【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル6選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTubeTikTokでカクテル動画を公開中!

この記事ではスコットランド・ローランド地域の蒸留所で造られたシングルモルトウイスキーをご紹介致します。ネットショップや店頭などで、今すぐ購入可能なローランドのシングルモルトウイスキーを知りたい方におすすめの内容となっております。

2023年現在、ローランドには10カ所以上の蒸留所が存在していますが、今回はその中から「入手可能なオフィシャルボトル」をリリースしている蒸留所と、おすすめのシングルモルトウイスキー6本(6か所)を解説。

オフィシャルボトルを販売していない蒸留所や、まだ創業して間もない蒸留所のウイスキーは対象外としています。

 

ローランドを含めたスコットランドの蒸留所とウイスキーをチェックしたい方は、こちらの記事をご覧ください↓

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル6選

1. アイルサベイ Ailsa Bay
2. オーヘントッシャン Auchentoshan
3. キングスバーンズ Kingsbarns
4. クライドサイド Clydeside
5. グレンキンチー Glenkinchie
6. リンドーズアビー Lindores Abbey

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|アイルサベイ Ailsa Bay

出典:https://www.ailsabay.com/

アイルサベイ Ailsa Bay
地域:ローランド
創業年:2007
ウィリアム・グラント&サンズ社

ウィリアム・グラント&サンズ社によってグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィに次いで2007年に誕生した蒸留所。蒸留器は初留8基、再留8基となる大型蒸留所です。年間生産量は1200万ℓ。

特徴的なのは16基の蒸留所のなかでワンペアだけがステンレス製になっている所。スコッチでは通常銅製が使用されており、ステンレスでは不香気成分が発生しやすくなるため、基本的には使用されていません。一部にステンレス製を導入することで、個性の強くヘビーな原酒造りをして他の3つの蒸留所と差別化しているのでしょうか。

アーストン 10年 シーカスク

アーストン 10年 シーカスク

アルコール度数:40%
参考価格:4300円

アイルサベイ蒸留所のオフィシャル・シングルモルトの名前は「アーストン」。現在2種類がスタンダードとしてリリースされています。

一つは「アーストン ランドカスク」。ピーテッド麦芽仕込みで、内陸の貯蔵庫を使用して熟成した原酒を使用しています。そしてもう一つが「アーストン シーカスク」。こちらは海岸近くの貯蔵庫で熟成させた原酒を使っています。

ピート香は感じず、スムース&フレッシュ。ハイランドモルトのような個性。「ティーニニック」や「オールド・プルトニー」に似ているでしょうか。

生産量こそ多い蒸留所ですが、シングルモルトとしての知名度はこれから。今後が楽しみです。

アーストン 10年 シーカスク

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|オーヘントッシャン Auchentoshan

オーヘントッシャン Auchentoshan
地域:ローランド
創業年:1823
ビームサントリー

ローランドを代表する蒸留所。創業者がアイルランド人であったことと、グラスゴーやエディンバラなどの大都市に近いこともあって、ウイスキーはクリアでスムースな酒質となる3回蒸留で生産されています。初留釜、後留釜、再留釜の3つのスチルから生み出される原酒は年間200万ℓ。シングルモルトスコッチでありながらクセが少ない味わいなので、世界的に流行しています。

オーヘントッシャン 12年

オーヘントッシャン 12年

アルコール度数:40%
参考価格:4200円

穏やかな個性が人気のオーヘントッシャンですが、12年物はアメリカンオークのバーボン樽で熟成した原酒を使用しており、以前よりも力強い味わいとなって印象です。かつて流通していた「オーヘントッシャン10年(トール瓶)」と比べると、ボディがあって樽香がしっかりとしています。

3回蒸留によって、クリアな原酒を生み出しやすい蒸留所ですが、近年は熟成樽を工夫することで様々なタイプを生み出していますね。

クセがなくて飲みやすい味わい。水割り、ロック、ハイボール。飲み方を選びません。

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|キングスバーンズ Kingsbarns

出典:https://whisk-e.co.jp/products/dreamtodram/

キングスバーンズ Kingsbarns
地域:ローランド
創業年:2014
ウィームス・ディスティラリー社

ローランドのファイフ地方に創業。付近には世界的なゴルフ場「セント・アンドリュース」があります。蒸留所は古い農場を改造してつくられており、規模は小さいながら年間60万ℓを生産しています。

オーナーはブレンデッドウイスキーの製造及び、ボトラーズとしても名高いウィームス家。実は地元でも有名な名門貴族。キングスバーンズが所有する初めての蒸留所です。

キングスバーンズ ドリーム トゥ ドラム

キングスバーンズ ドリーム トゥ ドラム

アルコール度数:46%
参考価格:7400円

まだ新しい蒸留所ですが、ウイスキーのスタイルはローランドモルトの王道といってもいい個性です。地元産のスコティッシュ・バーレイのみを使用した、ノンピーテッド麦芽から造られてた「キングスバーンズ ドリーム トゥ ドラム」は、ライトボディで華やか。

モルト、青りんご、ハチミツ。繊細でクリア。やや飲みごたえに欠けるような所もありますが、酒齢が若いことが要因の一つかもしれません。

もう少し生産量が増えて価格が安定すれば、ローランドモルトの代表格としておすすめできる1本です。

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|クライドサイド Clydeside

出典:https://www.theclydeside.com/

クライドサイド Clydeside
地域:ローランド
創業年:2017
モリソングラスゴー・ディスティラリー社

ボトラーズの「ADラトレー社」のオーナーでもある、モリソン家のティム・モリソン氏が2017年に創設。1877年に、ティム氏の曽祖父「ジョン・モリソン」が、貿易の中心地として栄えていたグラスゴーにクイーンズドック(大型貨物船の積み下ろし港湾地区)を建設。クライドサイドは施設内にある建物を改装して建てられました。

蒸留所はビジターセンターが充実しており、見学ツアーも行っています。その他ウイスキーショップやカフェも併設。観光地としてもこれから注目されています。

クライドサイド ストブクロス

クライドサイド ストブクロス

アルコール度数:46%
参考価格:7200円

2017年に創業したばかりですが、すでにオフィシャルシングルモルトをリリースしています。「クライドサイド ストブクロス」は、ファーストフィルのバーボン樽の原酒をメインとし、シェリー樽やリチャー・バーボン樽の原酒も使用。商品名の「ストブクロス」は、蒸留所の近くにある交差点の名前から名付けられています。

ソフト&スムース。やや熟成感に乏しいところありますが、ローランドモルトらしい飲みやすさがあり、バランスよくまとまっています。

加水せずにストレートかトワイスアップで飲みたいですね。

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|グレンキンチー Glenkinchie

出典:https://www.mhdkk.com/brands/glenkinchie/

グレンキンチー Glenkinchie
地域:ローランド
創業年:1837
MHD

グレンキンチーは初留と再留が1基ずつしかありませんが、サイズの大きいポットスチルを使用し、年間250万ℓものウイスキーを生産している蒸留所です。仕込み量は一度に3万ℓ。生産された原酒は「ヘイグ」、「ベル」、「ジョニーウォーカー」などの名立たるブレンデッドウイスキーにブレンドされています。

グレンキンチー 12年

グレンキンチー 12年

アルコール度数:43%
参考価格:4300円

かつては「グレンキンチー10年」がフラッグシップボトルでしたが、2007年にグレンキンチー 12年がスタンダードとなります。

クラフト蒸留所が多いローランド地域のなかで、一際存在感をだしているのがグレンキンチー。落ち着きのある風味で、すっきりとライトボディでありながら、独特のモルティーさを感じます。価格もリーズナブルなのでいいですね。

ブレンデッドウイスキーの原酒として重宝されているだけではなく、シングルモルトとしてももう少し頑張ってほしい蒸留所ですね。

 

【2023年版】ローランドのシングルモルトスコッチウイスキー|リンドーズアビー Lindores Abbey

リンドーズアビー Lindores Abbey
地域:ローランド
創業年:2017
ザ・リンドーズ・ディスティリング社

リンド―ズ修道院の跡地につくられた蒸留所。リンド―ズは、1494年に書かれた最古のウイスキー文献『修道士ジョン・コーに8ボルの麦芽を与えてアクアヴィテを造らしむ…』に登場しているジョン・コーの居た修道院。スコッチウイスキーにとってもゆかりのある土地です。

モルトウイスキーのほか、ニューメイクスピリッツを使用した漬け込み酒「リンドーズ・アビー・ディスティラリーアクアヴィテ」も発売しています。

リンドーズ シングルモルト

リンドーズ シングルモルト

アルコール度数:46%
参考価格:7600円

「リンドーズ シングルモルト」はファーストフィルのバーボン樽、ファーストフィルのオロロソシェリー樽、STR樽(シェービング、トースティング、リチャーリングを行って再活性化させた赤ワイン樽)の原酒を使用しています。

2017年創業ということもあって、全体的に若くてフレッシュな個性。バーボン樽・シェリー樽ともにファーストフィルを使用している割には、熟成樽由来の成分や香りは控えめで、ローランドモルトらしい落ち着きが感じられます。

STR樽をオフィシャルボトルに使用している蒸留所はまだ少ないので、そういった意味でもリンド―ズは注目すべきシングルモルト。年数(酒齢)を経てどんなウイスキーになるのか楽しみですね。

リンドーズ シングルモルト

 



 

エジンバラやグラスゴーなどの大都市があり、スコットランドで最も人口の多いエリアであるローランドでは、クセが少なくて飲みやすいウイスキーが好まれていました。

そして現在でもスムースでクリアなタイプが数多くあり、地域別に分けてみるとローランドのシングルモルトが最も飲みやすいと言えるでしょう。

今後はクラフト蒸留所のシングルモルトが次々と登場します。伝統的なローランドモルトがどのように変化していくのか、見守っていきたいですね。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

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