノート ウイスキー / Single Note Whisky
78.スキーン スコッチ ウイスキー / Skene Scotch Whisky
79.スフェリック スピリッツ / SPHRIC SPIRITS
80.スピリット フィルド / Spirit filled
81.スピリッツ ショップ セレクション / Spirits Shop Selection
82.スウェル ド スピリッツ / Swell De Spirits
83.ブティックウイスキー / That Boutique-y Whisky Company
84.ザ・キャラクター オブ アイラ ウイスキーカンパニー / The Character of Islay Whisky Company
85.ザ・クラン デニー / The Clan Denny
86.ザ・クーパーズ チョイス / The Cooper’s Choice
87.ザ・ファーキン・ウイスキー・カンパニー / The Firkin Whisky Co
88.ザ・ゴールデンカスク / The Golden Cask
5ページ目
89.ザ・ハート カット / The Heart Cut
90.ザ・モルトマン / The Maltman
91.ザ・ネクター / The Nectar
92.ザ・シングル カスク / The Single Cask
93.ザ・アルティメット ウイスキー カンパニー / The Ultimate Whisky Company
94.ザ・ヴィンテージ モルト ウイスキー カンパニー / The Vintage Malt Whisky Company
95.ザ・ウイスキー・ウェアハウス No.8 / The Whisky Warehouse No.8
96.ザ・ウイスキー エージェンシー / The Whisky Agency
97.ザ・ウイスキー バロン / The Whisky Baron
98.ザ・ウイスキー セラー / The Whisky Cellar
99.ザ・ウイスキー ファインド / The Whisky Find
100.アンチャーテッド ウイスキー カンパニー / Uncharted Whisky Company
101.ヴァリンチ&マレット / Valinch & Mallet
102.W.D.オコンネル / W.D. O’Connell
103.ワットウイスキー / Watt Whisky
104.ワックスハウス ウイスキー / Waxhouse Whisky
105.ウィームス モルツ / Wemyss Malts
106.ウイスキー ブローカー / Whisky Broker
107.ウイスキー イズ ザ リミット / Whisky Is The Limit
108.ウイスキー デュード / Whisky Dudes
109.ウィルソン&モーガン / Wilson & Morgan
110.ウッドロウズ オブ エディンバラ / Woodrow’s of Edinburgh
※アルファベット順に紹介。
ボトラーズブランドに関しては、有名なブランドを取り上げて解説。記事全体で一部内容が重複している部分もありますが、あらかじめご了承ください。
エイコーン / Acorn Limited

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- ボトラーズ会社 兼 ウイスキーショップ
エイコーン(有限会社エイコーン、Acorn Ltd.)は、日本の独立系ボトラーズです。1990年代後半に設立され、坂戸本店は約26年以上にわたり営業を続けている、日本国内でも歴史あるスコッチモルトウイスキー専門店として知られています。シングルモルトウイスキーのセレクションにおいて、その品質と多様性で知られています。
スコッチウイスキーを中心に、世界各国の蒸留所から厳選した原酒をボトリング。そのラインアップには、シングルカスクの限定ボトルや、日本の蒸溜所とのコラボボトルなど、ユニークなウイスキーが多く含まれています。また、ウイスキーだけでなく、ブランデーなどのスピリッツ類も幅広く取り扱っているのも特徴です。
エイコーンは埼玉県坂戸市清水町にウイスキーショップ(坂戸本店)を構えるほか、坂戸本店開業から約19年後には、東京都豊島区の池袋にも店舗(THE WHISKYPLUS)を開設しており、若いウイスキーファンからベテランの愛好家まで、幅広い客層に親しまれています。営業時間は、坂戸本店が10:00〜18:45(土日祝定休)、池袋店が12:00〜19:45(火曜定休)となっており、オンラインショップも展開しています。
アデルフィ / Adelphi

- ボトラーズ会社
- アードナムルッカン蒸溜所を所有
アデルフィは、スコットランドのウイスキー業界で長い歴史を誇る独立系ボトラーです。起源は1826年にさかのぼり、グラスゴーのクライド川沿い、ビクトリア橋の南側に「ロッホ・カトリーヌ・アデルフィ蒸溜所」として創業されました。
19世紀後半には当時のスコットランドで最大規模を誇るまでに繁栄しましたが、20世紀に入り蒸溜所で大規模な事故が発生し、モルトウイスキーの生産から撤退。その後はグレーンウイスキーの生産のみを継続していましたが、1932年に生産を完全に終了し、1968年に貯蔵庫としての役目も終え、1971年には建物が完全に取り壊されました。
その後、1993年に1880年代の蒸留所オーナーであったアーチボルド・ウォーカー(Archibald Walker)のひ孫にあたるジェイミー・ウォーカー(Jamie Walker)がインディペンデントボトラーとして再スタートを切り、ウイスキーのボトリング事業を再開しました。
2004年には、キース・ファルコナー氏とドナルド・ヒューストン氏がアデルフィ社を買収し、同年、現在の蒸留責任者であるアレックス・ブルース氏(1314年のバノックバーンの戦いで知られるロバート・ザ・ブルース王の末裔とされる人物)が加わりました。買収当時の事業規模は非常に小さく、「樽3つとボトル200本程度」だったとされていますが、その後着実に事業を拡大していきました。
復活にあたり、アデルフィは「常に品質を追い求め、大量生産に走らず高品質を維持する」というコンセプトを掲げ、厳選したシングルカスクのボトリングに力を注いでいます。スコッチウイスキーの世界的権威、チャールズ・マクリーン氏を委員長とする、「プロの鼻」を持つメンバーで構成される委員会が、希少性・熟成度・風味を基準に厳正に選別した樽のみを使用。着色や冷却ろ過も行わず、樽から直接ボトリングすることで、グラスに注ぐまでウイスキー本来の風味が損なわれないようにしています。
事業拡大に伴い、質の高いカスクを安定的に確保する必要性が生じたことから、同社は2007年頃から自社蒸溜所の建設計画を練り始め、2013年に着工、2014年7月に操業を開始しました。これがアードナムルッカン蒸溜所です。閉鎖した「アデルフィ蒸溜所」以来、長年の夢であったウイスキー造りを復活させることになりました。
アードナムルッカン蒸溜所は、年間生産能力50万リットル、仕込水にはグレンモア川および蒸溜所上部の泉を使用しています。発酵槽にはヨーロピアンオーク2基、オレゴンパイン2基、ステンレス3基を備えており、ヨーロピアンオークの採用は、アレックス・ブルース氏が日本の秩父蒸溜所をたびたび訪れ、そのミズナラ製発酵槽に影響を受けたことに由来しています。
アードナムルッカンでは独自のスタイルでモルトウイスキーの製造が行われ、通常のコアスタイルはピートとノンピートの原酒を半々でヴァッティングし、バーボン樽(65%)とシェリー樽(35%)で熟成させたものです。華やかな柑橘の皮やハニーオレンジ、塩レモン、穏やかなスモークの香りに、焚き火のような暖かいスモーク感、ハニー&塩レモンキャンディー、オレンジジャムを思わせる味わいが特徴で、ハイランドモルトとしては強めのスモーキーさも感じられます。
2020年9月には世界16,000本限定のファーストリリースを発表し、即完売する人気ぶりを見せました。シングルモルトタイプの他、他の蒸溜所の原酒とブレンドした革新的な「フュージョンウイスキー」もリリースしています。
ADラトレー / A.D. Rattray

- ボトラーズ会社
- クライドサイド蒸溜所を所有
ADラトレー(デュワーラトレー)は、スコットランド・エアシャー州カークオスワルドに拠点を置く、歴史あるウイスキーボトラーです。1868年にアンドリュー・デュワー・ラトレー(Andrew Dewar Rattray)によって設立され、当初はフランスワインやイタリアン・スピリッツ、オリーブオイルなどの輸入業を営んでいました。
その後、スコッチウイスキーのブレンドや貯蔵の専門家としても名を馳せ、ウイスキー業界における伝統と知識を築き上げました。何度かの吸収・買収を経て、現在は「モリソンボウモア社」を経営していた“モリソン・ファミリー”の所有となっています。
1993年、スタンレー・ウォーカー・モリソン(Stanley Walker Morrison)氏が親族からA.D. Rattray Ltdを引き継ぎ、2004年には自社ブランドとしての「Cask Collection」シリーズを本格的にスタートさせました。現在は息子のティム・モリソン(Tim Morrison)氏が会長を務めています。
モリソン家は、かつてボウモア・グレンギャリー・オーヘントッシャンの各蒸溜所を所有していたスコッチウイスキー業界に深いルーツを持つ一族ですが、現在ではボウモアの経営からは既に手を引いています。
ADラトレーは、シングルカスクやカスクストレングスのウイスキーを中心に展開し、品質と個性を重視したラインナップを展開しています。
中心となる「Cask Collection」は、年4回、1回につき5〜8樽ほどを厳選して発表しているシリーズで、2026年時点で80回目のリリースに達しています。すべてカスクストレングス、ノンカラー、ノンチルフィルターでボトリングされ、スコットランドの伝統的な6つのウイスキー産地から選ばれた原酒が使用されています。他の代表的なシリーズには、「Stronachie」のほか、2012年から展開している、非公開の蒸溜所による重くピーテッドな「Cask Islay Single Malt」などがあります。
また、2017年にはモリソン家がグラスゴー市内、かつて大型貨物船の積み下ろし港であった跡地に「クライドサイド蒸溜所(Clydeside Distillery)」を姉妹会社として開設し、自社でのウイスキー造りも開始しています。同蒸溜所からは「ストブクロス(Stobcross)」「ナピア(Napier)」「フォートナイト(Fortnight)」といったシングルモルトが既にリリースされており、ボトラーとしてのADラトレー、そしてオフィシャル品としてのクライドサイド蒸溜所、双方の今後の展開が注目されています。
アレクサンダー マレー / Alexander Murray
- ボトラーズ会社
アレクサンダー・マレー(アレグザンダー・マーレイ)は、スコットランド出身のスティーブ・リップ氏が2004年にアメリカで設立した独立系ボトラーです。リップ氏は、大手ボトラー「ダンカン・テイラー」のセールスディレクターとしての経験を経て、同社を立ち上げました。
社名は、ウイスキーの魅力を初めて教えてくれたという、リップ氏の大叔父にあたる人物「アレグザンダー・マーレイ(Alexander Murray)」に敬意を表して名づけられました。現在はカリフォルニア州カラバサスに拠点を構え、アメリカを中心に多くのファンを持つブランドに成長しています。
同社はスコットランド各地の蒸溜所から原酒を調達し、シングルモルトやブレンデッドウイスキーとしてボトリング。代表的なシリーズには、18年熟成と30年熟成をラインナップする「モニュメンタル(Monumental)」があり、こちらはブレンデッドスコッチウイスキーです。
また、1965年蒸留のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをバーボン樽で53年間熟成させた「アレグザンダーマーレイ・ブレンデッドウイスキー1965」のような、非常に希少な長期熟成ボトルもリリースしており、こだわりの詰まった商品も展開しています。
また、アメリカの会員制量販店「コストコ」のプライベートブランド「カークランド・シグネチャー(Kirkland Signature)」に採用されているスコッチウイスキーの多くも、実はアレクサンダー・マレーが手がけたもの。価格と品質のバランスに優れており、入門者から愛好家まで幅広く支持されています。
アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニー / Alistair Walker Whisky Company
- ボトラーズ会社
アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニーは、2018年にスコットランドで設立された独立系ボトラーズ会社で、創業者のアリステア・ウォーカー(Alistair Walker)氏の名を冠しています。アリステア氏は業界で約20年のキャリアを持ち、その深い知識と経験をもとに、自社ブランド「インフリークエント フライヤーズ(Infrequent Flyers)」を中心としたシングルカスクウイスキーを展開しています。
創業者、アリステア・ウォーカー氏の父はビリー・ウォーカー(Billy Walker)氏。かつてベンリアックやグレンドロナックを率いた名プロデューサーで、現在はグレンアラヒー(GlenAllachie)蒸溜所を経営しています。
アリステア氏自身も、父とともにベンリアック・ディスティラリー・カンパニーに在籍し、主にセールスを担当。同社が2016年にブラウン=フォーマンに売却された後、同社を離れ、2018年に独立して自身のボトラーズブランドを立ち上げました。
アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニーの主要ブランド「インフリークエント フライヤーズ」は、シングルカスク、ノンチルフィルター、ナチュラルカラー、カスクストレングスといった特徴を持ち、スコットランド各地の多様な蒸溜所の原酒をボトリングしています。シングルモルトだけでなく、グレンキースやダンバートンといったシングルグレインウイスキーも積極的に取り扱っているのが特徴です。
蒸溜所名を明記したリリースも多く、インチガワー、ボウモア、タリバーディン、トミントール、ベンネヴィスなど、実に多様な蒸溜所の原酒が登場しています。樽の選定にもこだわりが見られ、通常のシェリーやバーボン樽に加え、ライバレルフィニッシュ、ヴァージンオークバレルフィニッシュ、マルサラホグスヘッド、ペドロヒメネス(PXシェリー)カスクなど、多彩なフィニッシュを積極的に採用しています。
一方で、このシリーズの多くは非公開(undisclosed)となっており、普段なかなか見かけない希少な蒸溜所の原酒を掘り起こすことをコンセプトとしています。実際に、アルタベーン蒸溜所の原酒を世界限定わずか643本という超少量でボトリングした事例もあり、コレクターの間で高い注目を集めています。
アンガス・ダンディー/ Angus Dundee

- ボトラーズ会社
- グレンカダム、トミントール蒸留所を所有
1950年に設立されたアンガス・ダンディー(アンガス・ダンディー・ディスティラーズ Angus Dundee Distillers Plc)は、ロンドンに本社を置く、ウイスキーのボトラー兼製造メーカーです。元バーンスチュワート社の重役であったテリー・ヒルマン氏によって、スコッチウイスキーのブレンディング会社として設立され、現在は彼の子供であるタニア氏とアーロン氏が経営を引き継いでいます。
同社は2000年にトミントール蒸溜所を買収し、2003年にはアライド・ドメック社からグレンカダム蒸溜所を買収しました。両蒸溜所の所有により、「グレンカダム」と「トミントール」蒸留所を所有していることで知られていますが、その一方で、自社の原酒を用いた独自ブランドの展開や、ウイスキーの輸出までを手がける総合企業となっています。実際のボトリング業務は、グラスゴー近郊のコートブリッジにある瓶詰め工場で行われています。
アンガス・ダンディーの、ボトラーズとしての特徴は、自社原酒を活用した多様な展開にあります。シングルカスクでのボトリングでは、グレンカダムやトミントールの厳選された樽を使用。スモールバッチにこだわり、樽同士の混成は一切行わず、一番状態の良い樽のみを厳選する方針を貫いています。その他、限定リリースや蒸溜所非公開のシリーズなど、蒸溜所名を出さずにボトリングされたウイスキーもリリース。
また、海外のバイヤーや市場ニーズに合わせて、専用ラベルや熟成年数違いのボトルを供給。これは、典型的なボトラーズ会社と重なる部分ですが、アンガス・ダンディーは世界中のウイスキー市場に幅広く展開しており、特にアジアとヨーロッパでは強い需要を誇っています。
近年では、中国・浙江省の千島湖(チュンアン)に新たなモルトウイスキー蒸溜所とビジターセンターの建設を進め、既に初めての原酒の樽詰めも行うなど、アジア市場でのさらなる事業拡大にも積極的です。
アンガス・ダンディーの主要ブランドは「モンゴメリー(Montgomerie’s)」です。シングルカスクを中心にしたセレクションで、長期熟成の原酒などを使い、ノンチルフィルターやノンカラーでボトリング。自社の原酒だけでなく、スコットランド各地の蒸溜所から仕入れた原酒を使用しています。ラベルには蒸留年、瓶詰め年、樽番号などの詳細な情報が記載されています。
その他にも、ボトラーズブランド「マキロップ・チョイス(MacLeod’s Choice)」を展開しているほか、グレンカダムをキーモルトとしたブレンデッドウイスキー「ザ・ダンディー(The Dundee)」、日本ではまだあまり知られていない「スコッチブルー(Scotch Blue)」といったブレンデッドウイスキーのブランドも手がけています。
アーカイヴス / Archives
- ボトラーズブランド
- 運営会社:Whiskybase B.V.(オランダ)
アーカイヴス(Archives)は、オランダ・ロッテルダムに拠点を置く、世界最大級のウイスキーデータベースおよびコミュニティプラットフォーム「ウイスキー・ベース(Whiskybase)」が手がけるプライベートボトラーズブランドです。Whiskybaseは2007年にオンラインプラットフォームとして誕生し、2011年にロッテルダムに実店舗をオープンすると同時に、Archivesブランドとして最初のボトリングをスタートさせました。「Whiskybase」の豊富な知見とネットワークを活かして、特に品質に優れた樽を厳選・ボトリングしています。
アーカイヴスの最大の魅力は、その厳選されたシングルカスクのラインナップにあります。ノンチルフィルター(非冷却濾過)かつナチュラルカラー(無着色)を徹底し、ウイスキー本来の個性を尊重する姿勢を貫いています。また、ラベルには博物画・自然科学画風のイラストが用いられており、コレクターズアイテムとしての魅力も兼ね備えています。
ラベルデザインに魚類・鳥類・爬虫類・蝶類などの自然科学画を採用しているのが大きな特徴で、販売地域によって異なるシリーズを展開。世界向けの「Fishes of Samoa(フィッシュ・オブ・サモア)」(魚類)、アジア圏(台湾・香港・中国)向けの「Birds from the Orient(バーズ・フロム・ジ・オリエント)」(鳥類)、アメリカ向けの「Butterflies from the USA(バタフライズ・フロム・ザ・USA)」(蝶類)、日本向けには「Guide to the Gallery of Reptiles(ガイド・トゥ・ザ・ギャラリー・オブ・レプタイルズ)」(爬虫類)などがあります。
日本での代理店はエイコーン。信濃屋のプライベートボトルもエイコーンを通じてリリースされています。
アートフル ドジャー ウイスキー コレクティブ / Artful Dodger Whisky Collective
- ボトラーズ会社
アートフル ドジャー ウイスキー コレクティブは、2017年にロンドンで設立され、2018年に最初のボトリングをリリースしたインディペンデント・ボトラーです。創業者はセバスチャン・ウルフ(Sebastian Woolf)氏で、ブライトンでウイスキーショップ兼バー「Cut Your Wolf Loose」も運営するワイン&スピリッツ商です。斬新なコンセプトと高品質なボトリングで、ウイスキー愛好家から注目を集めています。
ブランド名は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』に登場するキャラクター「アートフル・ドジャー(ずる賢いスリ師の少年)」に由来し、既存の枠にとらわれない遊び心としたたかな知性を象徴しています。ブランド自身も「プロのウイスキー泥棒(Professional Whisky Thieves)」というコンセプトを掲げており、ラベルにはディケンズの世界観をモチーフにしたユーモラスなアートワークが採用されています。視覚的なインパクトも抜群の注目ボトラーです。
アスタ モリス / Asta Morris

- ボトラーズ会社
アスタ モリスは、ベルギーのインディペンデント・ボトラーであり、ウイスキー愛好家で著名なバート・ブラネル(Bert Bruyneel)氏によって2009年に設立されました。彼は1994年に友人のバーテンダーからジャック・ダニエルズのシングルバレルを勧められたことをきっかけにウイスキーの世界へ踏み込み、1999年にはベルギーで「Wee Dram Whisky Society」を設立。2006年には国際的なウイスキー評価団体「Malt Maniacs」のメンバーとなりました。その後、2009年にAsta Morrisを創業するにあたってMalt Maniacs会員は脱退しています(両立不可のため)。
アスタ モリスのボトルは、シングルカスク、ノンチルフィルター、カスクストレングスで提供されることが多く、ラベルには特徴的な「バブルスタイル」のデザインが施されています。また、ウイスキー樽で熟成させたジン「Asta Maurice」や、ラムのボトリングブランド「Rasta Morris」(2017年スタート)も展開しています。
日本市場向けに手がけたシリーズとしては、「ガイアフロー(GAIAFLOW)」からリリースされている「東海道五十三次シリーズ」が有名です。
このシリーズは、浮世絵師・歌川広重の名作『東海道五十三次』をラベルに採用しており、東海道に沿って各宿場町ごとに異なる蒸溜所の原酒がボトリングされています。東海道の東西の始発・終着点である日本橋と京都からシリーズをスタートし、最終的には静岡にある「ガイアフロー静岡蒸溜所」で合流する構成となっており、全体を通じて旅を味わうような、ユニークなボトルデザインとなっています。
ベリーブラザーズ&ラッド / Berry Bros. & Rudd

出典:By Elisa.rolle – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=57745662
- ボトラーズ会社
ベリーブラザーズ&ラッド(通称BBR)は、イギリス最古のワイン&スピリッツ商であり、世界的に知られるインディペンデント・ボトラーの一つです。創業は1698年。ロンドンのセント・ジェームズ・ストリート3番地で、「ウィドウ・ボーン(The Widow Bourne)」という女性が食料雑貨商として開業したのが始まりです。本社は現在も同じ場所に構えられており、2017年からはメインの小売店舗を隣接する63ポール・モールに移転・拡張しています。
もともとはコーヒー豆の卸売りを含む食料雑貨商としてスタートしましたが、18世紀にはワインやスピリッツの取り扱いを本格化。王室御用達商としても知られ、イギリス王室から三度「ロイヤル・ワラント(Royal Warrant)」を授与されています(エドワード7世:1903年、エリザベス2世:1952年、チャールズ皇太子(現チャールズ3世):1998年)。また、1923年にはブレンデッドスコッチウイスキー「カッティサーク(Cutty Sark)」をリリースし、ウイスキー業界にも大きな足跡を残しています。
また、同社は「マスター・オブ・ワイン」という、ワイン界で最も難しい超難関資格の保有者が複数いることでも有名です。マスター・オブ・ワインは、世界に500人程度しかいません(日本人は2名のみ)。
BBRはワイン業界では最も権威のあるワイン商ですが、ウイスキー業界でも長い歴史と高い評価を誇るインディペンデント・ボトラーでもあります。ウイスキーのリリースは非常に幅広く、代表的なシリーズに「Berrys’ Own Selection(ベリーズ・オウン・セレクション)」があります。
このシリーズは、主にシングルカスクで構成され、蒸溜所名を明記。伝統的なデザインでコアファンに人気です。
Berry Bros. & Ruddは、300年以上にわたる歴史と伝統を持ちながらも、現代のウイスキーファンのニーズに応える柔軟さも持つ、非常に稀有な存在。「本当に良いものを、誠実に届ける」という姿勢が、今も昔も変わらないその魅力。ウイスキー初心者から上級者まで、安心して手に取れる一本が見つかるブランドといえるでしょう。
ブラックアダー / Blackadder

- ボトラーズ会社
ブラックアダーは、1995年にロビン・トゥチェック(Robin Tucek)氏とジョン・ラモンド(John Lamond)氏によって共同設立された、イングランドを拠点とするインディペンデント・ボトラーです(現在の拠点はケント州タンブリッジウェルズ)。設立後まもなくラモンド氏は離脱し、以来ロビン氏が中心となり、現在は娘のハンナ(Hannah)、息子のマイケル(Michael)とともに家族経営で運営しています。社名の由来は、17世紀に当局から逃げ続けた説教師ジョン・ブラックアダー(John Blackadder)にちなんだものとされています。
ブラックアダーの魅力は、何といっても徹底したナチュラル志向と、個性的なシリーズ展開にあります。ノンチルフィルター(冷却ろ過なし)、無着色、カスクストレングスを基本とし、樽の沈殿物(カスクサンプ)入りのボトルも存在します。
最も有名なシリーズは「Raw Cask(ロウ・カスク)」。2000年以降にスタートした、ブラックアダーを象徴するシリーズで、フィルターを通さず、樽の沈殿物までボトルに入れた極めて珍しいスタイルで、ボトルの底には黒い沈殿物(ウッドチップやチャーなど)を目視することができます。
また、2014年にスタートした「Black Snake(ブラックスネーク)」も人気のシリーズ。まず複数の原酒をオロロソまたはPXシェリーバットに移し替えて一定期間熟成させ、熟成が完了すると樽の2/3を「Venom(ヴェノム)」と呼ばれる名称でボトリング。残りの1/3に新たな原酒を加えて再び熟成させるというサイクルを繰り返す、ソレラ方式に近い独特の手法を用いています。
ブレイブ・ニュー・スピリッツ / Brave New Spirits
- ボトラーズ会社
ブレイブ・ニュー・スピリッツは、スコットランド・グラスゴーを拠点に、2020年に設立されたインディペンデント・ボトラーです。創業者はアダム・ホーホル(Adam Hochul)とアレクサンダー・スプリンゲンスグース(Alexander Springensguth)の2名で、ともにウイスキー業界の経験者。設立当初からクオリティに強くこだわったボトリングをリリースしています。
グラスゴーに自社のボンデッドウェアハウス(保税倉庫)とボトリングホールを構え、40ヵ国以上に輸出。Whisky Magazine「Independent Bottler of the Year」やSpirits Business「Spirits Bottler of the Year 2024」など、設立数年で複数の主要賞を受賞した、近年最注目のボトラーの一つです。
また、2023年にはスコットランド・キャンベルタウンの旧RAF Machrihanish基地跡地に、新蒸溜所「Witchburn(ウィッチバーン)」の建設計画を発表。ボトラーとしてだけでなく、蒸溜所オーナーとしての側面も持つ企業として注目されています。
ブレイブ・ニュー・スピリッツが展開するメインシリーズは、「Yellow Edition(イエロー・エディション)」「Cask Noir(カスク・ノワール)」「Whisky of Voodoo(ウイスキー・オブ・ヴードゥー)」の3シリーズ(2025年からは「Cask Masters」も展開)。
「Yellow Edition」は、シングルカスクおよびスモールバッチで構成され、ラベルに蒸溜所名・樽タイプ・生産本数を明記した親しみやすいシリーズ。「Cask Noir」はシングルカスクに特化した高品質シリーズです。
ケイデンヘッド / Cadenhead’s

- ボトラーズブランド
- 運営会社:J&Aミッチェル社(スコットランド)
ケイデンヘッドは、スコットランド最古のインディペンデント・ボトラーとして知られる老舗ブランドで、1842年創業という長い歴史を誇ります。創業地はアバディーンで、Netherkirkgateの同じ店舗で約130年間営業を続けました。1972年にキャンベルタウンのスプリングバンク蒸溜所を所有する「J&Aミッチェル(J&A Mitchell & Co.)」社に買収され、その傘下に入り、現在はキャンベルタウンを拠点としています。
特徴としては、老舗ボトラーらしく、シングルカスク、カスクストレングス、ノンチルフィルター、無着色など、自然な味わいへのこだわりがあります。また、商業的成功よりも品質を最重視。派手なパッケージではなく、クラシックなデザインを基本とし、中身で勝負する硬派な姿勢が信頼を集めています。幅広い蒸溜所から原酒を調達し、しばしばオフィシャルでは出回らないような個性的な原酒を発掘・ボトリングしています。
「オーセンティック・コレクション(Authentic Collection)」は、ケイデンヘッドを代表するスタンダードシリーズ。多くがシングルカスク&カスクストレングスで、蒸溜所の個性をありのままに伝えます。「スモールバッチ・シリーズ(Small Batch)」は、最大3樽までのヴァッティングで構成され、バランスを取りつつも強い個性を残した人気シリーズです。また、「オリジナル・コレクション(Original Collection)」は2020年代に登場した新たなレンジで、求めやすい価格帯でありながら、飲みやすさと品質のバランスが取れたデイリードラム向けにリリースされています。
カスクシェア / Caskshare
- ボトラーズ会社
カスクシェアは、スコットランド・エディンバラ発の新世代インディペンデント・ボトラーであり、「ウイスキーの民主化」を理念に掲げています。2019年にCraft Whisky Club共同創業者のデイヴィッド・ニコル(David Nicol)氏によって立ち上げられたプラットフォームで、「single casks for the masses」というコンセプトのもと、従来のボトラーズとは一線を画す販売スタイルと透明性で注目を集めています。
カスクシェアでは、個人がシングルカスクウイスキーの一部をボトル単位で予約・所有できる仕組みを構築しています。高額な投資が必要だった「樽の購入」ではなく、より手軽に楽しめるようにすることで、多くのウイスキー愛好家にも門戸を開いています。
また、高い透明性も話題となっています。多くの案件で、どの蒸溜所の、どんな原酒が、どの樽で熟成されているかを詳細に公開し、消費者は熟成の進捗やボトリング時期をオンライン上で確認できます。一方で、マッカランなど一部のレアカスクについては「Secret」扱いとする場合もあり、ボトラーとしての柔軟さも併せ持っています。
現在はR&B Distillersグループの一員として運営されており、スコットランドのみならず世界各地の蒸溜所と提携しながら、「シングルカスクの民主化」というユニークなビジネスモデルを展開しています。
チャプター7 ウイスキー / Chapter 7 Whisky
- ボトラーズ会社
チャプターセブン・ウイスキーは、2014年にスイスで設立され、現在はスコットランドを拠点に活動するインディペンデント・ボトラーです。創設者セリム・エヴィン(Selim Evin)氏は、スコットランド人の祖父の影響で若い頃からウイスキーに親しみ、ウイスキーの熟成による変化を「人の一生」に重ね合わせる発想から、「Chapter 7」と名付けました。ブランド名は、シェイクスピアの戯曲『お気に召すまま(As You Like It)』に登場する「七つの人生の段階(Seven Ages of Man)」の一節にインスパイアされています。
チャプターセブン最大の特徴は、「個性を引き出すこと」。大量生産や均一な味わいを避け、シングルカスクやごく少量のバッチにこだわり、ウイスキーが本来持つ個性や物語を最大限に表現しています。ボトリングは基本的にノンチルフィルター、ナチュラルカラーで行われることが多く、多くのリリースがカスクストレングスで瓶詰めされており、樽由来のキャラクターをそのまま楽しめるスタイルです。
日本ではまだ知名度が低めですが、スイス、イギリス、EU諸国に加え、日本や台湾、タイなど複数の国で流通しており、独立系ながら確かな品質とユニークなコンセプトで高い評価を得ています。
チーフタンズ / Chieftain’s
- ボトラーズブランド
- 運営会社:イアン・マクロード・ディスティラーズ(スコットランド)
チーフタンズは、スコットランドの独立系ボトラーである「イアン・マクロード・ディスティラーズ(Ian Macleod Distillers)」が展開するブランドで、主に限定シングルカスクおよび少量バッチのシリーズとして知られています。このシリーズは、自然な色合いを保ち、冷却ろ過を行わないことで、ウイスキー本来の風味と滑らかな味わいを最大限に引き出しています。
チーフタンズは、スコットランド各地の蒸溜所から厳選された樽を使用し、シングルモルトやシングルグレーンなど多彩なウイスキーを提供しています。過去にリリースされたアイテムでは、1996年に蒸留されたアードベッグ20年があり、わずか2つの樽から601本のみがボトリングされました。
また、1993年蒸留の29年熟成シングルグレーンウイスキーでは、すでに閉鎖されたカンバス(Cambus)蒸溜所の希少な原酒を使用したボトルも存在します。長期熟成ならではの穏やかなオークの風味に、蜂蜜や柑橘、花のニュアンスが重なり合う、上品で洗練された味わいとして高い評価を得ています。
チョルトン ウイスキー / Chorlton Whisky
- ボトラーズ会社
チョルトン・ウイスキーは、イングランド・マンチェスターを拠点とするインディペンデント・ボトラーで、2016年にデイヴィッド・ベネット(David Bennett)氏によって設立されました。ブランド名は、ベネット氏が活動を始めたマンチェスター南部の住宅街「Chorlton-cum-Hardy(チョルトン・カム・ハーディ)」に由来しています。
彼はウイスキー愛好家としての情熱からテイスティングイベントを開催し、2017年に初めて自ら樽を購入してボトリング事業へと発展させました。驚くべきは、樽の選定・ラベルデザイン・梱包・出荷まで、すべての工程をベネット氏一人でこなしていること。インディペンデント・ボトラーの中でも極めて珍しい、完全一人運営のブランドです。
ウイスキーは、主にシングルカスク&カスクストレングスでボトリング。冷却濾過や着色を行わず、ウイスキー本来の風味と色合いを大切にしています。すべてシングルカスクのため、1リリースあたりの本数は多くても数百本程度で、発売後すぐに売り切れることも多いです。
ラベルデザインも大きな特徴で、初期(〜2019年頃)はドイツの中世写本「奇跡の書(Book of Miracles)」の挿絵を採用。2020年以降はウィーンに所蔵される15世紀の写本「タクイヌム・サニタティス(Tacuinum Sanitatis)」の細密画に切り替え、中世・ルネサンス的な美しいアートワークが一貫したブランドの個性となっています。
クラクストンズ / Claxton’s
- ボトラーズ会社
クラクストンズは、イングランド・ヨークシャー州リポンを拠点とする家族経営のインディペンデント・ボトラーです。法人としては2011年に設立され、2015年以降、スコットランド各地の蒸溜所から厳選したシングルカスクのウイスキーを商業リリースし、その品質と独自性で注目を集めています。
クラクストンズでは、原則としてすべてのウイスキーをナチュラルカラー(無着色)、ノンチルフィルター(非冷却濾過)でボトリングし、多くのリリースがカスクストレングス(樽出し度数)です。各樽の個性を最大限に引き出すため、熟成のピークに達したと判断した時点でのみ製品化し、品質・風味・香りを最優先にしています。
代表的なシリーズは「Dalswinton Series」。クラクストンズの熟成庫「Dalswinton Bond」がある、スコットランド南部ダンフリーズ&ギャロウェイのダルズウィントン・エステートにちなんだシリーズで、伝統的なダンネージと近代的ラック式の両方を備えた自社ボンド倉庫でじっくり熟成された、30〜45年クラスの長期熟成シングルモルトを中心に展開しています。ボトルは手彫りのデカンタスタイルで、ロンドンの家具職人が手掛けた木箱入りというプレゼンテーションも含め、世界的にコレクター垂涎の最上位レンジとなっています。
コンパスボックス / Compass Box
- ボトラーズ会社
コンパスボックスは、スコッチウイスキーの独立系ボトラーズおよびブレンダーとして、2000年にアメリカ人ジョン・グレイサー(John Glaser)によってロンドンで設立されたブレンディングハウスです。
ジョン・グレイサー氏は、フランスやナパバレーでワイン造りとワインビジネスに携わった後、ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)のグローバルマーケティングディレクターとして活躍。その経験を経て、自らのウイスキー作りへの情熱から2000年に「コンパスボックス」を立ち上げました。アメリカ出身ながらロンドンを拠点に、ウイスキーを「アート」として捉え、ブレンディングと樽使いにおいて革新的なスタイルを追求しています。
彼のブレンディングは国際的に高く評価されており、コンパスボックスはWhisky Magazine「Innovator of the Year」を5度受賞するなど、革新的なウイスキープロデューサーとして多数の賞に輝いています。伝統的なスコッチの枠組みを尊重しつつも、ワイン業界の技術やアートワークの発想を取り入れることで、「ウイスキーの楽しみ方の可能性を広げる」存在として知られています。
2024年には、グレイサー氏が約23年の活動を経てコンパスボックスの経営とウイスキーメイキングの第一線から退きましたが、株主として引き続き関与しています。現在は、長年ブレンディングチームの一員としてレシピ開発に携わってきたジェームズ・サクソン(James Saxon)氏がウイスキーディレクター(Whisky-making Director)に就任し、ブランドの哲学を継承しつつ新たな展開を図っています。
コンパスボックスの代表的な商品としては、フレンチオークの内張りによるスパイシーなキャラクターが特徴のブレンデッドモルト「スパイスツリー(The Spice Tree)」や、アイラとハイランドのピートを組み合わせた「ピートモンスター(The Peat Monster)」などが有名です。これらのボトルは、美しいラベルアートワークと緻密なレシピによって、ブレンデッドモルトの可能性を示す象徴的な存在となっています。
カーンモア / Càrn Mòr

- ボトラーズブランド
- 運営会社:モリソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ(スコットランド)
カーンモア(Càrn Mòr)は、スコットランドの老舗ウイスキー家系であるモリソン家が所有する独立系ボトラーズ「モリソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ(Morrison Scotch Whisky Distillers)」が展開するブランドです。モリソン家は5世代以上にわたりウイスキーの売買・ブレンド・蒸溜所経営に携わってきた、スコットランドでも最古級のウイスキー家系のひとつです。
カーンモアは、スコットランド各地の蒸留所から厳選した樽を用いて、個性豊かなウイスキーをボトリングしています。各レンジに共通する方針として、自然な色合い(ナチュラルカラー)、ノンチルフィルター(非冷却濾過)を基本とし、樽の個性を最大限に引き出すことを重視しています。
主なシリーズに「Strictly Limited」があり、こちらは比較的若〜中期熟成(おおむね9〜17年)の原酒を使用し、47.5%のアルコール度数でボトリングされた小ロットのシリーズです。通常は2〜4樽程度をヴァッティングし、自然色&ノンチルフィルターで仕上げることで、手頃な価格帯ながら多様な蒸留所と樽タイプを楽しめるレンジとなっています。
また、主に18年以上熟成されたシングルカスクをカスクストレングスでボトリングした「Celebration of the Cask」は、プレミアムシリーズとして人気となっています。こちらは限定本数のシングルカスクのみで構成され、ベンリアックやグレンキース、オークニーなど、長期熟成の希少な原酒を中心に展開しています。
そのほか、モリソン家のプライベートセラーから特別に選ばれた原酒をボトリングする超限定シリーズ「Family Reserve(Family Casks)」があります。1960〜2000年蒸留の希少なシングルカスクが中心で、年にごく限られたタイミングのみリリースされる極少量のレンジとなっており、木箱入り・特別仕様ボトルなど、コレクターズアイテムとしても高い評価を得ています。
DSテイマン / DS Tayman
- ボトラーズ会社
DSテイマン(DS Tayman)は、2020年にロンドンで立ち上げられたインディペンデント・ボトラーズで、スコッチ・シングルモルトの革新的なボトリングを手掛けています。ブランド名「DS Tayman」は、創業者コンビであるダニー・ソルトマン(Danny Saltman)氏とソール・テイラー(Saul Taylor)氏、二人の名前を組み合わせたものです。
ダニー・ソルトマン氏は、約20年にわたり高級アルコール業界に携わってきた人物で、ワイン販売からロンドンのワイン&ウイスキーショップ運営、独立系ボトラーズの販売・教育活動などを通じて、ワインとウイスキーの両方に深く関わってきました。その後、ソール・テイラー氏とともにウイスキー樽の売買・投資を行う「Dalkeith Brokerage Ltd」を共同創業し、そのスピンオフとして DS Tayman ブランドを立ち上げました。蒸溜所勤務の経歴はなく、むしろ「カスクブローカー/小売・教育」の立場からウイスキーにアプローチしているのが特徴です。
DSテイマンの最大の特徴は、シングルカスクのスコッチ原酒に、イスラエルのコーシャワイナリー(FlamやGalilなど)の赤ワイン樽や、コニャック樽などを用いたフィニッシュを施すことです。これにより、各ボトルは独自の風味と個性を持ちます。すべてのウイスキーは、OU(Orthodox Union)、KLBD(Kosher London Beth Din)、MKLなど複数のラビ監督機関によるコーシャ認証を受けており、ユダヤ教の食事規定に準拠しています。
特定の宗教的背景を持つ消費者にも配慮しつつ、「まず味わいとして優れたウイスキーであること」を重視している点も重要です。実際、DSテイマンはコーシャ・スコッチとして初めて World Whiskies Awards の主要部門で受賞するなど、「良質なワイン樽フィニッシュを施したシングルモルトがたまたまコーシャである」という考え方を体現するブランドとして高く評価されています。
ダークネス / Darkness
- ボトラーズブランド
- 運営会社:アトム・ブランズ(スコットランド)
「ダークネス(Darkness)」は、イングランド・ケント州を拠点とするスピリッツ企業「アトム・ブランズ(Atom Brands)」が展開するスコッチウイスキーブランドです。アトム・ブランズは、他にも「That Boutique-y Whisky Company」やクラフトジン「Bathtub Gin」などを手掛ける企業で、2018年にAB InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)のZX Venturesによって買収された後、2024年には創業者によって買い戻され、現在は再び独立系のスピリッツグループとして運営されています。
ダークネスの最大の特徴は、シェリー樽の影響を強く受けた深い色合いと豊かな風味です。製造過程では、主にエクス・バーボン樽で熟成させたシングルモルトを、約60リットル程度の小型シェリー樽「オクタブ樽」に再樽詰めしてフィニッシュを行います。オクタブ樽は通常のシェリーバットを解体して再構成した小型樽で、ウイスキーが木材と接する表面積が増えるため、短期間でも濃厚で複雑なシェリー由来の香味や自然な濃色を引き出すことができます。
ダークネスのラインアップには、定番の8年熟成ボトルをはじめ、12年・15年・20年超のシングルモルト、さらにはシングルカスクの限定ボトルなど、さまざまな熟成年数のウイスキーが揃っています。いずれもシェリーやバーボンなどでの熟成を経た後、オクタブ樽での短期フィニッシュが施されることで、ドライフルーツやチョコレート、スパイスが重層的に広がる、ダークでリッチなフレーバープロファイルが生み出されています。

























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