【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|オフィシャルボトル29選

【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ダルモア Dalmore

ダルモア Dalmore
地域:北ハイランド
創業年:1839
エンペラドール・ディスティラーズ社

元々ホワイトマッカイへの原酒供給がメインであったため、傘下に入る形での吸収合併となりました。現在はフィリピンのブランデーメーカー「エンペラドール社」が所有しています。

初留釜のスチル形状はT字シェイプと呼ばれる珍しいもので、再留釜にも首の部分に冷却用のウォータージャケットが搭載されており、ヘッドが冷却されることで蒸気の還流が促される仕組み。このような個性的な設備によって、ダルモアの力強さ・独特の複雑さが生み出されています。

ダルモア 12年

ダルモア 12年

  • アルコール度数:40%
  • 参考価格:12300円

蒸留所は創業以来シングルモルトの販売を継続しており、ダルモア12年はその歴史の長さを感じさせてくれます。

オレンジマーマレード、ハチミツ、メープルシロップ、パウンドケーキ。甘やかなアロマですが、ドライにしまった味わい。

「シガーモルト」と呼ばれるダルモアですが、シガーがなくともゆっくりと相手をしてくれる、安定感抜群の1本です。

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ダルモア
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【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ティーニニック Teaninich

出典:https://scotchwhisky.com/whiskypedia/1899/teaninich/

ティーニニック Teaninich
地域:北ハイランド
創業年:1817年
MHD

2015年には生産設備を増強する改修が行われ、年間1030万ℓの生産量となりました。ディアジオ社所有としては、ローズアイル、グレンオードに次いで3番目に大きい蒸留所。原酒はほとんどがブレンデッド用で、「ジョニーウォーカー」「ヘイグ」「VAT69」などに使用されています。

シングルモルトとしては1992年に発売された「花と動物」シリーズの10年物が存在しており、その他はボトラーズ会社から多数のボトルがリリースされています。

ティーニニック 10年

ティーニニック 10年

  • アルコール度数:43%
  • 参考価格:7200円

蒸留所にちなんだ「花」や「動物」をラベルデザインしているディアジオ社の人気シリーズ「花と動物」からリリースされているオフィシャルボトル。ティーニニックと言えば真っ先に思い浮かぶのがこのウイスキーです。

フレッシュでフルーティー。ウイスキーの色合いからは想像できませんが、意外と厚みがあってしっかりとしています。

少し加水するとクリーミー。ハイボールやロックよりも、ストレート、トワイスアップで愉しみたいですね。

 

 

【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|ディーンストン Deanston

 

出典:https://deanstonmalt.com/

ディーンストン Deanston
地域:南ハイランド
創業年:1965年
ディステル・グループ社

1785年に建設された歴史的な紡績工場を改装して建てられた蒸留所。レンガ造りの外観は今でも大きな変化はありません。ウイスキーの熟成庫も当時「綿花」を貯蔵していた倉庫をリノベーションしてつくられており、温度や湿度が一定に保たれる仕組みです。

蒸留所を所有しているのは南アフリカのディステル・グループで、トバモリー、ブナハーブンも同社が経営しています。

ディーンストン ヴァージンオーク

ディーンストン ヴァージンオーク

  • アルコール度数:46.3%
  • 参考価格:4900円

ディーンストン ヴァージンオークはバーボン樽での熟成後、アメリカンオークの新樽で後熟を施したウイスキー。これまでのハイランドモルトと比べて、樽からのニュアンスが強くてはっきりとした個性に仕上がっています。新樽のフィニッシュも上品でわざとらしくありません。

ノンピーテッド麦芽で仕込まれているので、クセが少なく甘みもあるのが特徴。蒸留所の位置的にはローランドにも近いため、ローランドモルトのような個性も感じます。

 

 

【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|トマーティン Tomatin

トマーティン Tomatin
地域:北ハイランド
創業年:1897年
宝酒造

トマーティンの創業は1897年。ポットスチル2基からなる小さな蒸留所として生産を開始。年々生産量は増加し、1956年に4基、1958年に6基、そして1974年には当時のスコットランド最大となる23基(年間生産量1200万ℓ)までに増強しています。その後はウイスキーの消費量が低迷したことで経営が厳しくなり、1986年からは宝酒造と大倉商事の合弁会社に買収されました。

現在のトマーティンはピーク時の半分程となる、ポットスチル12基で稼働。年間500万ℓの生産が可能。かつてはブレンデッドの原酒用としての役割が大きかったのですが、現在では有名銘柄に使用されていないこともあってか、シングルモルトのリリースに力を注いでいます。

トマーティン 12年

トマーティン 12年

  • アルコール度数:43%
  • 参考価格:4400円

バーボン樽、リフィルのバーボンホグスヘッド、シェリー樽の原酒をブレンド。さらに約8か月間をシェリー樽で後熟。オフィシャルボトルの12年物としては程よいピートの香り、麦芽の甘さとまろやかな熟成感。

ハイランドモルトの王道とも言えるウイスキー。真っ先に蒸留所の経営取得に動いた「宝酒造」は流石です。

 

 

【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|バルブレア Balblair

バルブレア Balblair
地域:北ハイランド
創業年:1790年
タイ・ビバレッジ社

ハイランドでは2番目に古い蒸留所。北ハイランドの田舎町エダートン村にあります。バルブレアは創業から行くとどなくオーナーが変わったことでも知られています。現在のオーナーはタイ・ビバレッジ(インバーハウス社傘下)。ブレンデッドウイスキー「インバーハウス」の原酒をつくっています。

オフィシャルの他ボトラーズでも見かけますが、それほど多くはない印象です。バルブレアはバーボン樽とシェリー樽で印象がかなり違うので、個性的で面白いウイスキーです。

バルブレア 12年

バルブレア 12年

  • アルコール度数:46%
  • 参考価格:5100円

バルブレアといえばかつては「シングルヴィンテージ」としてリリースされていました。現在も一部のボトルはヴィンテージ表記。フラッグシップボトルは一般的な年数表記のあるボトルに変更しています。

熟成樽にはバーボン樽と「ダブルファイヤード・アメリカンオーク樽」を使用。この樽がどのように作られているかは定かではありませんが、元は「バーボン樽」か「アメリカンオークの新樽」といったところでしょうか。

ウイスキー自体はバーボン樽由来の風味は控えめ。イエローゴールドの色合いで、落ち着きのある風味。ストレートで飲みたい隠れた銘酒。

 

 

【2023年版】ハイランドのシングルモルトスコッチウイスキー|フェッターケアン Fettercairn

出典:https://www.fettercairnwhisky.com/en

フェッターケアン Fettercairn
地域:東ハイランド
創業年:1824年
エンペラドール・ディスティラーズ社

東ハイランドにあるフェッターケアンはヴィクトリア期のイングランドの政治家「ウィリアム・グラッドストーン」にゆかりのある蒸留所。1939年まではグラッドストーン家の元でウイスキーが造られていました。現在は世界最大のブランデー会社(安価なブランデー)エンペラドール社の傘下となっています。

フェッターケアンの個性を語る上で重要なのは、唯一無二の冷却システムの存在。再留釜のネック上部から水が流れる仕組みがつくられており、ネックの表面は絶えず水によって冷やされています。これによって蒸留液の還流が大きくなり、ウイスキーに独特の個性を与えています。

フェッターケイアン 12年

フェッターケイアン 12年

  • アルコール度数:40%
  • 参考価格:7400円

フェッターケアンは「ホワイト&マッカイ」のキーモルトとしても知られています。有名なブレンデッドウイスキーの核となる原酒は、割と控えめでシンプルな酒質であることが多いのですが、フェッターケイアン12年はその中でも独特な個性を持っています。

バーボン樽からのバニラにスパイス、ハーブ、モルティー。シングルモルトとしては地味な存在かもしれませんが、ストレートで飲むならおすすめ。

フェッターケイアン 12年だけでなく、個人的に東ハイランドのオフィシャルボトルは個性があって面白いと思っています。

 

 

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