【2025年統計】世界のウイスキー売上ランキング TOP20|年間販売数から見る最新勢力図

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

今回は、2025年の販売数量ランキングTOP20をピックアップ。日本で販売されている銘柄については、2026年7月時点の市場価格もあわせて掲載しています。

2025年は、長年トップを維持してきたブランドが順位を落とす一方で、驚異的な成長を遂げた新興ブランドがランクインするなど、例年以上に順位の変動が目立つ一年となりました。

世界市場ではインディアンウイスキーが依然として圧倒的な存在感を示していますが、スコッチやアメリカンウイスキー、ジャパニーズウイスキーもそれぞれ高い人気を維持しています。果たして、世界ではどのウイスキーが最も売れているのでしょうか。ランキングを1位から順番に詳しく見ていきましょう。

なお、本ランキングは、イギリスの酒類・飲料業界誌「The Spirits Business(ザ・スピリッツ・ビジネス)」が公開しているデータをもとに作成しています。

 

【2025年統計】世界のウイスキー売上ランキングTOP20|年間販売数から見る最新勢力図

順位 ブランド(英語) ブランド(日本語) カテゴリー メーカー 販売数 前年比
1 Royal Stag ロイヤルスタッグ インディアン ペルノ・リカール 3,260万ケース 105.0%
2 McDowell’s マクダウェルズ インディアン ユナイテッドスピリッツ(ディアジオ) 3,190万ケース 99.1%
3 Officer’s Choice オフィサーズチョイス インディアン アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ 2,070万ケース 97.2%
4 Imperial Blue インペリアルブルー インディアン ティラクナガー・インダストリーズ 2,030万ケース 88.6%
5 Johnnie Walker ジョニーウォーカー スコッチ ディアジオ 2,030万ケース 94.0%
6 Jim Beam ジムビーム アメリカン サントリーグローバルスピリッツ 1,670万ケース 95.4%
7 Jack Daniel’s ジャックダニエル アメリカン ブラウンフォーマン 1,340万ケース 95.4%
8 Jameson ジェムソン アイリッシュ ペルノ・リカール 1,110万ケース 102.2%
9 Royal Challenge ロイヤルチャレンジ インディアン ユナイテッドスピリッツ(ディアジオ) 1,060万ケース 116.4%
10 Blenders Pride ブレンダーズプライド インディアン ペルノ・リカール 1,010万ケース 100.4%
11 Iconiq White アイコニックホワイト インディアン アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ 950万ケース 211.1%
12 8PM エイトピーエム インディアン ラディコ・カイタン 920万ケース 95.2%
13 Ballantine’s バランタイン スコッチ ペルノ・リカール 910万ケース 96.8%
14 Crown Royal クラウンローヤル カナディアン ディアジオ 790万ケース 97.9%
15 Canadian Club カナディアンクラブ カナディアン サントリーグローバルスピリッツ 530万ケース 99.8%
16 Chivas Regal シーバスリーガル スコッチ ペルノ・リカール 470万ケース 98.5%
17 Kakubin 角瓶 ジャパニーズ サントリーグローバルスピリッツ 400万ケース 100.2%
18 Signature シグネチャー インディアン ユナイテッドスピリッツ(ディアジオ) 390万ケース 117.6%
19 Director’s Special Black ディレクターズスペシャルブラック インディアン ユナイテッドスピリッツ(ディアジオ) 370万ケース 101.1%
20 Black & White ブラック&ホワイト スコッチ ディアジオ 340万ケース 114.0%

※データ出典:The Spirits Business「The Brand Champions 2026」drinksint+2
※1ケースは9リットル換算(標準的な750ml×12本相当)の業界標準単位です。

ランキングデータについての補足

本ランキングは、2025年における世界のウイスキーブランド別販売数量をもとに作成しています。データは、英国の酒類・飲料業界誌「The Spirits Business(ザ・スピリッツ・ビジネス)」が2026年6月に発表した年次調査「The Brand Champions 2026」を参考にしました。

この調査は、各国・各地域の業界データをもとに集計されており、特定の国や流通チャネルに偏ることなく、世界市場全体の販売動向を把握できる点が特徴です。また、ランキングの基準は販売金額ではなく、**販売数量(ケース数)**となっています。

そのため、このランキングはウイスキーの品質や評価、ブランドイメージを示すものではありません。あくまで、「世界でどのブランドが日常的にどれだけ飲まれているのか」を表すデータとしてご覧ください。

このような集計方法のため、高価格帯で流通量の少ないプレミアムウイスキーや、熟成年数・希少性を重視した限定ボトルは上位に入りにくい傾向があります。一方で、人口規模の大きな市場で日常酒として親しまれているブランドほど、ランキング上位に入りやすくなっています。

なお、以前公開した「【2024年版】世界のウイスキー売上ランキングTOP20」では、「通常12本入りケース」を販売数量の単位として掲載していました。しかし、今回参照した「The Brand Champions 2026」では、業界標準である9リットルケース(750ml×12本相当)を1ケースとして集計しています。

この集計基準の変更により、同じブランドでも前回の記事と販売数量の表記が異なって見える場合があります。ただし、これは販売量が大きく変化したことを意味するものではなく、集計単位の違いによるものです。本記事では、「The Brand Champions 2026」の基準に合わせ、すべて9リットルケースに統一して掲載しています。

また、世界のウイスキー販売データは調査会社や業界団体によって集計方法が異なるため、公開元によって販売数量や順位に差が生じることがあります。そのため、他サイトのランキングと本記事の内容が一致しない場合がありますが、本ランキングは世界市場の動向を把握するための一つの参考データとしてご覧いただければ幸いです。

 

20位 ブラック&ホワイト(Black & White)

20位 ブラック&ホワイト(Black & White)

生産国:スコットランド
売上数:340万ケース(前年対比114%)
メーカー:ディアジオ(Diageo)
楽天市場価格[2026年7月]:1,320円

世界売上ランキング第20位は、ブレンデッドスコッチウイスキー「ブラック&ホワイト」です。

スコッチウイスキー単独では売上ランキング4位に位置するブランドですが、世界全体で見ると、インディアンウイスキーやアメリカンウイスキーの圧倒的な販売量に押され、20位という結果となりました。一方で、2025年は大きく販売数量を伸ばし、今回初めて世界ランキングTOP20入りを果たした注目ブランドでもあります。

ブランドの歴史は1884年にさかのぼります。スコットランド系カナダ人のジェームズ・ブキャナンが創業した「James Buchanan & Co.」から誕生し、発売当初は「Buchanan’s Blend」の名称で販売されていました。英国議会で広く愛飲されたことから「House of Commons Whisky(下院のウイスキー)」の愛称で知られるようになり、黒いボトルと白いラベルのデザインから「Black & White」という呼び名が定着。1902年に正式なブランド名として採用されました。

2025年の販売数量は340万ケースで、前年比114.0%と大きく成長しました。The Spirits Business「The Brand Champions 2026」では、スコッチウイスキーブランドの中で最も高い成長率を記録しています。この伸びは、フランスやブラジル市場で販売が好調だったことが主な要因とされています。なお、本国イギリスでは現在あまり流通していません。

一方、世界全体で見ると、1位のロイヤルスタッグ(3,260万ケース)とは約10倍もの販売数量の差があります。この数字からも、スコッチウイスキーは世界的な知名度やブランド力こそ高いものの、販売数量では日常酒として圧倒的な需要を持つインディアンウイスキー市場には及ばないことが分かります。

このように、ブラック&ホワイトの躍進はスコッチ市場において非常に明るいニュースですが、世界の販売数量ランキングを見ると、ウイスキー市場の勢力図がインドを中心に大きく変化していることを象徴する結果となっています。

 

19位 ディレクターズスペシャルブラック(Director’s Special Black)

19位 ディレクターズスペシャルブラック / Director’s Special Black

生産国:インド
売上数:370万ケース(前年対比101.1%)
メーカー:ユナイテッドスピリッツ(United Spirits/ディアジオ)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第19位は、インディアンウイスキー「ディレクターズスペシャルブラック」です。通称「DSPブラック」とも呼ばれ、姉妹ブランド「ディレクターズスペシャル」の上位ラインとして、デラックス市場向けに展開されています。

ブランドのルーツは、インドの老舗酒類メーカー「Shaw Wallace & Company」にあります。同社は「ロイヤルチャレンジ」や「ディレクターズスペシャル」といった人気ブランドを展開しており、1988年にプレミアムラインとして「ディレクターズスペシャルブラック」を発売しました。

その後、2005年にUB Group傘下のユナイテッドスピリッツ(USL)がShaw Wallaceを買収し、2008年に正式統合。現在は、ディアジオ傘下のユナイテッドスピリッツが製造・販売を行っています。

販売実績を見ると、発売から間もない2006年には約90万ケースだった販売数量が、2012年には約290万ケースまで拡大。インド市場で着実に支持を集めながら成長を続けてきたブランドです。

原料には、今回ランキング入りした多くのインディアンウイスキーと同様に、モラセス(廃糖蜜)由来のスピリッツが使用されています。そのため、大麦を主原料とするスコッチウイスキーとは製法が大きく異なります。なお、過去には米国市場で「ウイスキー」と表示する権利をめぐり、Shaw Wallace社がスコッチウイスキー協会(SWA)と法廷で争い、勝訴したという経緯でも知られています。

2025年の販売数量は370万ケースで、前年比101.1%と堅調な推移を見せました。世界全体ではジョニーウォーカーの2,030万ケースと比べると5分の1以下の規模ですが、インド国内のデラックス市場では手頃な価格で楽しめるプレミアムブランドとして確固たる地位を築いています。

ディレクターズスペシャルブラックは、熟成年数や産地表示を重視するスコッチとは異なる価値観のもとで発展してきた、インド独自のウイスキー文化を象徴するブランドの一つといえるでしょう。

 

18位 シグネチャー(Signature)

出典:https://www.diageoindia.com/en/brands/brand-explorer/signature

18位 シグネチャー(Signature)

生産国:インド
売上数:390万ケース(前年対比117.6%)
メーカー:ユナイテッドスピリッツ(United Spirits/ディアジオ)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第18位は、インディアンウイスキー「シグネチャー」です。同じユナイテッドスピリッツが展開する「マクダウェルズ」とは別ブランドで、ボトルデザインやブランド戦略も明確に差別化されています。

シグネチャーは1994年、当時「McDowell & Company」の社名だった同社(2006年にUnited Spiritsへ社名変更)によって誕生しました。大衆向けブランドであるマクダウェルズよりもワンランク上の「スーパープレミアム」市場を狙って開発されたブランドです。

特徴的な八角形のボトルは、ロンドンのデザイン会社「Claessens International」が手掛けたものです。発売当初から採用されているこのデザインは、現在でもブランドの象徴として受け継がれています。

原酒には、アイラやハイランドなどで造られた複数の輸入スコッチモルトに、インド産の熟成モルトと高品質なグレーンスピリッツをブレンドした原酒を使用しています。ラインナップは、上位モデルの「シグネチャー レアエイジド」と、より手頃な価格帯の「シグネチャー プレミアグレイン」の2種類が中心です。

2025年の販売数量は390万ケースで、前年比117.6%とTOP20ブランドの中でも高い成長率を記録しました。インド国内でプレミアムウイスキーへの需要が高まっていることを示すブランドの一つといえるでしょう。

輸入スコッチモルトを使用しながらも、熟成やブレンドはインド国内で行うというスタイルを貫いており、シグネチャーは「インドならではのプレミアムウイスキー」を目指すブランドを代表する存在となっています。

17位 角瓶(Kakubin)

17位 角瓶(Kakubin)

生産国:日本
メーカー:サントリー
2025年販売数:400万ケース(前年比100.2%)
楽天市場価格[2026年7月]:1,672円

世界売上ランキング第17位は、ジャパニーズブレンデッドウイスキー「角瓶」です。2025年は400万ケースを販売し、前年比100.2%とほぼ前年並みの実績を維持しました。

角瓶は1937年に発売された、サントリーを代表するブレンデッドジャパニーズウイスキーです。創業者・鳥井信治郎が「スコッチに負けない、日本人の味覚に合うウイスキー」を目指し、1923年に開設した山崎蒸溜所での研究と試行錯誤を経て完成させました。現在では、日本のウイスキー文化を象徴するブランドとして広く親しまれています。

実は、発売当初の正式名称は「サントリーウイスキー」で、「角瓶」という名前はラベルに記載されていませんでした。角張ったボトル形状と、薩摩切子をモチーフにした亀甲模様のデザインが印象的だったことから、消費者の間で自然と「角瓶」と呼ばれるようになり、その愛称が正式なブランド名として定着しました。

角瓶の味わいは、ほのかな甘みと厚みのあるコク、そしてすっきりとした後味が特徴です。2008年にはサントリーが「角ハイボール」を積極的に提案したことで人気が再燃し、日本におけるハイボールブームを牽引する存在となりました。なお、角瓶が発売された10月8日は、「角ハイボールの日」として日本記念日協会に登録されています。

2025年の世界ランキングでは、TOP20にランクインした唯一のジャパニーズウイスキーブランドとなりました。インディアンウイスキーやスコッチ、アメリカンウイスキーが上位を占める中で、日本を代表するブランドとして確かな存在感を示しています。

近年は「角ハイボール缶」をはじめとする関連商品も好調で、国内市場では安定した人気を維持しています。前年比100.2%という数字は大きな伸びではありませんが、日本国内で酒類市場の成熟が進む中でも、長年にわたり愛され続けるブランドの強さを物語っています。

 

16位 シーバスリーガル(Chivas Regal)

16位 シーバスリーガル(Chivas Regal)

生産国:スコットランド
メーカー:ペルノ・リカール(Pernod Ricard)
2025年販売数:470万ケース(前年比98.5%)
楽天市場価格[2026年7月]:2,680円(シーバスリーガル12年)

世界売上ランキング第16位は、スコッチウイスキー「シーバスリーガル」です。2025年の販売数量は470万ケースで、前年比98.5%とわずかに減少したものの、世界を代表するプレミアムブレンデッドスコッチとして高い人気を維持しています。

シーバスリーガルの歴史は1801年、スコットランド・アバディーンでジョン・フォレストが創業した高級食料品店に始まります。その後、1838年にジェームズ・シーバスが店に加わり、さらに弟ジョン・シーバスも参画。兄弟は「シーバス・ブラザーズ」として、地下貯蔵庫で熟成させた上質なウイスキーをブレンドし、品質の高さで評判を築いていきました。

ブランドの転機となったのは1909年です。当時の経営者アレクサンダー・スミスとマスターブレンダーのチャールズ・スチュアート・ハワードが、アメリカの富裕層をターゲットに「シーバスリーガル25年」を発売しました。これは世界初のラグジュアリーウイスキーとも称され、現在のプレミアムウイスキー市場の先駆けとなった一本です。

アメリカの禁酒法による影響を受けたものの、その後ブランドは再び成長を遂げます。1936年にスタンレー・モリソンらの手に渡り、1939年には現在の定番商品につながる「シーバスリーガル12年」が発売されました。フランク・シナトラをはじめ、多くの著名人にも愛されるブランドへと発展し、1949年にはシーグラム傘下に、さらに2001年にはペルノ・リカール傘下となり、現在に至っています。

ブレンドの中核を担うモルトウイスキーは、スペイサイドのストラスアイラ蒸溜所で造られています。1786年創業という長い歴史を誇る蒸溜所で、シーバスリーガルらしいエレガントな味わいを支える重要な存在です。

ラインナップは定番の「12年」をはじめ、「18年」や「25年」など幅広く展開されており、蜂蜜や洋ナシ、バニラを思わせる華やかな甘さと、なめらかな口当たりが特徴です。その飲みやすさから、ストレートやロックはもちろん、ハイボールとの相性も優れています。

2025年は前年比98.5%とやや販売数量を落としたものの、150カ国以上で販売される世界有数のスコッチブランドであることに変わりはありません。長い歴史に裏打ちされた品質と世界規模の販売網を武器に、現在も安定した人気を維持しています。

 

15位 カナディアンクラブ(Canadian Club)

15位 カナディアンクラブ(Canadian Club)

生産国:カナダ
メーカー:サントリーグローバルスピリッツ
2025年販売数:530万ケース(前年比99.8%)
楽天市場価格[2026年7月]:1,280円

世界売上ランキング第15位は、カナディアンウイスキー「カナディアンクラブ」です。2025年の販売数量は530万ケースで、前年比99.8%とほぼ前年並みの実績を維持しました。

ブランドの歴史は1858年に始まります。創業者のハイラム・ウォーカーは、アメリカ・マサチューセッツ州の出身ですが、禁酒運動の広がりを見越し、デトロイト川を挟んだカナダ・オンタリオ州ウィンザーに蒸溜所を設立しました。そこで、ライ麦由来の爽やかな風味を持つ、当時としては革新的なウイスキーを生み出します。

発売当初の名称は「クラブウイスキー」でした。紳士クラブを中心に人気を集めましたが、アメリカの競合メーカーから「カナダ産であることを明記すべき」との要請を受け、1890年の法改正を機に現在の「カナディアンクラブ」へと名称が変更されました。

その後は世界市場へ進出し、1940年にはすでに90カ国で販売される国際的ブランドへと成長しました。1952年にはニューヨーク・タイムズスクエアに大型ネオンサインを掲げ、21年間にわたって設置されたことでも知られています。また、アメリカの禁酒法時代にはアル・カポネによる密輸酒としても有名になりました。

味わいは、コーンとライ麦を主体とした原酒をブレンドすることで生まれる、軽やかでなめらかな飲み口が特徴です。その親しみやすさから世界中で愛されており、1962年公開の映画『007 ドクター・ノオ』では、ジェームズ・ボンドが「CC&ソーダ」を注文するシーンが登場するなど、映画史にもその名を残しています。

現在のブランド体制は少し特殊です。2005年にハイラム・ウォーカー蒸溜所はペルノ・リカールの所有となりましたが、「カナディアンクラブ」のブランド権はサントリーグローバルスピリッツが保有しています。そのため、蒸溜所では契約に基づいて現在もカナディアンクラブ向けの原酒が生産されています。

2025年は販売数量こそ前年比99.8%とわずかに減少したものの、世界ランキングでは15位を維持しました。大幅な成長は見られない一方で、150カ国以上に広がる販売網と長年培ってきたブランド力が、安定した需要を支えています。

なお、同じカナディアンウイスキーで14位にランクインしたクラウンローヤルは790万ケースを販売しており、販売数量では約260万ケースの差があります。現時点では大きな開きがありますが、今後のカナディアンウイスキー市場の動向を占ううえでも、この2ブランドの競争には注目が集まりそうです。

 

14位 クラウンローヤル(Crown Royal)

14位 クラウンローヤル(Crown Royal)

生産国:カナダ
メーカー:ディアジオ(Diageo)
2025年販売数:790万ケース(前年比97.9%)
楽天市場価格[2026年7月]:3,190円

世界売上ランキング第14位は、カナディアンウイスキー「クラウンローヤル」です。2025年の販売数量は790万ケースで、前年比97.9%とやや減少したものの、世界を代表するカナディアンウイスキーブランドとして高い人気を維持しています。

クラウンローヤルは1939年、イギリス国王ジョージ6世とエリザベス王妃によるカナダ公式訪問を記念して誕生しました。ブランドの開発を指揮したのは、当時シーグラム社を率いていたサム・ブロンフマンです。王室を迎えるにふさわしいウイスキーを目指し、600種類以上の試作ブレンドを重ねた末に完成したと伝えられています。

完成したウイスキーは、王冠をイメージしたボトルと、現在でもブランドの象徴となっている紫色のベルベット製パウチに収められました。当時は王室専用の特別なウイスキーとして扱われ、公式訪問の際には実際に王室一行の列車へ積み込まれたことでも知られています。

一般向けの販売が始まったのは1964年です。カナダ国内で発売されると同時にアメリカ市場へも進出し、そのまろやかで飲みやすい味わいが高く評価されました。ストレートやロックはもちろん、カクテルベースとしても人気を集め、現在ではアメリカで最も販売されているカナディアンウイスキーブランドへと成長しています。

2000年にはシーグラム社の解体に伴いディアジオ傘下となり、現在もカナダ・マニトバ州のジムリ蒸溜所で生産が続けられています。

ラインナップは定番の「クラウンローヤル」をはじめ、「ブラック」や「リザーブ」などの上位シリーズも展開されており、豊かな香りと滑らかな口当たりが世界中で支持されています。

2025年は前年比97.9%と販売数量はやや減少しましたが、790万ケースという販売実績は、15位のカナディアンクラブ(530万ケース)を約260万ケース上回っています。カナディアンウイスキー市場では依然としてトップブランドの地位を維持しており、北米市場を中心とした根強い人気が、世界ランキングでも安定した上位を支えています。

 

13位 バランタイン(Ballantine’s)

13位 バランタイン(Ballantine’s)

生産国:スコットランド
メーカー:ペルノ・リカール(Pernod Ricard)
2025年販売数:910万ケース(前年比96.8%)
楽天市場価格[2026年7月]:1,280円(バランタイン ファイネスト)

世界売上ランキング第13位は、スコッチウイスキー「バランタイン」です。2025年の販売数量は910万ケースで、前年比96.8%とやや減少しました。

前年のランキングでは2ランク順位を上げて世界10位まで浮上していましたが、今回は3ランク後退する結果となりました。依然として世界有数の販売量を誇るスコッチブランドであるものの、競争の激しい市場の中でやや苦戦した一年だったといえます。

バランタインの歴史は1827年、ジョージ・バランタインがスコットランド・エディンバラで食料品店を開業したことから始まります。店では食品や雑貨とともにウイスキーも取り扱い、やがて独自のブレンド技術が高く評価されるようになりました。その後はグラスゴーへ拠点を移して事業を拡大し、ヴィクトリア女王時代には英国王室御用達の称号を得るなど、早くから名声を築いています。

現在は、定番の「バランタイン ファイネスト」をはじめ、「10年」「17年」「21年」「30年」など幅広いラインナップを展開しています。なお、長年スタンダードモデルとして親しまれてきた「バランタイン12年」は2024年5月に終売となり、後継商品として「バランタイン10年」が発売されました。

ブランドは20世紀に入ってからハイラム・ウォーカーやアライド・ドメックなどを経て、2005年よりペルノ・リカール傘下となり、現在に至っています。

販売の中心となっているのはアジア市場です。特に中国や東南アジアで高い人気を誇る一方、近年はこれらの地域における景気や消費動向の変化が販売数量にも影響を与えていると考えられます。

2025年は前年比96.8%と販売数量を落としたものの、910万ケースという実績は依然として世界トップクラスです。定番商品のリニューアルというブランド戦略の転換期と、市場競争の激化が重なった一年ではありましたが、スコッチウイスキーを代表するブランドとしての地位は揺らいでいません。

 

12位 8PM(エイトピーエム)

12位 8PM(エイトピーエム)

生産国:インド
メーカー:ラディコ・カイタン(Radico Khaitan)
2025年販売数:920万ケース(前年比95.2%)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第12位は、インディアンウイスキー「8PM(エイトピーエム)」です。2025年の販売数量は920万ケースで、前年比95.2%とやや減少しました。

8PMは、インドの大手酒類メーカーであるラディコ・カイタンを代表するフラッグシップブランドです。「Har Shaam Ki Shuruat(すべての夕方の始まり)」をキャッチフレーズに掲げ、時計の針が午後8時を指す、一日の仕事を終えたくつろぎの時間を象徴するブランドとして展開されています。

発売初年度には100万ケースを販売するという大ヒットを記録し、酒類ブランドとして初めて「リムカ・ブック・オブ・レコード2001」に掲載されました。インド国内では、知名度・販売量ともにトップクラスを誇るブランドとして広く知られています。

8PMを製造するラディコ・カイタンは、ランプール蒸溜所をはじめとする複数の蒸溜所を所有し、原酒の製造から熟成、瓶詰めまでを自社で一貫して行っています。こうした生産体制により、大量生産と安定した品質を両立していることが同ブランドの強みです。

同社は、世界的にも評価の高いシングルモルト「ランプール(Rampur)」や、ブランデーの「モーフィアス(Morpheus)」などプレミアムブランドも展開しています。その中で8PMは、大衆市場を支える中核ブランドとして重要な役割を担っています。

2025年は前年比95.2%と販売数量は減少しました。インドでは近年、プレミアムウイスキー市場が急速に拡大しており、消費者がより高価格帯の商品へ移行していることも、その背景の一つと考えられます。

とはいえ、長期的に見ると8PMは着実な成長を遂げています。2016年には世界ランキング18位、販売数量約410万ケースでしたが、2025年には920万ケースまで拡大し、約10年間で販売量を2倍以上に伸ばしました。

前年比ではやや苦戦したものの、920万ケースという販売実績は世界的に見ても非常に大きな数字です。インド市場の圧倒的な規模を象徴するブランドの一つであり、現在も世界有数のウイスキーブランドとして確かな存在感を示しています。

 

11位 アイコニックホワイト(Iconiq White)

出典:https://www.instagram.com/p/Ci-G_mppSyS/

11位 アイコニックホワイト(Iconiq White)

生産国:インド
売上数:950万ケース(前年対比約211%)
メーカー:アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ(ABD)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第11位は、インディアンウイスキー「アイコニックホワイト」です。2022年に発売された比較的新しいブランドでありながら、わずか数年で世界トップクラスの販売量を記録した注目銘柄です。

手掛けるのは、インド第3位の酒類メーカーであるアライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ(ABD)。アイコニックホワイトは、同社が展開するプレミアム・ブレンデッドウイスキーとして位置付けられています。

原酒には、バーボン樽で熟成した輸入スコッチモルトと、厳選されたインド産グレーンスピリッツを使用しています。モラセス(廃糖蜜)由来のスピリッツを主体とする従来のインディアンウイスキーとは異なり、穀物由来のスピリッツをベースにしているため、国際的なウイスキーのスタイルに近い味わいを目指して造られている点が特徴です。

インドは世界最大のウイスキー消費国ですが、近年は経済成長に伴い、安価なモラセスベースの酒から、より品質を重視したプレミアムウイスキーへと需要が移りつつあります。アイコニックホワイトは、こうした市場の変化を見据えて誕生したブランドであり、現在のインド市場を象徴する存在の一つとなっています。

最大の特徴は、その驚異的な成長スピードです。

2023年は約160万ケース、2024年には約450万ケースまで急拡大し、世界ランキング16位にランクイン。そして2025年は950万ケースを販売し、前年比211.1%という圧倒的な伸びを記録しました。順位も16位から11位へと一気に5ランク上昇しています。

この成長は業界でも高く評価されており、業界誌『Drinks International』の「Millionaires’ Club Report」では、2023年と2024年の2年連続で「世界で最も急成長したミリオネア・スピリッツブランド」に選出されています。

急成長の背景には、従来型のテレビCMや著名人を起用した広告だけに頼らない、現代的なブランド戦略があります。若い世代を意識した飲みやすい味わいに加え、シンプルで洗練されたボトルデザインが支持を集め、従来のインディアンウイスキーとは異なるブランドイメージの確立に成功しました。

さらに、大手流通網を活用して都市部だけでなく地方都市や農村部まで短期間で販路を拡大したことや、海外市場への積極的な輸出も販売拡大を後押ししています。同じABDが展開する主力ブランド「オフィサーズチョイス」が大衆向けであるのに対し、アイコニックホワイトはワンランク上のプレミアムブランドとして展開されている点も特徴です。

現時点では日本での正規販売は確認できませんが、2年連続で200%を超える成長率を記録していることを考えると、一時的なブームではなく、ブランドとして着実に市場へ定着しつつあると考えられます。今後さらに順位を上げる可能性も十分あり、世界のウイスキー市場で最も注目すべきブランドの一つといえるでしょう。

 

10位 ブレンダーズプライド(Blenders Pride)

10位 ブレンダーズプライド(Blenders Pride)

生産国:インド
メーカー:ペルノ・リカール(Pernod Ricard)
2025年販売数:1,010万ケース(前年比100.4%)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第10位は、インディアンウイスキー「ブレンダーズプライド」です。2025年の販売数量は1,010万ケースで、前年比100.4%と前年並みの販売実績を維持しました。

ブレンダーズプライドは、もともとシーグラム社がインド市場向けに開発したブランドです。インド産グレーンスピリッツにスコッチモルトをブレンドしたプレミアム志向のウイスキーとして発売され、着実に販売数量を伸ばしてきました。その後、2000年代初頭のシーグラム社解体に伴い、ブランドはペルノ・リカールへ引き継がれ、現在に至っています。

現在は、「ロイヤルスタッグ」や「インペリアルブルー」と並び、ペルノ・リカールがインドで展開する「Seagram’s」ブランド群の中核を担うIMFL(インド製洋酒)ブランドの一つです。

ブレンダーズプライドは、インド国内で高品質なブレンデッドウイスキーとして広く認知されており、近年は上位ラインの「ブレンダーズプライド リザーブコレクション」も高い人気を集めています。このシリーズは2022年7月から2023年6月の1年間で販売数量100万ケースを突破し、インドのプレミアムウイスキーカテゴリーで第3位の規模に成長しました。直近3年間の年平均成長率は約30%とされており、インド市場で進むプレミアム化を象徴するブランドの一つとなっています。

現在、インドはペルノ・リカールにとって世界最大の市場です。販売数量はアメリカや中国を上回り、2025年6月期には約6,740万ケースを販売し、グループ全体の販売数量の約13%を占めています。

その中でもブレンダーズプライドは、同社のインド事業を支える重要ブランドの一つです。世界売上ランキングTOP20では、グローバル企業であるペルノ・リカールが展開する数少ないインド発ブランドとして存在感を放っています。

2025年は販売数量こそ前年並みでしたが、定番商品の安定した人気に加え、プレミアムラインの成長も続いています。今後もインド市場の高価格帯需要の拡大とともに、さらなる販売増加が期待されるブランドといえるでしょう。

 

9位 ロイヤルチャレンジ(Royal Challenge)

9位 ロイヤルチャレンジ(Royal Challenge)

生産国:インド
メーカー:ディアジオ(ユナイテッドスピリッツ社)
2025年販売数:1,060万ケース(前年比116.4%)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

世界売上ランキング第9位は、インディアンウイスキー「ロイヤルチャレンジ」です。2025年の販売数量は1,060万ケースで、前年比116.4%と大きく成長しました。前年の11位から2ランク順位を上げ、初めてTOP10入りを果たしています。

ロイヤルチャレンジは1980年代初頭に発売されたブランドで、当初はインドの老舗酒類メーカー、ショウ・ウォレス(Shaw Wallace)の主力商品として展開されました。1980年代から1990年代にかけてインドのプレミアムウイスキー市場を牽引し、2003~2004年度にはプレミアムウイスキーとして初めて年間100万ケースを突破。当時はプレミアム市場の約65%という圧倒的なシェアを誇り、ライバルブランドを大きく引き離す存在となっていました。

その後、ショウ・ウォレスがユナイテッドスピリッツに買収されたことで、ロイヤルチャレンジも現在のディアジオグループのブランドとなりました。

原酒にはスコッチモルトに加え、インド産モルトウイスキーやグレーンスピリッツをブレンドしています。インド市場向けブランドらしく、カラメルによる色調整や香料が使用されている点も特徴です。

2010年代後半には若年層への訴求力強化を目的としてブランド戦略を大きく見直し、2017年にはパッケージデザインやブランドアイデンティティを刷新しました。このリニューアルは成功を収め、その後2年間でブランドは25.6%の成長を記録。カテゴリー全体の成長率を大きく上回る結果となり、ブランドの再活性化に成功しました。

2025年もその勢いは続いており、前年比116.4%という高い成長率を記録。販売数量は1,060万ケースに達し、世界ランキングでも9位へと順位を上げています。

TOP20には数多くのインディアンウイスキーがランクインしていますが、ロイヤルチャレンジは40年以上の歴史を持つ老舗ブランドでありながら、時代に合わせたブランド刷新によって再び成長軌道に乗せた点が特徴です。

同じディアジオグループの「クラウンローヤル」のようなグローバルブランドとは異なり、ロイヤルチャレンジはインド市場を中心に展開されています。世界最大のウイスキー市場であるインドにおいて、今後も中核ブランドとして高い存在感を維持していくことが期待されます。

 

8位 ジェムソン(Jameson)

8位 ジェムソン(Jameson)

生産国:アイルランド
メーカー:ペルノ・リカール(アイリッシュ・ディスティラーズ)
2025年販売数:1,110万ケース(前年比約102.2%)
楽天市場価格[2026年7月]:2,055円

世界売上ランキング第8位は、アイリッシュウイスキー「ジェムソン」です。2025年は1,110万ケースを販売し、前年比102.2%と堅調な成長を記録しました。世界で最も売れているアイリッシュウイスキーとして、その地位を維持しています。

ジェムソンの歴史は1780年、スコットランド出身のジョン・ジェムソンがアイルランド・ダブリンに蒸溜所を設立したことから始まります。現在はコーク州のミドルトン蒸溜所で生産されており、240年以上にわたって世界中で親しまれてきました。

ジェムソン最大の特徴は、そのなめらかで飲みやすい味わいです。ピートを使用せず、大麦やモルト、グレーンを原料に、アイルランド伝統の三回蒸溜によって造られています。この製法により、スコッチウイスキーと比べて軽やかでまろやかな口当たりが生まれ、ストレートはもちろん、ハイボールやカクテルベースとしても高い人気を誇ります。

近年は販売を大きく伸ばしており、2022年には年間販売数量が初めて1,000万ケースを突破しました。ペルノ・リカールグループの中でも、「アブソルート」に次ぐ主力ブランドへと成長しています。

2025年6月期の決算では、欧州や北米市場がやや苦戦する一方で、日本やインド、東南アジア、ナイジェリア、ブラジル、メキシコ、トルコなどの新興市場で二桁成長を記録しました。こうした市場の拡大がブランド全体の成長を支える大きな要因となっています。

マーケティングにも積極的で、日本を含むアジアでは韓国のアーティスト・ZICOをブランドアンバサダーに起用した「MUST BE A JAMESON」キャンペーンを展開。また、グラミー賞受賞アーティストのアンダーソン・パークとのコラボレーションボトルを発売するなど、音楽カルチャーと融合したブランド戦略によって若い世代への認知拡大にも力を入れています。

2025年の販売数量は1,110万ケースと、世界ランキングでは第8位。TOP20の中では唯一ランクインしたアイリッシュウイスキーブランドであり、飲みやすさと親しみやすさを武器に、スコッチやアメリカンウイスキー、インディアンウイスキーが並ぶ世界市場の中で独自の存在感を放っています。

 

7位 ジャックダニエル(Jack Daniel’s)

7位 ジャックダニエル(Jack Daniel’s)

生産国:アメリカ
メーカー:ブラウン・フォーマン(Brown-Forman)
2025年販売数:1,340万ケース(前年比95.4%)
楽天市場価格[2026年7月]:2,145円

世界売上ランキング第7位は、アメリカ・テネシー州を代表するウイスキー「ジャックダニエル」です。2025年の販売数量は1,340万ケースで、前年比95.4%と減少しました。

2015年から2024年までの10年間、ジャックダニエルはアメリカンウイスキーカテゴリーで販売数量1位を維持してきました。しかし、2025年は後述する「ジムビーム」に首位を譲る結果となり、一つの時代の節目を迎えています。

ジャックダニエルの歴史は1866年、ジャスパー・ニュートン・“ジャック”・ダニエルがテネシー州リンチバーグに蒸溜所を設立したことに始まります。アメリカ政府に正式登録された最古の蒸溜所として知られ、世界を代表するアメリカンウイスキーブランドへと成長しました。

最大の特徴は、「リンカーン・カウンティ・プロセス」と呼ばれる独自の製法です。蒸溜したばかりの原酒をサトウカエデの木炭で数日間かけてゆっくりとろ過することで、テネシーウイスキーならではのまろやかで滑らかな味わいが生まれます。この製法こそが、ジャックダニエルをバーボンとは一線を画す存在にしている大きな理由です。

ブランドとしての評価も非常に高く、長年にわたり世界で最も価値のあるスピリッツブランドの一つとして知られてきました。アメリカ国内はもちろん、世界170カ国以上で販売されるなど、アメリカンウイスキーを象徴するブランドとして確固たる地位を築いています。

一方で、2025年は厳しい事業環境に直面しました。親会社ブラウン・フォーマンは通期の売上高・利益ともに減少し、カナダやEU向け輸出では関税の影響も受けています。また、世界的な酒類需要の鈍化や熟成原酒の供給過剰、若年層の飲酒習慣の変化なども販売数量の減少につながったと考えられます。

そのような中でも、新商品の展開は好調です。2025年に発売された「ジャックダニエル テネシー・ブラックベリー」は大きなヒットとなり、ブランド全体の販売を下支えしました。また、日本では100年以上ぶりに復活した「ジャックダニエル10年」が数量限定で発売されるなど、プレミアムラインの拡充も進められています。

2025年は10年間守り続けたアメリカンウイスキー販売数量1位の座を明け渡す結果となりました。しかし、1,340万ケースという販売実績は依然として世界トップクラスであり、ジャックダニエルが世界を代表するアメリカンウイスキーブランドであることに変わりはありません。今後は市場環境の変化にどう対応し、再び成長軌道へ戻せるかが注目されています。

 

6位 ジムビーム(Jim Beam)

6位 ジムビーム(Jim Beam)

生産国:アメリカ
メーカー:サントリー・グローバル・スピリッツ(Suntory Global Spirits)
2025年販売数:1,670万ケース(前年比95.4%)
楽天市場価格[2026年7月]:1,198円

世界売上ランキング第6位は、「世界No.1バーボン」として知られる「ジムビーム」です。2025年の販売数量は1,670万ケースで、前年比95.4%と減少したものの、長年アメリカンウイスキー首位を維持してきた「ジャックダニエル」を上回り、カテゴリー1位となりました。

ジムビームの歴史は1795年、ジェイコブ・ビームがケンタッキー州でウイスキー造りを始めたことにさかのぼります。230年以上の歴史を持つ、世界を代表するバーボンブランドです。

原料にはトウモロコシを主体としたマッシュビルを使用し、内側を強く焦がした新品のアメリカンホワイトオーク樽で最低4年以上熟成。バニラやキャラメルを思わせる甘みと、樽由来の香ばしさが調和した、バーボンらしい力強く親しみやすい味わいが特徴です。

現在はサントリー・グローバル・スピリッツ(旧ビーム・サントリー)がブランドを展開しており、日本市場でも高い人気を誇ります。特にハイボール需要の拡大を追い風に販売は好調で、2024年には国内販売数量が過去最高を更新しました。

一方で、世界市場では厳しい環境が続いています。2025年はアメリカンウイスキー業界全体で需要の鈍化が進み、ケンタッキー州では熟成樽が過去最多となる約1,600万樽まで積み上がるなど、供給過剰が深刻化しています。

さらに、アメリカとカナダの関税問題や、EU向け輸出の減少も業界に大きな影響を与えました。こうした状況を受け、サントリー・グローバル・スピリッツは2026年、主力生産拠点であるクレアモント蒸溜所の蒸溜工程を約1年間停止すると発表しています。同蒸溜所はジムビーム全体の生産量のおよそ3分の1を担う旗艦施設であり、この決定はバーボン業界に大きな衝撃を与えました。

ただし、蒸溜停止は需要と在庫のバランスを調整するための措置であり、人員削減は行わず、瓶詰めや熟成管理、ビジターセンターなどの業務は継続されます。また、設備更新への投資も進められる予定で、小規模なクラフト蒸溜所では引き続き生産が続けられています。

2025年はアメリカンウイスキー首位の座を獲得したジムビームですが、その背景にはブランド単独の成長だけでなく、市場全体の需要減少や競合ブランドの販売減少も影響しています。

それでも1,670万ケースという販売数量は世界トップクラスであり、ジムビームが世界最大のバーボンブランドであることに変わりはありません。アメリカンウイスキー市場が転換期を迎える中、その動向を占ううえでも、今後のジムビームの戦略には大きな注目が集まります。

 

5位 ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)

5位 ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)

生産国:イギリス(スコットランド)
メーカー:ディアジオ(Diageo)
2025年販売数:2,030万ケース(前年比94%)
楽天市場価格[2026年7月]:1,149円(ジョニーウォーカー レッドラベル)

世界売上ランキング第5位は、「ジョニーウォーカー」です。2025年の販売数量は2,030万ケースで、前年比94.0%と減少したものの、世界で最も売れているスコッチウイスキーブランドの座を維持しています。

同ランキングで2位のスコッチブランドであるバランタイン(910万ケース)を大きく引き離しており、販売数量では2倍以上の差をつけています。その圧倒的な規模からも、ジョニーウォーカーが世界のスコッチ市場を代表するブランドであることが分かります。

ブランドの歴史は1820年、創業者ジョン・ウォーカーがスコットランド・キルマーノックで食料品店を開いたことから始まります。その後、1860年代に息子アレクサンダー・ウォーカーがブレンデッドウイスキーの販売を本格化させ、現在のブランドの礎を築きました。

ジョニーウォーカーを象徴する角形ボトルと斜めに貼られたラベルは、1860年代から受け継がれている伝統的なデザインです。世界でも最も長く使われ続けているパッケージデザインの一つとして知られています。

1960年代以降は、世界で最も売れているスコッチウイスキーとして長年トップの座を維持しており、現在もその地位は変わっていません。

ラインナップも非常に充実しています。定番の「レッドラベル」と「ブラックラベル」をはじめ、「ダブルブラック」「グリーンラベル」「ゴールドラベル」「ブルーラベル」など、価格帯や味わいの異なる幅広いシリーズを展開しています。初心者から愛好家まで幅広い層を取り込める商品構成は、ジョニーウォーカー最大の強みの一つです。

一方で、2025年は世界的な酒類需要の鈍化や消費者の節約志向の影響を受け、販売数量は前年比94.0%となりました。北米市場でも販売が減少しており、世界最大のスコッチブランドであっても市場環境の変化を避けることはできませんでした。

こうした状況を受け、親会社ディアジオはブランド戦略を見直しています。2025年には「ブラックルビー」、2026年には「ブラックカスク」や「レッドソウル」といった新商品を相次いで投入し、新たな消費者層の獲得を目指しています。プレミアム市場だけでなく、エントリー価格帯の強化にも力を入れており、市場環境の変化に対応する姿勢を鮮明にしています。

2025年は販売数量を落としたものの、2,030万ケースという実績は依然として他のスコッチブランドを大きく上回っています。200年以上の歴史を持ちながらも、時代に合わせて商品開発やマーケティングを進化させ続けるジョニーウォーカーは、今なお世界のスコッチウイスキーを象徴するブランドであり続けています。

 

4位 インペリアルブルー(Imperial Blue)

4位 インペリアルブルー(Imperial Blue)

生産国:インド
メーカー:ティラクナガル・インダストリーズ(旧ペルノ・リカール)
2024年販売数:2,030万ケース(前年比88.6%)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

第4位は、インドを代表するウイスキーブランド「インペリアルブルー」です。2025年は2,030万ケースを販売し、前年比88.6%と減少したものの、世界ランキングでは4位を維持しました。なお、インド国内では2024年度(FY25)の販売実績が約2,240万ケースに達し、市場シェア約9%を占める主要ブランドとして高い存在感を示しています。

インペリアルブルーは1997年にシーグラム社によって発売されました。スコッチウイスキー原酒をブレンドしたインディアンウイスキーとして人気を集め、2001年にシーグラム社が解体された後は、ペルノ・リカールの主力ブランドとしてインド市場で成長を続けてきました。

比較的手頃な価格でスコッチ由来の風味を楽しめることから、エントリーモデルとプレミアムモデルの中間に位置するブランドとして幅広い支持を獲得し、長年にわたりインド市場を代表するウイスキーの一つとなっています。

しかし近年は、インド国内でプレミアムウイスキーへの需要が高まる一方、インペリアルブルーの販売は伸び悩むようになりました。こうした状況を受け、ペルノ・リカールはプレミアムブランドへの経営資源集中を進めるため、インペリアルブルーの売却を決定します。

当初はサントリーへの売却も取り沙汰されましたが、最終的には2025年7月、インドの大手酒類メーカーであるティラクナガル・インダストリーズが買収契約を締結。同年11月に買収手続きが完了し、ブランドは外資系企業からインド資本へと移りました。

この買収はインド酒類業界でも最大級のM&Aの一つとされ、ティラクナガル・インダストリーズは「インペリアルブラック」「インペリアルレッド」を含む関連ブランドの権利も取得。これまでブランデーを主力としていた同社は、一気にウイスキー事業を中心とする企業へと事業構成を転換しました。

2025年は販売数量こそ減少したものの、2,030万ケースという実績は依然として世界トップクラスです。また、経営体制が大きく変わったことで、今後は新たなブランド戦略やプレミアム化への取り組みにも注目が集まっています。

世界ランキング上位の中でも、これほど大規模な企業買収を経て新たなスタートを切ったブランドは珍しく、インペリアルブルーの今後の展開はインドウイスキー市場全体を占ううえでも重要なポイントになりそうです。

 

3位 オフィサーズチョイス(Officer’s Choice)

3位 オフィサーズチョイス(Officer’s Choice)

生産国:インド
メーカー:アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ(ABD)
2024年販売数:2,070万ケース(前年比約97.2%)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

第3位は、インディアンウイスキー「オフィサーズチョイス」です。2025年の販売数量は2,070万ケースで、前年比97.2%とやや減少しましたが、世界第3位という高い順位を維持しています。

オフィサーズチョイスは、インドの大手酒類メーカーであるアライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ(ABD)が展開する主力ブランドです。国際的な販売数量調査では、長年にわたり「世界で最も売れているウイスキー」としてトップに君臨していた実績を持ちます。

世界的な知名度はジョニーウォーカーやジャックダニエルほど高くありませんが、世界最大のウイスキー消費国であるインド国内で圧倒的な販売量を誇ることで、長年グローバルランキングの頂点に立ち続けてきました。

最盛期の2015年前後には年間3,500万ケース以上を販売し、世界のウイスキー市場でも突出した存在でした。しかし、その後は販売数量が減少傾向に転じます。

大きな転機となったのは2016年です。インド最高裁判所が主要国道沿いでの酒類販売を禁止する判断を下したことで、全国の販売網に大きな影響が及びました。特に大衆向けブランドであるオフィサーズチョイスは打撃を受け、販売数量は減少へと転じます。

さらに近年は、インド国内でプレミアムウイスキーへの需要が高まったことも逆風となりました。消費者の嗜好がより高価格帯の商品へ移りつつある中で、ロイヤルスタッグやアイコニックホワイトなどの成長ブランドとの競争も激しくなっています。

それでも2,070万ケースという販売実績は依然として世界トップクラスです。インド市場の圧倒的な規模に支えられ、現在も世界で3番目に売れているウイスキーブランドという地位を維持しています。

かつての「世界No.1ブランド」という存在感こそ薄れつつありますが、オフィサーズチョイスは今なおインドウイスキー市場を代表するブランドの一つです。市場のプレミアム化が進む中で、今後どのようにブランド価値を高め、再び成長軌道へ乗せられるかが注目されています。

 

2位 マクダウェルズ(McDowell’s)

2位 マクダウェルズ(McDowell’s)

生産国:インド
メーカー:ユナイテッド・スピリッツ(ディアジオ傘下)
2025年販売数:3,190万ケース(前年比99.1%)
楽天市場価格[2026年7月]:2,140円(ミスタードエルズNO.1)

世界売上ランキング第2位は、インディアンウイスキー「マクダウェルズ」です。2025年の販売数量は3,190万ケースで、前年比99.1%とほぼ前年並みを維持しました。

2019年から2024年まで6年連続で世界売上ランキング1位を守り続けてきたブランドですが、2025年は同じインドの「ロイヤルスタッグ」が3,260万ケースを販売し、首位の座を譲る結果となりました。

マクダウェルズを製造・販売するのは、インド最大級の酒類メーカーであるユナイテッド・スピリッツです。同社は現在ディアジオ傘下にあり、インド国内では圧倒的な知名度と販売網を持つ企業として知られています。

今回順位を落としたとはいえ、マクダウェルズの販売数量が大きく減少したわけではありません。前年比は99.1%とほぼ横ばいで推移しており、順位変動の最大の要因は、ロイヤルスタッグが前年比105.0%と大きく販売を伸ばしたことにあります。

このブランドには、輸出市場ならではの興味深いエピソードもあります。

インド国内では現在も「McDowell’s No.1」の名称で販売されていますが、海外では2018年から「Mr. Dowell’s No.1(ミスタードエルズ No.1)」というブランド名に変更されています。

これは2016年、スコッチウイスキー協会(SWA)が「Mc」という接頭辞がスコットランド由来であると誤認される可能性があるとして、輸出市場での名称変更を求めたことがきっかけです。ディアジオはこの要請を受け入れ、海外向けブランド名を「Mr. Dowell’s No.1」へ変更しました。

日本で販売されているボトルも、この「ミスタードエルズ No.1」の名称が採用されています。そのため、日本国内では本国仕様の「McDowell’s No.1」を見かけることはほとんどありません。

もっとも、輸出向けの販売数量はブランド全体のごく一部に過ぎず、売上の大半はインド国内市場が占めています。そのため、日本ではあまり知られていないブランドでありながら、世界では3,000万ケースを超える販売実績を誇るという、非常にユニークな存在となっています。

2025年は惜しくも世界1位の座を明け渡しましたが、3,190万ケースという販売数量は依然として世界トップクラスです。首位との差はわずか70万ケースしかなく、今後の販売動向次第では再びトップへ返り咲く可能性も十分にあります。

インド市場を代表する二大ブランドであるマクダウェルズとロイヤルスタッグの競争は、今後も世界のウイスキー市場を占う大きな見どころとなりそうです。

ミスタードエル No.1
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1位 ロイヤルスタッグ(Royal Stag)

1位 ロイヤルスタッグ(Royal Stag)

生産国:インド
2025年販売数:3,260万ケース(前年比105%)
メーカー:ペルノ・リカール(ペルノ・リカール・インディア)
楽天市場価格[2026年7月]:在庫なし

2025年、世界で最も売れたウイスキーとなったのが「ロイヤルスタッグ」です。販売数量は3,260万ケースを記録し、前年比105.0%と力強く成長。2019年から2024年まで6年連続で首位だった「マクダウェルズ」を抜き、世界売上ランキングの頂点に立ちました。

この順位交代は、インドウイスキー市場における勢力図が大きく変わったことを象徴する出来事と言えるでしょう。

ロイヤルスタッグは1995年に発売されたブランドで、ペルノ・リカール・インディアが展開しています。インド産のグレーンスピリッツと輸入したスコッチモルトをブレンドし、安定した品質を維持するため、一部にはモラセス(廃糖蜜)由来のスピリッツも使用されています。

現在では世界33カ国以上で販売されており、インド国内だけでなく海外市場でも着実に存在感を高めています。

2025年の大きな成長を支えた要因の一つが、ペルノ・リカールが積極的に進めるプレミアム化戦略です。

2024年には上位モデルとなる「ロイヤルスタッグ ダブルダーク ピーティ」を発売したほか、偽造防止技術を採用した新パッケージを導入するなど、ブランド価値の向上にも力を入れています。

さらに、音楽イベント「Royal Stag BoomBox」の開催やクリケット大会へのスポンサー活動など、若年層との接点を広げるマーケティングを積極的に展開。単なる価格競争ではなく、ブランドイメージそのものを高める戦略が販売拡大につながったと考えられます。

ペルノ・リカールにとってインドは世界有数の重要市場であり、グループ全体の売上を支える存在です。今後もプレミアム化を進めながら、さらなる成長を目指す方針が示されています。

一方で、今回首位を明け渡したマクダウェルズを展開するユナイテッド・スピリッツは、販売数量よりも利益率を重視した高価格帯へのシフトを進めています。そのため、今回の順位逆転は単純な販売不振ではなく、「販売数量を伸ばすロイヤルスタッグ」と「収益性を重視するマクダウェルズ」という、両社の異なる経営戦略が反映された結果とも言えます。

世界で最も売れているウイスキーでありながら、日本ではほとんど流通していないのもロイヤルスタッグの特徴です。日本のウイスキーファンにはあまり馴染みのないブランドですが、世界最大のウイスキー消費国・インドで圧倒的な支持を集め、2025年にはついに世界売上No.1の座を獲得しました。

日本では入手する機会は限られますが、世界のウイスキー市場を語るうえで、その存在を外すことはできない一本と言えるでしょう。

 



 

今回のランキングを通して見えてきたのは、販売数量トップのブランドが、必ずしも世界的な知名度やブランドイメージの高さと一致するわけではないという事実。

日本ではほとんど名前を聞かないブランドが世界1位、2位を占めている一方で、誰もが知っているような有名ブランドは、数量だけで見ると中位から下位にとどまっているケースも少なくありません。

これは、人口規模の大きい市場でどれだけ日常的に消費されているかが、このランキングの結果を大きく左右しているためです。ウイスキーの「評価」と「販売量」は、必ずしも同じ方向を向いているわけではない、ということがよく分かる結果でした。

普段何気なく選んでいる一本も、こうした視点で見てみると、また違った面白さに気づけるかもしれません。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

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健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。

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