ウイスキー評論家が高得点【92点】をつけたシングルモルト11選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTubeTikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では世界的に有名なウイスキー評論家 「故マイケル・ジャクソン」氏の著書『モルトウイスキー・コンパニオン改訂第7版』で高得点となる、100点満点中92点を獲得したシングルモルト・スコッチウイスキーをご紹介致します。

ウイスキー評論家が高得点をつけたシングルモルト
90点 91点 92点 93点 94点(最高得点)

 

2020年に発売された『改訂版7版』は、マイケル氏が生前テイスティングしたウイスキーの他、マイケル氏の遺志を継ぐ、有名ウイスキーライター「ドミニク・ロスクロウ」氏と「ギャビン・スミス」氏によって改訂が行われており、約600種もの新ボトルが掲載されています。この本では約800本のウイスキーが評価されていますが、90点以上の高得点がつけられたシングルモルト・スコッチウイスキーは僅か68本。他のウイスキー評論家が90点以上の得点を付けることは珍しくはありませんが、マイケル氏はめったに90点以上の評価はしません。その遺志をできる限り尊重する形で、新ボトルの評価も厳しく行われているため、90点以上のボトルは少なくなっています。

92点を獲得しているボトルは68本中11本となっており、非常に優れた銘柄であることに間違いありません。これまで90点、91点のボトルをご紹介しましたが、今回の92点を獲得したウイスキーはそれを上回る高品質なボトルとなっています。現在では入手が難しいボトルがほとんどですが、バーなどで見かけた際には飲んでおきたいところです。

マイケル・ジャクソン (michael Jackson)
1942~2007

イギリス出身。ウイスキージャーナリスト、ライター、評論家。著書『モルトウイスキー・コンパニオン』は1989年にイギリスで刊行され、世界的なベストセラーとなる。ウイスキー以外にビールにも精通しており、歌手のマイケル・ジャクソンは「ポップの帝王(King of Pop)」と呼ばれたのに対し「ホップの帝王(King of Hop)」と呼ばれることもあった。2007年にロンドンの自宅で亡くなる。享年65歳。

主な著作:『ウィスキー・エンサイクロペディア』2007年、『ビア・コンパニオン 日本語版』1998年、『モルトウイスキー・コンパニオン』1989年。

『モルトウイスキー・コンパニオン改訂第7版』

 

 

ウイスキー評論家が高得点【92点】をつけたシングルモルト11選

1. クラガンモア21年 スペシャルリリース2010
2. ロングモーン11年ダグラス・オブ・ドラムランリグ(ダグラスレイン)
3. タリスカー35年 スペシャル・リリース2012
4. ハイランドパーク18年
5. アードベッグ Uigeadail(ウーガダール)
6. アードベッグ1990 Airigh Nam Beist(アリーナムビースト)
7. アードベック Supernova SN2014(コミッティ・リリース)
8. ザ・バルヴェニー40年
9. カリラ30年スペシャルリリース2014
10. グレンフィディック40年 Rere Collection
11. ザ・グレンリベット2013 17年

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト クラガンモア21年 スペシャルリリース2010

クラガンモア21年 スペシャルリリース2010
56%

1989年~2010年までアメリカンオークで熟成させた21年物の限定ボトル。5856本のボトリング。『モルトウイスキー・コンパニオン改訂第7版』では5本のクラガンモアが掲載されていますが、全てのボトルが90点以上を獲得。マイケル氏と改編した二人のウイスキーライターから高い評価を受けている蒸留所です。
クラガンモア21年 スペシャルリリース2010は熟成期間がある程度長い割には樽香は控えめで、強く主張していません。クラガンモア本来の緻密なフローラル感があり、フルーティーで上品な口当たり。この上なく幸せなひと時を約束してくれるでしょう。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト ロングモーン11年ダグラス・オブ・ドラムランリグ(ダグラスレイン)

ロングモーン11年ダグラス・オブ・ドラムランリグ(ダグラスレイン)
50%

ボトラーズ「ダグラスレイン」のボトリングしたロングモーン11年。マイケル氏から「優れたスペイサイドモルトの一つ」と称されている蒸留所です。今回はオフィシャルボトルであるロングモーン16年が85点、ロングモーン18年が93点を獲得しています。ロングモーン11年はボトラーズ商品らしい個性的な1本。若いだけあってやや角のあるライトボディでクリーンな味わい。フルーティーさと程よくピーティーな風味が心地よく続きます。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト タリスカー35年 スペシャル・リリース2012

タリスカー35年 スペシャル・リリース2012
54.6%

2012年にリリースされた特別なタリスカーの長期熟成。1977年に蒸留した原酒をアメリカンオークとヨーロピアンオークの樽で熟成させています。口当たりはなめらか。黒胡椒、ピート、レモン、マンゴー、オレンジ、海藻。フィニッシュにかけては若干のビターさがあります。しなやかで複雑で、語りつくせないほどすばらしい味わいです。

 

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト ハイランドパーク18年

ハイランドパーク18年
43%

※画像はハイランドパーク 18年 ヴァイキング プライド

『モルトウイスキー・コンパニオン改訂第7版』では旧ボトルのハイランドパーク18年が92点を獲得。現行品は「ハイランドパーク18年ヴァイキング・プライド」にリニューアルしており、味わいは異なっています。

ハイランドパークの18年以上のボトルは「シガー」との相性が良いことで有名です。マイケル氏も推奨しており、デザートと一緒に愉しみたいと語っています。口に含むとなめらかでスムーズ。フルーティーさと熟成香、ピート、潮気がバランスよく感じられ、スパイシーでアロマティック。個人的な好みで言うと、長期熟成よりも18年前後の酒齢が最もハイランドパークらしい個性を感じることができるのでおいしいと思います。

↓ハイランドパーク 18年 ヴァイキング プライド

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ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト アードベッグ Uigeadail(ウーガダール)

アードベッグ Uigeadail(ウーガダール)
54.2%

「ウーダガール」とは、アードベックの仕込み水を採取している湖の名前から名付けられています。アードベックのオフィシャルラインナップの中から唯一90点以上を獲得。2003年に発売されましたが、当初のボトルはバーボン樽熟成原酒に長期熟成のシェリー樽がブレンドされたリッチなウイスキーで、現行品とは全く異なる味わいでした。今回の改訂第7版では、このウイスキーが販売当初のボトルなのか、その後ラインナップとして登場したボトルなのか、重要な点ですが残念ながらリリース年の表記されていないため分かりません。

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ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト アードベッグ1990 Airigh Nam Beist(アリーナムビースト)

アードベッグ1990 Airigh Nam Beist(アリーナムビースト)
46%

アリーナムビーストとは、ウーガダールと同様にアードベックの仕込み水を採取している湖の名前。ゲール語で「野獣の潜む場所」という意味をもっています。今回92点を獲得したのは1990年蒸留となるボトルで、2007年にボトリングされたものです。

しっかりとしたピート、薬品香。オイリーでスパイシー。甘さもしっかりあってまろやかな味わい。ビーストと呼ばれる割には、奥深くて繊細さも伴うアードベックでしょうか。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト アードベック Supernova SN2014(コミッティ・リリース)

アードベック Supernova SN2014(コミッティ・リリース)
55%

※画像はヴィンテージが異なるスーパーノヴァ

通常よりもさらに強いフェノール値でつくられた「スーパーノヴァ」シリーズの2014年リリースボトル。アードベッグはウイスキー史上初となる「宇宙熟成」が行われており、宇宙ステーション内での約3年間(1045日間)の実験から地球に無事帰還したことを記念してつくられたのが「スーパーノヴァ2014」となっています。ラベルは帰還を祝した特別なデザインが施されており、アードベックが地球を周回した様子をモチーフに描かれているようです。宇宙で熟成させた原酒がブレンドされていれば、もっと話題になったのかもしれませんね。

↓アードベッグ スーパーノヴァ

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト ザ・バルヴェニー40年

ザ・バルヴェニー40年
48.5%

バルヴェニー40年は2010年にファーストエディション(バッチ1)が免税店向けに発売されました。限定本数150本。『モルトウイスキー・コンパニオン改訂第7版』ではバッチナンバーに関して記述がなく、いつリリースされた40年物なのかは不明となっていますが、「7つのシェリー樽とリフィル・ホグスヘッドを混合して…」という説明がなされていることから、おそらくバッチ1ではないかと推測できます。

ちなみに「バッチ2」は6つのホグスヘッドとシェリーバットが使用されており、「バッチ3」に至っては5つのヨーロピアンオーク・シェリー樽の原酒をブレンドしています。熟成樽が全く異なるため、バルヴェニー40年はバッチごとに味わいが変化していると考えられます。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト カリラ30年スペシャルリリース2014

カリラ30年スペシャルリリース2014
55.1%

1983年蒸留で2014年にボトリングされたボトル。発売当時は最長酒齢となるリミテッドエディションでした。熟成にはリフィルのヨーロピアンオーク樽とリフィルのアメリカンオーク樽が使用されており、長期熟成らしい重厚な味わい。フローラルでスパイシー。ピートスモークがきめ細かく溶け込み、甘みのあるフルーティーなカリラ。改訂第7版で紹介されている11本のカリラのなかで、最も高い得点を獲得しています。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト グレンフィディック40年 Rere Collection

グレンフィディック40年 Rere Collection
43.6%

レアコレクションは40年物をボトリングした特別なシリーズ。現在はレアコレクションではなく「リリースNo」表記に変わっています。改訂第7版ではリリース年が明らかにされていませんが、アルコール度数から2000年にボトリングされたファーストエディションであることが分かります。

複雑なアロマを形成しており、ソフトでリッチ。口に含んだ時に高級感があり、これぞ長期熟成といえる最高のバランスを愉しむことができます。

 

ウイスキー評論家が92点をつけたシングルモルト ザ・グレンリベット2013 17年

ザ・グレンリベット2013 17年
55.7%

シーバスブラザーズ社(親会社はペルノリカール)のカスクストレングス・エディションシリーズのグレンリベット17年。ブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル」は、キーモルトにストラスアイラの原酒を使用しています。その他、構成における重要なモルト原酒として、「ロングモーン」と「ベンリアック」、そしてグレンリベットがブレンドされています。このボトルはシーバスリーガルの構成原酒シリーズとも言えるウイスキー。

アルコールの刺激に甘みとフルーティーさが見事に溶け込んだ、スムースで華やかな味わい。フィニッシュにかけてはスパイシーでドライ。落ち着きのある樽香を感じます。

 

 

 



 

 

90点以上を獲得した銘柄68本の中から「92点」となったウイスキー11本を解説致しました。

すべてメジャーな蒸留所のウイスキーでしたね。長期熟成が多いなか、ロングモーン11年のようにスタンダードな酒齢のボトルも92点もの高得点を獲得しています。「40年物」と肩を並べるほどのウイスキーですが、リリース当初はリーズナブルな価格でした。こうした低価格でも高評価されているボトルを知ることができるのも、モルトウイスキー・コンパニオンの面白い所ですね。

次回は93点を獲得した10本をご紹介致します。お楽しみに!

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

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