【2024年版】スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル37選

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレングラント Glen Grant

グレングラント Glen Grant
地域:スペイサイド
創業年:1840年
CTスピリッツ(カンパリグループ)

1840年、蒸留所が集中するスペイサイド・ローゼス地区に創業。現在はビターリキュール「カンパリ」でおなじみのカンパリグループがオーナーとなっており、イタリア国内で不動の人気を誇るシングルモルトです。

年間生産量は620万ℓ。初留・再留4基ずつ。オフィシャルラインナップは充実していますが、「シーバスリーガル」「パスポート」のブレンド原酒としても有名です。

グレングラントはスペイサイドモルトのなかでは軽くてエステリー。背丈の大きいポットスチル(ストゥーパ型)と精留器を付けることで、広く好まれる酒質を目指して生産しています。イタリア人はライトボディなウイスキーを好みますから、グレングラントが好まれるのもわかりますね。

グレングラント 10年

グレングラント 10年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:3,269円

題目下の画像は「グレングラント アルボラリス」で、このウイスキーは2021年5月から発売されたノンエイジボトル。コスパの高いウイスキーとして、現在は非常に人気が出ています。こちらがフラッグシップボトルと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は「グレングラント 10年」をご紹介。昔から展開されている定番の10年物ということもあって、アルボラリスにも負けない高品質なボトルです。

洋梨、青りんご、薄いハチミツ、軽く炙ったトースト、バニラ。オーキーでナチュラル。ライトボディ。甘みもあります。

他のスペイサイドモルトの10年物と比べても、フレッシュで若い印象。そこは軽めを好む「イタリア向けシングルモルト」といった個性ですね。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンスペイ Glen Spey

グレンスペイ Glen Spey
地域:スペイサイド
創業年:1878
MHD

スペイサイド・ローゼス地区にある蒸留所。原酒はブレンデッドウイスキー「J&B」に使用されています。J&Bはスコッチの中でも売上本数ベスト10に入る人気ウイスキー。その味わいを陰で支えていたのはグレンスペイに他ならないでしょう。

年間生産量は140万ℓ。ポットスチルは70年代に増築され初留、再留2基ずつ。シングルモルトとしては花と動物シリーズの12年物がリリースされているのが唯一。近年ボトラーズではいろいろなタイプを見かけますが、基本的にシングルモルトとしては少しマイナーでしょうか。

グレンスペイ12年

グレンスペイ12年

  • アルコール度数:43%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:7,777円

蒸留所にちなんだ「花」と「動物」をラベルに冠した、ディアジオ社「花と動物シリーズ」。グレンスペイ12年は数多くある「花動」の中でも高く評価されているウイスキーです。

フルーティーでエステリー。焦がしバター、グレープフルーツ、洋梨、皮を剥いたキウイ、ヘザーハニー、紅茶、ウォールナッツ。

口当たりは若干オイリーなミディアムボディで、後味はスペイサイドモルトらしくドライ。

突出した個性はなく、素朴でクラシックなシングルモルトウイスキー。こういった個性のモルトはストレートで飲みたいですね。

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グレンスペイ
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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンダラン Glendullan

グレンダラン Glendullan
地域:スペイサイド
創業年:1897年
MHD

オールドパーやジョニーの原酒をつくる蒸留所。スペイサイドはウイスキー産業が盛んであることは言うまでもありませんが、その中心地となっているのが「ダフタウン」です。グレンダラン(グレンデュラン)はダフタウンに1897年に誕生。

創業者はグレンフィディックでおなじみのウィリアムグラント&サンズ社で、その後ウイスキー不況を背景に他社へ売却。現在はディアジオ社の所有となっています。

原酒はブレンデッドの「オールドパー」や「ジョニーウォーカー」へ供給。どちらも世界的にメジャーなブランドですから、グレンダランの存在は大きいものです。

ザ シングルトン オブ グレンデュラン(グレンダラン)12年

ザ シングルトン オブ グレンデュラン(グレンダラン)12年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:5,980円

まずは改めて「シングルトン」ブランドのご説明から。

シングルトンはディアジオ社が所有するブランドで、以下の3つの異なる蒸留所のシングルモルトウイスキーが存在しています。

  • ダフタウン蒸留所
  • グレンオード蒸留所
  • グレンデュラン(グレンダラン)蒸留所

グレンデュランが過去にリリースしたオフィシャルボトルでは、1989年に「花と動物シリーズ」から12年物が登場していますが、2002年には終売となります。その後95年には8年物が発売されましたが、こちらも終売

そして数年ぶりとなる2007年に、「シングルトン」のブランド名称で「シングルトン・オブ・グレンデュラン」としてリリースが再開します。この商品は北米向けにリリースされたボトルですが、グレンデュラン唯一のオフィシャルとして世界中で販売されています。

バニラ、モルトスナック、オレンジビターズ、オーク材、レーズンチョコレート。

ミディアムボディでスムース。加水にはある程度強く、ハイボールやロックでも崩れません。

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンファークラス Glenfarclas

グレンファークラス Glenfarclas
地域:スペイサイド
創業年:1836
J&Gグラント社

創業は1836年ですが、J&Gグラント社の創業者が経営を始めたのは1865年。もうすぐ創立160年を向かえる家族経営の蒸留所は、スコットランドでも数少ない存在です。

ウイスキーの熟成にはオロロソシェリー樽をメインに使用。樽は4回(フォースフィル)まで利用。かつてはシェリー樽100%でしたが現在ではバーボン樽での熟成も行っており、オフィシャルボトルの10年物などにブレンドされています。

年間生産量は350万ℓ。ポットスチルは初留、再留3基ずつの計6基で、すべてガス直火焚き。スチーム加熱が一般的となったなかで、伝統を守っています。

グレンファークラス 105

グレンファークラス 105

  • アルコール度数:60% 1000ml
  • 楽天市場価格[2024年4月]:7,645円

フラッグシップボトルといえば「グレンファークラス10年」や「グレンファークラス12年」を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回はウイスキーファンから根強く人気のあるグレンファークラス105をご紹介します。

105はイギリスのサッチャー元首相が好んで飲んでいたことで有名です。オフィシャルボトルの定番品としては、かなりアルコール度数の高い「60度」の設定は、世界中のアルちゅ…、いや、ウイスキーファンから愛されている存在です。

「カスクストレングス」と表記されていますが、実際は60度にアルコール設定を合わせているため、加水されている可能性もあります。恐らく「ほぼカスクストレングス」のような形でしょう。スコッチの樽詰めアルコール度数は「63.5%」が標準とされていますので、原酒としては酒齢の若い物を中心としています。

グレンファークラス105のポジティブな要素としては、ノンエイジボトルでありながら、ウイスキーに未熟さを感じないところ。シェリーカスクのリッチな風味をしっかりと感じることができ、リーズナブルで品質も安定しています。

他のスペイサイドモルトにはない圧倒的なボリューム。グレンファークラスを知る上で避けてはいけない、上質な1本です。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンフィディック Glenfiddich

グレンフィディック Glenfiddich
地域:スペイサイド
創業年:1887
ウィリアムグラント&サンズ社

1960年代、シングルモルトは一般的ではなくブレンデッドウイスキーが全盛期だった時代。グレンフィディックはどこよりも早くシングルモルトを主力商品として販売していました。

当時は原酒供給が常識だったため、シングルモルトとして販売することはかなり攻めた戦略。ウイスキーの業界関係者からは笑いものにされていました。しかしそんな時代も終わりを向かえます。

グレンフィディックの巧みな広告戦術によってシングルモルトは徐々に浸透していき、そのフレッシュで飲みやすい個性は多くのウイスキーファンに支持されます。そして今やイギリス国内にとどまらず、世界中で愛されるNO.1シングルモルトの称号を手にしました。

グレンフィディック12年

グレンフィディック12年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:3,960円

グレンフィディックはシングルモルトの売上ランキングで世界1,2を争う人気ブランド。その売り上げの大半を占めているのは、フラッグシップボトル「グレンフィディック12年」。シングルモルト・スコッチウイスキーの代表格といえる1本です。

メジャーブランドですので、あえてウイスキーの味わいや特徴などはここでは説明せず、グレンフィディック12年を使った「カクテル」について明記します。

公式にカクテルレシピが存在している訳ではありませんが、グレンフィディック12年の味わいはウイスキーベースのカクテルに適しており、スコッチのカクテルを普段は飲まないかたでも、安心して飲めるバランスに仕上がります。

フレッシュな青りんごや洋梨の香りは、トニックウォーターと合わせることでフルーティーですっきりと飲める「スコッチ・トニック」になります。また、ジンジャエールとの相性も良いので、「ケーブルグラム」や「スコッチ・バック」のような、ウイスキーのアロマとショウガのスパイシーさを愉しめるカクテルにも適しています

その他、スコッチウイスキーベースのカクテルとしては定番の「ロブ・ロイ」のベースとしてもおすすめ。バランスのとれた上品なアロマは、スイートベルモットワインのハーブ香を甘さによく溶け込みます。

自宅で本格的なカクテルをつくるのは難しいと思います。しかしほとんどのバーに、グレンフィディック12年はあると思います。行きつけのバーがあるのならば、スコッチのベースウイスキーをフィディックに代えて、オーダーしてみるのも面白いと思います。

 

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンマレイ Glen Moray

グレンマレイ Glen Moray
地域:スペイサイド
創業年:1897
ラ・マルティニケーズ社

大麦の一大産地として有名なスペイサイドのマレイ州にある蒸留所。スコットランドのなかでも比較的温暖な気候でウイスキーがつくられています。

2008年にフランスのラ・マルティニケーズ社に買収。グレンマレイは「ラベル5」というブレンデッドの原酒に使用されており、この銘柄はフランス国内で非常に人気がある商品。原酒確保のためフランス企業に買収されたようです。

年間生産量は570万リットル。初留3基、再留6基の計9基のポットスチルで蒸留しています。

グレンマレイ 12年

グレンマレイ 12年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:3,300円

数多くのラインアップを展開するグレンマレイ。もはやフラッグシップがどのボトルか分からないくらいです。

今回はエイジング表記のある、スタンダードな「グレンマレイ 12年」をご紹介します。

12年は2016年にリリースされた「ヘルジン ヘリテージコレクション」の一つで、仕上げの熟成には「シュナン・ブラン」という白ワインの樽を使用しています。

フルーティーで、バタースコッチのような風味。モルトトフィーでソフト。レモン、オレンジ、キャラメル。優しくスパイス。

グレンマレイはオーナーがフランス企業のラ・マルティニケーズ社になったことをきっかけに、オフィシャルボトルのリリースを積極的に行うようになり、ウイスキーの熟成にワイン樽を多く利用するようになりました。

ワイン樽熟成のシングルモルトは、近年では珍しくありません。多くの蒸留所がその可能性に気が付き、原酒の一部やフィニッシュの工程にワイン樽を使用しています。

蒸留所が造る原酒スタイルによっても、向き・不向きはあるかもしれませんが、ウイスキー用の熟成樽が枯渇している現代において、ワイン樽の活躍は救世主とも言える存在ではないでしょうか。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンロセス Glenrothes

グレンロセス Glenrothes
地域:スペイサイド
創業年:1878
エドリントングループ

グレンロセスの年間生産量は560万ℓ。原酒の90%以上がブレンデッドウイスキー「カティサーク」の用となっています。ポットスチルは80年代に増設しており、現在は合計10基。原酒用としてだけでなく、近年はシングルモルトのリリースも積極的。

2017年まではBBR社がシングルモルトのブランド権を所有していましたが、エドリントングループがそれを買い戻し、オフィシャルボトルとして再スタートをきっています。

グレンロセス 12年

グレンロセス 12年

  • アルコール度数 40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:7,980円

グレンロセスのラインナップとしては、2019年に新発売となった「ザ・グレンロセス SOLEO(ソレオ)」の正規輸入品「グレンロセス12年」や、現在は流通量が少なくなっている、並行輸入品「グレンロセス 10年」があります。

グレンロセス 12年はスムースながら飲みごたえのあるスペイサイドモルト。カラメル、バタースコッチ、バニラ、モルト、ミルクキャラメル、レーズン。アタックはスムース&ドライ。中盤以降にスパイシー。全体的に飲みやすい味わいです。

100%シェリー原酒の割にはスッキリとしていて、スペイサイドモルトとしてはバランスがとれています。ただ、シェリーカスクのシングルモルトを好んでいる方には、少し物足りないかもしれません。

シェリー樽の供給が間に合わないためか…グレンロセスを国内で見かけることが少なくなっているのは残念。

復活することに期待したいですね。

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グレンロセス
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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンロッシー Glenlossie

出典:https://flaviar.com/glenlossie/glenlossie-10-year-old-flora-and-fauna/

グレンロッシー Glenlossie
地域:スペイサイド
創業年:1876
MHD

ヘイグのキーモルトとして有名なグレンロッシー。親会社はディアジオですが現在でもウイスキーの生産はジョン・ヘイグ社によって行われています。

原酒のほとんどがヘイグとディンプルに使用されていることから、シングルモルトとしてはほとんど流通していませんでしたが、90年代からはUD社の「花と動物」シリーズでオフィシャルボトルデビュー。ラベルには蒸留所の近隣に生息する野鳥が描かれています。

グレンロッシー 10年

グレンロッシー 10年

  • アルコール度数:43%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:8,040円

「花と動物」シリーズ以外は販売されていないグレンロッシーですが、ボトラーズとしてもあまり流通していないので、飲まれてことのない方も多いと思います。

香りは爽やかなモルト香とフレッシュフルーツ。桃、プラム、ビスケット。クラシックなスペイサイドシングルモルトといった味わい。バランスに優れており、ストレートでじっくり飲みたいタイプ。

ヘイグのキーモルトとしての役割がほとんどなので、原酒には落ち着きがありますね。ボトラーズからリリース商品された何度か飲んだことはありますが、きれいに仕上がっていました。

 

 

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