こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
この記事ではウイスキーの保存方法について解説致します。
ウイスキーの正しい保存方法が分からない方や、開栓後にできる限り品質を長持ちさせたいと思っている方、コレクション用の未開封ウイスキーを長期間保存している方にも読んでほしい内容です。
ウイスキーは開栓後でもある程度の期間、おいしい状態で保存することが可能ですが、誤った方法で保存・保管を行えば、短期間でも風味が劣化してしまうこともあります。
そこで今回は、現役オーナーバーテンダーである私、ユースケが、ウイスキーの正しい保存方法を5つのポイントに分けてわかりやすく解説致します。
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選
ウイスキーを保存・保管するときの重要ポイント5選
- ボトルを立てて保管する。
- 湿気や臭気の無い場所で保管する。
- 光に当てないで保管する。
- 温度の変化ができるだけ少ない場所で保管する。
- パラフィルムを巻いて保存する。(おすすめ!)
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選|①ボトルを立てて保管する
①ボトルを立てて保管する
ボトルは横に寝かせるのではなく、立てて保存しましょう。
コルクの劣化を防ぐ
ウイスキーは横に寝かせて保管するとコルクが劣化し、液漏れが起こる可能性があります。さらに、コルク臭がウイスキーについてしまうなど、ウイスキーの風味自体にも悪影響を与えてしまいます。ボトルをたてて保存することが重要です。
液漏れを防ぐ
「スクリューキャップ」に関しては、コルクのように劣化することはないのですが、オールドボトルなどの年数が経過したボトルなどに関しては、液漏れの原因となるケースがあります。スクリューキャップであっても、やはりボトルは立てて保存したほうがよいでしょう。
酸化を防ぐ
中身のウイスキーが減っている場合は、横で寝かせて保存するとウイスキーが空気(酸素)に触れる面積が大きくなってしまいます。そうなると、香りが落ちやすくなるため、液面の面積を少なくするためにも立てて保存するほうが良いです。
たまに「横置き」でウイスキーを販売しているお店を見かけますが、間違った保管・販売方法です。真似してはいけませんね。
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選|②湿気や臭気の無い場所で保管する
②湿気や臭気の無い場所で保管する
湿度が高い場所、匂いがこもる場所はできる限り避けましょう。
湿気
どんなお酒でも共通していることですが、湿気が高すぎる場所でウイスキーを保存するとラベルにカビが生えたりするので衛生的に良くありません。また、コルク栓の劣化もしやすくなるため適度な湿気の場所で保管しましょう。とくに湿気の高い「夏場」は注意が必要です。
臭気
臭いがある場所で保管すると、ウイスキーの香りが悪くなってしまうことがあります。悪臭・芳香剤・消臭剤・殺虫材などが近くにない場所で、匂いがこもっていないところで保管しましょう。
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選|③光に当てないで保管する
③光に当てないで保管する
ウイスキーは紫外線に弱いため、直射日光に当てるのは絶対にNG
できるのであれば「うっすらと明るい場所」も避けたほうが良いでしょう。
未開栓ウイスキーの保管は光の入らない真っ暗な場所で行い、普段飲み用の開栓しているボトルは、直射日光が当たらない、できるだけ暗いスペースに置いておきましょう。
ウイスキーのボトルの色が「黒」や「緑」である理由の一つとして、日光による紫外線からウイスキーが劣化するのを防ぐ役割があります。ただし、色付きボトルでも完全に紫外線を遮断できるわけではないので、暗い場所で保管しましょう。
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選|④温度の変化ができるだけ少ない場所で保管する
④温度の変化ができるだけ少ない場所で保管する
ウイスキーは常温保存できるので気にしすぎる必要はありませんが、以下のポイントは知っておきましょう。
常温でよいが「高温」はよくない
温度変化により、ウイスキーの液中にある成分などが結晶化し、風味の劣化につながる場合もあるので、急激な温度変化の無い場所(冷暗所)で保管すると良いでしょう。また、保管温度は20℃くらいが良いとされています。夏場などは、できる限り高温にならないスペースで保管しましょう。
「冷蔵庫や冷凍庫」は温度が低すぎるので、長期間の保管・保存には不向きです。
ウイスキーの保管にもワインセラーがおすすめ
ウイスキーをより大切に保管したいという方には、温度と湿度を一定に保つことができる「ワインセラー」がおすすめ!スペースと電源をとってしまうことと、購入コストもかかってしまいますが、ウイスキーをほぼ完ぺきな状態で保管することできます。
ワインセラーは温度管理のほか、紫外線から守ってくれる効果もありますので、リビングなどの明るい場所でも保管可能です。また、鍵をかけれるタイプもありますので、盗難(盗み飲み)を防ぐことも(笑)
保管の際に注意してほしいのは、ウイスキーを立てて保管することです。ワインはウイスキーとは真逆で、ボトルを横に寝かせて保存するのが基本。ワインセラーの種類によっては、立てて保管することができない場合もあります。
また、ウイスキーの保管は、ワインほどデリケートではないので、わざわざ高額なワインセラーを購入しなくても良いでしょう。
ワインセラーはピンキリですが、リーズナブルなタイプだと最低限の温度・湿度管理をしてくれる「ワインクーラー」と呼ばれているワインセラーや、冷却機能が「ペルチェ式」のもので十分かと思います。
ちょっと話がずれますが、ワインセラーは意外と使い勝手が良いです。たとえば、ウイスキーのお供である「チョコレート」の保存に最適!
夏場は常温だと溶けてしまうし、冷蔵庫だと温度が低すぎて固くなってしまいます。しかしワインセラーがあれば、チョコレートに適した温度( 15度~22度)で保存が可能。
くちどけの良いチョコレートとウイスキー…最高です。
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選|⑤パラフィルムを巻いて保存する
⑤パラフィルムを巻いて保存する
知らなきゃ損!ウイスキー保存の定番。
パラフィルムとは?
パラフィルム PM-996 4インチ 長さ125フィート(幅100mm×長さ約37m)
パラフィルムは医療用や実験用に使用されている、収縮性の高いフィルムのこと。
パラフィルムをボトルの開栓口に巻き付けることで、ウイスキーの劣化を防ぐことができます。
パラフィルムを巻くことは、最も効果があるウイスキーの保管・保存方法といわれています。ウイスキーのコレクターや、ウイスキーをたくさん扱う「バー」では必須アイテム。
ウイスキーの栓は、しっかり閉まっているように見えて、ウイスキーの開栓口の気密性は意外と低いもの。「スクリューキャップ」「コルク栓」に限らず、たとえ一度も開けていなくても、長期間の保存によって徐々にウイスキーは揮発していきます。
パラフィルムを巻くことで気密性をあげ、ウイスキーの目減りや風味落ちを防ぐことが可能となります。
パラフィルムの特性
伸縮性・気密性が高い
伸縮性が優れているため、ボトルに巻きつけることが容易にできる。また、しっかりと巻き付ければ気密性も高い。外気を遮断することで、ウイスキーとコルク栓の劣化を防止できます。
防水制
液漏れを防ぎます。
半透明で接着性がない
半透明であるため、目立たない。また、パラフィルムをはがした後に、セロテープのようにベタベタと残る心配がありません。
無臭・無害
パラフィルムには香りが無いためウイスキーの香りに影響を与えません。
パラフィルムをBARで使うようになったのは、お医者さんのお客様が提案したことから。次第に広まっていって、今ではウイスキー保存の常識となりました。
まとめ
【バーテンダー解説】開封後も安心!ウイスキーの正しい保存方法5選
① ボトルを立てて保管する。
・ウイスキーは横に寝かせて保管するとコルクが劣化し、液漏れが起こる可能性があるため、立てて保管する。
② 湿気や臭気の無い場所で保管する。
・高湿度はラベルやコルクの劣化につながる。臭気はウイスキーの香りを悪くする。
③ 光に当てないで保管する。
・紫外線に弱いため、直射日光には絶対に当てない。
④ 温度の変化ができるだけ少ない場所で保管する。
・一定の温度で保管。20℃前後がベスト。
⑤ パラフィルムを巻いて保存する。おすすめ!
・外気を遮断して劣化を防ぐ。
さまざまな保管・保存方法をご紹介しましたが、一番良いのは「開栓したら、できるだけ早く飲み切る」ことです。ウイスキーはワインのような急速な劣化はしないものの、長期間の保存には注意が必要ですね。
「パラフィルムを巻いて保存する」ことに関しては、簡単に実践することができ、劣化防止の効果も高いためおすすめ!
ウイスキーを長期間保管する際には無くてはならないアイテムとなりますので、ボトルコレクションが多い方はぜひ利用してみて下さい。
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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