【ウイスキーレビュー】ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITIONを評価

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

今回ご紹介するのは、「ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITION」。アイラモルトのみを使ったブレンデッドモルト「ビッグピート」の、タイ向け限定カスクストレングスボトルです。

生産本数はわずか約600本。日本国内の免税店でも手に入らない、まさに”幻のピートおじさん”とも言える一本。BAR WHITE OAKにこのボトルが入荷したとき、正直「これは飲まなきゃ」と即決しました。ビッグピートのカスクストレングスシリーズは過去にもいくつか飲んできましたが、このタイエディション、なかなか美味しい(笑)

では、さっそくテイスティングレビューをどうぞ。

 

ビッグピート BIG PEAT とは?

“アイラ島そのもの”を味わうブレンデッドモルト

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ビッグピート
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ビッグピート(Big Peat)は、スコットランドの独立系ボトラー「ダグラスレイン社 (Douglas Laing & Co.)」 が手がける、アイラモルトのみを使用したブレンデッドモルトスコッチウイスキーです。

2009年にリリースされて以来、世界中の“ピートフリーク”たちから高い支持を集めており、現在ではダグラスレインを代表する看板ブランドのひとつとなっています。

ビッグピート最大の特徴は、単なる「スモーキーなウイスキー」ではなく、“アイラ島全体の個性を1本に凝縮したような存在”であることです。

一般的なブレンデッドウイスキーは、モルト原酒にグレーンウイスキーを加えてバランスを整えます。しかしビッグピートは、複数の蒸溜所のモルト原酒のみをブレンドした「ブレンデッドモルト」というカテゴリーに属しています。つまり、グレーン原酒を一切使わず、アイラモルトの個性だけで構成されているのです。

そのため、味わいにはアイラらしい力強いピートスモーク、潮気、灰っぽさ、海藻を思わせるヨード感が色濃く現れます。一方で、レモンピールやバニラ、蜂蜜のような甘さも感じられ、単に煙たいだけでは終わらない複雑さを持っています

ダグラスレイン社とは?

ビッグピートを手がけるダグラスレイン社は、1948年にスコットランド・グラスゴーで創業したインディペンデントボトラーです。

ボトラーとは、自社で蒸溜所を持たず、各蒸溜所から原酒を購入して独自に熟成・ブレンド・ボトリングを行う業者のこと。いわば“原酒選定とブレンドのスペシャリスト”とも言える存在です。

ダグラスレインは長年にわたり高品質なボトラーズブランドを数多く手がけてきましたが、その中でも特に成功したシリーズが「リマーカブルリージョナルモルトシリーズ」です。

これはスコットランド各地域の個性をテーマにしたブレンデッドモルトシリーズで、

  • アイラ=ビッグピート
  • スペイサイド=スカリーワグ
  • ハイランド=ティモラスビースティ
  • ローランド=エピキュリアン
  • アイランズ=ロックアイランド
  • キャンベルタウン=ゴールドロンズ

というように、地域ごとの味わいをキャラクター化して展開。その中でもビッグピートは、シリーズの顔とも言える存在です。

「ピートおじさん」の由来

ビッグピートと言えば、やはりラベルに描かれた強烈なインパクトの“おじさん”でしょう。大きな鼻、濃いヒゲ、風に吹かれた険しい表情。このキャラクターは、アイラ島に住む漁師風の「おじさん」をイメージしたものとされています。

また、「Big Peat」というブランド名は、「peat(泥炭)」と「Pete(人名)」をかけた言葉遊びでもあります。つまり、

  • “大量のピート”
  • “ピートおじさん”

の両方を意味しているわけです。

一見ふざけたデザインにも見えますが、この親しみやすさと遊び心こそ、ビッグピートが世界中で愛される理由のひとつでもあります。

使用されている主要モルト原酒

ビッグピートのレシピ詳細は公開されていませんが、代表的な構成原酒として知られているのが、アードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレン(旧ポートエレン)などのアイラモルト。

アードベッグ由来の爆発的なスモーク、カリラのシャープで灰っぽいピート、ボウモアのバランス感ある潮気。それらを巧みにまとめ上げることで、“アイラの縮図”とも言える味わいが生み出されています。

特にポートエレン原酒の存在は、ビッグピートを語るうえで欠かせません。

ポートエレン蒸溜所は1983年に閉鎖され、“幻のアイラモルト”として長年コレクター垂涎の存在でした。近年は再稼働を果たしていますが、ビッグピート文脈で語られるポートエレンとは、主に旧蒸溜所時代のクラシック原酒を指します。

もっとも、現在のビッグピートでどの程度、希少な閉鎖蒸留所の原酒である、「旧ポートエレン」が使われているかは明確ではなく、ロット差やレシピ変更の可能性もあるため、「ポートエレンを含むレシピで知られるブランド」と捉えるのが正解です。

ノンチルフィルターとナチュラルカラー

ビッグピートは基本的に、

  • ノンチルフィルター(冷却ろ過なし)
  • ナチュラルカラー(無着色)

でボトリングされています。

そのため、一般的な大量生産ウイスキーよりもオイリーで力強く、原酒本来の質感がダイレクトに感じられます。特にハイボールにすると、スモークと潮気が炭酸によって持ち上がり、非常に個性的な“アイラハイボール”になります。

限定版が豊富!ビッグピートの魅力

近年のビッグピートは、地域限定やイベント限定ボトルの豊富さでも知られています。

クリスマスエディションでは毎年サンタ姿のピートおじさんが登場し、日本向けには「東京エディション」や「京都エディション」もリリースされました。

さらに台湾、タイ、ドイツなど、各国限定ボトルも多数展開されており、“世界を旅するピートおじさん”というブランド文化そのものが定着しています。

これらの商品にはカスクストレングス仕様の限定品も多く、通常版よりさらに濃厚なスモークやオイリーさを楽しめます。

ビッグピートのハイボール缶が登場

初のハイボール缶「スーパースモーキーハイボール」が2025年8月に、全国のローソン限定で発売されました。アルコール度数は7%。価格は350ml缶で438円(税込)。

このハイボール缶は、その特徴である力強いピート香や潮気をそのまま再現した“甘さ控えめのドライスタイル”が特徴です。ウイスキー初心者でも比較的飲みやすいとされており、一方でアイラ好き・スモーキーモルト好きも満足できる、濃厚なスモーク感もしっかりとしています。

 

【ウイスキーレビュー】ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITIONを評価

  • ブレンデッドモルトスコッチウイスキー
  • アルコール度数:53.6 %
  • 容量:700ml
  • 抜栓時期:2026年5月
  • テイスティング時期:抜栓から3日後
  • whiskybaseでの評価:82.00/100
  • 楽天市場価格[2026年5月]:在庫なし
  • Amazon価格[2026年5月]:在庫なし

ビッグピート「カスクストレングス」シリーズとは?

ビッグピートの「カスクストレングス」シリーズとは、加水調整を最小限に抑え、樽出しに近いアルコール度数でボトリングされた特別仕様のシリーズです。

通常版ビッグピートは46%前後でリリースされることが多いのに対し、カスクストレングス版では50〜60%近い高アルコールになることも珍しくありません。そのため、アイラモルト特有のピートスモークや潮気、灰っぽさ、オイリーな質感を、よりダイレクトかつ濃密に楽しめるのが最大の魅力です。

カスクストレングス版ではその個性がさらに剥き出しになります。香りは焚き火や煤、海藻、ブラックペッパーのような強烈なスモークが中心。そしてこのシリーズの多くは、ノンチルフィルター(冷却ろ過なし)、ナチュラルカラー(無着色)でボトリングされているため、原酒本来の力強さをそのまま味わえるのも特徴です。

代表的なリリースとしては、毎年冬に発売される「クリスマスエディション Christmas Edition(2023年版で終売)」が有名。サンタ帽をかぶった“ピートおじさん”のラベルでも知られ、ビッグピートの季節限定シリーズとして人気のボトルでした。

さらに近年は、

  • Tokyo Edition
  • Kyoto Edition
  • Thailand Edition
  • Feis Ile Edition

など、各国・各地域向けの限定カスクストレングス版も数多く登場しています。これらは単なるラベル違いではなく、ロットごとにアルコール度数や味わいのニュアンスが異なり、コレクション性の高さでも人気があります。

香り

レモン、エルダーフラワー、洋ナシ、バニラ、カルダモン、ブラックペッパー、イチジク、山椒、燻製、ヨードチンキ、消毒液、濡れた木材、木工用ボンド。

加水後はお花やフレッシュフルーツの香りが開きます。

味わい

まろやかでスモーキー。アルコール度数の割には刺激は少なく、クリーミーでなめらかな口当たり。ミディアムボディ。中盤以降はアイラモルトらしい、スモーキー&ピーティーな個性が強まり、フィニッシュにかけてはドライ。スパイシーは程よく残り、かすかに柑橘やお花のニュアンスが残ります。

加水すると、より滑らかに変化し、ヘビーなスモーキーさも継続。

評価

「ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITION」の評価としては、「ビッグピートはカスクストレングスが美味しい!熟成感とスモーキーさのバランスが見事」です。

通常ボトルとの違いは?

通常の「ビッグピート 46%」と比べると、熟成感の深さが明らかに違います。同時に、度数の高さも相まってか、スモーキーさもより強い印象。

一般的にスモーキーなモルトは熟成が長いほどクセが落ち着いてくるのですが、このボトルはそういった方向にはいかず、熟成感がありながらもアイラブレンデッドらしい個性の強さをしっかり保っています。 これがなかなかおもしろい。

甘さや香りの複雑さといった「飲みごたえ」についても、通常ボトルより明らかにクオリティが高いと感じました。通常ボトルはスムースな飲み口でスモーキーさが引き立つ良さがありますが、余韻はやや短め。一方、「ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITION」は、ボリュームたっぷりで、ブレンデッドモルトでありながらシングルカスク(=単一の樽から瓶詰めしたウイスキー)のような骨格のしっかりした飲み口が魅力です。

似ているシングルモルトは?

あえて近いシングルモルトを挙げるとすれば、「カリラ」でしょうか。燻製香・フルーツ・スパイス・樽香のバランスが取れており、ピートの個性一辺倒ではなく、複合的な味わいが楽しめる設計という点で共通しています。

アルコール度数から読み解く熟成の深さ

少しマニアックな話になりますが、カスクストレングスの度数からも熟成年数がある程度推測できます。

熟成の若い原酒だけで構成されているなら、本来は58〜60%に近い度数になることも多いのですが、このボトルは53.6%。これはそれなりに熟成期間の長い原酒が含まれている可能性が示唆されます。

ブレンド構成は非公開ですが、少なくとも10年以上、もしかすると15〜20年クラスの原酒がある程度の割合で入っていることもありえますね。

どんな飲み方がおすすめ?

飲み方 おすすめ度 コメント
ストレート 個性がダイレクトに楽しめる
トワイスアップ(=同量の水で割る) 香りが開いて飲みやすくなる
ロック 冷えてもスモーキーさは健在
ハイボール・水割り 通常ボトルで十分かも

ハイボールや水割りで楽しむなら通常ボトルで良いと思いますが、ストレートやトワイスアップ、ロックでアイラモルトの個性を存分に味わいたいなら、「ビッグピート カスクストレングス THE THAILAND #4 EDITION」一択です。

入手方法について

このボトルはタイ限定、約600本のみの生産です。日本国内での購入は基本的に不可能。本当にタイ限定(笑)

興味を持っていただいた方は、ぜひBAR WHITE OAKでお試しください。

また、「ビッグピート クリスマスエディション」などの他のカスクストレングス仕様は、ネットショップでまだ在庫が見つかることもあります。まずはそちらで「カスクストレングスのビッグピート」の世界を体験してみるのもおすすめですよ。

改めて飲んでみて、ビッグピートはやっぱりカスクストレングスが美味しいと確信しました。通常ボトルにはない厚み、複雑さ、余韻の長さ——それらすべてが、このボトルには詰まっています。

 



 

通常ボトル(46%)はスムースで親しみやすく、アイラ入門としても優秀な一本。

でも、カスクストレングスになると、それとは全然別の顔を見せてくれる。熟成感、ボリューム、余韻の長さ…どれをとっても、格が上がっています。

ぶっちゃけ、「ブレンデッドモルトでここまでやるか」というのが、このボトルを飲み終えた率直な感想です。タイ限定という壁があるので、誰もが気軽に入手できるボトルではありませんが、もし機会があれば、ぜひBAR WHITE OAKで一度試してみてください。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

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年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。

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この記事を書いた人
かきざきゆうすけ

柿﨑祐介(かきざきゆうすけ)
BAR WHITE OAK 店主。1985年生まれ。青森県出身。ウイスキーとワインをこよなく愛する。調理師専門学校を卒業後、パティシエ、料理人を経験。2011年からバーテンダーとして働く。2022年1月20日 東京・銀座にBAR WHITE OAK(バーホワイトオーク)をオープン。JSA認定ソムリエ。ウイスキー文化研究所認定ウイスキーエキスパート。Jr.野菜ソムリエ。ダビドフ認定シガーソムリエ。

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