こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
日本で唯一のウイスキーとスピリッツの品評会。第1回は2019年に開催され、日本国内および世界の約500本のウイスキーやスピリッツが約200名の審査員によって審査されました。2020年には焼酎部門が追加され、約700本の洋酒と焼酎が審査されました。このコンペティションは、日本のウイスキーやスピリッツ愛好家・専門家の知識と情熱を通じて、高品質なウイスキーとスピリッツを国内外に広く紹介することを目的としています。
TWSC2023では308本のウイスキーが出品され、最高金賞は33本選ばれています。この記事ではウイスキーの専門家達が忖度無しで選んだ、最高評価のおすすめウイスキーを全てご紹介致します。
購入可能な定番ボトルもありますので、ぜひ最後までご覧ください。
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)
最高金賞受賞ウイスキー解説記事↓
「TOKYO WHISKY & SPIRITS COMPETITION Official Guide Book 2023《洋酒部門》」
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|24.169 コンカースに夢中になる
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|53.419 妖艶な魔女と黒魔術の残り香
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|68.100 The Beat Of A Cinnamon Drumstick
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|バルブレア 18年
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|グレンスコシア 10年
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|リンドーズ シングルモルト ジャパンエクスクルーシブ シェリーバット
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|オクトモア 13.2 オロロソ・カスク
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|オールドプルトニー 18年
- 【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|ポートシャーロット 10年
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選
1ページ目
1. 24.169 コンカースに夢中になる(Bonkers For Conkers)
2. 53.419 妖艶な魔女と黒魔術の残り香
3. 68.100 The Beat Of A Cinnamon Drumstick
4. バルブレア 18年(Balblair 18YO)
5. ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013(Bruichladdich Islay Barley 2013)
6. グレンスコシア 10年(Glen Scotia 10YO)
7. リンドーズ シングルモルト ジャパンエクスクルーシブ シェリーバット(Lindores Single Malt Japan Exclusive Sherry Butt)
8. オクトモア 13.2 オロロソ・カスク(Octomore 13.2 Oloroso Cask)
9. オールドプルトニー 18年(Old Pulteney 18 YO)
10. ポートシャーロット 10年(Port Charlotte 10 YO)
11. ポートシャーロット SC:01 2012(Port Charlotte SC:01 2012)
12. ウィルソン&モーガン ダルユーイン15年 ePower15周年 ウイスキーラバーズ名古屋2023(Wilson & Morgan Dailuaine 15 YO ePower 15th Anniversary Whisky Lovers Nagoya 2023)
13. ウィルソン&モーガン リンクウッド 15年 ePower15周年(Wilson & Morgan Linkwood 15 YO ePower 15th Anniversary)
14. デュワーズ ダブルダブル 21年(Dewar’s Double Double 21YO)
15. デュワーズ ダブルダブル 27年(Dewar’s Double Double 27YO)
16. デュワーズ ダブルダブル 32年(Dewar’s Double Double 32YO)
17. ジェームズ E ペッパー 1776 ストレートバーボン(James E. Pepper 1776 Straight Bourbon)
18. カッパーワークス アメリカンシングルモルトウィスキー リリース 044(Copperworks American Single Malt Whiskey Release 044)
19. ケンズチョイス アメリカンドリームバレル リバティーベル 13年(Ken’s Choice American Dream Barrel Liberty Bell 13 YO)
20. ケンズチョイス アメリカンドリームバレル ルート66 13年(Ken’s Choice American Dream Barrel Route 66 13YO)
21. ケンズチョイス ジャズインスツルメンタル ヴォーカル
22. シングルカスク駒ヶ岳 AGED 9 YEARS Cask No.1665(Single Cask Komagatake 9 YO Cask No.1665)
23. シングルカスク駒ヶ岳 屋久島エージング Cask No.2026(Single Cask Komagatake Yakushima Aging Cask No.2026)
24. シングルモルト 嘉之助 アーティストエディション#002(Single Malt Kanosuke Artist Edition #002)
25. イチローズモルト ダブルディスティラリーズ(Ichiro’s Malt Double Distilleries)
26. MARS The Y.A. #01
27. イチローズ モルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション 2023(Ichiro’s Malt&Grain Blended Japanese Whisky Limited Edition 2023)
28. 響 21年(Suntory Whisky Hibiki 21YO)
29. 響 ブレンダーズチョイス(Hibiki Blender’s Choice)
30. カバラン ディスティラリーリザーブ ピーティカスク(Kavalan Distillery Reserve Peated Malt Single Cask Strength Single Malt Whisky)
31. カバラン ソリスト オロロソシェリー(Kavalan Solist Oloroso Sherry Single Cask Strength Single Malt Whisky)
32. カバラン ソリスト PX シェリー(Kavalan Solist Px Sherry Single Cask Strength Single Malt Whisky)
33. エムアンドエイチ エイペックス 酒精強化レッドワインカスク(M&H Apex Peated Fortified Red Wine Cask)
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|24.169 コンカースに夢中になる
24.169 コンカースに夢中になる(Bonkers For Conkers)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 53.8%
- 価格:¥451,000
- ザ・スコッチ・モルトウイスキー・ソサエティ
「24.169 コンカースに夢中になる(Bonkers For Conkers)」は、ザ・スコッチ・モルトウイスキー・ソサエティからリリースされたボトルで、蒸留所コード「24」は「マッカラン」となります。
蒸留は1989年。ボトリングは2022年。酒齢33年の希少な長期熟成。リフィルのオロロソシェリーバットで29年熟成した後、ファーストフィルのオロロソシェリーバットで後熟しています。
オロロソシェリーでの熟成はマッカランの王道のスタイルですが、33年物というのはそう簡単にお目にかかれません。価格は45万円と高額ですが、マッカランの長期熟成ともなると決して高くないどころか、その希少性を考慮すると安いようにも思えてしまいます。
公式テイスティングノートは以下の通り。
[香り]深い赤褐色の色調は、磨き上げられたトチノキ、ローズヒップ、白樺の枝、プルーン、デーツ、イチジクのアロマとともに、私たちを秋の風景へと導いてくれる。テイスティングでは、まず「まだピリピリしている」と感じ、次に干し草で燻した鹿の卵、ブラックベリー、ビーツの風味が、フレッシュベリーのシャンティイケーキと美しく調和していることに気づく。加水すると、杉、タバコ、ダークチョコレートの香りに加えて、焼き栗の香りが感じられる。
[味わい]口に含むと、オレンジオイル、ラズベリー、ブラックベリーのジャム、そしてティラミスとコンカーコーヒーリキュールによる長い余韻が感じられる。
Refill Oloroso Buttで29年間熟成させた後、 First Fill Oloroso Buttに移し替え。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|53.419 妖艶な魔女と黒魔術の残り香
53.419 妖艶な魔女と黒魔術の残り香
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 56.6%
- 価格:¥19,800
- ザ・スコッチ・モルトウイスキー・ソサエティ
「53.419 妖艶な魔女と黒魔術の残り香」は蒸留所コード「53」。アイラ島のカリラ。
エキストラバーボンホグスヘッドで11年間熟成させた後、リフィルのスパニッシュ・シェリーホグスヘッドに移し替え、合計13年間寝かせています。
ソサエティがリリースしているアイラモルトの中では、カリラが一番多く販売されていますが、最近は人気が高まっているため抽選販売となるケースもあります。
公式テイスティングノートは以下の通り。
アイラ島の晴れた暖かい日、太陽が沈みかけている夕暮れ時に、ビーチでホタテをライムとコリアンダーソテーしている光景を想像してみて。ホタテに唐辛子をふりかけ、熱く甘いスモーク、辺りいっぱいに香りが広がり、見逃せない味わいを経験できるだろう。加水すると、オイリーさ、海っぽさ、スモークされたタイのサンファイアとカニの肉のサラダ、ハーブ、スモーキーなレッドホットシナモンのような余韻を感じる。
11年間 an ex-bourbon hogsheadで熟成した後、refill Spanish oak Sherry hogsheadへ移し替え。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|68.100 The Beat Of A Cinnamon Drumstick
68.100 The Beat Of A Cinnamon Drumstick
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 56.9%
- 価格:¥18,700
- ザ・スコッチ・モルトウイスキー・ソサエティ
「68.100 The Beat Of A Cinnamon Drumstick」は、ハイランドのブレア・アソール。
バーボンホグスヘッドで11年間熟成させた後、ペドロヒメネスシェリー・ホグスヘッドで後熟を施しています。14年熟成。
ソサエティがボトリングしたブレア・アソールはこのボトルでちょうど100本目。ソサエティは「整数」が蒸留所コードを表しており、「小数」は蒸留所からこれまでリリースされた回数を表しています。
公式テイスティングノートは以下の通り。
パブロバ、チェリーシャーベット、カクテルビターがオレンジリキュール、タンポポ、ゴボウと融合し、さらにローストした栗にメープルシロップをかけ、塩を振りかけるという複雑なアマルガムである。ねっとりしたトフィープディング、ラムとレーズンのアイスクリーム、ドライフルーツにヘーゼルナッツとクルミのオイルを混ぜたような重厚でリッチな味わいだ。ラベンダーやドライフラワー、ホイップクリームにトーストしたココナッツ、そしてシナモンやナツメグ、ダークチョコレートなど、よりフローラルでスパイシーなアロマが水から放たれる。長いフィニッシュには、甘いマデイラワインにマーマレード、キャラメルウエハース、チョコレートブラウニーが加わっている。
11年間bourbon hogsheadで熟成した後、American oak Pedro Ximénez hogsheadへ移し替え。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|バルブレア 18年
バルブレア 18年(Balblair 18YO)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46%
- 楽天市場価格[2024年5月]:17,000円
- インバーハウス
バルブレア蒸留所はスコットランド・ハイランドで2番目に古い蒸留所で、北ハイランドの田舎町エダートン村に位置しています。
オーナーはタイ・ビバレッジ(インバーハウス社傘下)。年間180万ℓの生産量を持ち、初留と再留の2つの蒸留器を使用しています。18年物の他、12年、15年のシングルモルトをリリース。以前はヴィンテージ表記がありましたが、現在は熟成年数の表示に変更されています。
「バルブレア 18年」はエキストラバーボンバレルで熟成後、ファーストフィルのスパニッシュオーク・シェリーカスクで後熟を施しています。バーボンバレルの豊かな樽香と、シェリー由来のフルーティーさがバランス良く広がります。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013
ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013(Bruichladdich Islay Barley 2013)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 50%
- 楽天市場価格[2024年5月]:7,282円
- レミーコアントロー社
アイラ島を代表するノンピーテッドモルトウイスキー「ブルイックラディ」からリリースされている「アイラ・バーレイ」シリーズの第8弾。
ブルックラディ蒸留所のこだわりは「アイラ・バーレイ」シリーズにあります。これは、ウイスキーの品質と味わいに影響を与える「テロワール」を重視した製造方法。土壌、気候、微気候、地理的要因、自然の力、そしてその土地独特の気候条件など、産地そのものを表現すること。
ワインであればテロワールを意識するのは当然ですが、ウイスキーでは原料の大麦麦芽にこだわることより、製造工程や熟成方法に重きを置きます。しかし、ブルイックラディは原料を最優先にウイスキー造りを行うスタイルをいち早く取り入れた蒸留所。
アイラ島という特殊な自然環境から生まれる「テロワール」の概念は、ウイスキーにとって重要であり、シングルモルトウイスキーの味わいに特別な要素を生み出しているのです。
「ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013」はアイラ島の7つの農家で育てられた大麦を原料としています。熟成には、ファーストフィルのアメリカンオークとセカンドフィル・ヨーロピアン・ワインカスク(赤ワインカスク)を使用。以下3種のワイン樽の使用が情報として公開されています。
- 「リベラ・デル・デゥエロ」
スペインの高級ワイン産地。主にテンプラリーニョという品種の赤ワインを造っている。 - 「シラー」
フランスなどで造られているメジャーな赤ワイン品種。 - 「ポイヤックワイン」
フランス・ボルドーの高級ワイン産地。カベルネソーヴィニヨンとメルロで赤ワインを造っている。
単に原料の大麦にこだわるだけでなく、複数のワインカスク原酒をブレンドすることで、奥行きのある味わいに仕上げています。
まだ9000円以内で購入できる、コスパの良い最高金賞ボトル。ポチっておきましょう(笑)
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|グレンスコシア 10年
グレンスコシア 10年(Glen Scotia 10YO)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 40%
- 楽天市場価格[2024年5月]:5,461円
- ヒルハウス・キャピタルマネージメント社
キャンベルタウンはかつて多くの蒸留所がありましたが、現在はスプリングバンク、グレンガイル、そしてグレンスコシアのみが稼働しています。
グレンスコシア蒸留所は1832年に創業。1920年代にウイスキー産業の衰退から一時的に閉鎖されすが、1980年代に大規模な改修が行われ、生産を再開しています。現在はロッホローモンド社が所有し、その親会社は中国の投資会社となっています。
基本的にはノンピートモルトのウイスキー造りが行われていますが、限定的にフェノール値19ppm~25ppmのミディアムピーテッドモルトタイプも生産。「グレンスコシア 10年」はノンピーテッドで、ファーストフィルのバーボン樽で10年以上熟成させた原酒を合わせています。
キャンベルタウンらしい優雅な潮の香りと、柑橘、青りんご、バニラ、スパイス。奥行きの複雑さはノンピートとは思えないほど。ハイランドやスペイサイドのノンピートモルトと比べても、個性の違いは明らかです。
スタンダードの10年物で最高金賞というのは快挙。販売価格を考慮しても、文句なしにおいしいシングルモルトです。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|リンドーズ シングルモルト ジャパンエクスクルーシブ シェリーバット
リンドーズ シングルモルト ジャパンエクスクルーシブ シェリーバット(Lindores Single Malt Japan Exclusive Sherry Butt)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 58%
- 希望小売価格:9,000円
- 楽天市場価格[2024年5月]:9,900円
- ザ・リンドーズ・ディスティリング社
「リンドーズ シングルモルト ザ カスク オブ リンドーズ バーボンカスク」と同時に日本限定されたウイスキー。
スコットランド・ローランドにあるリンドーズ修道院の跡地に建設された「リンドーズアビー蒸留所」は、修道士ジョン・コーにゆかりのある場所。リンドーズは1494年の文献にジョン・コーが関与した修道院として登場しており、スコッチウイスキーにとって歴史的な重要な土地となっています。
この蒸留所の年間生産量は22.5万リットルで、初留1基と再留2基の蒸留装置を備えています。ウイスキーの生産に加えて、ニューメイクスピリッツを使用した漬け込み酒も販売されています。
「リンドーズ シングルモルト ジャパンエクスクルーシブ シェリーバット」は、シェリーバットで4年ほど熟成させた原酒を使用。ノンチルフィルターでノンカラー、カスクストレングスでボトリング。オロロソシェリー樽の影響を強く感じさせる、濃厚な茶褐色。見た目だけでシェリー系ウイスキーだとわかりますね。
これまでもTWSCでは「濃い系シェリー」のウイスキーが最高金賞や金賞を獲得しており、シェリータイプは割と評価されやすい傾向にあります。このボトルは元々日本向けということもあり、日本人の味覚に合ったウイスキーが見事に商品化されていますね。
「リンドーズ シングルモルト」はこちら↓
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|オクトモア 13.2 オロロソ・カスク
オクトモア 13.2 オロロソ・カスク(Octomore 13.2 Oloroso Cask)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 58.3%
- 楽天市場価格[2024年5月]:27,800円
- レミーコアントロー社
ブルイックラディ蒸留所で製造しているスーパーヘビリーピーテッドタイプのシングルモルトウイスキー。毎回リリースされる度、バッチごとに異なる個性を愉しませてくれますが、基本的には強烈なスモーキーさのある超個性な商品となっています。
「オクトモア 13.2 オロロソ・カスク」は、フェルナンド・デ・カスティージャで製造されたオロロソ・シェリーバットで5年間熟成しています。フェルナンド・デ・カスティージャは、スペインのシェリーボデガ(醸造所)で、伝統的なソレラシステムでシェリーを醸造しています。
一般的なシェリーバットは「ウイスキーの熟成樽用」につくられたものが多く、この場合あくまでも「シェリー樽」を作るためにシェリーを樽詰めしています。こうした形で醸造されたシェリーは、シェリー酒として製品化(ボトリング)はせず、ブランデー用に利用しています。
しかし「オクトモア 13.2 オロロソ・カスク」の樽は、フェルナンド・デ・カスティージャによって、しっかりとオロロソシェリーがシーズニングされたものを使用。香り付けのためにシェリーを熟成させたわけではないため、中身のオロロソシェリーは製品され飲まれています。つまりガチのオロロソシェリー樽ということ。
高品質なオロロソシェリー樽により、オクトモアのスモーキ―でピーティーな個性を引き立てながらも、ナッツ、キャラメル、シトラス、ドライフルーツ、ビターチョコレートの風味が付与され、ダイナミックで芳醇な余韻を生み出しています。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|オールドプルトニー 18年
オールドプルトニー 18年(Old Pulteney 18 YO)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46%
- 楽天市場価格[2024年5月]:17,899円
- タイ・ビバレッジ社
プルトニー蒸溜所は1826年に創業された北ハイランドにある蒸溜所。ウィックという漁港の町に位置しており、ウィックはヨーロッパ最大のニシンのとれる港として有名で、『ウィックの「金」はプルトニーのウイスキー、銀はニシン』と言われていた時代もあったそうです。
プルトニーは「海のモルト」と呼ばれるほど、海風の影響を受けてウイスキーが熟成しています。シングルモルトで「潮気のあるやつ」と言われたならば、プルトニーのシングルモルトを提供するがベストと言えますね。
味わいが特徴的なプルトニーですが、その個性を生み出しているポットスチルも一風変わっており、ネックの先端が途中で切れている形状となっています。これは、蒸留の建設時にスチルの高さが天井よりも大きいことが判明したため、ネックを途中で切ってラインアームを接続したことによるもの。悪く言えば設計ミスですが、この偶然も、プルトニーらしい個性が生まれた要因の一つになっています。
「オールドプルトニー 18年」は、セカンドフィルのバーボン樽で熟成後、ファーストフィルのスパニッシュオーク・オロロソシェリーカスクで後熟を行っています。
プルトニーらしい「塩バニラ」に、チョコレートやドライフルーツ、ナッツ、スパイスなどのアクセントが付与され、最高金賞にふさわしいアロマと奥行きのある余韻を感じます。
【バーテンダーおすすめ】TWSC2023で最高金賞を受賞したウイスキー33選|ポートシャーロット 10年
ポートシャーロット 10年(Port Charlotte 10 YO)
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 50%
- 楽天市場価格[2024年5月]:6,160円
- レミーコアントロー社
ブルイックラディ蒸留所で製造しているヘビリーピーテッドタイプのウイスキー。TWSC2022では金賞でしたが、今回ついに最高金賞となりました。
「ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013」と、次にご紹介する「ポートシャーロット SC:01 2012」と合わせると、ブルイックラディ蒸留所は3本も最高金賞を獲得しています。一つの蒸留所で複数のボトルが最高金賞を獲得するのは、台湾の「カバラン」や、信州マルス蒸留所の「駒ヶ岳」くらいです。
「ポートシャーロット 10年」はフェノール値40ppmのピーテッドモルトを使用。麦芽はスコットランド産(インバネス州産)。モルトの風味とフルーティーさがありながらも、スモーキーで力強い味わいです。ノンピートのブルイックラディとは全く異なる個性。
すでに国際的な評価は非常に高く、 アメリカのウイスキー専門誌「ウイスキー・アドヴォケイト(Whisky ADVOCATE)」では93点という高得点を獲得。これは全体で第4位となっており、スコッチウイスキーの中では最高位となる快挙。その他、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2021では、最高金賞(ダブルゴールド)を受賞しています。
「ポートシャーロット 10年」の構成原酒は以下の通り。
- ファーストフィル・アメリカンウイスキー樽 65%
- セカンドフィル・アメリカンウイスキー樽 10%
- セカンドフィル・フレンチワイン樽 25%
スコッチの熟成で一般的なのが「バーボンバレル」や、バレルを組み替えた「ホグスヘッド」ですが、公式HPには「アメリカンウイスキー樽」と記載されています。もちろんバーボンもアメリカンウイスキーの1種であって、表記上は全く問題ありません。
バーボンだけではなく、他のアメリカンウイスキー(ライウイスキーなど)の樽も使用しているのでしょうか?深読みしすぎかな(笑)
コメント