

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
ウイスキーの「正規輸入品」と「並行輸入品」の違いは、輸入ルートです。並行輸入品だから偽物、ということではありません。
ただし、同じ銘柄でも、販売される市場などによってアルコール度数や容量が異なるボトルがあります。通販で選ぶときは、輸入区分とあわせて、実際に届く商品の仕様を確認することが大切です。
この記事では、購入前に見ておきたい5つのポイントを解説します。BAR WHITE OAKで扱うラフロイグ10年の正規輸入品と並行輸入品も、実物の表示をもとに比較します。
ウイスキーの正規輸入品と並行輸入品の違い

正規輸入品とは?
メーカーが認めた国内の正規代理店などを通じて輸入された商品です。通販サイトでは「正規」「正規品」「正規輸入品」と表示されています。
この記事で使う「正規品」は、正規輸入品の略です。本物と偽物を区別する意味ではありません。
並行輸入品とは?
国内の正規代理店とは別の業者が、海外で流通している商品を仕入れ、日本へ輸入したものです。
「並行輸入品」という表示が示すのは輸入ルートであり、それだけで品質が低いとはいえません。一方、輸入区分だけで、保管状態や販売店の対応まで分かるわけでもありません。
価格は、仕入れ先、為替、流通コスト、販売店の価格設定などによって変わります。一般的には並行輸入品のほうが安価ですが、必ず安いとも限りません。

「正規か並行か」は、ボトルを選ぶ手がかりのひとつです。それと一緒に、度数や容量、販売店の説明も見ておきましょう。同じ銘柄を比べているつもりでも、仕様が違うことがあります。
正規品・並行品、それぞれのメリットとデメリット

正規品と並行品には、それぞれ選ぶ理由があります。ここでは、購入するときの便利さや、選択肢の違いを見てみましょう。
正規品|国内の情報を参考に選びやすい
正規品のメリットは、国内の公式サイトや商品案内を参考に、選ぶボトルを絞りやすいことです。いつも飲んでいる国内正規品を買い足したいときも、選ぶ目安になります。
商品の問い合わせ先として、国内の正規輸入元の窓口を確認しやすい点もメリットです。
一方、国内の正規ルートで扱っていない商品は、手に入りにくいという面があります。海外限定の商品や、日本では紹介されていない仕様を探している場合、同じ蒸留所やブランドであっても、並行品から選択する必要があります。
並行品|海外で流通するボトルも購入可能
並行品のメリットは、国内の正規ルートでは見かけない商品に出会えることです。海外市場向けの仕様や、日本で正規販売されていない商品など、選ぶ楽しみが広がります。
いつもの銘柄の別仕様を試したい方や、海外で飲んだボトルを探している方にとっても、並行品はありがたい存在です。
一方、流通量の不安定さがデメリットと言えるでしょう。仕入れ状況によって取扱商品が変わり、気に入ったボトルを継続して購入できない場合もあります。
また、国内の公式商品情報が、そのまま当てはまるとは限りません。詳しい情報を知りたいときは、販売店や輸入者への確認が必要になることがあります。
正規品と並行輸入品で、味も違う?

輸入ルートそのものが、ウイスキーの味を決めるわけではありません。
ただし、同じ銘柄でもアルコール度数などの仕様が異なる場合があり、飲んだときの印象が変わる可能性があります。製造時期や開栓後の状態なども、比較するときに押さえておきたい点です。
「正規品は濃厚」「並行品は軽い」と一括りにせず、まずは比べる2本の表示を確認しましょう。
なお、容量が違うこと自体は、味の違いを意味しません。容量は、量当たりの価格を比べるときに大切な数字です。
通販で確認したい5つのポイント

1.正規・並行の表示と輸入者
商品名と説明欄に「正規輸入品」「並行輸入品」のどちらが書かれているかを確認します。
表示がない場合や、商品名と説明欄の内容が食い違う場合は、購入前に販売店へ問い合わせましょう。
日本語の裏ラベルにある「輸入者」欄も手がかりになります。ただし、並行輸入品にも日本語のラベルは貼られるため、日本語表示があるだけで正規輸入品とは判断できません。
裏ラベルの写真が掲載されていないときは、輸入者名や、届く商品の仕様を販売店に確認してください。
2.アルコール度数・容量・商品名

同じ銘柄を比較するときは、アルコール度数と容量を確認しましょう。
例えば、40%と43%では度数が異なり、700mlと750mlでは中身の量が異なります。商品名が似ていても、同じ仕様とは限りません。
通販で購入する場合は、商品画像だけで判断せず、説明欄に書かれた「商品名」「度数」「容量」を照らし合わせるのが確実です。

ラベルを見るときは、大きな銘柄名に加えて、その下にある数字にも注目してみてください。「10年」「40%」「750ml」といった表示が、どのボトルを選んでいるのかを教えてくれます。
3.容量をそろえた価格と送料
容量の違うボトルを比べるときは、100ml当たりの価格にそろえると分かりやすくなります。
100ml当たりの価格=販売価格÷容量(ml)×100
例えば、700mlが6,000円、750mlが6,300円なら、100ml当たりの価格は次のとおりです。
| ボトル | 販売価格 | 100ml当たりの価格 |
|---|---|---|
| 700ml | 6,000円 | 約857円 |
| 750ml | 6,300円 | 840円 |
ボトル1本の価格は700mlのほうが安くても、量当たりでは750mlのほうが割安です。
送料も含めた支払総額を確認しましょう。同じ容量なら価格をそのまま比べられますが、度数や箱の有無など、ほかの条件もあわせて見ることが大切です。
4.ラベル・箱・包装の仕様

ラベルのデザイン、箱の有無、包装の状態も、購入前に確認しておきたいポイントです。特に贈り物にする場合は、箱やギフト包装の対応まで見ておきましょう。
ラベルや外箱は、販売される市場やデザイン変更の時期によって異なることがあります。見慣れたデザインと違うという理由だけで、偽物とは断定できません。
また、通販の商品画像が参考画像で、届く商品と一部異なる場合もあります。「箱付き」「箱なし」「ラベル変更あり」などの説明まで確認してください。
希望するデザインや包装がある場合は、注文前に販売店へ問い合わせると安心です。
5.販売店の保管・配送・返品対応
商品情報に加えて、保管方法や配送、到着後のトラブルへの対応も確認しましょう。
- 保管方法について説明があるか
- 配送時にどのような梱包をするか
- 破損、液漏れ、誤配送があった場合の連絡先
- 返品・交換の条件と連絡期限
商品ページだけでなく、配送案内や返品規定にも目を通しておくと、必要なときに落ち着いて対応できます。
正規品でも並行輸入品でも、商品情報を明確に示し、問い合わせに答えてくれる販売店を選びましょう。
実物で比較:ラフロイグ10年の正規品と並行輸入品

ここからは、BAR WHITE OAKで扱っている次の2本を比較します。
- ラフロイグ10年 正規輸入品(サントリー)43% 画像 左
- ラフロイグ10年 並行輸入品(野村ユニソン)40% 画像 右
ラフロイグ10年は、スコットランドのアイラ島で造られるシングルモルトウイスキーです。ピートの煙、海藻や薬品を思わせる香り、甘みなどが特徴として紹介されています。メーカー公式では、バーボン樽で10年熟成した商品と説明されています。
今回の2本は、どちらも750ml

サントリーの公式商品情報では、国内正規品のラフロイグ10年は750ml・43%です。
一方、今回の野村ユニソン輸入ボトルは、日本語の裏ラベルに750ml・40度と表示されています。
つまり、今回比べる2本は、容量が同じすが、アルコール度数は3%異なります。
| 比較項目 | 正規輸入品 | 今回の並行輸入品 |
|---|---|---|
| 商品名 | ラフロイグ10年 | ラフロイグ10年 |
| アルコール度数 | 43% | 40% |
| 容量 | 750ml | 750ml |
| 輸入者 | サントリー(株) | 野村ユニソン(株) |
| 定価 | 7,410円+税 | 不明 |
| 箱・包装 | 箱付き・箱なし、どちらも有り | 不明 |
野村ユニソン輸入ボトルの裏ラベルから分かること
今回の並行輸入品には、次の日本語表示があります。
| 項目 | 実物の表示 |
|---|---|
| 品目 | ウイスキー |
| 容量 | 750ml |
| アルコール分 | 40度 |
| 原産国 | イギリス |
| 輸入者 | 野村ユニソン株式会社 |
| 原材料 | モルト |
野村ユニソンは、ウイスキーなどの洋酒を自社輸入している会社です。このボトルでは、日本へ輸入した事業者として同社の名前が表示されています。また、同社の公開洋酒リストには、ラフロイグ10年の700ml・40%という仕様も掲載されています。今回の実物とは容量が異なります。(複数の並行ボトルを販売しているらしい)
今回のボトルが当初どの国・地域向けに販売されたものか、いつ瓶詰め・輸入されたものかは、確認できませんでした。
ラフロイグ10年を飲み比べると、味わいはどう違う?

度数が違えば、口当たりやアルコールの刺激、香りの立ち方にも違いを感じる可能性があります。
ただし、「43%だから煙が強い」「40%だから甘い」と、数字だけで味わいを決めることはできません。また、今回の2本について、原酒の構成や製造バッチが同じかどうかは確認できていません。
ここでは、BAR WHITE OAKで実際に飲み比べた印象を紹介します。

テイスティングしたのは、2026年10月11日。開栓時期は、正規品が2026年7月、並行品が2026年9月です。試飲時のボトルの残量は、正規品が2割程度、並行品が9割程度です。
香りの違い
香りの時点で、明らかに違います。「少し違う」というより、「明らかに違う」。少し笑えるぐらいです(笑)。
それぞれの印象をまとめると、次のとおり。
ラフロイグ10年 正規品(サントリー)43%:
スモーキーさのなかに、バニラ、キャラメル、メープルシロップ、ハチミツのアロマを感じます。
ラフロイグ10年 並行品(野村ユニソン)40%:
長靴、ステンレス、接着剤のような、サルファリー系のアロマが、正規品に比べて明らかに強く感じられます。全体的にアルコール臭もあり、ニューポッティーな要素も感じます。
味わい|口当たり・甘み・スモーキーさ・余韻の違い
口に含んだときも、香りと同様に違いがあります。
ラフロイグ10年 正規品(サントリー)43%:
いつもどおりの安定感。樽熟成のコクとまろやかさのなかに、甘みと深みがあります。爆発的なスモーキーさは、中盤から余韻まで長く続きます。
ラフロイグ10年 並行品(野村ユニソン)40%:
飲んだ瞬間、正規品と比べて熟成の若さを感じます。
味わいのバランスは大きく変わりませんが、アルコール度数のわずかな低さは、はっきり感じます。その差は3ポイント。それでも、並行品のほうが口に含んだときの刺激は少なく、全体的なボリュームに欠ける印象です。飲み口も、少しさっぱりしています。
スモーキーさは、同程度に感じます。ただ、正規品のほうが飲み慣れているせいか、余韻のピート臭が長く続くような感覚もありました。
香りほど大きな違いではありませんが、味わいの面でも、2本はそれぞれの個性を見せてくれました。
総評|同じラフロイグ10年でも、異なる個性

ストレートでテイスティングした結果、同じラフロイグ10年であっても、今回の正規品と並行品には異なる個性を感じました。
あくまでも個人的な見解ですが、私は、異なるブレンド・仕様で造られたウイスキーだと断定します。
アルコール度数の違いだけで、ここまで大きく感じ方が変わるとは思えないからです。
つまり、ラフロイグ10年の日本向けボトルと、今回の海外流通ボトルは、度数の設定だけでなく、ブレンドも異なる。中身が違う、というのが私の結論です。
これは、ラフロイグが世界中で愛されているからこその、メーカーであるサントリー・グローバルスピリッツ社の配慮でしょう。
地域によって、ウイスキーの飲み方や好みは変わります。その違いに合わせて商品を展開する。素晴らしい配慮だと思います。
今回は「正規品と並行品」という違いでテイスティングしましたが、並行品にも、いくつかの種類があるようです。
「正規品=日本流通」「並行品=それ以外の国で流通」という捉え方は間違っていません。ただ、さらに細かく見れば、イギリス向け、イタリア向け、ドイツ向けなど、各国向けのボトルでも違いがある場合もあります。

今回の並行品のバーコードは「5010019640253」。ただ、同じ番号は、サントリーが案内する750ml・43%の国内正規品や、海外の商品情報にも掲載されています。そのため、バーコードだけでは、今回のボトルの販売対象国を特定できませんでした。
加水やハイボールではどう変わる?

結論からいうと、水や炭酸を加えると、並行品のほうがスモーキーさが際立つ印象です。
香りや味わいで感じたとおり、並行品は正規品に比べて熟成樽の個性がおだやかで、原酒の酒齢も若いように感じました。同じ10年物なんですけどね……。
その違いは、加水した後のほうが、よりはっきり表れるように感じます。正規品よりも若干、クセが強い。私はそう感じました。
正規品と並行輸入品、どちらを選べばよい?
まず大前提として、正規品を飲んでから、並行品も飲んでみてください。そうしないと、そもそもの違いが分からない(笑)。
選ぶ基準は、希望する仕様、価格、用途、飲み方によって、人それぞれです。私としては、どちらのボトルも用意して、比較テイスティングするのをおすすめします。
| 重視すること | 選ぶときのポイント |
|---|---|
| 国内正規品の仕様 | 正規輸入品の表示と、度数・容量を確認する |
| 価格 | 容量をそろえた価格と、送料を含む総額を比べる |
| 贈り物 | 箱の有無、包装、配送対応を確認する |
| 味わい | 商品の仕様と、条件が明記された試飲情報を参考にする |
並行品も、仕様や販売店の対応が希望に合えば、選択肢になります。
同じラフロイグ10年でも、仕様の異なるボトルを飲み比べると、自分が好きな香りや口当たりを見つけるきっかけになります。
今回の2本も、実際の味わいと価格を見比べながら、楽しみたい飲み方に合う1本を選んでみてください。
ラフロイグ10年 正規品
ラフロイグ10年 並行品
よくある質問

並行輸入品のウイスキーは偽物ですか?
違います。
「並行輸入品」は、国内の正規代理店とは別のルートで輸入された商品という意味です。偽物を意味する言葉ではありません。ただし、その表示だけで個々の商品の真贋や状態が保証されるわけでもありません。商品情報、輸入者、販売店の説明を確認しましょう。
正規品と並行輸入品で、味は違いますか?
輸入区分だけでは判断できません。同じ銘柄でも度数などの仕様が異なる場合があり、飲んだ印象が変わる可能性があります。
比較するときは、ボトルの仕様に加えて、製造時期や開栓後の状態、試飲条件にも目を向けてください。
ラフロイグ10年の並行輸入品は、すべて700ml・40%ですか?
いいえ。
今回紹介した野村ユニソン輸入のボトルは、実物の表示で750ml・40%ですが、並行輸入という区分だけで、容量や度数を決めることはできません。購入する商品の表示を確認してください。
通販では、最初に何を確認すればよいですか?
まずは正式な商品名、アルコール度数、容量を確認しましょう。その後、輸入区分、価格、箱の有無、販売店の対応を見ていくと比較しやすくなります。
まとめ:輸入区分とボトルの仕様を確認して選ぼう

ウイスキーの正規輸入品と並行輸入品の違いは、輸入ルートです。その区分だけで、品質や味わいの優劣が決まるわけではありません。
通販で購入するときは、次の5つを確認しましょう。
- 正規・並行の表示と輸入者
- アルコール度数・容量・商品名
- 容量をそろえた価格と送料
- ラベル・箱・包装の仕様
- 販売店の保管・配送・返品対応
今回飲み比べたラフロイグ10年は、サントリーの正規品が750ml・43%、野村ユニソン輸入の並行品が750ml・40%。同じ銘柄、同じ容量でも、度数が異なる2本です。
実際に飲んでみると、特に香りの違いが印象的でした。ストレートだけでなく、加水やハイボールでも、それぞれの個性を感じられます。
どちらを選ぶか迷ったら、ぜひ飲み比べてみてください。「自分はこっちが好きだな」と感じるのも、飲み方によって好みが変わるのも、ウイスキーの面白いところです。
ラフロイグ10年の飲み比べをしてみたい方は、ぜひBAR WHITE OAKへ。2つの個性を、ご自身の舌で確かめてみてください。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
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