【2026年版】ブレンデッドスコッチウイスキー77銘柄を解説|人気ブランドの価格と特徴

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

ブレンデッド・スコッチウイスキーとは?
スコットランド国内で製造した、3年以上熟成させたモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくるウイスキーのこと。スコッチ全体の消費量の9割がブレンデッドウイスキーとなっている。

ブレンデッドスコッチウイスキーって種類が多すぎて、酒屋さんに行っても「どれを選べばいいか分からない…」と迷ってしまいませんか?

今回は、スコッチ消費量の9割を占めると言われるブレンデッドウイスキーの中から、2026年現在でも入手できるものを中心に、77銘柄を一挙に解説します!

スーパーで買えるおなじみのボトルから、バーでしか見かけないような少しマニアックな銘柄まで幅広くまとめました。この記事を参考に、ぜひあなたにぴったりの1本を見つけてみてください♪

 

【2026年版】ブレンデッドスコッチウイスキー77銘柄を解説|人気ブランドの価格と特徴【全ブランド一覧】

1ページ目
1. Ancient Clan エンシャントクラン
2. Antiquary アンティクァリー
3. Bailie Nicol Jarvie ベイリー・ニコル・ジャーヴィー
4. Ballantine’s バランタイン
5. Bell’s ベル
6. Big Peat ビッグピート
7. Black Bottle ブラックボトル
8. Black Bull ブラックブル
9. Black & White ブラック&ホワイト
10. Blue Hanger ブルーハンガー
11. Buchanan’s ブキャナン
12. Chivas Regal シーバスリーガル
13. Clan Campbell クランキャンベル
14. Clan MacGregor クランマクレガー
15. Claymore クレイモア
16. Compass Box コンパスボックス
17. Cutty Sark カティサーク
18. Dewar’s デュワーズ
19. The Epicurean ザ エピキュリアン
20. Famous Grouse フェイマスグラウス
21. Fort William フォートウィリアム
22. The Gauldrons ザ ゴールドロンズ
23. The Gladstone Axe ザ グラッドストンアクス
24. Grant’s グランツ
25. Great King Street グレートキングストリート

2ページ目
26. Haig (Dimple) ヘイグ (ディンプル)
27. Hankey Bannister ハンキーバニスター
28. Hedges & Butler ヘッジス&バトラー
29. Highland Queen ハイランドクィーン
30. 100 Pipers 100パイパーズ
31. Inver House インバーハウス(MacArthur’s マッカーサー)
32. Islay Mist アイラミスト
33. Isle of Skye アイル・オブ・スカイ
34. J&B J&B
35. James Martin’s ジェームズマーティン
36. Johnnie Walker ジョニーウォーカー
37. King’s Ransom キングスランサム
38. Label 5 ラベル5
39. Langs ラングス
40. Langside ラングサイド
41.Lauder’s ローダーズ
42. Lismore リズモア
43. Long John ロングジョン
44. Mackinlay’s マッキンレー
45. MacNair’s マクネアーズ
46. Monkey Shoulder モンキーショルダー
47. Mossburn モスバーン
48. Old Parr オールドパー
49. Old St.Andrews オールド・セント・アンドリュース

3ページ目(最後)
50. Old Smuggler オールドスマグラー
51. Passport パスポート
52. Rob Roy ロブロイ
53. Robert Burns ロバートバーンズ
54. Rock Island ロック アイランド
55. Royal Household ロイヤルハウスホールド
56. Royal Salute ロイヤルサルート
57. Scallywag スカリーワグ
58. Sheep Dip シープディップ
59. The Six Isles ザ シックスアイルズ
60. Something Special サムシングスペシャル
61. THE Spey Cast ザ・スペイキャスト
62. Stewart’s スチュワート
63. Stewarts Cream of the Barley スチュワーツ・クリーム・オブ・ザ・バーレー
64. Swing スウィング
65. Syndicate 58/6 シンジケート58/6
66. Taplows タプローズ
67. Teacher’s ティーチャーズ
68. Té Bheag チェイヴェック
69. Timorous Beastie ティモラス ビースティ
70. Tomatin トマーティン(BIG T)
71. Usher’s アッシャーズ
72. Usquaebach ウシュクベー
73. VAT69 ヴァット 69
74.White Heather ホワイトヘザー
75. White Horse ホワイトホース
76. Whyte & Mackay ホワイト & マッカイ
77. William Lawson’s ウィリアムローソン

 

Ancient Clan エンシャントクラン

出典:https://www.amazon.co.jp/

Ancient Clan エンシャントクラン

製造企業:トマーティンディスティラリー社
系列企業:宝酒造
楽天市場価格[2026年7月]:1,220円
40% 700ml

歴史的な背景に敬意を表して作られたブレンデッドスコッチウイスキー「エンシャントクラン」。

「エンシャントクラン」という名前は、古代のクラン制度に敬意を表して付けられたブランド名です。この名前は、スコットランドのハイランド地方に存在した古代の氏族社会、クランシップ(クランは氏族のことを指す)に由来しています。クランは血縁関係に基づく集団ではないこともありましたが、氏族長(チーフタン)は構成員(クランメンバー)に土地を分け与え、封建領主のような存在でした。

18世紀半ば以降、スコットランド議会の廃止や経済基盤の変化などが原因でクラン制度は崩壊。それに伴い、クランチーフたちはロンドンなどの政治の中心地に移り、クラン制度全体の絆は弱まりましたが、現代においても、スコットランドの一部地域ではこの伝統文化が受け継がれているそうです。

「エンシャントクラン」製造元はトマーティン社。5年熟成のモルト主体で、トマーティンの個性がしっかりと反映された個性的な1本。日本企業の宝酒造が親会社ですが、日本では人気のある銘柄ではありません。

 

Antiquary アンティクァリー

出典:https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=3327

Antiquary アンティクァリー

製造企業:トマーティンディスティラリー社
系列企業:宝酒造
楽天市場価格[2026年7月]:12,300円(アンティクァリー 21年)
40% 700ml

文学界の巨星、ウォルター・スコットの名作に敬意を表したブレンデッドスコッチウイスキー。この名前はウォルター・スコットが1816年に著した小説「ジ・アンティクァリー」に由来しています。”アンティクァリー”は、「好古家」や「古物(古文献)収集家」を指す言葉で、スコット自身が熱心な古物収集家であったことからインスパイアを受けています。

「ウォルター・スコット」は、イギリス文学の偉大な文豪として知られています。詩人、小説家、スコットランド文芸復興の立役者としても有名。スコットランドの文化を語る上で彼の存在は外せません。(そういえば、ウイスキー検定でこの辺を覚えるのに苦労したような 笑)

「アンティクァリー」は、J&Wハーディ社によって製造されており、同社の創業は1857年にさかのぼります。創業者のジョン・ハーディは、ウォルター・スコットの熱心なファンであったこともあり、この名前を冠しました。

「アンティクァリー12年」は一般的な12年物ブレンデッドよりも、モルト原酒の比率が高く、その比率は45%となっています。主要なモルト原酒は、スペイサイドのクラガンモアベンリネス。その他、ハイランドのトマーティン。スモーキータイプのアイラモルトもブレンドされています。

個人的には味もさることながら、最近のブレンデッドウイスキーにはないクラシックなボトルデザインがいいですね。

 

Bailie Nicol Jarvie ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

出典:https://product.rakuten.co.jp/

Bailie Nicol Jarvie ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

製造企業:グレンモーレンジィ社
系列企業:ルイヴィトン・モエヘネシー社
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし
40% 700ml

「ベイリー・ニコル・ジャーヴィー」は、スコットランドの3大文学者の1人であるウォルター・スコットによる作品「ロブロイ」に登場する架空のキャラクターの名前。このキャラクターは火かき棒を武器にして山賊を撃退する??勇敢な人物として描かれています。

「マイナーブレンデッドあるある」ですが、スコッチの場合「小説」などからとった名前がブランドの由来になっていることは多いですね。この辺はスコットランド人にしか分からない感覚。小説のキャラクターの名前が付けられるなんてことは、日本のウイスキーにはありませんから、スコッチの歴史の長さを感じます。

ウイスキーとしての「ベイリー・ニコル・ジャーヴィー」は、ニコルアンダーソン社によって19世紀末に誕生。かつては南アフリカの「ボーア戦争」などで、軍の御用ウィスキーとしても知られていました。その後は長らく幻のウィスキーとなっていましたが、1994年に「マクドナルド&ミアー社」がブランド権を取得し復刻。現在はLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー社)の傘下となっています。

原酒にはグレンモーレンジを含む酒齢8年以上のモルトとグレーンを使用。モルト原酒の比率は60%と高め。名前が長いので「BNJ」略されて呼ばれているようですが、日本ではなかなかお目にかかれないマイナーブレンデッドウイスキー。

略したら絶対伝わりませんし、むしろ、略さなくてもこのブレンデッドウイスキーを知る人はほとんどいないかも(笑)現在では日本での取り扱い店舗がほとんどありません。

 

Ballantine’s バランタイン

Ballantine’s バランタイン

製造企業:ジョージ・バランタイン&サン社
系列企業:ペルノリカール社
楽天市場価格[2026年7月]:1,280円(バランタイン ファイネスト)
40% 700ml

スコッチ3大ブランドにして、日本でも非常にメジャーなブレンデッドウイスキーである「バランタイン」。2019年の統計では、世界のウイスキー売上ランキングで堂々の13位。出荷数770万ケース。日本での輸入元はサントリーですが、系列的にはペルノリカール社となります。

1827年に設立されたジョージ・バランタイン&サン社は、創業者のジョージ・バランタインが13歳の頃にエジンバラに移り住んで食料雑貨店で働き始めたことろから始まります。彼は18歳で独立し、1827年に最初の店を開業。バランタイン社の起源となります。

当初は食料品が主力で、ウィスキーやワインはわずかに取り扱われていましたが、後にウィスキーの需要拡大に伴い、事業に乗り出します。ジョージは起業家精神旺盛な人物だったようで、食料雑貨店に満足せずウイスキーのブレンダーとしての道を選びます。そして1869年にはグラスゴーに進出。蒸留所を建設し、ウイスキー造りを始めます。

ジョージ・バランタインの死後、経営権はパークレーマッキンレー商会に譲渡。1936年にはカナダのハイラム・ウォーカー社が経営を引き継ぎ、世界的なウイスキーブランドとして成長します。

バランタインの紋章について

バランタインのシンボルと言えば、ラベルの中央に描かれている「紋章」。オールドボトルの「年代」を特定するときも、紋章の描き方(デザイン、色など)を参考に判別することがあります。

バランタインのラベルに描かれている紋章は、1895年にヴィクトリア女王(在位1837~1901年)から王室御用達の勅許状を授けられ、その後エドワード7世(在位1901~1910年)からも同様の認定を受けことから始まります。そして、現在使われているバランタイン社の紋章が誕生したのは1938年のこと。

紋章のデザインは、中央の盾の部分に、ウイスキー製造を象徴する「大麦」、「川(水)」、「ポットスチル」、「樽」の4つのシンボルが描かれています。左右の白馬にはスコットランドの国旗であるセント・アンドリュー旗があり、盾の下には同じくスコットランドの国花である「アザミの花」。そして、ラテン語のモットー”Amicus Humani Generis”(全人類の友)が表記されています。

この紋章はスコットランド紋章院の許可を受けた正式なものであり、複雑かつ優美なデザインは、貴族に連なる企業でなければ許可されない特別なもの。この紋章こそが、バランタイン社の誇りとなっています。

 

Bell’s ベル

出典:https://product.rakuten.co.jp/

Bell’s ベル

製造企業:アーサーベル&サンズ社
系列企業:ディアジオ社
楽天市場価格[2026年7月]:1,150円
40% 700ml

「Bell’s ベル」の歴史がスタートしたのは、後に「希代の名ブレンダー」として称されることになる「アーサー・ベル」が、ワインとスピリッツを扱うサンデマン商会に入社した1845年に始まります。当時、サンデマン商会は小さな会社で、アーサーは入社当初は外回りの営業マンに過ぎませんでしたが、アーサーは当時誕生して間もない「ブレンド技術」に着目し、モルトとグレーンをブレンドすることで高品質なブレンデッドウイスキーを生み出します。

アーサー・ベルの信念は、複数の優れた原酒をブレンドすることにありました。彼はスコットランド中を旅して、優れた原酒を探し求めます。その情熱と努力が認められ、サンデマン商会は急速に成長。その後ベルは商会の代表にまで上りつめます。

アーサーの死後は、2人の息子が事業に参加。「アーサー・ベル&サンズ社」としてウイスキーの製造・販売を続け、イギリス国内有数のブレンデッドスコッチへと成長します。

ベルの主要モルトはブレアアソールダフタウンインチガワ―、ブラッドノックなど。モルト原酒のスモーキ―さが程よく残る、クラシックなブレンデッドスコッチ。日本では少しマイナーなブランドですが、現在でもイギリス国内で非常に人気があり、「フェイマスグラウス」と首位を争っているようです。

ちなみにベルといえば、「ウエディング・ベル」をデザインとした陶器ボトルも人気。ウイスキーの保存性は高くはありませんが、その見た目は魅力的ですね。

 

Big Peat ビッグピート

Big Peat ビッグピート

製造企業:ダグラスレイン社
楽天市場価格[2026年7月]:5,449円
46% 700ml

「ビックピート」は、ダグラスレインというボトラーズ会社が生産するブレンデッドモルトウイスキー(バッテッドモルトウイスキー)。スコットランドのアイラ島で製造されるスモーキーなモルトウイスキーをブレンドしています。

ピーティーで独特の味わいが特徴で、通常のブレンデッドウイスキーとは異なりビックピートはグレーン原酒を使用しておらず、シングルモルトに近い風味を持っています。

ビッグピートは、アードベッグカリラボウモアポートエレンの4つの蒸留所で製造されたウイスキーをブレンド。具体的な原酒の配合比率や熟成年数は公表されていませんが、公式の情報によれば閉鎖蒸留所である「ポートエレン」の1982年から1983年に製造された原酒が使用されているとされています。また、「アードベッグ」は16年に相当する原酒がブレンドに含まれています。

口に含むと壮大な焚き火の炎が踊り、煙が空に広がります。潮風が軽やかに運ばれ、海の香りとタール、いぶりがっこのニュアンス。さながら爽やかな朝の漁港の風景が目の前に広がっているかのよう。

水を加えることでスモーキーでピーティながらも、甘さが広がり、心地よい余韻となります。軽快なボディに、海の塩気が広がるような感覚。ドライでスパイシーな余韻が残ります。

 

Black Bottle ブラックボトル

出典:https://www.amazon.co.jp/

Black Bottle ブラックボトル

製造企業:CVH Spirits
楽天市場価格[2026年7月]:2,200円
40% 700ml

誕生当時の「ブラックボトル」は、ブレンデッドウイスキーでありながら、モルト原酒の風味が豊かなタイプでした。スモーキーでピーティな味わいが特徴的で、アイラ島の7つの蒸留所から取り寄せたモルト原酒をブレンド(当時のレシピ)。ポートエレンを除くブナハーブンカリラアードベッグラガヴーリンラフロイグボウモアブルックラディの7つの蒸留所で造られたウイスキーをブレンドする独自のスタイルは、他社ブランドでは見られないものでした。

ブラックボトルの誕生は、1879年にスコットランドのアバディーン。製造したのは紅茶の専門店であるゴードングラハム社でした。グラハム3兄弟は、顧客サービスの一環として自社ブランドのウイスキーを製造し、それが評判となりました。20世紀に入ると、ウイスキーのブレンド業が主要な事業となりすが、その後はブランド権の移行が続き、オリジナルのテイストが失われることとなります。

1995年には、ハイランドディスティラーズ社がブラックボトルを買収。ブナハーブンを中心にアイラの全蒸留所のモルト原酒をブレンドすることを決定し、オリジナルの風味に近づけます。しかし、2003年にブランド権がバーンスチュワート社に売却され、現在は南アフリカのディステル社の親会社であるバーンスチュワート社が製造しています。

現在のブラックボトルはアイラのモルト原酒に加えて、ディーンストンなどのノンピートモルトとグレーンウイスキーをブレンド。かつてのブラックボトルがどのような味わいであったかはわかりませんが、今のボトルもなかなか個性的。

スモーキ―系ハイボールにおすすめのリーズナブルな1本です。

 

Black Bull ブラックブル

出典:https://www.amazon.co.jp/

Black Bull ブラックブル

製造企業:ダンカンテイラー社
楽天市場価格[2026年7月]:3,179円(ブラックブル カイロー)
50% 700ml

日本ではまだ名前を聞くことが少ないレアブレンデッドウイスキー「ブラックブル」。製造元は近年カルト的な人気を誇る有名ボトラーズ会社「ダンカンテイラー社」です。

ダンカンテイラー社は1938年、グラスゴーで「樽の仲買・トレーディング会社」として創業しました。ブレンド業ではなく、原酒の樽を売買することが本業だったのが特徴です。1960年代、ニューヨーク出身の実業家アベ・ローゼンバーグ氏が同社を買収。彼はJ&Bスコッチをアメリカへ輸入する事業で財を成した人物で、その資金力を背景に、長年にわたり4,500樽以上という驚異的な原酒ストックを築き上げました。

この膨大なストックこそが、現在のダンカンテイラー社がボトラーズ会社として成功する礎となっています。ローゼンバーグ氏は1994年に死去し、その7年後の2001年、スコットランド人のウイスキー商人であるユアン・シャンド氏が同社を買収。拠点をグラスゴーからハイランドのハントリー(現在の所在地:Huntly, Scotland AB54 8JU)に移します。現在、同社はハントリーの町の中心部に店舗とボトリング設備を持ち、手作業でボトリングを行っています。

「ブラックブル」というブランド自体の歴史はさらに古く、その起源は1864年。ダンディーの食料品商兼ブレンダーであったジョージ・ウィルシャー氏が商標登録したのが始まりです。

禁酒法以前のアメリカ市場において、ブラックブルはアメリカに輸入される最大級のブレンデッドスコッチのひとつとして名を馳せていましたが、禁酒法によって大きな打撃を受けました。その後ジョージ・ウィルシャー社は1980年代後半にジョン・グロス社に買収され、1990年代にダンカンテイラー社がこのブランド権を取得。長らく休眠状態にあったブランドを、ユアン・シャンド氏が2009年に正式に再ローンチさせ、現在の人気に至っています。

ラインナップはこれまでに、「スペシャルリザーブ」「カイロー」「カイロー ピーテッド」「カイロー シェリーフィニッシュ」「12年」「30年」「40年」など、さまざまなバリエーションをリリースしています。すべて、ノンカラーリング、ノンチルフィルターで、アルコール度数は通常50%の設定(「40年」は例外的に42%前後)です。

「ブラックブル カイロー」は、ブランドのスタンダードクラスに位置する一本。「カイロー(Kyloe)」とは、長い毛と荒々しい立派な角を持つハイランド種として知られるスコットランド産牛の名称。

スペイサイドの厳選されたシングルモルトを、リフィルのバーボン樽やオロロソシェリー樽でグレーンウイスキーと共に熟成させ、無着色・ハイプルーフ(50%)でボトリング。メジャーブランドのスタンダードクラスに多いカラメル由来の風味やモルト感の希薄さとは一線を画し、甘い柑橘類の皮の砂糖漬けやドライサマーフルーツ、甘いスパイスの香りに、りんごやアーモンド、シリアル、モルティな旨味が広がる、コシの強い仕上がりです。ハイボールにしても味わいが崩れにくく、気軽に楽しめる一本として人気を集めています。

派生版として、アイラモルトの空き樽でフィニッシュした「カイロー ピーテッド」(アイラの海を思わせるピートスモークとフルーティな甘さが特徴のスモーキー仕様)や、より濃厚な甘みを持つ「カイロー シェリーフィニッシュ」も存在し、好みに応じて選べる展開となっています。

「ブラックブル12年」は、モルトとグレーンの比率が5対1で構成された、シェリー感のある香りとミルクチョコレート、フルーティさが特徴のブレンド。

一方「30年」は、1970年代の蒸留直後のニューポットの段階でモルトとグレーンを1対1の比率でブレンドし、それを30年以上シェリー樽で熟成させる独自の「誕生時ブレンド(blended at birth)」という手法を採用しています。この手法により、ウィスキー同士が絶妙に調和しつつ熟成が進行し、深みのある味わいが生まれています。

なお2024年10月には、ゴルフ界の伝説的プレイヤーであるサー・ニック・ファルド氏とのパートナーシップにより、この「30年」のボトルデザインが一新され、世界的に展開されるようになりました(700mlあたり300ポンド、約389米ドル)。

 

Black & White ブラック&ホワイト

出典:https://www.amazon.co.jp/

Black & White ブラック&ホワイト

製造企業:ジェームズブキャナン社
系列企業:ディアジオ社
楽天市場価格[2026年7月]:1,694円
40% 700ml

「ブラック&ホワイト」は、ディアジオ系の蒸留所「クライヌリッシュ」「ダルウィニー」「グレンダラン」の3つをキーモルトとしたブレンデッドウイスキーです。かつては欧州・アメリカ向けに多く販売されていましたが、現在はウイスキーの消費量が急速に伸びている中南米や東南アジアなどを主戦場としているため、日本やイギリスでは少しマイナーなブランドとなっています。

「ブラック&ホワイト」を生み出したジェームズ・ブキャナンは、ヴィクトリア時代を代表する起業家の一人でした。彼は14歳のときにグラスゴーの船会社で事務員として働き始めましたが、安い賃金と退屈な仕事に飽き足りず、ロンドンでの成功を夢見ていました。その夢は30歳のときに実現し、1879年にウィスキーのブレンダーとしてジェームズ・ブキャナン社をロンドンに設立することに成功。

彼の目標は、都会の人々に受け入れられるスムーズで穏やかなウィスキーを作ることでした。当時、風味の強いモルトウィスキーが主流であり、クセが少なくて飲みやすいタイプのブレンデッドスコッチはまだ一般的ではありませんでした。

ブキャナンはウイスキー初心者や、若者向けのマイルドな味わいのウイスキーを生み出すことを夢見て、完成したのが「ブキャナンズブレンド」。ブラック&ホワイトの前身となるウイスキーです。

当時、ブラック&ホワイトという名前はブキャナンズブランドの愛称として広まっていました。その後、ブキャナンズブレンドという名前よりもブラック&ホワイトの方が親しまれていたことで、「愛称」のほうを正式な名称に変更。

黒と白のおしゃれなボトルと、トレードマークである2匹の犬「スコティッシュテリア」と「ウエストハイランド・ホワイトテリア」が広告となることで、世界中で愛されるスコッチとなりました。

 

Blue Hanger ブルーハンガー

出典:https://www.amazon.co.jp/

Blue Hanger ブルーハンガー

製造企業:ベリー・ブラザーズ&ラッド社
楽天市場価格[2026年7月]:88,000円(オールドボトル)
45.6% 700ml

「ブルーハンガー」は、1698年創業、世界最古のワイン&スピリッツ商「ベリー・ブラザーズ&ラッド社」が造るブレンデッドモルトスコッチウイスキー。ネットで検索すると「青色のハンガー」がヒットしてしまうので注意が必要です(笑)

ベリー・ブラザーズ&ラッド社(BBR社)は、ロンドンのセント・ジェームズ街に本社を構えており、このエリアはかつてロンドンの社交の中心地であり、ヘンリー8世(在位1509〜1547年)以来、歴代の王様が居城として使っていたセント・ジェームズ宮殿に近い場所でもありました。

この場所は高級紳士服、ワイン、雑貨、タバコ、帽子の名店が立ち並ぶエリア。ちなみに「ブルーハンガー」の由来は、17〜18世紀にBBR社の顧客であった「ウィリアム・ハンガー卿」にちなんだもの。彼はいつも青い(ブルーの)上着やスーツを身にまとっていたことから「ブルー・ハンガー」という愛称で呼ばれ、紳士の理想像として親しまれていました。

なお、BBR社は2010年までカティサークのブランド権を保有していた会社でもあり、あの世界的な名ブレンデッドスコッチ「カティサーク」を生み出した会社としても知られています。

「ブルーハンガー」は1980年代に発売されたウイスキーで、当初はグレーンウイスキーを混ぜ合わせたブレンデッドウイスキーでしたが、ブレンドの元となる原酒が枯渇してしまったことから一時生産をストップし、「幻のウイスキー」となってしまった時期がありました。

その後、2001年にBBR社へ入社したダグ・マクアイヴァー氏が2009年頃にこのブランドを復活させ、限定シリーズとして再リリース。以降はグレーンウイスキーを使わず、モルトウイスキーのみで構成されるスタイルへと生まれ変わりました。バッチ毎に異なるモルト原酒を使用するため、その風味は常に変化しています。アルコール度数は45.6%という固定値で出荷されているのも特徴のひとつです。

「ブルーハンガー 11thリリース」は、長熟1990年のブナハーブン、トップノッチと称される長熟原酒である1997年のオルトモア、シェリー樽で熟成された2000年のグレンゴインなどを使用。

香りはオレンジピールなどのシトラス、ドライマンゴー、バニラ、キャラメルでコーティングしたナッツをピートスモークが包み込み、味わいは複雑でバランスが取れており、クリーミーで少しスパイシーなフィニッシュへとつながります。ハイレベルなブレンデッドモルトとしてウイスキーファンから根強く支持されています。

なお約10年ぶりの限定リリースとなった最新の「14thエディション」では、最も若い原酒でも26年熟成、最長34年熟成という長熟モルトのみを使用。バーボンホグスヘッド6樽とシェリーバット1樽、わずか計7樽という極めて厳選された原酒構成で仕上げられた、贅を尽くした一本となっています。

 

Buchanan’s ブキャナン

Buchanan’s ブキャナン

製造企業:ジェームスブキャナン&カンパニー社
系列企業:ディアジオ社
楽天市場価格[2026年7月]:5,080円(ブキャナンズ デラックス 12年)
40% 750ml

ラテンアメリカ市場で圧倒的な人気を誇るスコッチウイスキー「ブキャナン」。日本での知名度は決して高くありませんが、世界的に見れば非常に重要なブランドの一つです。

創業者のジェームス・ブキャナンは、カナダ生まれのスコットランド移民の子。生後まもなく英国に戻り、北アイルランドのラーンで育ちます。14〜15歳の頃、グラスゴーの海運会社ウィリアム・スローン社(William Sloan & Co)にオフィスボーイとして就職し、その後事務員に昇進。1868年には兄の穀物業に加わりますが、1879年、ロンドンを拠点にチャールズ・マッキンレー社(Charles Mackinlay & Co)の代理人としてウイスキー業界に足を踏み入れたことが転機となります。

5年間の勤務を経た1884年、ジェームスはマッキンレー社を離れ、リースのJ&Jエインズリー社にパートナーシップを申し入れますが断られてしまいます。それでも諦めなかった彼は、友人であるW.P.ローリー(W.P. Lowrie)の資金援助を受け、同年ロンドンで「ジェームス・ブキャナン&カンパニー社」を設立。

イングランドの上流階級の舌にはまだ馴染みのなかった、ライトで熟成感のあるブレンデッドウイスキーの開発に着手します。「私が目指したのは、上流階級の舌にも合うよう、十分にライトで熟成感のあるブレンドを作ることだった」と後年語っています。ローリーの協力のもと、古い原酒を使ったブレンドを完成させ、「ザ・ブキャナン・ブレンド」として発売。この上品でスムースな味わいは、たちまちロンドンのミュージックホールで人気を博しました。

創業から1年後の1885年には英国下院(House of Commons)への独占供給契約を獲得し、1889年にはパリ万国博覧会で金メダルを受賞。議会でこのブレンドがあまりに人気となったことから、一般市民の間では「あの下院のウイスキー」という愛称で呼ばれるようになります。

この人気に応える形でジェームスが新たに発売したのが、黒いボトルに白いラベルを纏った「ハウス・オブ・コモンズ」。やがて「ブラック&ホワイト」という愛称で広く知られるようになり、1902年頃にはブランド名として正式に浸透。商標としての正式登録は1904年になってからのことでした(現記事収録の「Black & White」がこの銘柄です)。

一方、元々の「ザ・ブキャナン・ブレンド」は「ブキャナンズ・スペシャル・レッドシール」に改称されますが、1922年、商標登録の難しさを理由に製造中止に。この時点でのブキャナン社のポートフォリオには、Black & White、Royal Household、Buchanan Special Liqueur(15年)、Rare Old Liqueur(25年)が並んでおり、後者2つがのちに統合されて「ブキャナンズ・ファイネスト・オールド・リキュール」となり、これが現在の「ブキャナンズ・デラックス」および「スペシャルリザーブ」の直接の前身となっています。

1898年、ヴィクトリア女王とプリンス・オブ・ウェールズ(後のエドワード7世)から王室御用達の勅許状を授与。1915年にはジョン・デュワー&サンズ社(Dewar’s)と合併して「ブキャナン・デュワーズ社」が誕生し、その10年後の1925年に同社がディスティラーズ・カンパニー社(DCL)の傘下に入ります。DCLは1986年にギネス社に買収され、1997年にギネスとグランド・メトロポリタン社が合併してディアジオ社が誕生し、現在に至ります。

現在の「ブキャナンズ・デラックス」は、12年以上熟成させた厳選されたモルト・グレーン原酒のみを使用。ライトでスムース、オレンジやダークチョコレートを思わせる甘さの中に、微かなスモーキーさが漂う洗練された味わいが特徴です。

ボトルデザインは、第一次世界大戦時に兵士たちが水筒を分け合った友情の逸話にインスパイアされたもので、この形状は「すべての人に分け与える友情の象徴」として現在のボトルにも受け継がれています。

日本では、ブレンデッドウイスキーとしてあまり有名ではありませんが、ディアジオ社を代表するスコッチブランドの一つとして、特にラテンアメリカ市場ではプレミアムスコッチのトップブランドとして絶大な支持を得ています。現地では「ブキャニータ(Buchanita)」と呼ばれる、ブキャナンとパイナップルジュースを合わせたカクテルが定番の飲み方として親しまれており、この人気を受けて、近年は公式に「ブキャナンズ・パイナップル」という商品も展開されています。

 

Chivas Regal シーバスリーガル

Chivas Regal シーバスリーガル

製造企業:シーバスブラザーズ社
系列企業:ペルノリカール社
楽天市場価格[2026年7月]:2,680円(シーバスリーガル12年)
40% 700ml

シーバスリーガルの歴史は1801年、スコットランドのアバディーンに小さな高級食料品店が開業されたところから始まります。これが後のシーバス社の起源となります。1858年には、兄ジェームスと弟ジョンの「シーバス兄弟」が、シーバスブラザーズ社を創設。1960年代になると、メインのビジネスをウイスキー製造販売に移行します。

シーバス兄弟は60年代から80年代にかけていくつかのブレンデッドウイスキーを発売し、これが高い評価を受け、シーバスブラザーズ社はウイスキーメーカーとしての評判を確立していきました。そして1891年に生まれたのが「シーバスリーガル」。

当初、シーバスはノンエイジの商品でしたが、1909年にアメリカとカナダで初めて商標登録され、その名の通り25年の熟成を誇る「シーバスリーガル25年」が発売されました。この製品は世界初のラグジュアリーウイスキーとして称賛を受け、特に富裕層の間で非常に人気を博しました。

しかし、時代は予期せぬ方向に進みました。シーバス25年は1920年から1933年まで続いた「アメリカ禁酒法時代」の影響で一時的に終了。製品は禁酒法が撤廃された1938年に復活。「シーバスリーガル12年」としてブランドは再び脚光を浴び、世界中のウイスキー愛好家から支持を受けるようになりました。

日本では吉田茂元首相も愛飲していたシーバスリーガル。スコッチ第三位の売上を誇る名門ブレンデッドスコッチは、これからも世界を代表するウイスキーブランドとして飲まれていくことでしょう。

 

Clan Campbell クランキャンベル

出典:https://www.garrafeiranacional.com/jp/clan-campbell-legendary-21-anos.html

Clan Campbell クランキャンベル

製造企業:シーバスブラザーズ社
系列企業:ペルノリカール社
楽天市場価格[2026年7月]:24,200円(クランキャンベル12年 終売品)
40% 1000ml

フランスで絶大な人気を誇る、知る人ぞ知るブレンデッドスコッチ「クランキャンベル」。長年ペルノリカール系のシーバスブラザーズ社が手がけてきましたが、2023年9月、ポーランドのStock Spirits Group(ストックスピリッツグループ)へブランドが完全に売却され、現在は同社が製造・販売を担っています。日本ではマイナーですが、130万ケース近くを販売するヨーロッパの人気ブランドです。

クランキャンベルの起源は、意外にも比較的新しい商業的な物語から始まります。

1933年、ワイン商人であったサミュエル・ローゼンブルーム氏がグラスゴーで「フォーブス・マクレガー社」を設立。彼は後に姓を「ロス」、さらに事業拠点がグラスゴーの「キャンベルハウス」であったことから「キャンベル」へと改名し、1937年に「S.キャンベル&サン社」として法人化しました。1945年には最初の蒸留所としてアベラワーを買収。その子会社を通じて生み出されたのが「クランキャンベル」ブレンドです。

ブランド名の由来であるキャンベル氏族は、スコットランド最大規模を誇る名門クラン(氏族)で、その起源は1000年以上前に遡ります。

クランキャンベル協会(CCSNA)によれば、キャンベルの姓を持つ人、あるいはその祖先がキャンベル一族の保護下に入り、アーガイル公爵を氏族長として認めた人々は、世界中に推定2,000万人にも及ぶとされています。

1974年、S.キャンベル&サン社はペルノリカール社に買収され、これがペルノリカール社にとって初のスコッチウイスキー事業への進出となりました。買収後に設立されたホールディングカンパニー「House of Campbell」には、当時のキャンベル氏族長であったアーガイル公爵自身が役員として名を連ねていたことも、このブランドが持つ貴族的なイメージを支えています。

クランキャンベルは1978年、まず「5年」がフランス市場向けに発売され、大きな成功を収めます。続いて1985年には「12年」がスペイン・イタリア・英国市場にも展開されました。1990年代後半には年間販売数が100万ケースの壁を突破し、当時「世界で最も急成長したスコッチブランド」と評されるまでに成長。2010年にはフランス国内のブレンデッドウイスキー市場でトップシェアを獲得し、2015年にはフランスの「プレミアムウイスキー人気No.1」に選ばれるなど、フランス市場において絶大な存在感を放ってきました。

原酒はスペイサイドのモルトウイスキーをメインとしており、アベラワーがブレンドの核(ハート)を担っています。需要の急拡大に対応するため、1989年にはインヴァーゴードン蒸留所社からグレンアラヒー蒸留所を追加買収し、キーモルトの供給体制を強化しました。

2023年のStock Spirits社への売却以降、ブランドは新たな展開を見せています。2024年には、クランキャンベル専用のシングルモルト原酒を生産するための新蒸留所「インバレアリー蒸留所」の建設計画が発表されました。アーガイル公爵の居城であるインバレアリー城にちなんだこの新蒸留所は、ブランドとキャンベル氏族の歴史的なつながりをさらに強化する試みとして注目されています。

日本ではほとんど流通しておらず、一部のオールドボトルが出回っている程度ですが、フランスでは今なお人気ウイスキーブランドの上位に位置する、まさに「知る人ぞ知る」実力派ブレンデッドスコッチです。

 

Clan MacGregor クランマクレガー

出典:https://www.amazon.co.jp/

Clan MacGregor クランマクレガー

製造企業:アレクサンダーマクレガー社
系列企業:ウィリアム・グラント&サンズ社
楽天市場価格[2026年7月]:1,050円
40% 700ml

「クランマクレガー」は、グレンフィディック蒸留所などを所有する「ウィリアム・グラント&サンズ社」が1980年代にリリースした比較的新しいウイスキーブランド。グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、ガーヴァンのグレーン原酒を主に使用。

もともと「グランツ」のセカンドラベル的な位置づけでしたが、1990年代に入ると急速な成長を遂げ、1997年には年間販売100万ケースを突破するまでになります。販売先の多くはアメリカ。2000年以降はベネズエラやタイなどの新興国市場での販売量を伸ばしています。

「クランマクレガー」という名は、「マクレガー氏族」に由来。彼らはアーガイル地方に隣接するグレンガイルとグレンロッキーを拠点にしていましたが、1603年にスコットランド国王ジェームズ6世(イングランド国王ジェームズ1世)によって「アウトロー」と宣告され、追放されてしまったという歴史があります。

製造元のアレクサンダーマクレガー社は、マクレガー氏族の復興を目指す会社であり、「クランキャンベル」とは深い因縁があります。クランキャンベルは、マクレガー一族を追いやった「アーガイル公キャンベル」のことを指しており、現在ではウイスキーの「売上」で両者は争う形となっています…

 

Claymore クレイモア

出典:https://www.amazon.co.jp/

Claymore クレイモア

製造企業:A・ファーガソン社
系列企業:ホワイト&マッカイ社
楽天市場価格[2026年7月]:¥1,350 税込
40% 700ml

クレイモアは、スコットランドのハイランド戦士たちが使った両手で持つ巨大な剣を指します。この剣は敵を突くためではなく、なぎ倒すために使用され、その大きさから従者2人に担がせて戦場に運ばれることもあったと言われています。

一方で、ウィスキーのブランド名として使われるようになったのは比較的新しく、1977年にイギリス国内向けの廉価なウイスキーブランドとして市場に登場。当初はDC社傘下の企業が製造していましたが、現在はホワイト&マッカイ社傘下のA・フアーガソン社がブランド権を持っています。

大剣としての「クレイモア」が初めて文献上で登場したのは、13世紀の頃。スコットランド独立の英雄であるウィリアム・ウォレスがイングランド軍を破った1297年のスターリングブリッジの戦いで手にしていたとされています。また、1314年のバノックバーンの戦いで勝利したスコットランド王「ロバート・ザ・ブルース」もクレイモアを所持していたそうです。

これらの物語は、1995年のアメリカ映画『ブレイブハート』でも描かれています。劇中の剣は、歴史的な文献や研究に基づいて再現されたもので、実際の戦闘で使用された剣の大きさとは異なっているようです。

ウイスキーとしての「クレイモア」は、年数表記はありませんが8年熟成の原酒を中心にしてブレンドされています。リーズナブルなブレンデッドスコッチですが、少し個性的なので好き嫌いは分かれるかも。

【あす楽】 クレイモア 40度 700ml

 

Compass Box コンパスボックス

Compass Box コンパスボックス

製造企業:コンパスボックスウイスキーカンパニー社
楽天市場価格[2026年7月]:6,908円(オーチャードハウス)
46% 700ml

「ウイスキー界の異端児」と称される、ロンドン発の独立系ブレンデッドウイスキーブランド「コンパスボックス」。この記事で紹介している「Great King Street グレートキングストリート」も同社の製品。「コンパスボックス」のブランドそのものの成り立ちを知ることで、より深くその世界観を理解できます。

創業者はアメリカ出身のジョン・グレイザー氏。かつてはジョニーウォーカーのグローバルマーケティングディレクターを務めていましたが、大手企業の枠組みに縛られない、自由な発想のブレンデッドウイスキーを追求するため、2000年にロンドン西部のチジック(Chiswick)を拠点として同社を設立しました。

第一弾としてリリースしたブレンデッドグレーンウイスキー「ヘドニズム(快楽主義)」は、自宅のキッチンでブレンドし、エルギンの施設で瓶詰めしたものを自らの車のトランクに詰めて売り歩いたという逸話が残っており、この草の根的なスタートアップ精神こそが、現在のコンパスボックスのブランド哲学の原点となっています。

コンパスボックスを語る上で欠かせないのが、2005年に発売された「ザ・スパイスツリー」を巡る一件です。このブレンデッドモルトはフレンチオーク製の「スティーブ(内側に挿入する薄板)」を使って追加熟成を施すという革新的な手法を採用していましたが、スコッチウイスキー協会(SWA)が「伝統的な製法から逸脱している」としてこれを問題視。

2006年、法的措置を取ると通告され、コンパスボックスはやむなく製造中止に追い込まれます。しかし同社は屈することなく、3年間かけて製法を見直し、2009年にスティーブを使わない新しい二段階熟成の手法で「ザ・スパイスツリー」を再発売。この逆境から生まれた再生の物語は、コンパスボックスの「反骨と創意」を象徴する逸話として、今なお語り継がれています。

コンパスボックス最大の特徴は、2015年から実践している「情報公開ポリシー」。「情報は飲む人の権利である」という信念のもと、使用した蒸留所名、原酒ごとの配合比率、熟成年数、樽の種類までをすべて公開するという、業界では極めて異例の姿勢を貫いています。伝統的なスコッチ業界が原酒構成を企業秘密として守る中、この透明性はコンパスボックスを象徴する存在感となりました。

主要ラインナップの一つ「オーチャードハウス」は、その名の通り「果樹園」をイメージしたフルーティーなブレンデッドモルト。特定の蒸留所の個性にこだわらず、熟したリンゴや洋梨、シトラスのような原酒本来のフルーティーさを引き出すことをコンセプトにブレンディングされています。

もう一つの代表銘柄「ザ・ピートモンスター」は、アイラモルトを中心にブレンドしたスモーキーな一本。ピートの力強さを保ちながらも、エレガントさを感じさせる仕上がりで、World Whiskies Awardsでもゴールドメダルを獲得しています。

また、クライヌリッシュやダルユーイン、ティーニニックといったモルトをブレンドし、ファーストフィルのアメリカンオーク樽で熟成後、フレンチオークの新樽ヘッドを使った特殊な樽で二段階目の追加熟成を施す「ザ・スパイスツリー」も、前述の逸話とともに同社を象徴する一本です。

ブランド創業から一貫してアイコン的存在となっているのが、毎年数量限定でリリースされる「フレーミングハート」シリーズ。スモーキーでスパイシーなブレンデッドモルトの可能性を追求し続けるシリーズで、2025年には創業25周年を記念した特別エディションが登場しました。タリスカー、ベンリネス、そして2種のラフロイグをブレンドした構成で、世界限定9,384本のボトリング。

コンパスボックスはこの他にも、「A-SIDE」「B-SIDE」「デュアリティ」「アーキテクトニクス」など、より高価格帯で実験的な少量生産リリースを継続的に展開しており、伝統的なブレンデッドウイスキーの枠を超えた挑戦を続けています。

2022年、コンパスボックスの経営権の過半数をロンドン系投資会社シーラムキャピタル社が取得。ブランドの成長を加速させる新たな体制へと移行し、2024年春にはジョン・グレイザー氏自身も経営の一線から退きました。

創業者が去った後も、透明性とクラフトマンシップを重視するブランド哲学は現行ラインナップに引き継がれており、2020年にはウイスキーマガジンの「殿堂」入りを果たすなど、業界内での評価は今なお高まり続けています。

 

Cutty Sark カティサーク

Cutty Sark カティサーク

製造企業:ラ・マルティニケーズ
楽天市場価格[2026年7月]:1,150円
40% 700ml

「カティサーク」は帆船のシンボルマークが印象的なブレンデッドスコッチ。日本でも根強くウイスキーファンに愛されており、ドライ&ライトなテイストでリーズナブルなことから、飲食店でもハイボールなどで飲まれている銘柄となっています。

「カティサーク」というブランドの誕生は、1923年にさかのぼります。スペイサイドのグレンロセスを中心としたブレンデッドウィスキーで、禁酒法時代(1920~1933年)のアメリカ市場をターゲットにした、ライトタイプのウイスキーとして人気となります。

カティサークの軽快な味わいは、当時の「ベリーブラザーズ&ラッド社」(BBR社)の社長であったフランシス・ベリーによって考案されています。彼は何度もアメリカに渡航し、市場調査と販売ルートの開拓に努め、大衆受けするウイスキーの開発に成功。禁酒法時代の頃は正規で輸出することはできなかったため、ウィスキーは一度バハマなどに輸出され、そこから密輸される形でアメリカに運ばれていました。

「カティサーク」はアメリカ人の好みに合わせるため、当時一般的であったカラメルによる着色をやめ、純粋な自然の色合いにこだわりました。現在でもこの伝統は守られており、カティサークにはカラメルなどの人工的な着色料は一切使用されていません。

ラインナップには、オリジナルをはじめ、12年や18年などの定番ボトルが揃っています。

ブランド権は長らくBBR(ベリー・ブラザーズ&ラッド)社が保有していましたが、2010年にエドリントン・グループへ譲渡され、その後2018年末にフランスの酒類メーカー、ラ・マルティニケーズ(La Martiniquaise)へ売却されました。

現在はラ・マルティニケーズのもとでブランド展開が進められており、世界市場に向けたマーケティングにも一層力が注がれています。

 

Dewar’s デュワーズ

Dewar’s デュワーズ

製造企業:ジョン・デュワー&サンズ社
系列企業:バカルディ社
楽天市場価格[2026年7月]:1,375円(デュワーズ ホワイトラベル)
40% 700ml

スコッチの代表銘柄といっても過言ではない「デュワーズ」。「ビッグファイブ」と呼ばれるウイスキー会社のリーダー的な存在でした。

ビッグファイブとは、当時誕生して間もなかったブレンデッドスコッチを世界に広めた(認めさせた)銘柄のこと。ウイスキーは当時、「スコットランドの地酒」でしかなかった訳ですが、シングルモルトよりも飲みやすいブレンデッドウイスキーが誕生してからは、ビッグファイブを中心とした数多くの銘柄が海外で販売されるようになります。ビッグファイブはその中でも代表的な5ツのブランドであり、ウイスキーの発展に大きく関わりました。

ビッグファイブは以下の通り。

ブラック&ホワイト」のジェームズ・ブキャナン
ヘイグ」のジョン・ヘイグ
ジョニーウォーカー」のアレクサンダー・ウォーカー
ホワイトホース」のピーター・マッキー
デュワーズ」のトーマス・デュワー(創業者 ジョン・ディワーの息子)

ジョン・ディワー&サンズ社の創業は1864年。小さなワインとスピリッツを取り扱う商社として誕生します。そして実際に同社を大きく成長させたのは、創業者の息子たち。兄「アレクサンダー」と弟「トーマス」の兄弟。兄と弟は生産部門と販売部門をそれぞれ担当し、力を合わせてウイスキーの価値を高めていきます。

ディワーズの名声を確固たるものにしたのが。現在でもフラッグシップボトルとなっている「ディワーズ・ホワイトラベル」。このウイスキーは、禁酒法後のアメリカ市場で人気となります。

現在は1998年にバカルディ社に買収され、同グループの傘下となっていますが、ジョン・ディワー&サンズ社としてのウイスキー造りは継続されています。そして未だにアメリカ市場では根強く人気があり、スコッチの売上1,2を争う存在です。

 

The Epicurean ザ エピキュリアン

The Epicurean ザ エピキュリアン

製造企業:ダグラスレイン社
楽天市場価格[2026年7月]:5,480円
46.2% 700ml

「リマーカブルリージョナルモルト」シリーズの中で、最後に完成したローランド地方担当のブレンデッドモルトウイスキー「ザ・エピキュリアン」。

「エピキュリアン(Epicurean)」とは、古代ギリシャの哲学者エピクロスの名に由来する言葉で、「快楽主義者」「美食家」を意味する英単語です。ブランドストーリーによれば、1930年代のグラスゴーには、この名で呼ばれたパーティー好きの人物がいたそうです。

彼がウイスキーを楽しむときは、いつも彼を慕う者たちに囲まれ、自身の武勇伝や異国の地での出会い、旅先で楽しんだ食べ物や飲み物の話をして周りを楽しませていたと言われています。ダグラスレイン社は、この豪快放埓な人物への敬意を込めて、このブレンデッドモルトに「ザ・エピキュリアン」と名付けました。

ローランド地方は稼働蒸留所の数がスコットランド国内で最も少ない地域。そのため「リマーカブルリージョナルモルト」シリーズの中でも、ローランド担当ボトルの実現は難航するのではないかと噂されていましたが、シリーズの中では一番遅れて2016年にリリースされました。

使用されているのはオーヘントッシャンとグレンキンチーの2つのモルトを中心に、非公開のシークレットモルトを1つ加えたヴァッティング。ラベルには先述のエピキュリアンをイメージした紳士のイラストが描かれています。

キーモルトの一つであるオーヘントッシャンは、ライトな香りと軽いボディが特徴。クリームブリュレやシトラス、ナッツ、若葉のような香りに、キャラメルのような甘さとジンジャーの余韻を持ちます。

もう一方のグレンキンチーは軽くドライな味わいが個性で、花や芝草、青りんごの香りにバニラやジンジャークッキーのような麦芽の甘みを感じさせます。この2つのモルトの個性が組み合わさることで、ローランドらしい軽快さと透明感のある甘さが「ザ・エピキュリアン」の味わいの骨格を作っています。

口に含むと、大麦の甘さにシトラスやハーブの香りが広がります。とろみのある甘い味わいの中には、砂糖やスパイス、ピーチのような複雑な風味が絡み合い、心地よいフィニッシュへと余韻が続きます。ノンカラー・ノンチルフィルターでボトリングされているのも、ダグラスレイン社のシリーズ共通のこだわりです。

ストレートやロックでの飲み方がおすすめですが、加水しても味のバランスが崩れにくいため、ハイボールとしても楽しめる懐の深さがあります。

上位ボトルとして12年熟成版も存在し、こちらは甘みのある香りと味わいがより強く、熟成由来のナッツやスパイス感が加わった、よりリッチな仕上がりとなっています。また、最高級カルバドス樽で仕上げた「カルバドスカスクエディション」や、コニャック樽で仕上げた「コニャックカスクエディション」、48%・1000mlサイズでトラベルリテール限定の「グローバル・トラベラーズ・エディション」など、限定版も度々リリースされています。

 

Famous Grouse フェイマスグラウス

出典:https://www.amazon.co.jp/

Famous Grouse フェイマスグラウス

製造企業:マシュー・グローグ&サンズ社
系列企業:エドリントングループ社
楽天市場価格[2026年7月]:¥1,614 税込 (ザ フェイマスグラウス ファイネスト)
40% 700ml

雷鳥がシンボルのブレンデッドスコッチウイスキー「フェイマスグラウス」。製造しているマシュー・グローグ&サンズ社の創業は1800年。パース近郊で貴族の領地の管理人(執事)をしていたマシューによって設立。当初はワインを中心に販売していましたが、自社ブランドのウイスキーも手がけるようになったことで、急速に事業を拡大させます。

そして彼の死後、3代目マシュー・グローグによって新しいブランド「ザ・グラウス・ブランド」が完成。当時、上流階級の間でブームだったグラウスシューティング(雷鳥狩り)をモチーフとしたブランドを作ることで、上流階級にアピールする狙いから名付けられています。雷鳥はスコットランドの「国鳥」でもあることからも親しみがわくようで、雷鳥ラベルのウイスキーは大成功します。

その後ブランド名を「ザ・フェイマスグラウス」に変更。独創的なキャッチコピーなども人気を加速させ、1930年代にはアメリカ市場に進出。世界中に販路を拡大します。

1970年に経営権はロバートソン&バクスター社(後のエドリントングループ社)に譲渡され、家族経営からグローバル企業へと変貌を遂げることになります。しかし大手の傘下にはいることで、フェイマスグラウスの「グレンロセス」「タムドゥー」「ハイランドパーク」「マッカラン」などのモルト原酒を安定的に確保することが可能となり、現在でもメジャーなスコッチとして人気を博しています。

 

Fort William フォートウィリアム

出典:https://www.amazon.co.jp/

Fort William フォートウィリアム

製造企業:ベンネヴィスディスティラリー社
系列企業:ニッカウヰスキー
楽天市場価格[2026年7月]:1,157円
40% 700ml

ベンネヴィス蒸留所が手がけるブレンデッドウイスキーは2種類あって、一つが「ネヴィス・デュー」。そしてもう一つのブランドが「フォートウィリアム」になります。以前はシングルモルトと同じ「ベンネヴィス」の名で販売されていましたが、混同されてしまうことから2012年に「フォートウィリアム」に名称変更されています。

フォートウィリアムとは、西ハイランドの古くから繁栄した港町の名前。背後にはイギリスで最も高いベンネヴィス山(標高1,344メートル)がそびえ立っており、リゾートタウンとして有名です。町の端に位置にはベンネヴィス蒸留所があります。

べンネヴィス蒸留所は1825年に創業者である「ロングジョン」として知られるジョン・マクドナルドによって建てられました。ジョンは身長193センチの長身で、かつては彼に因んで名付けられた「ロングジョン」というブレンデッドスコッチも生産していました。彼の死後、ブランド権はペルノリカール社に移行。そのため現在はロングジョンとベンネヴィス蒸留所との関係は絶たれてしまいました。

ベンネヴィス蒸留所その後、いくつかの企業の傘下となっていましたが、1989年にニッカウヰスキーによって買収され、現在も同社のもとで運営されています。「フォートウィリアム」は、日本とスコットランドの技術が融合した製品であり、中身は主にペンネヴィスのモルト原酒を中心にブレンドされています。

 

The Gauldrons ザ ゴールドロンズ

The Gauldrons ザ ゴールドロンズ

製造企業:ダグラスレイン社
楽天市場価格[2026年7月]:5,980円
46.2% 700ml

「リマーカブルリージョナルモルト」シリーズの中で最後に発表された、キャンベルタウン地方担当のブレンデッドモルトウイスキー「ザ・ゴールドロンズ」。

「ゴールドロンズ(Gauldrons)」という名前は、キャンベルタウンの西海岸に実在する、暗く嵐のような入り江の地名がそのまま由来となっています。ゲール語で「嵐の湾」を意味するこの名は、かつて「スコッチウイスキーの首都」と呼ばれるほど繁栄したキャンベルタウンが、今では稼働蒸留所がわずか3か所しか残っていないという歴史の変遷を静かに物語っています。

ラベルには、その入り江のきめ細やかな砂地で懸命に巣を張るクモが描かれており、これは戦いに敗れ失意の中にあったロバート・ザ・ブルース王が、幾度失敗しても諦めずに巣を張り続けるクモの姿から勇気を得たという伝説にちなんだデザインです。このラベルはワールドウイスキーデザインアワードでベストラベルデザイン賞を受賞したとされています。

キャンベルタウンは19世紀には30以上の蒸留所が稼働し、スコッチ産業の中心地として栄えましたが、禁酒法時代のアメリカへの輸出激減や世界大戦、原酒の品質低下などが重なり、20世紀前半にほとんどの蒸留所が姿を消しました。2026年現在では、スプリングバンク、グレンスコシア、グレンガイル(キルケラン)の3か所のみが稼働しており、原酒の入手自体が非常に困難な地域となっています。

「ザ・ゴールドロンズ」は、その中でも絶大な人気を誇るスプリングバンクと、根強いファンを持つグレンスコシアのモルトのみを使用した、まさに贅を尽くしたキャンベルタウンブレンデッドモルトです。生産量限定のシリーズで、ロット(バッチ)ごとに原酒構成が少しずつ異なるのも特徴の一つです。

キャンベルタウンモルトらしい潮気のある塩気と、麦芽由来の素朴な甘みが同時に感じられるのが最大の特徴。ノーズでは海のしぶきや穏やかなスモーク、マヌカハニー、乾いた海藻のニュアンスが香り立ちます。

口に含むと、まず海を思わせるドライな塩気が現れ、続いて甘いショートブレッドや乾いたオーク、シリアルを思わせる麦芽感が広がります。フィニッシュでは、スパイスと共にほのかな海塩とマダガスカル産バニラ、シナモンパンケーキのような甘さが長く続きます。ノンカラー・ノンチルフィルターでボトリングされているのも、シリーズ共通のこだわりです。

スタンダード版(46.2%)に加えて、カスクストレングス版(52.8%、限定3,000本以下)や、シェリー樽で追加熟成させた日本市場限定の「シェリーカスク」シリーズ(50%)など、複数のバリエーションが展開されています。

「シェリーカスク」はシリーズの中でも特に人気が高く、シェリー由来のダークフルーツや本物のシェリーを思わせる甘み、より濃厚な塩気の波が長く続く味わいが楽しめる限定ボトルとして知られています。

近年ではさらに「ザ・ゴールドロンズ エクリプス」という新たなバリエーションもリリースされており、シリーズの展開は今なお続いています。おすすめの飲み方はストレートに軽く加水するスタイルで、加水することでキャンベルタウンモルト特有の芳醇な香りがより開きやすくなります。

 

The Gladstone Axe ザ グラッドストンアクス

出典:https://item.rakuten.co.jp

The Gladstone Axe ザ グラッドストンアクス

製造企業:ビガーアンドレイス社(アメリカ・フロリダ州サラソタ拠点)
楽天市場価格[2026年7月]:3,380円(ザ グラッドストンアクス アメリカンオーク)
41% 700ml

ブレンデッドウイスキーの合法化に道を開いたイギリス元首相の名を冠したブレンデッドモルトウイスキー「ザ・グラッドストンアクス」。

「グラッドストンアクス」という名前は、ヴィクトリア女王の時代に4度にわたって英国首相を務めたウィリアム・ユアート・グラッドストン(William Ewart Gladstone)に由来しています。

1860年、彼が「スピリッツ法(Spirits Act)」を制定したことで、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドする行為が初めて合法化され、これが今日のブレンデッドウイスキー産業誕生の礎となりました。グラッドストンにはもう一つ、木の伐採に情熱を注ぐという趣味があり、これが「アクス(斧)」というブランド名、そしてラベルに描かれた斧を持つグラッドストンの肖像デザインの由来となっています。

このブランドを生み出したのは、アメリカ・フロリダ州サラソタを拠点とするスピリッツプロデューサー、ビガーアンドレイス社。創業者のエルウィン・グラッドストン氏は、ウィリアム・グラッドストンから数えて5代下にあたる子孫です。

彼はスコットランドに家族のルーツを持つことに強い誇りを抱いており、先祖であるグラッドストンとその「斧」こそが、スコッチウイスキーを語るのにこれ以上ないストーリーだと考え、2021年にブランドを正式に立ち上げました。

「ザ・グラッドストンアクス」の最大の特徴は、グレーンウイスキーを一切使用せず、100%モルテッドバーレー(モルトウイスキー)のみで構成されたブレンデッドモルトである点です。

ハイランドとアイラ、合計14の蒸留所のシングルモルトを厳選してブレンドしており、通常のブレンデッドスコッチとは一線を画す、原酒の個性が濃く反映された味わいが楽しめます。ボトルにはグラッドストンの生涯を描いたエンボス加工が施され、キャップは青い蝋でシーリングされるなど、装丁にもこだわりが見られます。

ラインナップは大きく2種類。

スタンダード品である「ザ グラッドストンアクス アメリカンオーク」は、14蒸留所のハイランド・アイラモルトをアメリカンオークのバーボンバレルで熟成させたタイプで、キャラメルやトフィー、バニラ、ホワイトペッパー、ドライバナナ、アプリコット、青リンゴ、蜂蜜がけのグラノーラなど複雑な香りが特徴。米国の専門誌Whisky Advocateでは88点という高評価を獲得し、2023年のサンフランシスコ・ワールドスピリッツコンペティションでもダブルゴールドメダルを受賞するなど、国際的な評価も高い一本です。

もう一方の「ブラックアクス」は、同じく14蒸留所のブレンドながらアイラモルトの比率を高めた、よりスモーキーな仕上がりのタイプです。

両者とも同じバーボン樽での熟成という条件下で、原酒構成の違いによる個性の差を楽しめる設計になっており、飲み比べることでブレンディングの奥深さを体感できるのも魅力の一つです。なお、この2種のスタンダードラインに加えて、熟成年数を明記した「12年」や少量ボトルの「Wee Nip」といった上位ラインナップも展開されており、ブランドとしての奥行きを広げています。

 

Grant’s グランツ

Grant’s グランツ

製造企業:ウィリアムグラント&サンズ社
楽天市場価格[2026年7月]:1,198円(グランツ トリプルウッド)
40% 700ml

ウィリアム・グラント&サンズ社は、1887年にダフタウンの町にグレンフィディック蒸留所を創設したことで知られています。ウィリアム・グラントは、父が仕立て屋であった家庭に生まれながらも、独立してウィスキーの蒸留業者として成功。彼はワーテルローの戦いに参戦した勇者の息子として育ちましたが、彼自身は父の仕事を継がず、ウイスキー造りを行うことを決意します。

グレンフィディック蒸留所は、1887年12月25日に最初のウィスキーが蒸留され、それが家族総出で築かれた成功のスタートでした。その後、ウィリアム・グラントは隣接するバルヴェニーハウス(領主の館)を買い取り、改装して第2の蒸留所「バルヴェニー」を設立。

しかし、1898年には大手ブレンド会社「パティソンズ社」が倒産し、顧客として原酒を卸していたウィリアム・グラント&サンズ社は厳しい状況になります。この危機に立ち向かうため、ウィリアム・グラントは自社の原酒を使用した商品を開発することとなります。

そして完成したのが「グランツ・スタンド・ファースト」。ウィリアム自らがブランドを手がけた商品となり、現在でもウィリアム・グラント&サンズ社の伝統と品質を体現したものとして、世界中で高く評価されています。

現在のスタンダードボトルは「グランツ トリプルウッド」。より個性的に仕上げた「グランツ トリプルウッド スモーキー」も近年急速に売上を伸ばしています。

グランツ トリプルウッド 40度 箱付 700ml 正規品 スコッチウイスキー ブレンデッド ((YCGTTHJ0))
ワインプレス

 

Great King Street グレートキングストリート

出典:https://www.amazon.co.jp/

Great King Street グレートキングストリート

製造企業:コンパスボックス社
楽天市場価格[2026年7月]:5,780円
43% 500ml

「グレートキングストリート」はボトラーズ会社の「コンパスボックス社」が手がけるブレンデッドスコッチウイスキー。創業者は元ジョニーウォーカーのグローバルマーケティングディレクターであったジョン・グレイサー氏で、同社は業界の革命児として知られ、その革新的なアプローチで注目を集めています。

この商品は2011年にリリース。エジンバラに実在する「通りの名前」を商品名に採用しており、この通りはコンパスボックス社の本社所在地でもあります。実はこの「グレートキングストリート」という通りが建設されたのは1823年。これはスコッチウイスキーの合法的な蒸留を実質的に可能にした「エクサイズ法(酒税法)」が制定されたのと同じ年であり、偶然にも歴史の節目と重なる場所にブランドの名が冠されているのです。

通常のブレンデッドスコッチとは異なり、グレートキングストリートは非常に独創的なコンセプトで構築されています。

ブレンドの構成については詳細なデータが公開されており、使用している原酒は4種類。グレーンウイスキーはローランドのキャメロンブリッジ蒸留所産を46%。モルトウイスキーは北ハイランドのクライヌリッシュ蒸留所産が2種(ティーニニックやダイユーリン蒸留所とのブレンドを含む場合あり)、スペイサイドのリンクウッド蒸留所産が1種の計3種類使用しています。

なお、このレシピは発売以来何度か調整されており、近年の公式データではモルトの比率がさらに高まる傾向にあります。

熟成樽は66%がファーストフィルのアメリカンオーク・バレル。26%がニューフレンチオーク・フィニッシュ、8%がファーストフィルのシェリーバット(発売当初の公表比率。現在は年次によって多少変動あり)。「ニューフレンチオーク・フィニッシュ」は、シングルモルトでもあまり聞かない種類の樽ですが、これはフレンチオークの鏡板を新材に付け替えたもの。日本の蒸留所では、「ミズナラ材」で鏡面だけを組み替えた樽(ミズナラヘッド)がありますが、フレンチオークでも同じような技法が使用されているようです。

「ニューフレンチオーク・フィニッシュ」は、コンパスボックス社独自の熟成樽。常に新しい香りや味わいを追求する姿勢を貫いており、これからもウイスキー愛好家を刺激し続けることでしょう。

なお、グレートキングストリートには2014年発売の姉妹品「グラスゴーブレンド」も存在します。こちらはモルト比率を約67%まで高め、アイラ・ハイランド・スペイサイドのモルトを使用したよりスモーキーでスパイシーな仕上がりが特徴。

「グラスゴーの人々はよりコクのある力強いウイスキーを好む」という古くからの説にインスパイアされて生まれたバリエーションで、アーティストブレンドと飲み比べてみるのもおすすめです。

 

 

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