バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選

クラフトジンとは?
具体的な定義はなく、少量生産で丁寧に造られた高品質なジンを指す場合が多い。以前は大手酒造メーカーの製造している商品がシェアの大半を占めていたが、現在は小~中規模生産者が増加し、クラフトジン市場は競争が激化している。生産者のこだわりが強く反映されており、ボタニカルには地元産の素材が多く使用される傾向にある。
ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではウイスキーの蒸留所で造っているクラフトジンをご紹介致します。

空前のクラフトジンブームとなっている今日。ジンを生産する造り手も日を追うごとに増えています。その中でもウイスキーの蒸留所が造っているクラフトジンは、クオリティの高い銘柄が数多くあり、ウイスキー造りと並行して注目されています。

そこで今回は、オーナーバーテンダーであるわたくしユースケがおすすめする、ウイスキー蒸留所が生産しているクラフトジン7本を解説。どの銘柄も、大手メーカーに引けを取らない品質ですので、クラフトジンが好きな方、ウイスキーは好きだけどジンはあまり飲まない方も、ぜひ最後までご覧ください。

 

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バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選

  1. ニッカ カフェジン 【ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所】
  2. 桜尾ジン 【桜尾蒸留所 】
  3. 和美人 【マルス津貫蒸留所】
  4. OSUZU GIN 【尾鈴山蒸留所】
  5. ザ・ボタニスト 【ブルイックラディ蒸留所】
  6. アイル・オブ・ハリス ジン 【アイル・オブ・ハリス蒸留所】
  7. コーヴァル ドライジン 【コーヴァル蒸留所】

 

バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|ニッカ カフェジン

出典:https://www.nikka.com/products/spirits/coffey/coffey-gin.html

ニッカ カフェジン
ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所
700ml 47%
参考価格:5000円
ボタニカル:ジュニパーベリー、山椒、柚子、甘夏、りんご など

ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所で造られているジャパニーズ・クラフトジン。国内でも珍しい「カフェ式連続式蒸留器」を用いて生産しています。

カフェ式蒸留器とは1830年にイーニアス・コーフィーが開発したウイスキー用の連続式蒸留器で、一般的なものと比べて蒸留液にフレーバーがしっかりと残るという特徴があります。アルコールの精製に長けているのが連続式蒸留器ですが、カフェ式の場合は単式蒸留器(ポットスチル)のような豊かな個性をスピリッツに反映させることができるのです。

カフェジンはカフェ式で蒸留したスピリッツに各種ボタニカルを浸漬し、再度蒸留。その後フレーバーのバランスを見極めながらブレンドを行っています。

最も特徴的な素材は「山椒」。他のジャパニーズジンにも使用されているので、山椒が特別珍しい訳ではないのですが、カフェジンの山椒フレーバーはかなり強く感じます。他のボタニカルとのバランスがうまくとれていて、山椒のスパイシーさがしっかり表現されているクラフトジンは、世界中を探しても「ニッカカフェジン」のみ。

ニッカウヰスキーがウイスキーで培ってきた原酒のブレンド技術が、ジンの製造にも発揮されていることが分かりますね。

 

バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|桜尾ジン

桜尾ジン
桜尾蒸留所
700ml 47%
参考価格:2200円
ボタニカル:ジュニパーベリー、レモン、ネーブル、夏みかん、川根柚子、橙、ヒノキ、赤紫蘇、高原生姜、緑茶 など

広島県廿日市市にある、サクラオブルワリーアンドディスティラリーが製造するクラフトジン。桜尾蒸留所はシングルモルトウイスキー「桜尾」や「戸河内」をリリースする蒸留所ですが、先に注目を浴びたのはウイスキーではなく「桜尾ジン」でした。誕生からまだ数年ですが、すでに国際的なスピリッツコンペティションで数々のタイトルを獲得しています。

桜尾ジンの製造には、ドイツ製の銅製ハイブリッド蒸留器を使用。蒸留方式は以下の2種類が採用されています。

  • スティーピング方式 ボタニカルを浸漬して蒸留する。
  • ヴェイパー方式 蒸留経路にバスケットを設けて、ボタニカルを入れる。蒸留したときに蒸気がボタニカルを通り、蒸留液に香りを付けることができる。

ハイブリッド蒸留器を使用することで、この2種類の蒸留方式を採用することが可能となり、各種ボタニカルに最適な方法で香りを抽出することができます。

また、ボタニカルにもこだわりがあり、地元広島県産の素材を積極的に採り入れることで、海外や大手のクラフトジンとは異なる、オリジナリティあふれる風味を生み出しています。

その中でも和柑橘が桜尾を象徴するボタニカル。ネーブル、夏みかん、川根柚子、橙、レモンは果皮の香りが特に強いグリーンレモンを使用。その他、海外産のスパイスなども使用し、合計14種類のボタニカルで構成されています。

 

バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|和美人

出典:https://www.shop-hombo.jp/SHOP/60034.html

和美人
マルス津貫蒸留所
700ml 47%
参考価格:4000円
ボタニカル:ジュニパーベリー、コリアンダーシード、柚子、辺塚橙(へつかだいだい)、レモン、金柑、けせん(ニッケイの葉)、月桃、緑茶、生姜、紫蘇

焼酎及び、ウイスキーの生産者としても名高い本坊酒造が造るジャパニーズクラフトジン。鹿児島県津貫にあるマルス津貫蒸留所で生産しています。和美人(わびじん)は地元鹿児島県産のボタニカルを使用した、「和」を感じるさわやかなジン。世界三大酒類コンペティションであるIWSC、ISC、SFWSCの全てで銀賞以上を獲得。その実力はすでに世界に認められています。

ボタニカルは鹿児島産が9種類で、それ以外のジンにマストな素材も合わせて合計11種類を使用。柚子や金柑などの柑橘を中心に、「けせん」や「月桃」など、他社のジンにはあまり使われていない素材が入っていることも、和美人の個性に繋がっています。また、緑茶が入ることで、ジン全体にやわらかさと落ち着きのある風味が与えられており、「和美人」と名乗っているだけある、ジャパンテイストを感じる上品なクラフトジンとなっています。

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バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|OSUZU GIN

OSUZU GIN
尾鈴山蒸留所
700ml 45%
参考価格:4500円
ボタニカル:ジュニパーベリー、柑橘類、山椒、榊(さかき) など

宮崎県児湯郡木城町の山の中にある尾鈴山蒸留所で製造されているジャパニーズクラフトジン。宮崎県の有名焼酎メーカー「黒木本店」が手がけています。

尾鈴山蒸留所ではウイスキー、本格焼酎、ジンを造っており、ウイスキーは地元産の麦を使用し、大麦麦芽造りも行っているというこだわりよう。また、焼酎の原料もすべて自社調達。地域循環型有機農業に取り組んでおり、自社農園「甦る大地の会」で収穫した芋で仕込まれています。

蒸留酒に強いこだわりを持っている黒木本店が造るクラフトジン「OSUZU GIN」は、自社の芋焼酎「山ねこ」をベーススピリッツに使用し、各種ボタニカルを漬け込み造られています。ベースが本焼酎なだけあって、風味はかなり焼酎の個性を感じる仕上がり。ジュニパーベリーや地元産の柑橘類など、複数のボタニカルからのフレーバーもありますが、率直に言うとジンに焼酎を混ぜたような複雑なフレーバーがあり、まさにジャパニーズジンといった個性。海外のジンには無い独創的な味わいです。

また、ボタニカルに榊(さかき)を使用しているのも面白い所。榊は常緑樹の一種で、神事では欠かせない植物です。神棚に飾ったり、神社の境内でよく見かけますが、まさかジンのボタニカルに使われていることには驚きました。榊が使用されているのは、黒木本店のご先祖様が「神主」だったことから。確かにOSUZUGINからは、なにか神聖な雰囲気が感じられるような…

 

バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|ザ・ボタニスト

ザ・ボタニスト
ブルイックラディ蒸留所
700ml 46%
参考価格:4000円
ボタニカル:ジュニパーベリー、アンジェリカ、カシア、シナモン、コリアンダーシード、レモンピール、リコリス、オレンジピール、ニオイイリス、ヨモギ、ウッドセージ、サンザシ、シモツケソウ、レモンバーム、ウォーターミント、アップルミント など

スコットランド・アイラ島にあるブルイックラディ蒸留所で造られているスコティッシュ・クラフトジン。ブルイックラディはタイプの違ったモルトウイスキーを製造していることでも有名で、ノンピートタイプの「ブルイックラディ」、ピーテッドタイプの「ポートシャーロット」、スーパーヘビリーピーテッドの「オクトモア」の3つが代表的なブランドとなっています。

ザ・ボタニストが発売されたのは2011年。ウイスキー蒸留所が手がけるアイラ島初のクラフトジンとして話題となりました。そのこだわりはやはりボタニカル。「ボタニスト」は「植物学者」という意味があるだけに、アイラ島で採取した野草などが使用されています。アイラ島の自然の恵がスピリッツに閉じ込めているというのは、ウイスキーファンからしても非常に魅力的ですね。

ボタニカルは合計33種類。クラフトジンの中でも種類は多い方。ジンに良く使われている主要な9種類の他、アイラ島産の個性的なボタニカルが22種類が使用されています。香りには気品があり、ハーブ香がしっかりとしています。香水のような甘やかな香がありつつ、薬品と植物が混じり合ったワイルドな風味も感じます。

まずはボタニストを一杯飲んでから、アイラウイスキーを愉しむのもいいかもしれません。

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バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|アイル・オブ・ハリス ジン

アイル・オブ・ハリス ジン
アイル・オブ・ハリス蒸留所
700ml 45%
参考価格:6600円
ボタニカル:ジュニパーベリー、リアンダー、リコリス、シナモン、シュガーケルプ(昆布) など

スコットランド・アウター・ヘブリディーズ諸島の南部、ハリス島で造られているスコティッシュ・クラフトジン。アイル・オブ・ハリス蒸留所は2015年に創業したまだ新しい造り手で、モルトウイスキーとクラフトジンを生産しています。

ハリス島の名産といえば、織物「ハリス・ツイード」が有名です。羊毛で作られたこの生地は、スーツ、かばん、小物、タオルなどに加工されており、その暖かみと手作り感が評価され世界中で愛されています。そのハリスツイードに次いで、ハリス島の新たな名産として注目されているのが、アイル・オブ・ハリス蒸留所の「ウイスキー」と「アイル・オブ・ハリスジン」なのです。

アイル・オブ・ハリス ジンの最大の特徴は、メインのボタニカルが「昆布」であること。日本のクラフトジンでも昆布を使用しているものはあるので、昆布自体がクラフトジンにとって特別な素材ではありませんが、蒸留所いわく昆布が「キーボタニカル」だそうで、ボタニカルのメインが昆布…というのは、ジンとしてはかなり独創的です。昆布からの影響によって、アイランズ・モルトウイスキーに感じるような「潮気」がこのジンには存在しています。

昆布を含め9種類ボタニカルが使用されており、ひとたび口に含めば、ハリス島の雄大な自然と、アウター・ヘブリディーズ諸島の荒れ狂う海原を感じることもできるような…

アイル・オブ・ハリス ジン

 

バーテンダーおすすめ!ウイスキーの蒸留所・生産者が造るクラフトジン7選|コーヴァル ドライジン

コーヴァル ドライジン
コーヴァル蒸留所
500ml 47%
参考価格:4200円
ボタニカル:ジュニパーベリー、ライム、コリアンダー、フェンネル、ローズヒップ、シナモン、カルダモン、アンジェリカルート、レモングラス など

アメリカ・イリノイ州・シカゴにある「Koval Distillary (コーヴァル・ディスティラリー) 」が造るアメリカン・クラフトジン。コーヴァルは禁酒法以降、蒸留所が一切なかったシカゴの地に誕生。アメリカン・クラフトウイスキーの蒸留所として注目されています。また、ウイスキー以外のジンやウォッカなどのスピリッツの生産にも力を入れています。

蒸留器はドイツ製のハイブリットスチルが使用されており、コーヴァル専用にカスタマイズされた特注品を使用しています。また、原料にもこだわっており、オーガニック認定された素材のみを使用。ベースのスピリッツは自社生産しており、スピリッツの原料である穀物、酵母、ボタニカルまでが全てオーガニック。ここまで素材にこだわっている蒸留所は、世界中をみてもコーヴァルだけかもしれません。原料・品質に妥協を許さない蒸留所としても注目されています。

コーヴァルドライジンはこだわり抜いて選ばれたオーガニック・ボタニカルがバランスよく感じられるクラフトジン。「ドライ」と冠しているだけあって、苦味がしっかりと感じられる昔ながらの味わいです。シトラス、ハーブ、フラワーのフレーバーがあり、エレガントでスッキリとした印象。コーヴァル(KOVAL)は「変わり者」という意味を持つそうですが、コーヴァルドライジンに関しては、変わり者ではなく、むしろ「常識人」のような。ドライジンのお手本のように感じる、安定感抜群の高品質なクラフトジンです。

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今回はウイスキーの蒸留所が造るクラフトジンのご紹介でした。たるブログで初となる、ウイスキー以外のお酒を紹介する記事はいかがでしたでしょうか。今後もウイスキーの蒸留所と関りがあるお酒に関しては、ウイスキーでなくてもご紹介したいと思っております。

このブログを初めてご覧になった方は、ウイスキーに関する記事が沢山ありますので、他のページもぜひご覧ください♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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