シングルモルトウイスキー「カリラ12年」おすすめ銘柄解説

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTubeTikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではシングルモルトウイスキー「カリラ12年」の解説と、カリラ蒸留所のラインナップからおすすめ銘柄をご紹介致します。

カリラとはゲール語で「アイラ海峡」という意味です。かつてはシングルモルトの販売を休止していましたが、現在は再び人気を取り戻しています。そんなカリラについてをわかりやすく徹底解説いたします。

 

 

 

シングルモルトウイスキー「カリラ12年」おすすめ銘柄解説 カリラとは?

カリラ蒸留所とは?

1846年に創業の、アイラ海峡に面して建てられた美しい蒸留所です。1972~74年に古い蒸留所から建て替えられています。ポットスチルのあるスチルハウスは全面ガラス張りとなっており、そこからの風景は「世界一の大パノラマ」と称されています。

ウイスキーの仕込みは、フェノール値34~38ppmのヘビリーピーテッドタイプで、ポートエレン製のものを使用しています。ラガヴーリンとほぼ同様のピーテッド麦芽を使っているのにも関わらず、カリラのモルトは軽くてシンプルな味わいになる特徴があります。クセがありながら控えめな酒質の為、これまでに多くのブレンデッドウイスキーの隠れた原酒として、スコッチ業界を支えてきた存在です。

また、カリラはアンピーテッド仕込みも行う蒸留所で、生産量の実に3割近くがノンピーテッド麦芽によってつくられており、こちらも主にブレンデッド用の原酒として役割を果たしています。2006年にはシングルモルトとしても、アンピーテッド8年がリリースされ注目を浴びました。

年間生産量は650万ℓと、アイラ島最大。蒸留所としては珍しく、ウイスキー熟成別の場所で行われており、生産された原酒は全て、本土にあるディアジオ所有のエージングセラーに運ばれています。アイラ島生まれで、スコットランド本土育ち(ボトリング)となっています。本土での熟成も、カリラの個性を語る上では重要なポイントとなっています。

カリラ蒸溜所

所在地: スコットランド・アイラ島
オーナー: ディアジオ社
創業年: 1846年
蒸留器(ポットスチル): ストレートヘッド型 6基 (初留釜3基、再留釜3基)
発酵槽(ウォッシュバック): オレゴン松8基、ステンレス2基
貯蔵方式: 本土の熟成庫
仕込み水: ナムバン湖
仕込み麦芽のフェノール値: 34ppm~38ppm 及びのノンピーテッド麦芽で3割仕込む

 

 

カリラ蒸溜所の歴史

1846年:ヘクター・ヘンダーソンにより創業。以後、オーナーはたびたび変わることとなる。

1927年:DCL社(ディスティラーズ・カンパニー・リミテッド)が蒸留所のオーナーとなる。

1930年~37年、及び1941年~45年:生産停止。

1972年~74年:ウェアハウスを除き、全ての建物が再建築される。蒸留器が増設。

1986年:UD社(ユナイテッド・ディスティラリーズ)の所有となる。

1997年:ディアジオ社がオーナーになる。

1999年:アンピーテッド麦芽による試験的な蒸留が開始される。

2002年:「花と動物」「レアモルト」シリーズ以来、初のオフィシャルボトルである「12年」「18年」「カスクストレングス」が発売される。

2006年:初のノンピート麦芽による商品である「アンピーテッド8年」が発売される。

2010年:「25年」「1999アイラフェス」「1997マネージャーチョイス」発売。

2011年:設備の増設により生産能力が650万ℓとなる。

2018年:スペシャルリリース「15年」「35年」発売。

2020年:「カリラ1984(35年)」発売。新ビジターセンターがオープン。

 

 

シングルモルトウイスキー「カリラ12年」解説

カリラ12年
シングルモルトウイスキー
アルコール度数: 43%
容量: 700ml
参考価格: 3500円

商品説明

アイラ島のスモーキーモルトの中では酒質がライトですが、スモーキーさは強い印象です。どことなくシンプルな味わいですが、バーボンのリフィルカスクがメインの熟成樽であることから、樽からの影響を強く受けていない、もともとの個性がしっかりと表現されているイメージです。スモーキー系アイラ島ウイスキーの入門編として適しています。

アイラ島で熟成していない点が、他の蒸留所と明確な違いを生み出しているのかもしれません。ピーティーなのに飲みやすさがある…ちょっと不思議なスモーキーモルトです。

 

テイスティング・ノート

香り:ピーティーでスモーキー。はちみつ、バニラ、アロエ、金柑、ウッディーな香り。加水でフローラルになり、白い花。

味わい:ライトボディ。甘さがあり、マイルド。若干の酸味も感じる。中盤からフィニッシュにかけてドライで、スモーキー。余韻はややシンプルな印象で中程度の長さ。ピーティーさが続く。

爽やかにピートが感じらえる個性です。決して弱くないスモーキーな香りですが、どことなく受け入れやすい飲みやすさです。(ピートが苦手な方は無理ですが…)

加水しても甘さがあり、香りが全てスモーキーで支配されているわけではないのでバランスの良さを感じます。ストレート以外に、ハイボール、ロックでもおいしいウイスキーです。

ラフロイグやアードベックなどと比べると個性は控えめです。少しおとなしくなった感じがカリラの長所でしょうか?人の意見をしっかりと聞き入れ、だけど自分の主張もしっかりもっている、エリートビジネスマン…みたいな(笑)

 

 

シングルモルトウイスキー「カリラ12年」おすすめ銘柄解説

カリラ蒸留所がリリースするおすすめの銘柄「カリラ25年」をご紹介致します。

 

シングルモルトウイスキー カリラ25年

カリラ25年
シングルモルトウイスキー
アルコール度数: 43%
容量: 700ml
参考価格: 30000円

貴重な長期熟成のカリラです。18年、25年は事実上の休売が続いている為、流通価格が上がっている現状ですが、手に入るのであれば今のうちに購入しておきたい銘酒です。

20年以上のカリラは、ボトラーズ商品などを含めると珍しくありませんが、こちらも年々価格が高くなっているのが現状です。25年は発売当初2万円以内で購入できたことから、長期熟成でありながら非常にコスパの高い商品でした。

2020年現在では3万円~4万円で推移しています。近年、アイラウイスキーの価格が高騰していますが、そのことを考えてもこの値段で購入できるのであればありがたいですね。

香りはドライフルーツ、ラズベリーケーキ、アールグレイ、ビターチョコレート。味わいはまろやかで、長い余韻を感じます。12年とは全く異なる世界観を見せてくれます。

 

 

まとめ

シングルモルトウイスキー「カリラ12年」おすすめ銘柄解説 カリラとは?
・1846年に創業。アイラ海峡に面して建てられた蒸留所。年間生産量は650万ℓでアイラ島最大。

シングルモルトウイスキー「カリラ12年」
・アイラ島のスモーキーモルトの中では酒質がライトボディ。スモーキーさは強い印象。どことなくシンプルな味わい。

カリラ蒸留所がリリースするおすすめの銘柄「カリラ25年」
・香りはドライフルーツ、ラズベリーケーキ、アールグレイ、ビターチョコレート。味わいはまろやかで、長い余韻を感じる。12年とは全く異なる世界観。

 

 



 

 

ブレンデッド用の原酒として重要な役割を担っていたカリラですが、シングルモルトとしても人気が高まり、今やカリラ12年は、スモーキーウイスキーの代表格となっています。ピーティーなウイスキーにチャレンジしてみたい方は、カリラから始めてみるのもいいかもしれませんね。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

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