【初心者向け講座】シングルモルトスコッチウイスキー6つの生産地域を解説|アイラ
アイラ【Islay】の特徴
ウイスキーの聖地と呼ばれる小さな島。 稼働蒸留所は11か所。(2024年7月時点)
アイラ(アイラ島)はハイランドの西部に点在している、ヘブリティーズ諸島の南にある島。大きさは淡路島と同じくらいで、人口3000人ほどの小さな島ですが、ウイスキー産業が盛んです。
現在のシングルモルトウイスキーブームの火付け役となった、スモーキーなウイスキーを造る蒸留所が多くあり、世界中のウイスキーファンがアイラ島を訪れています。また、アイラ島はウイスキーの蒸留技術がスコットランドに初めて伝わった場所とされていることから、スコッチウイスキーの聖地とも呼ばれています。
アイラ島のウイスキーは、非常にクセが強いことで有名です。「ピーティー」や「スモーキー」といった表現が良くされがちですが、もっと具体的に言い表すと「正露丸」「消毒液」「焚火」「ヨードチンキ」といった感じ。
このフレーバーは何を隠そう「ピート(泥炭)」によるもの。スコットランドの他の生産地域でも、ピートを使用した麦芽でウイスキーを造っていますが、アイラ島のウイスキーはかなり強くピートを効かせていることから、突出したスモーキーさを持ち合わせています。
アイラ島は4分の3がピート層で構成されている島で、その辺を適当に掘ってもピートはすぐに採取できます。そのため、アイラ島の人々にとってピートは昔から身近な燃料として利用されており、ウイスキー造りにも積極的に使用。その結果、他地域よりもスモーキーな個性がアイラモルトの独自性となったのです。
アイラ【Islay】全蒸留所11カ所(2024年現在)
- ボウモア
- ラフロイグ
- ラガヴ―リン
- アードベッグ
- カリラ
- ブナハーブン
- キルホーマン
- ブルイックラディ
- アードナッホー
- ポートエレン(2021年再稼働)
- ポーティントルーアン(稼働準備中)
アイラ【Islay】の代表的な蒸留所|おすすめのウイスキー
ボウモア
ボウモア
ゲール語で「大きな岩礁」という意味。アイラ島の中心部、ボウモア地区にある蒸留所。1994年にサントリーが買収。「アイラの女王」と称えられており、アイラモルトを代表する銘柄です。製造した全ての原酒がシングルモルト用となっており、ピートによるスモーキーさと、熟成樽からの甘やかな風味はバランスが良く、他のアイラモルトとは違うボウモアならではの個性が人気となっています。
ラフロイグ
ラフロイグ
ゲール語で「広い入り江にある美しい窪地」 。一度のんだら忘れられない、強烈にスモーキーなアイラモルト。正露丸のような香りを初めて嗅いだ時の衝撃は、いまだに忘れられません。熟成樽へのこだわりが強く、ラフロイグ10年はファーストフィルのバーボンカスク原酒のみを使用しています。
【初心者向け講座】シングルモルトスコッチウイスキー6つの生産地域を解説|アイランズ
アイランズ【Islands】の特徴
アイラ島以外の島々の総称。蒸留所の数は12か所。(準備中も含む)
アイランズはアイラ島以外の島々にある蒸留所をまとめて区分したもの。 ウイスキー業界では「島系のウイスキー」や「諸島モルト」など呼ばれており、アイラ島のようなクセの強いタイプや、逆にノンピートでつくる蒸留所もあり、ウイスキーの個性はさまざま。
近年は新しい蒸留所も増えたことで、アイランズではこれまでよりもウイスキー造りが活性化し注目されるようになっています。
アイランズの個性は一言では語れません。蒸留所によってウイスキーのタイプが大きく異なるから。しいて言うなら、島特有の「海風」によって潮気の風味が付与されやすいといった特徴があります。
アイランズ【Islands】の全蒸留所12カ所(2024年7月時点)
- ハイランドパーク 【オークニー諸島】
- スキャパ 【オークニー諸島】
- アビンジャラク 【ルイス島】
- アイル・オブ・ハリス 【ハリス島】
- アイル・オブ・ラッセイ 【ラッセイ島】
- アイル・オブ・ジュラ 【ジュラ島】
- アイル・オブ・アラン(ロックランザ) 【アラン島】
- ラグ(アランの第二蒸留所) 【アラン島】
- アイル・オブ・バラ 【バラ島】※準備中??
- タリスカー 【スカイ島】
- トラベイグ 【スカイ島】
- トバモリー 【マル島】
アイランズ【Islands】の代表的な蒸留所|おすすめのウイスキー
ハイランドパーク
ハイランドパーク
スコットランド最北端に位置する蒸留所で、オークニー諸島のメインランド島にあります。伝統的な製麦方法「フロアモルティング」を続けている数少ない造り手。ウイスキーの熟成はシェリー樽をメインに行っており、フルーティーなフレーバーの中に個性的なピーティーさも感じ、複雑で骨格のある味わいです。熟成が進むにつれ多彩に変化していきます。
タリスカー
タリスカー
スカイ島にある蒸留所。1928年までは3回蒸留が行われていましたが、現在は2回蒸留。味わいはピーティー、ソルティー、スパイシー。しっかりとした酒質で個性的。仕込み水は1か所ではなく、多くの水源から調達しています。おすすめの飲み方はハイボール。黒胡椒を振りかけた「スパイシーハイボール」はタリスカーの代名詞。
スコッチの生産地域は6つに分類されていますが、現在ではウイスキー造りの多様化によって、地域性は徐々に失われつつあります。蒸留所によって製造方法が異なっており、シングルモルトに力を入れる造り手は、ワインカスクなどの新たな製法を取り入れています。
一方で、ブレンデッドウイスキーの原酒用をメインに製造する蒸留所は、昔ながらの製法を継続しており、生産地域ごとの個性を感じる銘柄もあります。
スコッチの多様性は生産地域から。日々、革新的に変わっているスコッチ業界ですが、ウイスキーを深く知るためにも、やはり蒸留所ごとの生産地域は把握しておきたいですね♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。 高級ジャパニーズウイスキーを定価で買うなら…
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