こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
この記事では、イタリアのカンパリ社がオーナーとなっている、スコットランド・スペイサイドの蒸溜所「グレングラント」のおすすめシングルモルトウイスキーを6本ご紹介致します。
各オフィシャルボトルの値段や、グレングラント蒸留所について知りたい方にもおすすめの内容となっております。
近年、グレングラントは日本市場での販売量を急速に増やしています。定番ラインアップの他、限定商品を含めるとその種類は豊富です。2023年の統計では6,000ケースの売上を達成。これは、前年の約4倍となる出荷量となります。
そこで今回は、2024年6月時点で購入できるおすすめボトルをピックアップ。グレングラントの各銘柄とその魅力を余すことなくご紹介致します。
【種類豊富】シングルモルトウイスキー「グレングラント」とは?
グレングラント Glen Grant
地域:スペイサイド
設立年:1840年
オーナー:CTスピリッツ(カンパリグループ)
輸入元:CAMPARI JAPAN株式会社
蒸留器:初留x4基、再留x4基
仕込み水:グレングラント川
年間生産量:620万リットル
「グレングラント」は、イタリア国内で圧倒的な人気を誇るシングルモルトスコッチウイスキーです。1840年にウイスキー蒸留所が集まるスペイサイド地方のローゼス地区に設立したグレングラントは、ビターリキュール「カンパリ」で知られるカンパリグループの傘下となっており、イタリア国内のみならず、世界中のウイスキーファンに愛されています。
グレングラント蒸留所は1840年に、スペイサイド地方のローゼスという町のはずれに、ジョンとジェームズの「グラント兄弟」によって創業されました。通常、ウイスキーの蒸留所には「地名」がつけられるのが一般的ですが、グレングラントは創業者「グラント兄弟」の名前を冠しています。グラント兄弟はスペイサイドでは非常に有名で、その名は誰もが知る存在です。
この地域は、海とガーマス港が近くにあり、南側にはスペイ川が流れています。大麦が育つ豊かな平原に囲まれた、モルトウイスキー造りに理想的な地域。スコットランド高地の地層でろ過された天然の湧き水を利用し、高品質のウイスキーが生み出されています。
ローゼス地区には「グレンロセス」、「グレンスペイ」、「スペイバーン」といった蒸留所もあり、ウイスキー産業の街として知られています。また、ポットスチルを制作する「フォーサイス社」の工場があることでも有名です。その中でも、グレングラントは最も古くから操業している蒸留所となります。
グレングラント蒸溜所の歴史は、1839年にジョン・グラントとジェームズ・グラントが協力して本格的な蒸留所を建設したことに始まります。1898年には、ジョン・グラントの息子がグレン・グラントの向かいに第二の蒸留所を建設しましたが、4年後にこの計画は失敗に終わります。
1952年には、ジョージ・マッケサックがジョージ&JG社と蒸留所を合併。そして1970年には、ヒル・トンプソン社とロングモーン・グレンリベット社が合併し、「ザ・グレンリベット・ディスティラーズ」が誕生。
合併によって資金力が増えたこともあり、1973年には蒸留器を4基から6基に増やし、生産量を増やします。
1977年にはシーグラム社が蒸留所を買収。その後、蒸留器の数をさらに増やし、計10基となります。
2006年には、イタリアの「グルッポ・カンパリ」がグレン・グラントを1億1500万ユーロで買収。カンパリ社の傘下に入ってから1年後にはラインナップが刷新されています。
グレングラント蒸溜所の年間生産量は620万リットル。初留・再留ともに4基の蒸留器を使用しています。
そのため、オフィシャルラインナップは充実しており、その他「シーバスリーガル」や「パスポート」といったブレンデッドウイスキーへの原酒提供も行っています。
グレングラントのモルトウイスキーは、クリアでライトな個性。クセが控えめで親しみやすい味わいです。背の高いストゥーパ型のポットスチルと精留器を用いることで、広く好まれる酒質を実現しています。
軽い口当たりで飲みやすいタイプであったことから、世界中で人気を博し、数多くあるシングルモルトスコッチの中でもメジャーブランドの一つに数えられています。
また、ウイスキーとは直接関係ありませんが、蒸留所の背後には3万3000坪もの広大な自然庭園が広がり、四季折々の花や果物が栽培されています。こんな景観を持つ蒸留所は世界でもグレングラントだけでしょうか。
ぜひ一度訪れてみたいものです。
【種類豊富】シングルモルトウイスキー「グレングラント」おすすめ銘柄6選|一覧
- グレングラント アルボラリス
- グレングラント 10年
- グレングラント 12年
- グレングラント 15年
- グレングラント 18年
- グレングラント 21年
グレングラント アルボラリス
グレングラント アルボラリス
- 40% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:2,598円
「アルボラリス」は、ラテン語で「木漏れ日」を意味しています。2021年にリリースされた比較的新しい商品で、ノンエイジとはいえ2000円台で販売されているリーズナブルなウイスキーです。税込み希望小売価格は2750円。
現在、市場で最も手頃なシングルモルトスコッチウイスキーとして販売されており、物価の上昇が続く中、この価格設定が維持されていることに驚きです。
肝心の味わいですが、「ノンエイジ」でありながら、原酒の未熟さ・酒齢の短さから生まれるであろう、ネガティブな要素がありません。むしろホントに悪い部分がないので、頑張ってテイスティングしてみるのですが、それでも見当たらない(笑)
「グレングラント アルボラリス」は、エイジングの短い原酒を中心に構成されているので、多少なりの若さはありますが、それが欠点と感じるレベルにはなく、スムースでフルーティーな個性は素晴らしいです。
おすすめの飲み方はハイボールやロックですが、個人的にはストレートでも楽しめるウイスキーだと思います。お得なウイスキーなので、とりあえず1本は家に置いておきたいですね。
グレングラント 10年
グレングラント 10年
- 40% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:3,269円
「グレングラント 10年」はグレングラントのお膝元イタリア国内で圧倒的な人気を誇っている銘柄です。「グレングラント アルボラリス」よりも酒齢の高い原酒が使用されていると思われますが、アルボラリスと同じくらいの熟成感にも感じます。華やかな香りと甘味が残り、余韻はドライでフレッシュな印象です。
クリームのように柔らかく、フルーティーな香り。草っぽさやハーブのニュアンスもあり、爽やかな印象を与えます。
味わいは綺麗で嫌味がなく、麦芽の濃厚さがあり、真面目で親しみやすい印象。スマートで欠点が見当たらず、様々な飲み方で楽しむことができます。
価格もお手頃。シングルモルトの10年物の中でも最安値クラスです。こちらも自宅に一本は持っていても損はありませんね。
グレングラント 12年
グレングラント 12年
- 43% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:4,840円
「グレングラント 12年」は、2016年に再発売されてからも高いクオリティを維持しています。「アルボラリス」や「10年物」と比べると、キャンディーのようなフルーティーさが強く、フィニッシュにかけての香りもしっかりとした印象です。
砂糖漬けのアーモンド、ピーナッツ、草のノート、オーク樽、穀物、はちみつ。フルーティーでモルティー。爽やかさが広がり、穀物っぽい香ばしさもあります。
コクとやわらかさが共存した絶妙なバランス。ハイボールやロックもいいですが、ストレートで飲むことで、12年物らしいリッチなテイストを味わえるような気もします。
グレングラント 15年
グレングラント 15年
- 50% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:7,498円
「グレングラント 15年」は、グレングラントのフルーティーさとナッティーな特徴を持つウイスキー。15年物ということもあって、深みのある味わいです。
熟成樽はファーストフィルのバーボン樽を使用。通常ラインナップでは40~43%でボトリングされていますが、「グレングラント 15年」は、アルコール50%と高めに設定されています。また、ノンチルフィルタードの製法により、従来の製品にはない凝縮感と芳醇なテクスチャーを生み出しています。
香りは非常に新鮮。まるで果樹園のフレッシュフルーツのよう。甘いリンゴ、ピーチ、白ぶどう、バニラ、樽香、木材。砂糖菓子のような甘やかさ。
味わいは、ハチミツにスパイスやバニラのニュアンスが加わり、アプリコットジャムや微かなスパイス、ナッツの風味。
TWSC2023では金賞受賞。2021年のサンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティションでダブルゴールド、2020年のニューヨーク・インターナショナルスピリッツ・コンペティションでは金賞を獲得しています。
グレングラント 18年
グレングラント 18年
- 43% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:16,610円
「グレングラント 18年」は、ウイスキー評論家、ジム・マーレーの「ウイスキーバイブル2017」で、スコッチウイスキー部門の最高賞となる「スコッチウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
その他でも数多くのウイスキーコンペティションでタイトルを獲得。オフィシャルボトルの18年物が少なくなってきた昨今においても、貴重でおいしいウイスキーとして評価されています。
柔らかくクリーミー。甘みも豊富。ライトボディですが薄っぺらさはなく、リンゴやバナナ、白桃の爽やかな香りが主体。ソフトな印象。複雑味はあまり感じませんが、シンプルに香りが良くて上品な味わいです。
加水をしながらゆっくりと飲みたいですね。
グレングラント 21年
グレングラント 21年
- 46% 700ml
- 楽天市場価格[2024年6月]:45,100円
今回ご紹介する最上位ボトル。「グレングラント 21年」の上には「グレングラント 25年」も存在していますが、現状で在庫が確認できませんでした。
「グレングラント 21年」はマスターディスティラーのデニス・マルコム氏が手掛けた商品。マルコム氏は1961年に、若干15歳で樽職人見習いとして蒸留所で働き始めます。スコットランドでも有数の長いウイスキー造りの経歴を誇るディスティラーの一人です。
それぞれのカスクはデニス・マルコム本人が厳選。原酒はオロロソシェリー樽とバーボン樽の2種類をブレンド。蒸留所で最も伝統のある石造りの倉庫(4番倉庫)で熟成させています。
グレングラントのブランドの中でも唯一無二の複雑さを誇るとされる、至高の1本。
グレングラントのラインナップは、どれも飲みやすいことからウイスキー初心者からコアなファンにまで愛されています。
日本市場で急速に人気を高めているので、オフィシャルボトルの種類がさらに増えることもあるかも?!
個人的には、長期熟成ラインナップを増やして欲しいと思っています♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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