【初心者向け】スコッチウイスキーとは?おすすめ銘柄3選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではスコッチウイスキーを初心者向けに解説致します。

スコッチは5大ウイスキーの一つで、全世界およそ200カ国以上に輸出されているウイスキー。ウイスキーを語る上で避けては通れない「ウイスキー界の常識」がスコッチといえます。

今回はスコッチの重要な部分をぎゅっとまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?

スコッチウイスキーとは?

イギリスの一部であるスコットランドでつくられたウイスキーのこと。130か所以上のモルトウイスキー蒸留所と、5か所以上のグレーンウイスキー蒸留所があり、世界中にウイスキーを供給しています。「スコッチ」と名乗る為には厳格な法定義が存在しており、現在でも伝統的な製法で造られています。

 

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?法定義について

スコッチの法定義とは?

スコッチには「スコッチウイスキー」と名乗るための法定義があり、ウイスキーの品質と伝統を守るためには重要なルールとなります。

法定義の内容はウイスキー文化研究所が発行したテキストのものを引用しています。

 

【法定義】

スコッチウイスキーは、英国の法律で概略、次のように定められている。

  • 水とイースト菌と大麦の麦芽のみを原料とする(麦芽以外の穀物の使用も可)。
  • スコットランドの蒸留所で糖化、蒸留を行う。
  • アルコール度数94.8%以下で蒸留。
  • 容量700リットル以下のオーク樽に詰める。
  • スコットランド国内の保税倉庫で3年以上熟成させる。
  • 水と(色調整のための)スピリッツカラメル(プレーンカラメルE150a)以外の添加物は認めない。
  • 最低瓶詰めアルコール度数は40%。
  • シングルモルトウイスキーはスコットランド国内で瓶詰め、ラベリングを行う(樽でのシングルモルトの輸出は認めない)。

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

 

法定義の要約

法定義の重要な部分を整理すると…

  • スコットランド国内で仕込みから蒸留、熟成しなければいけない。
  • オーク樽で最低でも3年熟成させる。
  • 瓶詰めのアルコール度数は40%以上で、水とカラメル以外は入れてはいけない。

というのが基本的なスコッチの法定義となっています。

スコッチの法定義はウイスキーの基本的なルールとなっていることが多く、他の国でも同じような定義となっている場合がほとんど。スコッチと同じ製法で造られているジャパニーズウイスキーに関しても、法定義こそありませんが、「シングルモルト」と表記する場合は、「一つの蒸留所で造られた3年以上熟成した原酒が使用されていること」が一般常識となっています。

 

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?種類について

スコッチウイスキーは大きく以下の4種類に分けられます。

 

シングルモルトウイスキー

シングルモルトウイスキー:一つの蒸留所でつくられたモルトウイスキーをボトリングしたもの。

主な銘柄:グレンリベット、グレンフィディック、マッカラン、ラフロイグ、タリスカー、ラガヴーリンなど

各蒸留所で造られたモルトウイスキーを、他の蒸留所で造られたウイスキーとブレンドさせずにボトリングしたものが「シングルモルト」となります。シングルモルトは蒸留所が直接販売している「オフィシャルボトル」と、蒸留所からモルト原酒を買い付け、独自にボトリングして販売している業者の商品である「ボトラーズ物」が存在します。

シングルモルトの流通量は全ウイスキー全体の1割ほどですが、近年は人気が高まってることから生産量は増加傾向にあります。

ユースケ
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一般的にシングルモルトはブレンデッドウイスキーよりも高価。モルトウイスキーのほうが原料の価格と、製造にかかるコストが高いためです。

 

ブレンデッドモルトウイスキー

ブレンデッドモルトウイスキー:複数の蒸留所でつくられたモルトウイスキーの原酒をブレンドしたもの。

主な銘柄:ジョニーウォーカーグリーン、モンキーショルダー、ビックピート、スカリーワグなど

2か所以上の蒸留所でつくられたモルトウイスキーをブレンドした場合は「ブレンデッドモルトウイスキー」となります。つまり、シングルモルトに対して他の蒸留所のシングルモルトが一滴でも入れば、そのウイスキーは一つの蒸留所でつくられたウイスキーではなくなります。シングルモルトと比べると商品の数は少なく、値段も安く設定されている傾向にあります。

ブレンデッドモルトウイスキーは、ちょっと前までは「ヴァテッドウイスキー」と呼ばれていました。これは樽(ヴァット)と樽を合わせてつくる、という意味から名付けられています。しかし現在ではこのような表現をブレンデッドモルトで使用することは少なくなっており。現在は「ブレンデッドモルトウイスキー」と呼称されるのが一般的となっています。

ちなみに「ワンティースプーンモルト」と呼ばれている、限りなくシングルモルトに近いスタイルのブレンデッドモルトウイスキーも存在しています。これは、モルトウイスキー1樽に対して、他の蒸留所のモルトウイスキーをスプーン1杯分混ぜてつくるスタイルのこと。ブレンドされているとはいえ、99.99%以上がメインのシングルモルトの状態なので、ワンティースプーンモルトは「ほぼシングルモルト」と言った感じです。

ではなぜ、このようなややこしいウイスキーが存在しているのか…

いくつか理由がありますが、モルトウイスキーの蒸留所がブランド価値を守るために、あえてシングルモルトとして販売しないでほしいとの理由から、ブレンドされているケースが多いようです。

シングルモルトの蒸留所
  1. 「シングルモルト」として蒸留所名を名乗ってほしくない
  2. ブレンド原酒として販売(シングルモルトとしては販売しないことを条件に他社へ売却)
ボトラーズ会社(買い付け側)
  1. ブレンド原酒として購入(シングルモルトでは販売できない)
  2. 蒸留所名は名乗れないが、シングルモルトに近い状態で販売したい
  3. スプーン1杯分だけ他の原酒を混ぜる(販売条件を満たす)
  4. 実質は「ほぼシングルモルト」となる「ブレンデッドモルト」として販売できる

 

ブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの。

主な銘柄:バランタイン、カティーサーク、デュワーズ、シーバスリーガル、オールドパーなど

スコッチウイスキーの販売本数の約9割を占めるのはブレンデッドウイスキーです。単純に「スコッチ」と呼ばれる場合は、ブレンデッドウイスキーのことを指します。

ブレンデッドウイスキーは複数の蒸留所からモルト原酒とグレーン原酒を集め、それぞれのブランドにあうようにブレンドを施してつくられています。個性的なシングルモルトに対し、ブレンデッドウイスキーは、グレーンウイスキーがブレンドされることでモルトウイスキーよりも飲みやすくなります。

 

 

グレーンウイスキー

グレーンウイスキー:小麦やトウモロコシを原料にしてつくられたウイスキーで、主にブレンデッドウイスキーの原酒として利用されている。

主な銘柄:キャメロンブリッジ、ロッホローモンド シングルグレーン、ヘイグクラブ クラブマン シングルグレーンなど。

※日本では「知多」や「ニッカ・カフェグレーン」などがあります。

グレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーをつくるために欠かすことのできない重要なウイスキーです。ただし、単体で飲まれることは少なく、銘柄は多くありません。単式蒸留器でつくられているシングルモルトと違い、グレーンウイスキーは連続式蒸留器によって大量生産が可能となっており、生産コストが低く安価に製造することができます。また、モルトウイスキーのような豊かなフレーバー生み出さず、モルトの個性を引き立たせる「下支え」になるようにつくられています。

 

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?歴史について

スコッチの歴史について簡単にご説明します。スコッチはどのようにして誕生し世界に広まっていったのか…重要な部分をまとめて解説。

 

西暦1494年 修道士ジョン・コーが「王様からウイスキーを作るために、大麦をもらいました」という記述の文献があり、それがスコッチ誕生の年と言われています。この時はまだ、ウイスキーは無色透明の状態で飲まれていました。「アクアビッテ」(命の水)と呼ばれていました。

それからウイスキーづくりは広まっていき、スコットランドの大麦を作る農家さんの副業になっていきます。余った穀物(大麦)でウイスキーを生産。

スコットランドとイングランドの間で戦争勃発!スコットランドが負けて、イングランド軍から逃げ落ちていった兵士たちは、スコットランドの田舎(ハイランドなど)へどんどん逃げていきました。そしてその子孫らが、大麦麦芽からウイスキー造りを始めていったとされています。ウイスキーの蒸留所がグラスゴーやエジンバラなどの人口が多い都市ではなく、ハイランド地方(スコットランドの北部)に多いことも理解できますね。

1707年 イングランドとスコットランドが併合。スコットランド議会が廃止になります。今まで敵だったイングランドと実質的に同じ国となるので、スコットランドの人たちはそのことがめっちゃ嫌でした。※いまだにイングランド人とスコットランド人は仲が良くない(笑)

1725年 イングランドがウイスキーの原料である大麦などの穀物の税率を上げます。それに反発したスコットランドの農民たちは、税金逃れのために田舎へどんどん逃げていきました。人里から離れた山奥などの辺境でのウイスキー造り(密造)をしていく人がどんどん増えていきました→ウイスキー蒸留所になる。

ちなみに、このころからウイスキーを樽で熟成させるようになっていきます。

税金を払うのが嫌な農民たちは、ウイスキーを製造している事実を隠す必要があります。そこで目が付けられたのが、空になったシェリー酒の樽。シェリー樽にウイスキーをいれることで、うまく隠すことができたのです。

そして数年後には「樽に入れることによってウイスキーがおいしくなる」と広まり、その後ウイスキーは木樽で熟成させる蒸留酒へと進化していきます。

イングランドの増税がなければ、ウイスキーを熟成させるきっかけは生まれていなかったため、現在のようにウイスキー文化が発展していなかったのかもしれません。イングランド人に感謝です(笑)

1777年 ウイスキーの公認蒸留所が8件に対して、密造酒が400件以上。つまり、ウイスキー造りはほとんどが密造酒として成り立っていました。この時代は「スコッチ大密造酒時代」の始まりといわれています。

1824年 密造酒時代に新たな風が… 「グレンリベット蒸留所」が政府公認第一号蒸留所になります。これをきっかけに徐々に登録蒸留所が増えていき、密造酒は減っていきます。グレンリベットの創業者「ジョージ・スミス」は密造酒業者から裏切り者と言われ、命を狙われることもありました。

1853年~1860年の間、ウイスキーの法律が変わっていきます。これまで禁止されていた「ブレンド」が許されるようになります。これまではウイスキーを樽から直接飲むのが一般的で、同じ蒸留所内のウイスキーでさえ合わせること(ヴァッテッド)が禁止されていました。ブレンドが可能になったことで「ブレンデッドウイスキー」が誕生。、これまでクセの強かったスコッチが、飲みやすいウイスキーに変化していきます。飲みやすくなったスコッチ(ブレンデッドスコッチウイスキー)は、イギリス国内で人気となり、その後外国へも輸出されるようになります。

この頃からスコッチウイスキーは「スコットランドでつくられている田舎の地酒」から「世界のスコッチウイスキー」となっていったのです。

1863年 ブドウ根アブラムシ(フィロキセラ)によって、ヨーロッパ中のブドウが壊滅状態に。ワインやブランデーの生産量が激減します。それによって、代わりのお酒としてスコッチの需要が増加。ワインにとっては大惨事でしたが、スコッチにとってはさらなる飛躍に弾みがついた形となりました。

それ以降、2度の世界大戦のなかでも、スコッチは生産・輸出を続けていました。戦火のなかで、ウイスキーは兵士たちの癒しになっていたのです。そして戦後も、兵士たちはスコッチの味を忘れられず、世界中でスコッチが飲まれるようになっていきました。

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?おすすめの飲み方

結論 おすすめの飲み方は「ストレート」 慣れない場合は「ハイボール」「水割り」「ロック」

スコッチをストレートでおすすめする理由は、ウイスキーの個性がいちばんよく分かるから。ストレートこそがウイスキーの魅力を最大限に味わうことができる唯一の飲み方。

しかし、ウイスキーを飲みなれていない方からすれば、ストレートはアルコール度数が高くて刺激が強すぎるため、飲み慣れないうちはかえってウイスキーの味がわからなくなる恐れがあります。

 

以下のように段階を踏まえて飲んでみましょう♪

  • ウイスキー初心者は「ハイボール」「水割り」
  • 徐々に慣れてきたらちょっと強めの「オンザロックス」
  • ウイスキーが知りたいのであれば、最終的な飲み方は「ストレート」
ユースケ
ユースケ

今でこそ、アルコール度数60%超えのウイスキーでさえストレートで飲む私も、最初からストレートでウイスキーを飲んでいたわけではありません(笑)

まずはウイスキーを楽しむことが大切です。おすすめの飲み方はストレートですが、お好きな飲み方で自由に飲みましょう!

 

 

 

【初心者向け】スコッチウイスキーとは?おすすめ銘柄3選

ウイスキー初心者及び、スコッチ初心者向けのおすすめウイスキーを3本ご紹介。

スコッチを知るには、まず飲みましょう!スコッチは様々なタイプがあり、蒸留所や銘柄ごとに個性が異なります。お好みのウイスキーを探る意味でも、参考にしてみてください。

 

グレンリベット12年

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スコッチの歴史で解説した通り、スコットランド政府認定第一号蒸留所であるグレンリベット。バランスのとれた味わいで、クセが少なく飲みやすいシングルモルトです。

 

 

ジョニーウォーカーブラックラベル

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世界一売れているブレンデッドスコッチウイスキー「ジョニーウォーカー」シリーズのひとつ。ブラックはピートの風味が穏やか。バーテンダーからの評価も高い銘柄なので、お試しを。

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スコットランドにあるアイラ島で造られているシングルモルト。燻製、ヨードチンキ、消毒液などと表現されている、強烈な個性を持ったウイスキー。好きか嫌いか…運命の分かれ道…

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まとめ

・ウイスキー初心者向け講座 スコッチウイスキーとは?
→スコッチランド国内で仕込みから蒸留、熟成、・オーク樽で最低でも3年熟成させたウイスキー。

・ウイスキー初心者向け講座 スコッチウイスキーとは?4種類あります
→「シングルモルト」「ブレンデッドモルト」「ブレンデッド」「グレーン」

・ウイスキー初心者向け講座 スコッチウイスキーとは?スコッチの歴史
→農民の副業、密造酒、そしてブレンデッドウイスキーの誕生によって世界中に広まっていった

・ウイスキー初心者向け講座 スコッチウイスキーとは?おすすめの飲み方
→「ストレート」飲みにくい場合は「ハイボール」か「オンザロックス」で慣れていこう。

・ウイスキー初心者向け講座 スコッチウイスキーとは?おすすめスコッチ
「グレンリベット12年」
「ジョニーウォーカーブラックラベル」
「ラフロイグ セレクトカスク」

 

 



 

 

スコッチについての基礎的な知識はこれで完了!

もっと詳しく知りたい方は「あわせて読みたい」の記事をご覧ください。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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