【2024年版】スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル37選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではスコットランド・スペイサイド地域の蒸留所で造られた、オフィシャルボトルのシングルモルトウイスキーをご紹介致します。

スペイサイドはかつてハイランドの一部という扱いでしたが、ハイランドの中でもスペイ川周辺の地域は蒸留所が密集していることから、ハイランドとは地域が分けられるようになりました。

2024年現在、スペイサイドには50カ所ほどの蒸留所が存在していますが、今回はその中から「入手可能なオフィシャルボトル」をリリースしている蒸留所と、おすすめのシングルモルトウイスキー37本(37か所)を解説。

オフィシャルボトルを販売していない蒸留所や、まだ創業して間もない蒸留所のウイスキーは対象外としています。

 

スペイサイドを含めたスコットランドの蒸留所とウイスキーをチェックしたい方は、こちらの記事をご覧ください↓

 

 

【2024年版】スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル37選

1ページ目
1. アベラワー Aberlour
2. インチガワー Inchgower
3. オスロスク Auchroisk
4. オルトモア Aultmore
5. カードゥ Cardhu
6. クラガンモア Cragganmore
7. クレイゲラキ Craigellachie
8. グレンアラヒー Glenallachie
9. グレンエルギン Glen Elgin
10. グレンキース Glen Keith

2ページ目
11. グレングラント Glen Grant
12. グレンスペイ Glen Spey
13. グレンダラン Glendullan
14. グレンファークラス Glenfarclas
15. グレンフィディック Glenfiddich
16. グレンマレイ Glen Moray
17. グレンロセス Glenrothes
18. グレンロッシー Glenlossie

3ページ目
19. ザ・グレンリベット The Glenlivet
20. ストラスミル Strathmill
21. スペイバーン Speyburn
22. ダフタウン Dufftown
23. タムドゥー Tamdhu
24. タムナヴーリン Tamnavulin
25. ダルユーイン Dailuaine
26. ティーニニック Teaninich
27. トミントール Tomintoul

4ページ目
28. ノッカンドオ Knockando
29. バルヴェニー Balvenie
30. ベンリアック Benriach
31. ベンリネス Benrinnes
32. ベンローマック Benromach
33. マッカラン Macallan
34. マノックモア Mannochmore
35. モートラック Mortlach
36. リンクウッド Linkwood
37. ロングモーン Longmorn

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|アベラワー Aberlour

アベラワー Aberlour
地域:スペイサイド
創業年:1826(1879)
ペルノ・リカール社

蒸留所が一番最初に建てられたのが1826年。その後火災で消失し、再建されたのが1879年となっており、現在では後者の年代がボトルに刻まれ、公式の創業年となっています。

70年代にフランスのペルノリカール社に買収され、以降はフランスのコニャックを思わせるようなボトルデザインとなるV.O.H.M表記(VERY OLD HIGHLAND MALTの略)が発売されていました。

アベラワー 10年 フォレスト リザーブ

アベラワー 10年 フォレスト リザーブ

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:4,912円

「アベラワー 10年 フォレストリザーブ」は、スペイサイドの自然保護活動に取り組んでいるアベラワー蒸留所にちなんで名付けられています。

バーボン樽とシェリー樽で熟成された原酒を合わせ、コニャックの熟成に使用されているフレンチ・リムーザンオーク樽でフィニッシュ。

オレンジピール、ストロベリージャム、レモンの爽やかな香りが広がり、10年の割には複雑な味わい。シェリー樽由来の風味とフレンチオークからのタンニン分が合わさり、ボリュームがでています。

スペイサイドの自然環境に敬意を表した名前の通り、オーク樽の恵みのようなものを感じられる一本です。

 

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|インチガワー Inchgower

インチガワー Inchgower
地域:スペイサイド
創業年:1871
MHD

オフィシャルボトルのインチガワー14年ではラベルに描かれた「ミヤコドリ」がトレードマーク。シングルモルトとしては「花動」以外はボトラーズのみが流通しているインチガワー。原酒のほとんどがブレンデッドウイスキー「ベル」に使用されています。

フルーティーでスムース。バランスのとれた名わき役。

インチガワー14年

インチガワー14年

  • アルコール度数:43%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:8,480円

インチガワー14年は「花と動物」シリーズの中でも、酒齢14年ということもあって、豊かなコクや深い香りが特徴的。香りには、フルーティーなリンゴや洋梨の香り、さわやかなミントの香り、そして柑橘類の香りが感じられます。

フィニッシュにかけては甘いハニー、バニラ、スパイス、ナッツ。ドライで大人の味わい。ソフトなスペイサイドモルト。

加水の量が多いとスムースになり過ぎてしまうので、ストレートかトワイスアップがおすすめです。個人的にはインチガワーのようなタイプこそ、カスクストレングス(無加水)で飲んでみたいと思います。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|オスロスク Auchroisk

オスロスク Auchroisk
地域:スペイサイド
創業年:1974
MHD

蒸留所は74年に操業しており、まだ歴史が長い訳ではありませんが、世界的に人気の高いブレンデッドウイスキー「J&B」の原酒を造っている重要な蒸留所です。合計8基のポットスチルで年間生産量は約600万ℓ。

シングルモルトとしては「花と動物」のオスロスク10年がオフィシャルボトルとして有名です。ラベルには周辺(スペイサイド)に生息する燕が描かれているのが印象的。

オスロスク10年

オスロスク10年

  • アルコール度数:43%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:7,698円

オスロスク10年は特にクリーンで洗練された味わいが特徴的です。ブレンデッドウイスキー「J&B」の原酒としてつくられているのが良く分かります。香りは白い花やハチミツ、フルーツタルト、リンゴ、バニラ、軽く炒ったナッツ。

10年物としてはちょっと高級品ですが、飲みごたえのある1本。その割に置いているバーが少ないのはちょっと残念です。

飲み方はストレート一択、と言いたいところですが、ハイボールでも結構おいしいです。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|オルトモア Aultmore

出典:https://www.bacardijapan.jp/products/items/aultmore-12years-old/

オルトモア Aultmore
地域:スペイサイド
創業年:1897
バカルディ社

1897年にスペイサイドのフォギー・モス(霧が深い湿地)と呼ばれる場所に設立。デュワーズの原酒を造る拠点として重要な役割を果たしています。

麦芽はノンピーテッド。バランスの取れたスペイサイドらしい酒質です。生産された原酒はほとんどがデュワーズ用となっていますが、現在はシングルモルトとしてもオフィシャルボトルが人気となっており、12年、18年が発売されています。

オルトモア12年

オルトモア12年

  • アルコール度数:46%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:6,413円

「オルトモア12年」は瑞々しいフルーツやバニラ、スパイシーさ、かすかに感じるスモーキーなコクがあります。バランスがよく、やや濃厚。スペイサイドのシングルモルトが好きな方なら、ほとんどの人にウケそうなウイスキー。

オルトモア12年はキャラクターに突出していませんが、加水するとフルーティな香りとさっぱりとした口当たりで、程よく熟成された味わいが楽しめます。

個性的でなくとも、口では表現できない「主張」を感じるウイスキー。「スムース」だからと言って、必ずしも飲みやすいのかと言われると、そこも好みが分かれると思います。

シングルモルトの場合、むしろ「飲みやすいタイプ」を苦手とする人もいます。ウイスキーの好みは奥が深い…

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|カードゥ Cardhu

カードゥ Cardhu
地域:スペイサイド
創業年:1824
MHD

カードゥ(カーデュ)は「ノッカンドゥ」や「ノックドゥ」などと、よく間違えられることがあるそうですが、自分は間違ったことはありません(笑)カードゥはゲール語で「黒い岩」という意味。蒸留所はジョニーウォーカーのキーモルトとして繫栄してきました。

年間生産量は340万ℓ。初留、再留3基ずつ。ほとんどがブレンド原酒となっていますが、シングルモルトとしても評価が高く、近年出荷量は増えています。

カーデュ12年

カーデュ12年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:5,858円

「カーデュ12年」は主にバーボン樽で熟成され、リンゴ、熟した梨、バニラの香りがあり、口当たりは軽やかでややクリーミー。フィニッシュにかけては柑橘系とスパイシーさがあります。

スペイサイドモルトとしては甘みが強いタイプ。女性に人気がありそう(全ての女性が甘いウイスキーが好きという訳ではありませんが…)なシングルモルト、と評価されることもあります。個人的には独特なボトルの形状も好き。バックバーでも目立つ存在ですね。

カーデュ12年の持つ独特のオイリーさ、まろやかな味わいを愉しむならストレートがおすすめ。トワイスアップもいいですね。

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|クラガンモア Cragganmore

クラガンモア Cragganmore
地域:スペイサイド
創業年:1869
MHD

クラガンモアはオールドパーに原酒を供給しています。上品な甘みとフルーティーさが魅力的で、スペイサイドモルトの中でもクセが少なく華やか。この個性がオールドパーの飲みやすさに繋がっているのは間違いなさそうです。

蒸留所は1869年に操業。年間220万ℓと生産量は少ない訳ではありませんが、ほとんどがオールドパーにブレンドされているため、シングルモルトとしての出荷量は多くはありません。人気があるのにオフィシャルボトルは12年のみ。限定品や長期熟成のリリースも減っています。

クラガンモア12年

クラガンモア12年

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:4,280円

クラシック・モルト・シリーズの中でも高品質な逸品。シングルモルトを知る上で避けて通れない一本ではないでしょうか。ウイスキー評論家、故マイケル・ジャクソン氏の採点でも90点を獲得し、スペイサイドではマッカランに次ぐ高得点を記録。個人的にもスペイサイドモルトの中でトップクラスのクオリティを誇っていると思います。

シングルモルトらしい香りが強く、リッチで豊か。アロマのバリエーションも豊富で、蜂蜜、ドライフルーツ、柑橘、ハーブ、のニュアンスを感じます。

以前までは「ストレート」以外で飲むことはありえないウイスキーだと思っていましたが、ふとしたきっかけで、普段はあまり飲まない「水割り」で試したところ、予想外にヒット!

「ハイボール」よりも水割りがおすすめです。自宅にボトルがある方はすぐに試してください。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|クレイゲラキ Craigellachie

クレイゲラキ Craigellachie
地域:スペイサイド
創業年:1891
バカルディ社

創業は1891年。ホワイトホースで有名な「ピーターマッキー」が共同経営する形でスタートさせています。その後単独経営し、原酒作りの需要拠点として活躍。98年にはバカルディ社に買収され、ホワイトホースからデュワーズの原酒へと変わっています。

年間生産量は410万ℓ。初留、再留2基ずつ。大型のストレート型ポットスチルでつくられていることで、古典的なスイート系スペイサイドモルトが生み出されています。

クレイゲラキ13年

クレイゲラキ13年

  • アルコール度数:46%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:6,578円

「クレイゲラキ13年」は知る人ぞ知るスペイサイドモルトといえる1本です。独特な香りと複雑な果実味、スモーキーさの中に甘さもあり、余韻も長め。若干のオイリー。

かすかな硫黄のニュアンスは全体に複雑さをもたらしています。

最近のシングルモルトは「ライト嗜好」に変わりゆく傾向ですが、クレイゲラキ13年は昔ながらの「スコッチ」的な味わいがまだまだ健在です。ピーティーさだけでなく、「その他の個性も強め」なオフィシャルシングルモルトは少なくなってますね。

加水しても崩れにくいので、ハイボールやロックでもおいしいです。

 

 

スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンアラヒー Glenallachie

出典:https://whisk-e.co.jp/product_types/glenallachie/

グレンアラヒー Glenallachie
地域:スペイサイド
創業年:1967
ザ・グレンアラヒー・ディスティラーズ社

グレンアラヒーはクランキャンベルやキングスランサムなどのブレンデッド用原酒を造る蒸留所。2017年にペルノリカールから現オーナーに売却されると、シングルモルトのリリースにも力を入れるようになります。

グレンアラヒーのこだわりとしてユニークなのは、樽詰めのアルコール度数を3パターンに分けているところ。通常スコッチは63.5%に度数を調整して樽詰めするのが一般的ですが、アラヒーでは63.5%、68%、72%とそれぞれ変化させてウイスキーを熟成させています。

グレンアラヒー12年

グレンアラヒー12年

  • アルコール度数:46%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:8,228円

「グレンアラヒー12年」はバーボンカスクとシェリーカスクの原酒を使用しており、以前まではバーボンの影響が強く出ていましたが、現行品はシェリーの風味が強くなっています。

華やかでスパイシー。鼻にシェリーカスク由来のレーズンのような甘い香り。アルコールの刺激は優しく、濃厚。ダークチョコレート、バナナ。

いくつかのラインナップを展開しているグレンアラヒーですが、フラッグシップである12年物でも十分に贅沢な印象です。ここ数年で人気に火が付き、価格が上がっているのは少し残念ですが、そこでも購入するのをためらう必要が無いほど、満足できるウイスキーです。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンエルギン Glen Elgin

出典:https://www.mhdkk.com/brands/glen_elgin/

グレンエルギン Glen Elgin
地域:スペイサイド
創業年:1898
MHD

操業した1898年頃は、スコッチが低迷していた時期。グレンエルギンは建設中にオーナー会社が倒産。その後は紆余曲折をへてディアジオ傘下となり、まともに生産できるようになったのは1930年頃。

原酒はブレンデッドウイスキー「ホワイトホース」に使用され、現在に至るまでホワイトホースにはなくてはならない存在です。

年間生産量は270万ℓ。初留、再留3基ずつ。麦芽は全てノンピーテッドが使用されています。

グレンエルギン12年

グレンエルギン12年

  • アルコール度数:43%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:5,500円

かつては「花と動物シリーズ」のボトルがフラッグシップでしたが、現在はこの「グレンエルギン12年」がオフィシャルボトルとして販売されています。

「花動」にも存在していた、上品なモルトとハチミツのような甘い香りフローラル感は、以前として健在。フルーティーで青りんご、オレンジ、洋梨、ジンジャー&スパイシー。

スペイサイドモルトの華やかさな個性があって、王道の仕上がり。全体的な個性は強い方ではありませんが、バランスが良くて飲みやすい味わいです。

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スペイサイドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンキース Glen Keith

グレンキース Glen Keith
地域:スペイサイド
創業年:1957
ペルノリカール

スペイサイド・キースの街にある蒸留所。地元を流れるアイラ川を挟んだ対岸に、姉妹蒸留所であるストラスアイラがあります。

グレンキースはストラスアイラの第2蒸留所として創設。シーバスリーガルやパスポートなどのブレンデッドに原酒を供給しています。年間生産量は600万ℓ。初留、再留3基ずつ。

ブレンド用原酒に適したライトテイストなウイスキーを造る為に、スペイサイドでは通常行われていない3回蒸留を実施したり、スモーキーな原酒からは「クレイグダフ」や「グレンアイラ」などのクセの強いシングルモルトもリリースしています。

グレンキース ディスティラリー エディション

グレンキース ディスティラリー エディション

  • アルコール度数:40%
  • 楽天市場価格[2024年4月]:4,378円

2014年にシーバス・ブラザーズ社によって再稼働され、その際に最初にリリースされたボトルが「グレンキース ディスティラリー エディション」。

フルーティーで、ハチミツ、ナッツ、タフィー、バニラ。口当たりはややクリーミー。中盤からはドライ。ライトボディでスパイシー。

ストラスアイラと似ているような…似ていないような(笑)第二蒸留所とは言っても、個性は異なっています。ストラスアイラが好きな人におすすめできるのかと言われれば、少し違うのかもしれません。

軽快でフレッシュさがあるのでハイボールで爽やかに飲むのもありですね。

 

 

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