
こんばんは。ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキーライター。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定 ソムリエ。2022年1月20日 東京・銀座にBAR WHITE OAK(バーホワイトオーク)をオープン。
この記事では、みなさんお馴染みのバーボンについてお話しようと思います。バーボンウイスキーは人気が高いので、詳しく知っているかたも多いと思います。
ただ、皆さんが未だ知らない、バーボンの魅力はまだまだたくさんありますので、徹底解説させて頂きます。
記事を読み終わるころには「バーボン通」になれると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
ウイスキーの種類について 「バーボンウイスキー」とは?
バーボンウイスキーとは、アメリカンウイスキーの種類のひとつで、原料にトウモロコシを51%以上使用し、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させたウイスキーのことです。
バーボンウイスキーにはしっかりとした「法定義」が存在します。アメリカ独自に定めた、ウイスキー作りのルールです。この法律に従って、バーボンウイスキーを作っています。
1948年と1964年の連邦アルコール法によるバーボンウイスキーの定義
・原料にトウモロコシを51%以上使用
・アルコール度数160プルーフ(80%)以下で蒸留
・内側を焦がしたオークの新樽にアルコール度数125プルーフ(5%)以下で詰める
・(ストレート・バーボンを名乗るには)2年以上熟成が必要
・ボトリングに際しては水以外を加えずに80プルーフ(40%)以上でボトリング
ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用
ウイスキーコニサー資格認定試験教本
↓2018上巻
↓2020中巻
↓2021下巻
重要な部分をまとめると、
- 原料はトウモロコシが51%以上。
- 瓶詰のアルコール度数は40%以上。
- 内側を焦がした新樽で2年以上寝かせる。
これがバーボンウイスキーの主な定義になっています。
ウイスキーの種類について「バーボンウイスキー」とは?「バーボン」の由来とは?
これに関してはほとんどの人が知らないと思いますので、知っていればモテ要素です!(たぶん)
「バーボン」の名称の由来は、フランス・ブルボン王朝から名をとった、ケンタッキー州の「バーボン群」から。
バーボン群の「印」を、各地に運ぶウイスキーの樽に刻印していました。その樽が「バーボン印」のウイスキーであった為、「バーボンウイスキー」と呼ばれるようになりました。バーボンの名前の由来は、地域の名前だったのです。
ちなみに、バーボン群はケンタッキー州の一部の地域ですが、この地域には現在、バーボンを作る蒸留所は一つもありません。名前の由来になった地域なのにちょっとさみしいですね。
ウイスキーの種類について「バーボンウイスキー」とは?バーボンウイスキーの特徴は「樽」によるものだった!?

新樽の内側を焦がしてバーボン樽をつくる
アメリカンウイスキーの種類の中でも、バーボンは個性的なタイプだと言えます。
バーボンウイスキーの特徴は、
「力強くてしっかりした味わい」
「バニラのような甘いフレーバー」
ではないでしょうか?
この特徴は、スコッチウイスキーや他の国のウイスキーにはありません。それでは、バーボンウイスキーはどのようにして、魅力的な個性を生み出しているのでしょうか。
一番の要因は「樽」にあります。
バーボンウイスキーの特徴は熟成樽によっての影響が強いのです!
じつはバーボンに限らず、ウイスキー作りで最も大切なのが熟成させる「樽」だと言われています。樽の種類、大きさ、状態によって作り出されるウイスキーは大きく変わってきます。ウイスキーの専門家のなかでも、「ウイスキーの味わいは、9割熟成させる樽で決まる」という人がいるくらいです。
バーボンウイスキーの熟成樽は、必ず新樽(ニューメイク)です。そして、内側を真っ黒に焦がすことが定められています。なぜ焦がすのかというと、樽とウイスキーを接する面に木炭のフィルターを作る為です。
このフィルターを作らないと、木材からのタンニン成分の流失が激しくなり、苦みのあるウイスキーになってしまうのです。こうしてほどよく調整されたバーボン樽は、スコッチよりも少し短い熟成期間をへてオークからのバニラ香がする、香ばしくて力強い風味がついた美味しいウイスキーを作り出していくのです。
バーボンウイスキーの特徴である「力強くてしっかりした味わい」「バニラのような甘いフレーバー」は、バーボン樽によって作られたものなのです。
ウイスキーの種類について「バーボンウイスキー」とは?バーボンウイスキーはどこで作られているの?
バーボンウイスキーは、ほとんどがケンタッキー州とテネシー州で作られています。
アメリカンウイスキーの種類のひとつであるバーボンウイスキーは、アメリカ国内でルールを守って作れば、どこの州でもバーボンと名乗れます。
あまりにも「ケンタッキーバーボン」が有名すぎて、ケンタッキー以外だとバーボンは作れないと勘違いしている人もいるようですが、実際は他の州にもバーボンは存在していることになります。
ちなみに、ケンタッキーの次に有名な産地は、テネシー州です。銘柄でいえば「ジャックダニエル」が人気のバーボンですね。テネシーウイスキー=ジャックダニエルと言っても過言ではありません。
ジャックダニエルは「バーボンウイスキー」であり、じつは「テネシーウイスキー」でもあります。テネシー州では、ケンタッキーとは少し違う製法でバーボンを作っています。あくまでも、バーボン法に従った上でのテネシー独自の製法です。
ではテネシーウイスキーとはどんなウイスキーでしょうか?
テネシーウイスキーとは、テネシー州で造られたバーボンウイスキーで、蒸留直後にサトウカエデの炭でろ過を施してから、樽で熟成させる「チャコール・メローイング製法」で作られているものです。
この聞きなれない「チャコール・メローイング製法」ですが、ざっくり言うと、この製法を行うことで、完成するウイスキーの味わいが軽くなります。その為、ケンタッキーバーボンより、テネシーバーボンのほうが飲みやすく仕上がります。これは他の州では行っていない、テネシー州だけの製法なのです。
バーボンウイスキーはアメリカ国内どこでも作れますが、実際に作っているのはケンタッキー州とテネシー州がほとんどで、テネシーには独自の「テネシーウイスキー」があるのです。
まとめ
・ウイスキーの種類について 「バーボンウイスキー」とは?
→原料にトウモロコシを51%以上使用し、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させたウイスキーのこと。
・ウイスキーの種類について バーボンウイスキーの「バーボン」の由来は?
→フランス・ブルボン王朝から名をとった、ケンタッキー州の「バーボン群」から。
・ウイスキーの種類について バーボンウイスキーの特徴は「樽」によるものだった!?
→「力強くてしっかりした味わい」「バニラのような甘いフレーバー」などの特徴的な風味を作り出したのがバーボン樽。
・ウイスキーの種類について バーボンウイスキーはどこで作られているの?
→ほとんどがケンタッキー州とテネシー州。テネシーには独自の「テネシーウイスキー」がある。
以上がバーボンウイスキーの基礎知識でした。知っているようで意外と知らない「バーボンウイスキー」のこと、わかっていただけましたか?
バーボン造りの文化はアメリカに入植してきた、スコットランドからの移民によって作り出されました。ウイスキーの文化って、みんな繋がっているのです!

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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