【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル6選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではスコットランド・アイランズにある蒸留所で造られたシングルモルトウイスキーをご紹介致します。

アイランズで造られているウイスキーは「諸島モルト」とも呼ばれており、スコットランドの西海岸にある島々で生産されるウイスキーの総称です。

アイランズには多様な地形や気候条件があり、それぞれの島々が独自の個性を持っています。そのため、アイランズモルトは多彩な味わいを持ち、他の地域のシングルモルトとは異なる独自性があります。

2023年現在、アイランズには10カ所の蒸留所が存在していますが、今回はその中から「入手可能なオフィシャルボトル」をリリースしている蒸留所と、おすすめのシングルモルトウイスキー6本(6か所)を解説。

オフィシャルボトルを販売していない蒸留所や、まだ創業して間もない蒸留所のウイスキーは対象外としています。

 

アイランズを含めたスコットランドの蒸留所とウイスキーをチェックしたい方は、こちらの記事をご覧ください↓

 

【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル6選

  1. アイル・オブ・ジュラ Isle of Jura
  2. スキャパ Scapa
  3. タリスカー Talisker
  4. トバモリー Tobermory
  5. ハイランドパーク Highland Park
  6. ロックランザ Lochranza (旧アラン Arran)

 

【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|アイル・オブ・ジュラ Isle of Jura

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Jura,_Scotland#/media/File:Craighouse_from_the_pier_-_geograph.org.uk_-_755742.jpg

アイル・オブ・ジュラ Isle of Jura
地域:アイランズ(ジュラ島)
創業年:1810(1960)
エンペラドール・ディスティラーズ社

アイラ島の北東に位置しているジュラ島は、人口180人に対し鹿の数は5000頭という、自然に恵まれた小さな島です。一度は生産停止(閉鎖)しましたが、1963年に新たに建設された「新ジュラ蒸留所」で生産が再開されました。

年間生産量は240万ℓ。初留、再留2基ずつ。原酒はホワイト&マッカイのブレンドに使用されていますが、近年はシングルモルトでの人気も高まり、出荷量は増えています。2018年にはオフィシャルボトルがリニューアル。くびれのある特徴的なボトルデザインへと変わっています。

アイルオブジュラ 10年

アイルオブジュラ 10年

  • アルコール:40%
  • 参考価格:4400円

アイラオブジュラ10年は、アイランズモルトとしてはビギナーにも飲みやすいウイスキーで、甘さが主体でクセが穏やか。フルーティーな香りと、リンゴやハチミツのような上品な甘さが味わえます。

ストレートで愉しんでも柔らかさがあり、フィニッシュにかけてはクリアでスムース。

アイランズモルトらしい個性的な味わいを求めている人にとって、ジュラ10年は少し物足りないところもあるかもしれませんが、シングルモルトとしてバランスに優れているほうだと思います。

ストレートで加水をしながら。または、すっきりと飲みたい場合はハイボールも良いでしょう。

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【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|スキャパ Scapa

スキャパ Scapa
地域:アイランズ(オークニー諸島メインランド島)
創業年:1885
ペルノ・リカール社

オークニー諸島メインランド島にある蒸留所といえば、ハイランドパークとスキャパ。蒸留所はスキャパ湾を望む高台にあり、海に面した位置に建てられています。ウイスキーはハイランドパークとは対局な個性と言ってよいでしょうか。

ハイランドパークではヘザーピートの効いた自家製麦芽を使用し、オークニーらしい個性的な原酒造りをしていますが、スキャパはノンピーテッドモルトを使用したライト仕上がりです。仕込み水が「中硬水」であることや、独特な島の気候で熟成していることからももう少し個性的になっても良いのでは?と思う所はいくつもあるのですが、最終的にボトリングされたウイスキーは程よく落ち着きのある風味となっています。

生産能力は年間130万ℓと小規模。ポットスチルは初留、再留1基ずつ。ブレンデッドウイスキー「バランタイン」の原酒となっています。

スキャパ スキレン

スキャパ スキレン

  • アルコール:40%
  • 参考価格:7500円

2015年にスキャパ16年が終売となり、現在ブランドを支えている「スキャパ スキレン」は、同じオークニー諸島のハイランドパークとは異なる個性をもっています。

ノンピート麦芽から生み出される原酒は、スムースでやや塩気のある味わい。ハチミツやシトラスのニュアンスがあり、ハイランドやスペイサイドとも違った独特の風味を感じます。

おだやかでクセの少ないウイスキーですので、飲み方はストレートの他、ハイボールやロックもおすすめ。

「スキャパ スキレン」となってからはフィニッシュにかけての奥行きが弱くなり、ライトボディにまとまった個性となりました。16年物とスキレンを比べるのもかわいそうですが、スキャパの魅力の詰まった素晴らしいウイスキーでしたので、飲む機会があったら16年はぜひ飲んでみて下さい。

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スキャパ
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ユースケ
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並行輸入品で「スキャパ グランサ」というオフィシャルボトルもあります。

 

 

 

【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|タリスカー Talisker

タリスカー Talisker
地域:アイランズ(スカイ島)
創業年:1830
MHD

タリスカーのあるスカイ島はインナーヘブリディーズ諸島最大の島で、切り立った高い山の多いことから霧が発生しやすいことでも有名です。

人口1万人にも満たない島ですが、夏には多くの旅行客や訪問者で来島。島の中心部の町、ポートリーの美しい港街の景観は多くの人を魅了しています。そして島に来る人の多くは、スカイ島のシンボルと言うべきタリスカー蒸留所を訪れており、年間6万人以上が見学にきています。

2000年代からシングルモルトの販売に力を入れ、現在はシングルモルトの売上トップ10に入るほど人気となっています。そのため、造られている原酒のほとんどがシングルモルトに。

タリスカー10年

タリスカー10年

  • アルコール:45.8%
  • 参考価格:4700円

タリスカー10年はアイランズモルトの中でも個性的な位置づけのウイスキーです。アイラ島の人気シングルモルトと並ぶ売上本数を誇っており、スカイ島を代表するウイスキーであり、特産物と言えます。

口に含むとヘザー、蜂蜜、キャラメルのような甘く温かみのある香り。少し辛めのペッパーとスモーキーな味わいが混ざり合い、独特の味わいを感じます。

スモーキーなだけではなく、フルーティーさや甘みがあるのも魅力的。黒胡椒を仕上げに振りかけた「タリスカー・ハイボール」は有名になりましたが、個人的にはそのままストレートか、普通にソーダ割をおすすめします。

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【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|トバモリー Tobermory

トバモリー Tobermory
地域:アイランズ(マル島)
創業年:1798
ディステル・グループ社

蒸留所のあるマル島は、スカイ島とジュラ島の中間付近にあります。創業は1798年と古い歴史があり、オーナーはいく度となく変わって、生産と休業が繰り返される時期もありました。

1993年からはバーンスチュワート社の所有となり生産は安定。その後2013年には現オーナーであるディステル社が買収し、大規模な改修工事が行われます。

改修後の2019年以降は、年間生産量100万ℓ。ポットスチルは初留、再留2基ずつで、計4基は全て新しく取り換えられています。

トバモリー12年

トバモリー12年

  • アルコール:46.3%
  • 参考価格:6600円

トバモリー蒸留所ではピーテッドタイプの「レダイグ10年」もありますが、ノンピート仕込みの「トバモリー12年」をフラッグシップボトルとしてご紹介します。

トバモリーはアイランズモルトの中でもクセが少なく飲みやすいタイプ。蒸留所にはエージングセラー(熟成貯蔵庫)がないため、原酒はすべて本土にある集中熟成庫に送られて熟成しています。

本土で貯蔵されているのにも関わらず、トバモリーは生まれ育ったマル島の風土を感じさせる個性。フルーティーで、ハチミツやレモンのような柔らかいフレーバー。若干の潮気がありつつもバランスが取れた味わいです。

加水するとやや印象が弱くなるので、ストレートかトワイスアップでどうぞ。

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【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|ハイランドパーク Highland Park

ハイランドパーク Highland Park
地域:アイランズ(オークニー諸島メインランド島)
創業年:1798
エドリントングループ社

創業は1798年ですが、オーナーが何度も変わっていく間に蒸留所の設備は増改築を繰り返し、現在の建物となったのは1860年代。今も変わらぬ石造りでつくられた建物が印象的。

ハイランドパークは現在でも伝統的な製麦「フロアモルティング」を続けている数少ない蒸留所です。麦芽に炊き込むのはハイランドパーク独自のピートボグ(採掘場)でとれた、個性的なヘザーピート。ピートと熱風の両方をバランスよく使い、フェノール値40~42ppmの自家製麦芽をつくります。

自家製麦の割合は全体の3割ほどで、この他に本土でつくられたノンピーテッド麦芽を使用。ピーテッド麦芽とノンピーテッド麦芽を混ぜ込むことで、最終的なフェノール値は10~15ppmとなっています。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング オナー

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング オナー

  • アルコール:40%
  • 参考価格:5500円

2017年にリニューアルされた「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング オナー」は、ヴァイキングの伝統を体現させたボトルデザインとなっており、ハイランドパークのフラッグシップボトルとして愛されています。

「ヴァイキング・オナー」というサブブランド名は、オークニー諸島に古くから根付くヴァイキング文化への敬意を表しており、ハイランドパークの核心的な存在である祖先伝来の「ヴァイキングスピリット」に対しての敬意を象徴するもの。

香りはヘザーハニーの甘さとピーティーな個性。やや丸みを帯びたスモーキーさに、甘いモルト感、フルーティーさ。フィニッシュにかけてはハイランドパークらしいヘザーピートの余韻も感じます。

ボディがしっかりとしたウイスキーですので、様々な飲み方でおいしく飲むことができます。

 

【2023年版】アイランズのシングルモルトスコッチウイスキー|ロックランザ Lochranza (旧アラン Arran)

ロックランザ Lochranza (旧アラン Arran)
地域:アイランズ(アラン島)
創業年:1993年
アイル・オブ・アラン・ディスティラーズ

ロックランザという効きなれない名前に困惑する方も多いと思いますが、旧アラン蒸留所が改名される形でロックランザという名前になりました。

アイル・オブ・アラン・ディスティラーズはアラン島の南部「ラグ(ラッグ)」という地域に新たな蒸留所を2018年にオープンしており、その際に元のアラン蒸留所は所在地の名称からとって「ロックランザ」と呼ぶように変更。

アラン島では現在、北部のロックランザ蒸留所と、南部のラグにできたラグ蒸留所の2か所でウイスキーを生産しています。原酒もそれぞれを造り分けているようで、かつてのアラン蒸留所で造られていた55ppmのヘビリーピーテッドウイスキーは、いまでは新蒸留所で造るようになっています。

アランモルト10年

アランモルト10年

  • アルコール:46%
  • 参考価格:7000円

オフィシャルボトルが充実しているアランですが、フラッグシップは「アランモルト10年」です。アランの個性をバランスよく感じます。

原酒はファーストフィルのバーボンバレルで熟成されたものを中心に、シェリーホグスヘッドの原酒をブレンド。香りには蜂蜜、シトラス、リコリス、バタースコッチ、リンゴ。軽いスパイス香とフルーティーさが絡み合った複雑な個性。

現在のボトルにリニューアルされてからは、主要なウイスキーコンペティションでも評価されており、アイランズモルトのなかでもクオリティの高いウイスキーです。

アランをまだ飲まれていない方は、まずはアランモルト10年から味わうのがおすすめ。ストレートやロックでゆっくりと味わいましょう。

 



 

アイランズモルト(諸島モルト)は、アイラ島とも違った独特な製法で作られているものが多く、その複雑な個性は多くのモルトファンを虜にしています。そして、今回ご紹介した銘柄以外にも、魅力的なオフィシャル・アイランズモルトがいくつかあります。

ルイス島の「アビンジャラク」は発売されたばかりで生産量が少なく、まだ気軽に購入することはできませんがすでに一定の評価を得ています。また、ハリス島の「アイル・オブ・ハリス」など、これからリリースされる予定のウイスキーにも注目したいですね。

ハイランドやスペイサイドのウイスキーもいいけど、ちょっと個性のあるアイランズモルトもいいですね。気に入ったボトルがあったら、ぜひ購入してみて下さい♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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