
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
かつてスコットランドの“ウイスキー首都”と呼ばれたキャンベルタウン。最盛期には30カ所を超える蒸留所がひしめき合い、独自の海風を感じさせる力強いモルトで名を馳せましたが、20世紀に入り衰退の一途をたどりました。
交通網の変化や禁酒法の影響、粗悪品の流通により評価を落とし、現在稼働しているのは「スプリングバンク」、「グレンガイル」、「グレンスコシア」のわずか3か所のみとなります。(新規蒸溜所の計画はありますが…)
本記事では、そんなキャンベルタウンの現行オフィシャルボトルの中から、10万円以内で手に入る高級シングルモルトウイスキーを6本厳選。重厚なコク、潮気を帯びた余韻、熟成感あふれる味わい…
どれもキャンベルタウンならではの個性を堪能できる銘酒ばかり。ぜひご覧ください。
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】スプリングバンク 18年
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】スプリングバンク 12年 カスクストレングス
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ロングロウ 21年
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ロングロウ 18年
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード
- 10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】グレンスコシア 25年
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】
- スプリングバンク 18年
- スプリングバンク 12年 カスクストレングス
- ロングロウ 21年
- ロングロウ 18年
- ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード
- グレンスコシア 25年
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】スプリングバンク 18年
スプリングバンク 18年
- 700ml 46%
- 楽天市場価格[2025年7月]:77,800円 送料別
スプリングバンクは、1828年創業のキャンベルタウンでも歴史ある蒸溜所の一つです。現在では数少ない家族経営を守る蒸溜所であり、ウイスキーづくりの全工程を一貫して敷地内で行う、クラフトマンシップの象徴とも言える存在です。
特に注目すべきは、今では珍しい「フロアモルティング(製麦)」を自社で続けている点。原料の大麦を自らの手で加工することで、細かな品質管理と伝統製法の維持を可能にしていますが、手作業により生産量を増やすことが難しいため、全世界的に商品の品薄が続いています。また、ノンチルフィルター(冷却濾過なし)、着色料不使用といったポリシーを守り、自然な風味を大切にしているのも特徴です。
スプリングバンクでは、「スプリングバンク」「ロングロウ」「ヘーゼルバーン」という3種類のシングルモルトを製造しており、それぞれ蒸溜回数やピートの強さが異なることで、個性豊かな味わいを楽しむことができます。伝統と独自性を重んじ、大量生産はせず、ウイスキーを造り続けるその姿勢が多くのファンから絶大な支持を集めています。
「スプリングバンク 18年」は、同蒸留所の中でも非常に人気のある銘柄。生産量は「スプリングバンク10年」よりも更に少なく、在庫は常に不安定(というかほとんど無い)。また、ロット番号(バッチ)によって中身に多少の違いがあります。番号はバックラベルの下部に記載されています。
現在では1本8万円以上と、かなり高級なウイスキーです。現行品でありながら「レアモルト」として取り扱われており、スプリングバンクの異常とも言える人気の高さを物語るボトルとして知られています…
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】スプリングバンク 12年 カスクストレングス
スプリングバンク 12年 カスクストレングス
- 700ml 57.2%
- 楽天市場価格[2025年7月]:49,800円 送料無料
「スプリングバンク 12年 カスクストレングス」は、スプリングバンク蒸溜所から定期的かつ限定的にリリースされるボトルです。通常のスプリングバンクは出荷時に加水してアルコール度数を調整していますが、このウイスキーは加水なしの「カスクストレングス」であり、そのためリリースされる「バッチ」ごとにアルコール度数は異なります。
このシリーズは、基本的にバーボン樽とシェリー樽を組み合わせたもの。シングルカスク(一つの樽)ではなく、複数の樽によるヴァッテッド。バッチによっては「ラム樽」を加えているものもあります。
「スプリングバンク 12年 カスクストレングス」は、熟成樽の風味や麦芽の個性、そしてスプリングバンクらしい力強さをストレートに感じたい方にぴったりの一本です。加水なしのカスクストレングスでボトリングされており、濃厚な味わいやバッチごとの微妙な違いを楽しめるのが大きな魅力となっています。
このボトルも「スプリングバンク18年」と同様、流通量が非常に限られているため、価格は常に変動しています。現在の相場はおおよそ5〜9万円ほど。かつては1万円以下で手に入ったことを考えると高騰は著しいですが、それでも今なお高い人気を誇るウイスキーです。
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ロングロウ 21年

出典:https://item.rakuten.co.jp/
ロングロウ 21年
- 700ml 46%
- 楽天市場価格[2025年7月]:89,799円 送料無料
「ロングロウ」は、スプリングバンクの三銘柄のひとつであり、48時間ピート燻煙された自家製麦芽を使用して製造されています。「スプリングバンク」は2.5回蒸留という、特殊な製法で造られていますが、「ロングロウ」は一般的な2回蒸留。フェノール値の高いヘビリーピーテッドモルト(50~55ppm)で仕込まれているため、アイラモルトを彷彿とさせるスモーキーでピーティーな個性が特徴です。
「ロングロウ 21年」は、年に一回、数量限定でリリースされる希少なボトルです。熟成樽はリリース年によって異なりますが、基本はバーボン樽とシェリー樽。2022年リリースボトルには、白ワイン樽の原酒もブレンドされています。
力強いピートと海辺の風味、長期熟成による甘さ・フルーティさ・スパイスの厚みが加わっており、アルコール度数40%とは思えないほど、味わい深くて豊かな個性。
「ロングロウ 21年」は、スプリングバンクと同様、生産量はかなり少ないことから、非常にレアなボトル。ロングロウはボトラーズからのリリースも全くないため、21年物という長期熟成を味わいたければ、非常に高価ですがこのボトルしか選択肢はありません…
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ロングロウ 18年
ロングロウ 18年
- 700ml 46%
- 楽天市場価格[2025年7月]:44,800円 送料無料
「ロングロウ 18年」は、同シリーズの21年物と同様に年に一度だけ限定リリースされる長期熟成ボトルです。毎年、18年以上熟成された原酒が厳選され、その年ごとの個性に合わせてブレンドされており、リリースごとに味わいが微妙に異なるのも楽しみのひとつです。
今回紹介するエディションでは、リフィルのシェリー樽を60%、バーボン樽を40%使用。熟成樽のキャラクターが美しく調和しており、ロングロウらしいピートの効いた個性とともに、樽由来の豊かなニュアンスが堪能できます。
香りはピートスモークを軸に、蜂蜜やバニラ、ウッディネスのある柔らかなアロマ。口に含むと、スパイシーでオイリーな口当たりに続き、オレンジマーマレードやハーブ、燻製ベーコンのような旨味がじんわりと広がります。ほんのりビターな余韻も心地よく、じっくり味わいたくなる上質な仕上がりです。
生産本数は21年物よりは多いとされていますが、日本への輸入は年間150本前後とされており、国内での流通はごくわずか。相場はおよそ5万円前後と、決して安くはありませんが、この熟成と希少性を考えると、むしろ“まだ良心的”と言えるかもしれません。
「ロングロウ」の世界観を、より深く体感したい方にはぜひおすすめしたい一本です。
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード

出典:https://www.amazon.co.jp/
ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード
- 700ml 55.8%
- Amazon価格[2025年7月]:44,900円
「ヘーゼルバーン」は、スプリングバンク蒸溜所が製造するノンピートタイプのシングルモルトウイスキー。こちらも他の銘柄と同様、100%フロアモルティングで造られた自家製モルトを使用。ピートを一切焚かずに仕込むことで、スモーキーさは抑えられ、その分モルト本来のやわらかな甘みや熟成樽由来の風味、キャンベルタウンらしいわずかな潮気が際立っています。
もうひとつの大きな特徴が、スコットランドでは珍しい3回蒸溜。この製法により、酒質は驚くほどクリーンでなめらか。アイリッシュウイスキーを思わせる軽やかさを持ちつつも、繊細ながら芯のある個性が感じられ、スプリングバンク蒸溜所のラインナップの中でも最もクセの少ないスタイルといえるでしょう。
そんなヘーゼルバーンの中でも特に注目されているのが、「ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード」。これは毎年数量限定でリリースされる特別なシリーズで、15年間オロロソシェリー樽で熟成された原酒のみを使用した、シェリーカスク100%の贅沢な一本です。
香りはオレンジやミルクチョコレート、フルーツケーキの甘やかさに、ストロベリージャムやトフィーの華やかさが重なり、多層的でエレガントなアロマ。味わいは、シナモンやハードトフィー、チョコレートの濃厚さに加え、ナツメグや赤リンゴ、ビターチョコレート、そしてほんのりと塩気のあるナッツのような余韻が続きます。まさにシェリー樽の魅力が詰まったリッチな味わい。
「ヘーゼルバーン」は、「スプリングバンク」や「ロングロウ」と並ぶ蒸溜所の3ブランドの一角ですが、ここ数年は生産量が特に限られており、最もレアな存在になりつつあります。「ヘーゼルバーン 15年 オロロソカスク マチュアード」も、在庫があった唯一のボトルでした。気になる方は、どうぞお早めにご検討ください。
10万円以内|キャンベルタウンの高級シングルモルトウイスキー6選【2025年版】グレンスコシア 25年
グレンスコシア 25年
- 700ml 48.8%
- 楽天市場価格[2025年7月]:89,980円 送料別
「グレンスコシア 25年」は、グレンスコシア蒸溜所が送り出す最長熟成のオフィシャルボトルです。2017年にラインナップへ加わって以来、その実力と存在感で静かな注目を集めている高級シングルモルトです。2021年に開催させた世界的なウイスキー品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」にて“Best in Show”を受賞し、その評価を確かなものとしています。
グレンスコシアは、長きに渡って評価の低迷と閉鎖を経験しましたが、2019年以降、中国の投資会社ヒルハウス・キャピタルマネジメントによる買収と投資により、設備の刷新と品質向上が進みました。結果として、現在では「グレンスコシア 25年」をはじめとする長期熟成ボトルや定番ラインナップの充実によって、2020年以降は再評価の波が訪れています。
「グレンスコシア 25年」の熟成には、最高級のアメリカンオーク樽を使用。さらにファーストフィルのバーボン樽で1年間後熟(マリッジ)。厳選された長期熟成原酒を丁寧にヴァッティングすることで、25年物にふさわしい深みと複雑さを引き出しています。
グレンスコシアらしいソルティな印象に、赤リンゴやオレンジピール、ミックススパイス、バニラシロップ、キャラメルなどが繊細に重なり合い、フルーティーさとスパイシーさが融合しています。樽由来の甘やかさが心地よく調和。
グレンスコシアのマスターブレンダー「マイケル・ヘンリー」氏は、「かつて世界中から果物やスパイスが運ばれてきた港町・キャンベルタウンの歴史を、このウイスキーに表現したかった」と語っています。
価格は9万円以上が相場となっており、25年物とはいっても、決して手を出しやすい値段ではありません。しかし、「グレンスコシア 25年」はキャンベルタウンならではのエッセンスを25年という長期熟成で美しく昇華させた1本。
かつての名声を取り戻しつつあるグレンスコシア蒸溜所の現在を象徴する、完成度の高い傑作と言えるでしょう。
かつて隆盛を極め、そして静かに衰退していったキャンベルタウンのウイスキー産業。しかし、数は減っても、その魂は今なお生き続けています。スプリングバンク、ロングロウ、ヘーゼルバーン、そしてグレンスコシア——それぞれが異なる個性を持ちつつも、共通しているのは“本物”のウイスキーをつくると信念でしょうか。
いずれも10万円以内で入手できる中ではトップクラスの品質と希少性を誇るボトルばかり。キャンベルタウンモルトが持つ、潮風を感じる独特な個性を、どうぞじっくりと味わってみてください。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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