スコッチウイスキーの閉鎖蒸留所23カ所解説|2026年最新価格情報

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、閉鎖したスコットランドのモルトウイスキー蒸留所23か所を詳しくご紹介します。

各蒸留所の所在地や創業・閉鎖年、歴史、ウイスキーの特徴、閉鎖に至った背景に加え、現在購入できるおすすめボトルや2026年最新の市場価格もあわせて解説しています。

閉鎖蒸留所のシングルモルト・スコッチウイスキーについて詳しく知りたい方や、プレミア価格の動向を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、一度閉鎖された後に操業を再開した蒸留所(ポートエレン、ローズバンク、ブローラなど)は、本記事の対象外としています。

「ポートエレン」と「ローズバンク」についてはこちら↓

「新」蒸留所として復活したモルトウイスキー蒸留所の解説は「スコッチウイスキー蒸留所128カ所解説!おすすめボトルも登場」をご覧ください。

 

  1. スコッチウイスキーの閉鎖蒸留所23カ所解説|2026年最新価格情報【一覧】
  2. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Banff バンフ
  3. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Ben Wyvis ベンウィヴィス
  4. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Caperdonich キャパドニック
  5. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Coleburn コールバーン
  6. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Convalmore コンバルモア
  7. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Dallas Dhu ダラスドゥー
  8. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Albyn グレンアルビン
  9. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenesk グレネスク
  10. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Flagler グレンフラグラー
  11. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenlochy グレンロッキー
  12. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Mhor グレンモール
  13. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenugie グレンアギー
  14. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenury Royal グレンユーリーロイヤル
  15. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Imperial インペリアル
  16. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Inverleven インヴァリーブン
  17. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Kinclaith キンクレイス
  18. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Ladyburn レディバーン
  19. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Littlemill リトルミル
  20. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Lochside ロッホサイド
  21. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Millburn ミルバーン
  22. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|North Port ノースポート
  23. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Pittyvaich ピティビアック
  24. スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|St. Magdalene セント・マグデラン

スコッチウイスキーの閉鎖蒸留所23カ所解説|2026年最新価格情報【一覧】

1. Banff バンフ
2. Ben Wyvis ベンウィヴィス
3. Caperdonich キャパドニック
4. Coleburn コールバーン
5. Convalmore コンバルモア
6. Dallas Dhu ダラスドゥ
7. Glen Albyn グレンアルビン
8. Glenesk グレネスク
9. Glen Flagler グレンフラグラー
10. Glenlochy グレンロッキー
11. Glen Mhor グレンモール
12. Glenugie グレンアギー
13. Glenury Royal グレンユーリーロイヤル
14. Imperial インペリアル
15. Inverleven インヴァリーブン
16. Kinclaith キンクレイス
17. Ladyburn レディバーン
18. Littlemill リトルミル
19. Lochside ロッホサイド
20. Millburn ミルバーン
21. North Port ノースポート
22. Pittyvaich ピティヴァイク
23. St. Magdalene セント・マグデラン

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Banff バンフ

Banff バンフ

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1824
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:784,800円

バンフ蒸留所は東ハイランド・バンフ州の中心地で、デブロン川の河口に位置していた蒸留所。「バンフ」は町の名前でもあり、「子豚」を意味するゲール語「バンフ」に由来しています。蒸留所には合計6基のポットスチルがあり、仕込み水はフィスケイドリー農場の泉の湧き水を使用していました。

バンフの創業は1824年。しかしその後閉鎖され、1863年にジェームズ・シンプソン氏によって、元の場所から約1マイル離れた土地に再建されます。

そのため、新たに建設された蒸留所の創業年は1863年になりますが、UD時代のオフィシャルボトルなどに記載されている創業年は、一番最初に蒸留所が完成した「1824年」となっています。新しいよりも「古くて歴史があった方がなんかいい」。みたいな考え方ってありますよね(笑)

バンフ蒸留所が閉鎖したのは1983年。当時所有していたDCL社によって閉鎖が決定されています。バンフのウイスキーは英国下院議会に提供されるなど、当時の評価は高いものでした。バンフ蒸留所の閉鎖した理由ははっきりとしていません。

蒸留所が閉鎖後の1991年には火災で建物が焼失。蒸留所としての復活は難しくなってしまいました。

第2次世界大戦中には、爆弾によって熟成庫が被災。1000ガロンものウイスキーが流失し、近隣に生息していた動物達が酔っぱらってしまったというエピソードもあります。

戦争や火災など、様々なトラブルに見舞われた蒸留所でしたが、ハイランドらしい個性と華やかさのある銘酒。バンフは一度は飲んでおきたい、幻のシングルモルトウイスキーです。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Ben Wyvis ベンウィヴィス

Ben Wyvis ベンウィヴィス

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1965
  • 閉鎖年:1977
  • 楽天市場価格[2026年7月]:¥920,000 税込

「ベンネヴィス」にも似た名前「ベンウィヴィス」は、北ハイランド・ロス州に位置する「ベンウィヴィス山」から名付けられています。インバーゴードングレーンウイスキー蒸留所の敷地内に、1965年に建設されたモルトウイスキー蒸留所です。

生産規模は小さく、ワンバッチの仕込み量は大麦麦芽2トン。6つの鋳鉄製ウォッシュバックを使用。ポットスチルは初留と再留が1基ずつの合計2基。

再留釜は初留と同じ形状・サイズでしたが、再留釜にはネック部分にウォータージャケット(水冷エンジン)が取り付けられており、ラインアームが非常に短かくつくられていました。これによってボディに厚みのあるオイリーな酒質のウイスキーを生み出すことができていました。

ベンウィヴィスの稼働期間は短く、1976年にわずか11年の操業で蒸留所は閉鎖となり、取り壊されています。しかしポットスチルはキャンベルタウンにある「グレンガイル蒸留所」移設しており、再利用されています。

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スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Caperdonich キャパドニック

Caperdonich キャパドニック

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1898(1901年~1965年まで生産停止)
  • 閉鎖年:2003
  • 楽天市場価格[2026年7月]:33,200円(キャパドニック21年ノンピート)

キャパドニックは1898年にグレングラントの第2工場(第2蒸溜所)として建設されました。ゲール語で「秘密の井戸」という意味。

創業当初にウイスキー不況に見舞われ、開設3年後の1901年からは操業停止を余儀なくされます。そして再び生産を再開したのは1965年。それまで蒸留所は「グレングラントNo.2」と呼ばれていましたが、この際に「キャパドニック」という新しい名称に変更されます。

2000年にはペルノリカール社によって買収されますが、2003年に閉鎖となり、その後フォーサイス社が建物を買収。現在、蒸留所は解体されています。

キャパドニックの謎なところは、閉鎖して20年近くも経っているのにも関わらず、オフィシャルボトルとしてリリースされている点。気になっている方も多いと思います。

ペルノリカールは2020年に、スコットランド・スペイサイド地方の秘蔵モルトコレクション『シークレット スペイサイド』シリーズの一つとして3種のキャパドニック「キャパドニック 21年」「キャパドニック 25年」「キャパドニック 30年」を同時リリース。

閉鎖している蒸留所のシングルモルトウイスキーが、オフィシャルボトルとして再発売されることは極めて珍しいことです。おそらく、原酒は2000年に買収した際に手に入れたものでしょう。

フォーサイス社には蒸留所の建物のみを売却し、貯蔵庫にあった樽ストックはペルノリカールの集中熟成庫に移動させたものと思われます。実際に、キャパドニックのウイスキーは全てブレンデッド用としてつくられており、主にシーバスリーガル(親会社はペルノリカール)の構成原酒に使用されていました。

つまり、2020年に発売されたキャパドニックは、残された原酒(長期熟成になってしまった??)で、シーバスリーガルの構成原酒としては使用しないものを使用してボトリングしていると考えられます。

いずれにしてもキャパドニック蒸留所は閉鎖しているため、原酒は減り続ける一方で、復活する予定も今のところありません。『シークレット スペイサイド』シリーズのキャパドニックは、いつまで生産されるのか分からない状況です。気になる方は早めに購入しておくのも良いと思います。

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スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Coleburn コールバーン

Coleburn コールバーン

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1897
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:275,000円

コールバーンの創業は1897年。エルギンから南に4マイル離れた場所にあります。蒸留所はパゴダ屋根の父と称されている、有名なデザイナー「チャールズ・ドイグ」氏によって設計されています。地元産の「砂岩」と、ウェールズ産の「青いスレート石」が使われており、キルン屋根と美しい建物が印象的な蒸留所でした。

コールバーン蒸留所は1950年代から60年代にかけて大規模な改修工事が行われました。冷却装置の「ワームタブ」は「コンデンサー」に変更され、蒸留も「石炭直火方式」から「スチーム加熱方式」に改められました。伝統的な製造方法から脱却し、現代的で効率の良い生産方法に改良したことで、蒸留所の生産能力は向上します。

しかし、1985年に突然閉鎖することが決定。閉鎖した理由は分かりませんが、大幅な製造方法の方針転換によって、ウイスキーの品質が変わったことには違いありません。ひょっとしたらそれが一つの要因になったのかも⁉

閉鎖後は、蒸留所内の生産産設備は全て撤去。所有者はディアジオからボトラーズ会社の「マーレイマクダビッド社」に移り、同社の倉庫として利用された後、音楽会場に改装されています。

倉庫にするのには勿体ないくらい、外観が綺麗で魅力的な閉鎖蒸留所。生産設備を導入して復活させてほしいくらいですね。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Convalmore コンバルモア

出典:By Christopher Gillan, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9255579

Convalmore コンバルモア

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1894
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:288,000円

1894年に設立されたコンバルモア蒸留所は、創業後すぐにグラスゴーのブレンデッドウイスキー業者「W.P.ローリー(ローリー社)」に買収されます。同社のブレンデッドウイスキーの原酒として活用されました。

その後、所有権はローリー社から事業を引き継ぐ形で、ジェームズ・ブキャナン社へ移ります。ブキャナンのウイスキーは、英王室専用ウイスキーに選ばれるなど、当時は高級ブレンデッドウイスキーとして名声を高めており、国際的にも需要がありました。オーナーが転々と代わるコンバルモア蒸留所でしたが、ウイスキーの生産は途切れることなく続きます。

しかし1909年に、不運にも蒸留所は火災によって焼失。その後はすぐに再建されます。そして蒸留所が新しくなったと同時に導入されたのが、ポットスチルではなく連続式蒸留機を使ったモルトウイスキーの蒸留です。

現在ではロッホローモンド蒸留所や宮城峡蒸溜所では、連続式蒸留器を使用してモルトウイスキーがつくられていますが、この当時としては今以上にかなり斬新な試みです。

連続式蒸留器によって、毎時2270リットルもの原酒を生み出すことができました。しかし当然の問題として、ポットスチルのものと比べウイスキーは全く異なる個性となってしまったことから、1915年には通常通りのポットスチルによる生産が再開されています。その後、1965年にはポットスチルを2基から4基に増設しています。

1985年に蒸留所の閉鎖が決まります。その後、コンバルモア蒸留所の敷地と隣接する「ウィリアム・グラント&サンズ社」が買い取り、ウイスキー生産設備は撤去され、現在は同社のウイスキー熟成庫として利用されています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Dallas Dhu ダラスドゥー

出典:By JThomas, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=13996628

Dallas Dhu ダラスドゥー

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1898
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

ダラスドゥー(ダラスデュー)は、1898年にグラスゴーのライト&グレイグ社によって設立。当初は「ダラスモア」という名前でしたが、1921年にベンモア・ディスティラリーズ社に買収された際に、ダラスドゥー蒸留所へと名称変更されました。蒸留所はエルギン出身の蒸留所専門家の建築家「チャールズ・ドイグ」によって設計されています。

ダラスドゥー蒸留所のオーナーは次々と移り変わりますが、1929年にはDCL社が買収。そこから長い期間ウイスキーの生産を続けていましたが、1983年に突如として閉鎖が決まります。

蒸留所は閉鎖後、オーナーのDCL社によって「ヒストリック・スコットランド」に寄贈されます。現在はウイスキー博物館として公開されており、オーディオガイドを通じてウイスキー製造や蒸留所の歴史を学ぶことができるとのこと。

ダラスドゥーはシングルモルトとしてはかなりレアな存在です。現在では一部のボトラーズでのみその存在を確認できます。シングルモルトとしての評価は高く、ウイスキー評論家「ジム・マーレー」からは「神秘的な複雑味を持つコーヒーのような美酒」と称されていました。

ちなみに、ダラスデューとはゲール語で「黒い水の流れる谷」という意味。「黒い水」だから「コーヒー」なのか、実際にコーヒー的な深い香ばしさを感じたのでしょうか…。今となってはその確認がとれないほど、お目にかかれないウイスキーです。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Albyn グレンアルビン

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000001539/

Glen Albyn グレンアルビン

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1846
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:363,600円

グレンアルビンはカレドニア運河に面した土地にあった蒸留所。この場所は北海と大西洋を結ぶ水上輸送の利便性に恵まれていたことから、第一次世界大戦中には連合軍によって蒸留所は接収されており、Uボート(ドイツ海軍の保有する潜水艦の総称)の対策用の機雷を製造していました。姉妹蒸留所であるグレンモール(1892~1983)はすぐ向かい側にあります。

創業者はインヴァネス市長を務めていた人物。一度大規模な火災に見舞われ、1855年に破産。その後の20年間は製粉所として使われていましたが、1884年にAMグレゴリーによってグレンアルビン蒸留所は買収され、ウイスキー生産が再開されます。

そして1920年には「マッキンレーズ&バーニー社」がグレンアルビンを買収。同社は隣にあるグレンモール蒸留所を創設した企業で、グレンアルビンとグレンモールは姉妹蒸留所として運営されることになります。

1983年に閉鎖され蒸留所は取り壊されており、現在はスーパーマーケットを含む大型ショッピングセンターとして利用されています。

ポットスチルは2基のみという小規模な蒸留所でしたが、ウイスキーの個性はハイランドモルトの王道となるリッチさとフルーティーがあり、モルトファンの中でも評価の高い蒸留所となっています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenesk グレネスク

Glenesk グレネスク

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1897
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:192,000円

グレネスク蒸留所はモントローズの北方2マイルに位置し、1897年にワイン商のジェームズ・アイルズによって創設されました。当初はリンネル(亜麻の繊維を用いた織物)工場だったそうです。その後、「ハイランドエスク」「ノースエスク」と名前を変えながら、川から水源を引いてウイスキーの製造を始めます。

1938年にはジョセフ・ホッブス(ASD社)によって蒸留所は買収され、名前は「モントローズ」に。その際、グレーンウイスキーの工場へと転換。以後は、DCL社(Distillers Company Limited)がモルトウイスキーの生産を再開するまで、主に大麦麦芽の製造施設としても使用されています。

DCL社がグレネスク蒸留所を所有したのは1954年。豊富な資金力で蒸留所は生産設備を増強していきます。1968年には大規模なドラム式モルティング施設を建設。そして1980年には「グレネスク」に名称変更されます。

しかし、名称を変更して間もない1985年に蒸留所は閉鎖。その後、ウイスキーの蒸留が行われることはありませんでしたが、モルティング施設は現在でも稼働し続けており、巨大なモルト製造工場としてウイスキー業界に貢献しています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Flagler グレンフラグラー

Glen Flagler グレンフラグラー

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1965
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

グレンフラグラーは、1964年にモファット・グレーンウイスキー蒸留所の施設内に建設された、モルトウイスキーの蒸留所。ポットスチルは6基。1965年からモファット蒸留所が閉鎖される1985年まで、約20年間にわたってウイスキー造りが行われていました。

モファット蒸留所はグレーンとモルトの両方を造る蒸溜所。現代では「ロッホローモンド蒸留所」が同じような形でウイスキーを生産しています。こうした複合蒸溜所は、当時としてはそこまで珍しかった訳ではありません。グレーンウイスキーの蒸留所の敷地はが広いため、敷地内にモルトウイスキーの蒸留設備を作るケースは多かったようです。

グレンフラグラー蒸留所では麦芽の割合や樽の違いにより、モルト原酒の造り分けが行われており、以下の3種類のウイスキーを製造していました。

  • キリーロッホ(Killyloch):ノンピート麦芽で仕込まれたローランドタイプのウイスキー。
  • グレンフラグラー(Glen Flagler):ライトピーテッド麦芽を使用したスペイサイドタイプのウイスキー。
  • アイルブレイ(Islebrae):ヘビリーピーテッド麦芽を仕込みに含んだスモーキーなウイスキー。

多彩な原酒造りをする魅力的な蒸留所でしたが、1976年に生産休止(モスボール)となります。

その後は80年代のウイスキー不況の影響もあって、再び稼働されることはなく、グレンフラグラー蒸留所を含むモファット蒸留所は1986年に閉鎖します。

現在、残っているのは古びて黒ずんだウエアハウスのみ。最後の蒸留年が76年ということもあって、現存するシングルモルトウイスキー「グレンフラグラー」のボトルはレアな存在です。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenlochy グレンロッキー

Glenlochy グレンロッキー

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1898
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

グレンロッキーの創業は1898年。デイビッド・マッカンディーによって設立。ベンネビス山から流れ出る、ネヴィス川の水を仕込み水とし、2基のポットスチルでウイスキーを生産していました。

蒸留所は創業当初からウイスキー市場が不安定な状態が続いており、いわゆる衰退期に差し掛かったところでした。それに伴って、原酒造りも制限することを余儀なくされ、本来の生産能力に見合わない仕込み量で操業を続けていました。しかしウイスキー不況は回復の兆しを見せず、グレンロッキー蒸留所は長年に渡り生産休止となります。

1938年に、オーナーがジョセフ・ホップス氏のASD(アソシエイテッド・スコティッシュ・ディスティラーズ)社に代わったことで、生産が再開されますが、1953年にはスコッチ大手のDCL社がASD社を買収すると、1983年に閉鎖の決定が下されます。

現在、蒸留所内部の生産設備は完全に撤去されていますが、建物自体は歴史的な価値を持つ建造物としてスコットランド政府により保護が義務付けられています。(他の蒸留所でも結構あるあるです)

シングルモルトとしてはなかなかお目にかかれない銘柄。バーで見つけたときは感動します(笑)

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glen Mhor グレンモール

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000001740/highland_glenmhor/page1/order/

Glen Mhor グレンモール

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1892
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:108,350円

グレンモール蒸留所は1892年に創業された蒸留所で、インバネス市のカレドニアン運河に面して位置していました。グレンアルビン蒸留所のマネージャーであるジョン・バーニーがチャールズ・マッキンレー社と提携し、隣接する土地に建設されました。1920年には隣接するグレンアルビンも買収され、両者は姉妹蒸留所として運営されていました。

グレンモール蒸留所のポットスチルは2基。仕込み水はネス湖の水を利用していたとのこと。

特筆すべき点は、1954年にスコットランドでもいち早く、機械的なモルティング施設である「サラディン・モルティング(サラディンボックス式)」が行われていたことでしょうか。サラディンボックス式は、コンクリート床で完全な人力で撹拌作業を行う「フロアモルティング」よりも効率が良く、ドラム式で自動的に撹拌されることから、モルトの生産量も増やすことも容易でした。

しかし、その後は1972年には親会社のDCL社により買収され、1983年には閉鎖。貴重なモルティング施設のある蒸留所でしたが、建物は1988年には完全に取り壊されてしまい、現在では、グレンアルビンと同様に複合商業施設となっています…

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenugie グレンアギー

出典:By Africa23 – This photo was taken in 1956 of the Glenugie Distillery. The tower at centre bottom is the remains of a pumping windmill., CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4264826

Glenugie グレンアギー

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1831
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

グレンアギーはかつてはスコットランドで最も東に位置する蒸留所でした。東ハイランドのピーターヘッドという港町に位置しており、海を一望できる高台に1831年に創立。蒸留所は当初、北海油田の関連会社によって所有されており、当時の名前は「インバーネッティ蒸留所」。後に「グレンアギー」と改名されています。

グレンアギー蒸留所は頻繁にオーナーが変わっていました。そのたびに、何度も生産停止と再開を繰り返していました。閉鎖となったのは1983年で、その後、北海油田のプラント会社に売却されています。現在では残念なことに、ウイスキーの蒸留設備はほとんど撤去され、2基のポットスチルのみが残されています。

蒸留が安定して行われていたのは、ロング・ジョン社が所有していた1970年~1983年までで、それ以前はどれくらいの頻度で仕込みが行われていたのかもわかりません。つまり、グレンアギーのストック原酒は、閉鎖蒸留所の中でもかなり不透明であり、残りが少ないことが予測できます。

実際に2023年8月時点では、日本語で販売されているサイトを見つけることはできませんでした。モルト歴の長いウイスキーファンでも、その味を知らない方は多いはず…

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Glenury Royal グレンユーリーロイヤル

Glenury Royal グレンユーリーロイヤル

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1825
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

現在、「ロイヤル」を名乗っているシングルモルト・スコッチウイスキーは3つのみ。現役の蒸留所は「ロイヤルロッホナガー」と「ロイヤルブラックラ」の2か所。そして、残す1つが閉鎖蒸留所「グレンユーリーロイヤル」です。

グレンユーリーロイヤル蒸留所の設立は1825年。創業者であるロバート・バークレイは地域の代議士で、裁判所、国会議、貴族、王族まで、様々な人との交友関係が広い人物でした。そうしたことから国王ウィリアム4世(在位: 1830~1837年)と縁がつながり、特別に「ロイヤル」(英王室御用達)という称号の使用を許可され、「グレンユーリーロイヤル」と名乗るようになりました。

1857年にはバークレイが無くなったことで、蒸留所は競売にかけられ、グラスゴーのリッチー社が所有します。その後、1953年にはDCL社がオーナーとなり、ウイスキーの生産が続けられていましたが、1985年には閉鎖となります。閉鎖後の1993年に、蒸留所と敷地は地元の不動産会社に売却。現在は蒸留所の建物の残っておらず、跡地は住宅地となり、煙突の土台だけが保存されています。

UD社がリリースしていた、「レアモルト・セレクション」シリーズのグレンユーリーロイヤルを飲んだことがあります。レアモルトシリーズは、閉鎖した蒸留所や小規模蒸留所から原酒をセレクトし、熟成年数が約20年以上のものをボトリングした人気シリーズ。熟成期間が長いのか、グレンユーリーロイヤルの個性なのかはわかりませんが、柔らかくてモルティーな風味があり、全体的にソフトで優しい味わいでした。

見つけるのが困難なウイスキーの一つ。値段も高いと思いますが、バー見かけたら思い切って飲んでみてください。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Imperial インペリアル

Imperial インペリアル

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1897
  • 閉鎖年:2005
  • 楽天市場価格[2026年7月]:83,200円

インペリアル蒸留所はダルメニャック(バルメナック)の第2蒸溜所として1897年に建設されました。この年はヴィクトリア女王の在位60周年でもあったことから、ダイヤモンド・ジュビリーの年であり、そういった理由で蒸留所の名前に「インぺリアル(皇帝の)」が使用されています。

輝かしい名称が付けられたものの、世間では「ウイスキー不況」が深刻化していたことから、創業からわずか3年となる1900年に生産停止となります。

その後もインペリアル蒸留所の経営は安定せず、何度か閉鎖を繰り返すことになります。1925年にDCL社によって吸収合併。そして1955年にはDCL社の子会社であるSMD社の傘下となり、蒸留が再開。1965年には4基のポットスチルで生産が行われ、いよいよ安定生産の時代が来たかと思われましたが、その後もオーナーが次々と代わります。

最終的には2005年にペルノリカール社が買収した際に閉鎖となります。現在はインペリアル蒸留所の建物は全て壊されており、跡地はダルメニック蒸留所となり利用されています。

インペリアルのシングルモルトは2005年以降もオフィシャルやボトラーズからもリリースされていましたが、2020年頃からは急激に値段が上がりました。今ではダルメニャックのウイスキーとは異なる「インペリアル」らしさが高く評価されており、流通価格の上昇はやむ得ない状況です。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Inverleven インヴァリーブン

出典:https://www.whisky.com/whisky-database/details/inverleven-1.html

Inverleven インヴァリーブン

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1938
  • 閉鎖年:1991
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

インヴァリーブンは、ダンバートン複合蒸留所内の一部として設立されたモルトウイスキーの蒸留所。敷地はハイランドとローランドの境界線をまたいでいましたが、ローランドの蒸留所として分類されるのが一般的です。

創業は1938年で、ジョージ・バランタイン・アンド・カンパニー社によって設立されました。歴史の古い閉鎖蒸留所が多い中で、インヴァリーブンは比較的新しい蒸留所と言えます。

インヴァリーブン蒸留所は、当時ヨーロッパで最大の蒸留施設であり、造られたモルトウイスキーは、主にブレンデッド用のモルト原酒として利用されていました。1958年から1991年の間には、既存の2つのポットスチルに加えて、新たに「ローモンドスチル」を導入。通常のポットスチルで蒸留した「インヴァリーブン」と、ローモンドスチルで蒸留した「ローモンド」という、別々の名前のモルトウイスキーを生産していました。

ローモンドスチルとは、1959年にハイラムウォーカー社によって開発された特殊な形状のポットスチルのこと。円筒状の胴体内部には銅板の仕切りがあり、これによって銅と接触する面積が増え、通常よりも高い純度のアルコールを回収することができます。その結果、3回蒸留に近いクリアでスムースな酒質のウイスキーを生産できると言われています。

ローモンドスチルはその後、インヴァリーブン以外の蒸留所でも採用されていましたが、現在使用している蒸留所は多くありません。代表的なところだと「スキャパ」や「ロッホローモンド」が仕込みの一部に利用しています。

インヴァリーブンは1991年に閉鎖され、2005年には建物も解体されてしまい、蒸留所として復活することはありません。

バランタインなどのブレンデッド用原酒として生産されていただけあって、「インヴァリーブン」のシングルモルトはかなり少ないのが現状です。また、ローモンドスチルで蒸留した「ローモンド」の方は、生産していた期間が短いためさらにレアなボトル。幻のウイスキーとして語られています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Kinclaith キンクレイス

出典:https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/kinclaith.html

Kinclaith キンクレイス

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1958
  • 閉鎖年:1975
  • 楽天市場価格[2026年7月]:399,999円

キンクレイスはシーガー・エバンス&ロングジョン社に作られた「ストラスクライド・グレーンウイスキー蒸留所」内に建設された、モルトウイスキー蒸留所。ストラスクライドは広大な敷地を持っており、倉庫やクーパレッジ、ブレンド施設を有する大規模な蒸留所でした。現在では、グレーンウイスキー蒸留所内にモルトウイスキーの設備を備えている蒸留所は数えるほどしかありませんが、当時は一般的だったようです。

キンクレイス蒸留所はグラスゴー市内に1958年に設立。モルトウイスキーを生産する最後の拠点でした。グラスゴー市内にはかつて、何百もの蒸留所があったとされていますが、一度はすべての蒸留所で生産されなくなりました。しかし2000年以降は、再びウイスキーを造るメーカーが数多く現れており、グラスゴー市内にあるクラフトウイスキー蒸留所は増え続けています。

蒸留所には初留と再留のポットスチルが2基。シングルモルトとしてはオフィシャルボトルが瓶詰めされることはありませんでした。原酒のほとんどはブレンデッドウイスキー「ロングジョン」に使用。一部のボトラーズでは販売されており、ウイスキーの個性は、スモーキーでフルボディなタイプと言われています。

蒸留所はその後、オーナーのロングジョン社がイギリスのビール会社「ウィットブレッド社」に買収されたことをきっかけとなり閉鎖となります。これは、1975年に行われたストラスクライド蒸留所グレーン部門の拡張によるもの。グレーンウイスキーの生産能力を高めるために、キンクレイスの蒸留器を撤去となり、1982年には建物も解体されてしまいます。

キンクレイス蒸留所は跡形もなく消えてしまいましたが、ストラスクライド蒸留所は現在でも稼働中。ペルノリカール社が所有しており、グラスゴー市内で唯一のグレーンウイスキー蒸留所として、年間4000万リットルもの原酒を生産しています。

稼働年数わずか17年程のキンクレイスは、オフィシャルボトルも存在していないことからかなりレアなボトル。かつての「グラスゴーモルト」はどのような味わいだったのか、気になりますね…

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Ladyburn レディバーン

出典:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000002873/ct420/page1/order/

Ladyburn レディバーン

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1966
  • 閉鎖年:1975
  • 楽天市場価格[2026年7月]:318,000円

ウイスキーに詳しい方でも、その存在を知りえないというのが「閉鎖蒸留所のシングルモルト」だと思います。しかし、その中でもかなりマニアック?というか、閉鎖蒸留所としての「レア度」でいうと、恐らくトップクラスだと思うのが「レディバーン」です。

操業は1966年~1975年のわずか9年。記録に残っている中では最も短命となった蒸留所です。

レディバーンは、ウィリアム・グラント&サンズ社所有するガーヴァン・グレーンウイスキー蒸留所内で1966年に誕生しました。ガーヴァンの名前の由来は、地元の方言で「短い川」を意味しています。そしてレディバーンは「貴婦人の川」で、蒸留所が短命に終わった原因の一つに、ネーミングが悪かったことが挙げられているとか…いないとか…。

ポットスチルは初留と再留の2基ずつの、合計4基で稼働。「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィ」の姉妹蒸留所として期待されていたのかと思いきや、ガーヴァン蒸留所でのグレーン原酒の需要が高まったことを受けて、モルト部門のレディーバーンは解体されることになりました。

レディバーンはウィリアム・グラント&サンズ社が保有する、スペイサイドにある3か所の蒸留所とは全くことなる個性を持っていました。今のようなモルトウイスキーブームが来ることなんて、閉鎖した70年代では予測できなかったとはいえ、9年で閉鎖が決定づけられるのは早すぎたと思います。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Littlemill リトルミル

Littlemill リトルミル

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1772
  • 閉鎖年:1994
  • 楽天市場価格[2026年7月]:139,000円

現在稼働しているスコットランド最古の蒸溜所は「グレンタレット」。そして、閉鎖蒸留所を含めたときに一番歴史の古い蒸留所が、ローランドにある「リトルミル」になります。創業は1772年。(日本では江戸時代で、田沼意次が老中に抜擢された年…)

リトルミル蒸留所はその歴史の間に何度もオーナーが変わり、その度に一時的な休業や再開を繰り返してきました。1772年から1857年の間に、9回もオーナーが変わっています。1931年にはダンカン・トーマスが買収し、ウイスキーの製造方法が3回蒸留から2回へ変更され、ローランドの伝統製法に終わりを告げます。

その後、1971年にはバートン・ブランズが買収。この際、リトルミル蒸留所では以下の3つの異なるタイプのウイスキー造りを開始します。

  1. これまで通りの「リトルミル」
  2. ライトピーテッドタイプ「ダングラス」
  3. ヘビリーピーテッドタイプ「ダンバック」

このような原酒の造り分けは、リトルミルの後継蒸留所である「ロッホローモンド」が受け継いでいるように思います。

その後、1984年から1989までは生産停止。1987年にギブソンインターナショナルがリトルミル蒸留所を取得し、ウイスキーの生産は1992年まで続けられました。

しかしその後、新たな所有者が博物館にするとの構想を持ちだしたことで、1994年に閉鎖。一時は企業の事務所として利用されていましたが、現在は取り壊されています。

リトルミルのシングルモルトウイスキーは、ここ数年で相場がかなり上がっています。10年程前までは、オフィシャルボトルがまだ流通していましたが、今では見つけることも困難。キャンベルタウンモルトが枯渇していることも考慮すると、ネットショップで買えなくなるのも時間の問題でしょうか。

 

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Lochside ロッホサイド

Lochside ロッホサイド

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1957
  • 閉鎖年:1996
  • 楽天市場価格[2026年7月]:812,680円

ロッホサイドは、もともとはビールの醸造所として1781年に設立されました。ウイスキーの蒸留所として操業したのは1957年。ASD社のジョセフ・ホッブスを含むマクナブディスティラー社が買収し、ウイスキーの蒸留所として改装します。

ホッブス氏はウイスキー産業で名を馳せた人物。ロッホサイド蒸留所ではグレーンウイスキーの生産に専念していたそうです。

ロッホサイド蒸留所はモルトとグレーンの両方を生産する計画で生産を開始します。ポットスチルが4基。蒸留器の形状はオニオンヘッド型。背の高くて細いネックから、下向きにラインアームが伸びていました。原酒の多くはバーボン樽で熟成。グレーンウイスキー用の蒸留器は「コフィースチル(カフェ式連続式蒸留器)」を使用。

ところが1964年にホッブス氏が亡くなると、コフィースチルは1970年に取り外されてしまいます。その後、蒸留所の運営者はマクナブ社によって行われ、同社は「サンデーマクナブス」というブレンデッドウイスキーを製造・販売していました。

1973年には、スペインの「ディスティレリアス・イ・クリエンサ社」が買収。この時点で、ロッホサイドで生産されたウイスキーの多くはスペインに輸送され、同社のブレンデッドウイスキーである「DYC(ディーク)」の原酒として使用されていました。

1987年には、シングルモルトのボトリングを始め、「ロッホサイド シングルモルト10年」をリリースしますが、1996年にロッホサイド蒸留所は閉鎖となります。

ロッホサイド蒸留所は醸造所として創業し、1781年に建てられた歴史ある建物を使用し続けていました。蒸留所としてはもちろん、施設全体が取り壊しになったのは残念ですね。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Millburn ミルバーン

Millburn ミルバーン

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1807
  • 閉鎖年:1985
  • 楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

ミルバーンはインバネス市に位置する歴史的な蒸留所。創業は1807年。インバネスでは最も古い蒸留所です。蒸留所の歴史としては、所有者が何度も変わっており、その影響からかオフィシャル・シングルモルトは、2000年まで一度もリリースされていませんでした。

1853年にはデイビッド・ローズによって買収され、一時的にトウモロコシ工場に変わるなど変遷がありましたが、1892年にヘイグ家によって買い取られます。その後、1921年にはロンドンのジン製造業者「ブース社」がオーナーとなります。

1922年には火事が発生し、ミルバーン蒸留所はかなりの被害を受けていますが、キャメロン・ハイランダー(スコットランド高地地域からの兵士で構成された陸軍)の協力もあって、蒸留所を維持することができました。

1943年にはスコッチ大手のDCL社が買収しますが、1985年に閉鎖となります。その後、建物はレストランやパブとして活用された後、ホテルチェーンによって買収。蒸留所の建物の一部はそのまま使用されているため、レンガ造りや煙突などはかつてのミルバーン蒸留所を思い起こさせてくれます。

冒頭でも記述しましたが、ミルバーンのオフィシャルボトルは一度も市場に出回ることはありませんでしたが、2000年以降はディアジオ社の「レアモルト・シリーズ」からリリースされています。その他、一部のボトラーズからのわずかながらリリースされており、有名なのはゴードン&マクファイルの「コニッサーズ・チョイス・シリーズ」のボトルでしょうか。

現在では日本での販売が確認できませんでした。海外サイトであれば入手可能ですが、それ相応の価格です…

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|North Port ノースポート

出典:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000016161?category_page_id=ct866

North Port ノースポート

  • 地域:ハイランド
  • 創業年:1820
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:242,000円

ノースポート蒸留所は、ブレヒンという街の銀行家かつ市長、デイビッド・ガスリー氏によって1820年に設立されました。蒸留所があるアンガス地方・ブレヒンは、農業が盛んな地域で、品質の高い大麦を生産する土地として有名でした。

操業当初はタウンヘッド蒸留所と呼ばれていましたが、その後、1823年にブレヒン、そして1839年にノースポートに改名されています。「ノースポート」とは、城壁の北にある門のことを指しています。蒸留所は2基のポットスチルでモルトウイスキーを製造していました。仕込水にはロッホリー(リー湖)の水を使用。

1922年にDCL(ディスティラリー カンパニー リミテッド)が買収し、1970年代には、蒸留所は改修され近代化が進みましたが、建物の老朽化が進んだことを受けて1983年に閉鎖となります。

ノースポートのオフィシャルボトルは、閉鎖されるまでの期間一度もリリースされることはありませんでしたが、1990年代後半からディアジオ社の「レアモルト・シリーズ」として販売されるようになります。その他、ボトラーズからのリリースされていますが、現在ではかなり流通量が少なく、高額な価格で取引されています。

ちなみに「ノースポート」と勘違い⁉されるウイスキーとしては「ウエストポート」があるのではないでしょうか。(ノースポートとは直接関係ありません)

ウエストポートは蒸留所ではなく、ブレンデッドモルトウイスキーの名称に使用されています。ごく微量な原酒をブレンドした「ティースプーンモルト」。蒸留所名は明かされていませんが、北ハイランドの「キリンのように背の高いポットスチル」がある蒸留所(つまりグレンモーレンジィ)がメインの原酒となっています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|Pittyvaich ピティビアック

Pittyvaich ピティビアック

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:1975
  • 閉鎖年:1993
  • 楽天市場価格[2026年7月]:211,750円

ピティビアックは、「ピティヴェアック」「ピティヴィアック」などとも発音(表記)されることのある、日本語的にも英語的にもややこしい名前の閉鎖蒸留所です。

ピティビアックは、スペイサイドに位置するダフタウン蒸留所の関連プロジェクトとして、1975年にアーサー・ベル&サンズ社によって創業。ダフタウン蒸留所の姉妹施設としてすぐ隣に建設。

ピティビアック蒸留所のポットスチルは合計4基。初留と再留が2基ずつ。ポットスチルはダフタウンと同じストレートヘッド型を採用しています。仕込水もダフタウン蒸留所と同様、バリーモアとコンバリーズという名前の2つの泉から採取。他の設備や熟成庫も、ほぼ同じ物が使用されていました。

しかしながら、ほぼ同じ場所・生産設備で生産したのにも関わらず、ピティビアックのモルト原酒はダフタウンとは全く異なる個性となります。これはピティヴァイクに限らず、スコッチにおける「姉妹蒸留所あるある」です。同じ個性を持つ原酒を、他の蒸留所で造る難しさ。スコッチの神様は、生産量の増強には否定的なのかもしれません(笑)

1991年には初のオフィシャルボトルとして、「花と動物シリーズ」の「ピティビアック12年」が発売されます。ラベルにはスペイサイドの森に生息する「ロー・ディアー(ノロジカ)」が描かれています。

しかし、オフィシャルボトルをリリースして、僅か2年後の1993年にピティビアック蒸留所は閉鎖されます。建物は解体され、現在の蒸留所跡にはいくつかの保税倉庫のみが残っています。

 

スコッチウイスキー閉鎖蒸留所|St. Magdalene セント・マグデラン

St. Magdalene セント・マグデラン

  • 地域:ローランド
  • 創業年:1798
  • 閉鎖年:1983
  • 楽天市場価格[2026年7月]:476,800円

セント・マグデランは、リンリスゴーの町にあった蒸留所で、マグデラン聖人にちなんで名付けられています。リンリスゴーにはかつて100以上の蒸留所がありましたが、「聖人」の名を冠してしるのはセント・マグデラン蒸留所のみとなります。

リンリスゴーの街は、かつては重要な交通拠点であり、麦芽の製造や製粉産業によって栄えていました。そして町にはリンリスゴー城(廃城)があり、このお城は「悲劇の女王」といわれたメアリー・ステュアート(1542‐1587)が生まれた場所とのこと。

セント・マグデラン蒸留所は1798年に創業。1894年には生産施設拡張と近代化が行われています。しかし、1900年以降は、ローランドの他の蒸留所と競争を激しくし、さらに人気が出てきたハイランドモルトにも対抗する難題もあったことで、蒸留所の経営状況は厳しくなります。

1914年にはSMD社の傘下となり、1927年に再び大規模な改修が行われますが、1930年代の大恐慌の影響でウイスキーの生産は縮小傾向となります。その後も蒸留は続けられていましたが、1983年に閉鎖となります。

蒸留所は現在、高級アパートメントに改造されています。歴史的価値のある建造物として指定されていることから、外観はそのまま保持。キルン棟もそのままの姿で残っていることから、ウイスキー好きが住むのにはたまらない外観です。

 

セント・マグデランのシングルモルトは「リンリスゴー」という名前でもリリースされています。ローランドモルトとは思えないほど個性的。当時のハイランドモルトに対抗した名残でしょうか。ローランドの閉鎖蒸留所と言えば代表的なのが「ローズバンク(旧ローズバンク)」ですが、それともまた異なる味わい。

ローズバンクと並ぶ、ローランドの消えた銘酒…

 



 

改めて言うのもなんですが…閉鎖蒸留所のシングルモルトウイスキーは年々在庫が減り続けているため、プレミア価格となっています。

閉鎖蒸留所を復活させたとしても、その蒸留所で造られる原酒は元の蒸留所とは異なる個性であることは避けられません。閉鎖蒸留所が、100%同じように復活することはないのです。

もし飲む機会があったのなら、古いボトルならば50年以上前に造られた大変貴重なオールドウイスキーです。有難く頂戴しましょう♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

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