【ウイスキーレビュー】復活!アードベッグ17年を評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、シングルモルトスコッチウイスキー「アードベッグ17年」のテイスティングレビューと、アードベッグ蒸留所、定価、ボトル評価についても解説致します。

「アードベッグ17年」について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

【ウイスキーレビュー】復活!アードベッグ17年を評価|蒸溜所解説

アードベッグ Ardbeg

設立:1815年
地域:アイラ島
オーナー:モエヘネシー・ルイヴィトン社
蒸留器:初留x2基、再留x2基
仕込み水:ウーガダール湖
年間生産量:250万リットル

アードベッグは、ポートエレン製のピートをたっぷり含んだ麦芽を用い、クセの強い、力強いウイスキーを生産している蒸留所です。「アードベッグ」という名前はゲール語で「小さな岬」という意味。実際に蒸留所の近くにはその名の岬があり、周辺の岩礁地帯には野生のアザラシが生息しています。

2008年には、そのフラッグシップである「アードベッグ10年」が世界ウイスキー賞で最優秀ウイスキーに選ばれるなど、アードベッグは世界中の愛好家たちを魅了し続けています。

 

アードベッグ蒸溜所は約100年にわたり、創業家のマクドゥーガル家が経営していましたが、20世紀以降は何度もオーナーが替わり、蒸留所は浮沈を繰り返しました。1980年から1989年までは閉鎖。ウイスキー造りは完全にストップします。

その後、1997年にグレンモーレンジィ社が買収し、ビル・ラムズデン氏の手によって復活を果たします。アードベッグの息を吹き返らせたラムズデン氏は、様々な改革を行います。その中の一つとして、シングルモルトのみを造ることを決め、ブレンデッドウイスキーには供給しない方針を採用。その結果、アードベッグはシングルモルトとしてアイラ島の代表的な存在にまで昇りつめます。

シングルモルトの急速な成長に対応するため、増産を計画。2021年3月には、これまでの倍の生産能力を持つ新しい蒸留所(蒸留棟)を完成させます。

そして現在は、年間240万本を販売。過去25年間で、100倍以上に増加したことを示しており、今日まで続く、アードベッグブランドの人気ぶりは、しっかりと販売本数に反映されているのです。

 

アードベッグ17年の定価

アードベッグ17年の定価(希望小売価格)は、税込30,800円。アードベッグのコミッティーストア限定発売ですが、一部の酒屋でも抽選販売などが行われていました。

私はコミッティーストアの抽選販売で入手しましたので、送料も含めて31,790円で購入しています。

また、2024年10月現在、大手ネットショップでは在庫が確認できませんでした。

 

 

【ウイスキーレビュー】復活!アードベッグ17年を評価

アードベッグ17年

  • 容量:700㎖
  • アルコール度数:40度
  • 樽:バーボン樽
  • アードベッグ コミッティーストア限定発売
  • 抜栓時期:2024年10月19日
  • テイスティング時期:2024年10月19日(抜栓直後)
  • whiskybaseでの評価:87.24 / 100
  • 希望小売価格:28,000円(税別)/ 30,800円(税込)
  • 楽天市場価格[2024年10月]:在庫なし
  • Amazon価格[2024年10月]:在庫なし

「アードベッグ17年」は、アードベッグが誇る伝説の17年物として、かつては人気の高いウイスキーでしたが、2004年に終売となりました。しかしこの度、アードベッグのコミッティーストア限定で、2024年9月に再び販売されます。

「アードベッグ17年」の復活は実に20年ぶり。このビッグニュースは世界中のアードベギャンに驚きと喜びを与えたに違いありません。

2004年の生産終了から今回のリリースまで、「アードベッグ トリーバン 19年」などの、17年物と酒齢が近い商品はいくつか販売されてきましたが、古参のアードベギャンから熱烈に好まれていた「アードベッグ17年」が、世にでることはありませんでした。

 

初代「アードベッグ 17年」の誕生は1997年で、この年にアードベッグ蒸留所はグレンモーレンジィ社のもとで操業を再開。17年物は、この際に初めてリリースされたボトルであり、アードベッグの記念すべきウイスキーの一つと言えます。

「アードベッグ 17年」は、アードベッグ蒸溜所の最高蒸留・製造責任者の「ビル・ラムズデン博士」によって、当時の味わいが再現される形で復活。多くのウイスキー愛好家から愛されたウイスキーですから、同じ味わいに再現することにかなりのプレッシャーがあったとのこと。

今回、復活を遂げた要因としては、アードベッグ蒸溜所で20年程前に仕込んだライトピーテッドの原酒が、かつての17年と似た風味を持っていたことから。燻製されたフルーツ香とオーク樽の風味。昔の17年と比較しても遜色ない原酒が見つかったことで、その個性を再現することに成功し、数量限定で復活することになりました。

新たな「アードベッグ 17年」のアルコール度数は、旧ボトルと同じ40%。熟成はバーボン樽。大麦麦芽のフェノール値は公開されていませんが、「アードベッグ10年」の仕込みに使用しているヘビリーピーテッドタイプと比べ、3分の1程度のレベルとのこと。

「アードベッグ10年」は、55ppmとされているので、「アードベッグ 17年」のフェノール値は18~19ppm程度ということになります。これは「ボウモア」の25~30ppmよりもさらに低く、数値上で近いものだと「タリスカー」の18~22ppmや、「グレンスコシア ピーテッドタイプ」の19ppm~25ppmと同レベルです。

それでも、まぁ、皆さんご存じの通り、フェノール値はあくまでも「数値」でしかないので、一つの参考にしかすぎません。前情報として、「アードベッグ10年」とくらべて、フェノール値を基準にした場合、ソフトなピーティーさ(ミディアムピーテッド)であることが予測できます。

 

香り

レモンバーム、洋梨、バナナ、レアチーズケーキ、スミレの花、スポンジケーキ、ヘーゼルナッツ、黒糖のど飴、軽い燻製香と、遠くは消毒液を感じます。

ビル・ラムズデン博士のコメントの通り、フルーティーさにソフトなスモーキーさが加わった、長期熟成のアイラモルトらしいアロマ。しかし、奥の方にはヨードチンキや焼け焦げた風味もあるので、そのような個性はアードベッグらしさを物語っています。

加水すると塩キャラメル、レモンピールのマドレーヌ、ジンジャーエール。

 

味わい

口に含むと柔らかく広がり、徐々にピーティーでスモーキ―。甘みは少なく、ドライ。燻製、BBQ、消毒液。潮気もあります。

「おいおい、フェノール値は3分の1じゃなかったんかーい!」とツッコミを入れたくなるほど、予測していたよりも燻製香は強め(笑)中盤以降はややソフトにまとまりますが、スモーキーさは「アードベッグ10年」と比べても大きく差があるようには感じません。

フィニッシュにかけても、ピーティー。一口、二口と、飲み続けると、よりアードベッグらしい個性というか、いつも通りの安定した燻製香があります。

アルコール度数40%。17年熟成。「5年」や「10年」とくらべると、当然、ウイスキーのボリュームは優しく感じますが、アードベッグらしいクセの強さと骨格のあるボディは健在。「甘さ」は控えめなので、「10年」を普段から飲んでいる方は、物足りなさを感じる可能性もありますね。

スコッチとしては最低限度の度数「40%」なので、加水は無しでもいいかもしれませんが、試したところ、加水後はよりドライに変化。アロマが開くというよりは、全体的にボリュームが下がるイメージ。

特に加水量が多いとぼやけやすいと思うので、「トワイスアップ(1:1の水割り)」ですらおすすめできません。少量の加水に抑えましょう。当然ですが、ロックやハイボールも、「アードベッグ 17年」の個性が活きる飲み方とは思えません。

 

「アードベッグ 17年」の評価としては、「相も変わらずアードベッグらしさもありながら、17年物の円熟感を感じる、昔ながらの粋な1本」です。

旧ボトルを飲んだことがないので、過去と比べて話すことはできませんが、個性の強いアイラモルトとしての風格を失わず、17年熟成らしいソフトな味わいを形成しているのは見事。オフィシャル・ボトラーズを問わず、他のアイラモルトでは体験できないバランスでした。

今回は抜栓直後のテイスティングでしたので、日を改めてまた飲んでみます。時間の経過で変わるかも見ていこうと思います。

 

アードベッグ17年の公式テイスティングノート↓

・色合い:ブロンズ色
・香り :フレッシュでクリーン、松脂、海のしぶき、ラベンダーの石鹸のニュアンス。とても優しく、控えめでエレガント。加水することで、甘いピートの煙、麦芽のほのかな香りと独特のミネラル感、かすかにトーストしたパンの香りが感じられます。
・味わい:美しくクリーミーなテクスチャに続き、アニス風味のトフィー、カフェラテ、フェンネル、かすかに薬用せっけんが見事に調和しています。
・余韻:ピートの煙は存在しますが、非常に控えめで、コシのあるオーク、ココアパウダー、タールの長い余韻へと続きます。

 

 



 

 

「アードベッグ17年」は、アイラモルトらしい強烈な個性と力強さ、17年熟成が生む円熟味が絶妙に調和した、モルトファン待望の1本でした。今後さらに時間をかけて、どのような変化を見せるかも楽しみの一つ。

ぜひ一度、他に類を見ない個性を持つ、希少な「アードベッグ17年」をBARWHITEOAKで堪能してみてください♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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