ウイスキーの有名ボトラーズ会社&ブランド110選|おすすめボトルも紹介

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

ウイスキーの世界で「ボトラーズ」とは、蒸溜所とは別の独立系の会社が原酒を買い付け、自社でボトリングして販売するブランドや業者のことを指します。

各社がリリースするボトラーズウイスキーは、個性豊かでバラエティに富んだラインナップが特徴です。蒸溜所が公式に販売する「オフィシャルボトル」とは異なり、単一の希少な原酒、長期熟成やカスクストレングス(無加水)など、特別感あふれる一本に出会えるのが魅力の一つ。

今回は、世界中の有名な「ボトラーズ会社」と「代表的なブランド(シリーズ)」、全110選を一挙にご紹介。それぞれの特徴や、おすすめのボトルもあわせて解説しています。

初心者の方はもちろん、ウイスキー上級者にも楽しんでいただける「ボトラーズ完全ガイド」。ボトラーズについて深く知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

  • ボトラーズ会社=販売元の社名。
  • ボトラーズブランド(シリーズ名)=ボトラーズ会社がリリースする各ブランド名。

 

 

【2025年版】ウイスキーの有名ボトラーズ会社&ブランド110選|一覧

1ページ目
1.エイコーン / Acorn Limitedz
2.アデルフィ / Adelphi
3.ADラトレー / A.D. Rattray
4.アレクサンダー マレー / Alexander Murray
5.アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニー / Alistair Walker Whisky Company
6.アンガス・ダンディー/ Angus Dundee
7.アーカイヴス / Archives
8.アートフル ドジャー / Artful Dodger
9.アスタ モリス / Asta Morris
10.ベリーブラザーズ&ラッド / Berry Bros. & Rudd
11.ブラックアダー / Blackadder
12.ブレイブ・ニュー・スピリッツ / Brave New Spirits
13.ケイデンヘッド / Cadenhead’s
14.カスクシェア / Caskshare
15.チャプター7 ウイスキー / Chapter 7 Whisky
16.チーフタンズ / Chieftain’s
17.チョルトン ウイスキー / Chorlton Whisky
18.クラクストンズ / Claxton’s
19.コンパスボックス / Compass Box
20.カーンモア / Càrn Mòr
21.DSテイマン / DS Tayman
22.ダークネス / Darkness

2ページ目
23.ダグラスレイン / Douglas Laing
24.ダグラスマッギボン / Douglas McGibbon
25.ドラムモー / Dràm Mòr
26.ダン イーダン / Dun Eideann
27.ダンカンテイラー / Duncan Taylor
28.エディション スピリッツ / Edition Spirits
29.エリクサー ディスティラーズ / Elixir Distillers
30.フェイブル ウイスキー / Fable Whisky
31.ジェムストーン スピリッツ / Gemstone Spirits
32.グリーンモア スピリッツ / Gleann Morr Spirits
33.グローバルウイスキー / Global Whisky
34.ゴールドフィンチ / Goldfinch Whisky Merchants
35.ゴードン&マクファイル / Gordon & MacPhail
36.グレート ドラムス / Great Drams
37.ハンナ ウイスキー マーチャンツ / Hannah Whisky Merchants
38.ハート ブラザーズ / Hart Brothers
39.ヒドゥン スピリッツ / Hidden Spirits
40.ハウス オブ マッカラム / House of MacCallum
41.ハンターレイン / Hunter Laing
42.イアン マクロード / Ian Macleod
43.インフリークエント フライヤーズ / Infrequent Flyers
44.JGトムソン / JG Thomson

3ページ目
45.ジャック・ウィバース・ウイスキー・ワールド / Jack Wiebers Whisky World
46.ジェームズ イーディー / James Eadie
47.ジェームズ マッカーサー / James MacArthur
48.キルンズマンズ ドラム / Kilnsman’s Dram
49.キングスバリー / Kingsbury
50.ラ メゾン ド ウイスキー / La Maison du Whisky
51.リキッド トレジャーズ / Liquid Treasures
52.リトル ブラウン ドッグ スピリッツ / Little Brown Dog Spirits
53.ロンバード スコッチウイスキー / Lombard Scotch Whisky
54.マキロップズ チョイス / MacKillop’s Choice
55.モルトバーン / Maltbarn
56.モルツ オブ スコットランド / Malts of Scotland
57.ムーンインポート / Moon Import
58.マーレイ マクダヴィッド / Murray McDavid
59.ナ ブラザレン / Na Braithrean
60.ノーススター スピリッツ / North Star Spirits
61.オックスヘッド / Oxhead
62.パロマ / Paloma
63.パールズ オブ スコットランド / Pearls of Scotland
64.ペグ ウイスキー / Peg Whisky
65.レスト アンド ビー サンクフル / Rest and Be Thankful
66.ロジャーズ ウイスキー カンパニー / Roger’s Whisky Company

4ページ目
67.サマローリ / Samaroli
68.サミュエル ガリバー / Samuel Gulliver
69.サンジバー ウイスキー / Sansibar Whisky
70.スコッチ&タトゥーズ / Scotch & Tattoos
71.スコッチモルト販売 / Scotch Malt Sales
72.スコッツ セレクション ウイスキー / Scott’s Selection Whisky
73.シグナトリー ヴィンテージ / Signatory Vintage
74.シルバーシール / Silver Seal
75.シングル カスク ネイション / Single Cask Nation
76.スコッチ モルト ウイスキー ソサエティ / Scotch Malt Whisky Society (SMWS)
77.シングル ノート ウイスキー / Single Note Whisky
78.スキーン スコッチ ウイスキー / Skene Scotch Whisky
79.スフェリック スピリッツ / SPHRIC SPIRITS
80.スピリット フィルド / Spirit filled
81.スピリッツ ショップ セレクション / Spirits Shop Selection
82.スウェル ド スピリッツ / Swell De Spirits
83.ブティックウイスキー / That Boutique-y Whisky Company
84.ザ・キャラクター オブ アイラ ウイスキーカンパニー / The Character of Islay Whisky Company
85.ザ・クラン デニー / The Clan Denny
86.ザ・クーパーズ チョイス / The Cooper’s Choice
87.ザ・ファーキン・ウイスキー・カンパニー / The Firkin Whisky Co
88.ザ・ゴールデンカスク / The Golden Cask

5ページ目
89.ザ・ハート カット / The Heart Cut
90.ザ・モルトマン / The Maltman
91.ザ・ネクター / The Nectar
92.ザ・シングル カスク / The Single Cask
93.ザ・アルティメット ウイスキー カンパニー / The Ultimate Whisky Company
94.ザ・ヴィンテージ モルト ウイスキー カンパニー / The Vintage Malt Whisky Company
95.ザ・ウイスキー・ウェアハウス No.8 / The Whisky Warehouse No.8
96.ザ・ウイスキー エージェンシー / The Whisky Agency
97.ザ・ウイスキー バロン / The Whisky Baron
98.ザ・ウイスキー セラー / The Whisky Cellar
99.ザ・ウイスキー ファインド / The Whisky Find
100.アンチャーテッド ウイスキー カンパニー / Uncharted Whisky Company
101.ヴァリンチ&マレット / Valinch & Mallet
102.W.D.オコンネル / W.D. O’Connell
103.ワットウイスキー / Watt Whisky
104.ワックスハウス ウイスキー / Waxhouse Whisky
105.ウィームス モルツ / Wemyss Malts
106.ウイスキー ブローカー / Whisky Broker
107.ウイスキー イズ ザ リミット / Whisky Is The Limit
108.ウイスキー デュード / Whisky Dudes
109.ウィルソン&モーガン / Wilson & Morgan
110.ウッドロウズ オブ エディンバラ / Woodrow’s of Edinburgh

※アルファベット順に紹介。
ボトラーズブランドに関しては、有名なブランドを取り上げて解説。記事全体で一部内容が重複している部分もありますが、あらかじめご了承ください。

 

 

エイコーン / Acorn Limited

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  • ボトラーズ会社 兼 ウイスキーショップ

エイコーン(Acorn Limited)は、日本の独立系ボトラーズ。シングルモルトウイスキーのセレクションにおいて、その品質と多様性で知られています。​スコッチウイスキーを中心に、世界各国の蒸留所から厳選した原酒をボトリング。​そのラインアップには、シングルカスクの限定ボトルや、日本の蒸溜所とのコラボボトルなど、ユニークなウイスキーが多く含まれています。​

また、エイコーンは埼玉県坂戸市にウイスキーショップ(実店舗)を構えており、オンラインショップも運営しています。

 

アデルフィ / Adelphi

  • ボトラーズ会社
  • アードナムルッカン蒸溜所を所有

アデルフィは、スコットランドのウイスキー業界で長い歴史を誇る独立系ボトラーです。起源は1826年にさかのぼり、グラスゴーにて「アデルフィ蒸留所」として創業されました。しかし、惜しくも1906年に蒸留所は閉鎖され、ブランドは一度途絶えます。

その後、1993年に創業者のひ孫にあたる人物がインディペンデントボトラーとして再スタートを切り、ウイスキーのボトリング事業を再開。復活にあたり、アデルフィは「常に品質を追い求め、大量生産に走らず高品質を維持する」というコンセプトを掲げ、厳選したシングルカスクのボトリングに力を注ぎます提供しています。

2014年には、スコットランド・ハイランド地方にアードナムルッカン蒸溜所を新設。閉鎖した「アデルフィ蒸留所」以来、長年の夢であったウイスキー造りを復活させます。

アードナムルッカンでは独自のスタイルでモルトウイスキーの製造が行われ、特にトフィーやバニラの甘い香り、ハイランドモルトとしては強めのスモーキーな味わいが特徴となっています。

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ADラトレー / A.D. Rattray

  • ボトラーズ会社
  • クライドサイド蒸溜所を所有

ADラトレー(デュワーラトレー)は、スコットランド・アイルシャー州カークオスワルドに拠点を置く、歴史あるウイスキーボトラーです。​1868年にアンドリュー・デュワー・ラトレー(Andrew Dewar Rattray)によって設立され、当初はフランスワインやイタリアン・スピリッツ、オリーブオイルなどの輸入業を営んでいました。​

その後、スコッチウイスキーのブレンドや貯蔵の専門家としても名を馳せ、ウイスキー業界における伝統と知識を築き上げました。​

2002年、ティム・モリソン(Tim Morrison)氏がラトレー家から事業を引き継ぎ、再スタート。​モリソン氏は、かつてボウモア蒸溜所を所有していたモリソン家の血筋であり、ウイスキー業界に深いルーツを持っています。​

現在は彼の指導のもと、はシングルカスクやカスクストレングスのウイスキーを中心に展開し、品質と個性を重視したラインナップを展開。代表的なシリーズには、「Cask Collection」、「Stronachie」、「Bank Note」などがあります。​

また、2017年にはグラスゴーに「クライドサイド蒸溜所  Clydeside Distillery」を開設し、自社でのウイスキー造りも開始しています。

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アレクサンダー マレー / Alexander Murray

  • ボトラーズ会社

アレクサンダー・マレーは、スコットランド出身のスティーブ・リップ氏が2004年にアメリカで設立した独立系ボトラーです。社名は、ウイスキーの魅力を初めて教えてくれたという、リップ氏の大伯父「アレクサンダー・マレー」に敬意を表して名づけられました。現在はカリフォルニア州カラバサスのブルーバード・ドライブに拠点を構え、アメリカを中心に多くのファンを持つブランドに成長しています。

同社はスコットランド各地の蒸溜所から原酒を調達し、シングルモルトやブレンデッドウイスキーとしてボトリング。代表的なシリーズには、18年熟成と30年熟成をラインナップする「モニュメンタル(Monumental)」があります。

また、アメリカの会員制量販店「コストコ」のプライベートブランド「カークランド・シグネチャー(Kirkland Signature)」に採用されているスコッチウイスキーの多くも、実はアレクサンダー・マレーが手がけたもの。価格と品質のバランスに優れており、入門者から愛好家まで幅広く支持されています。

 

アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニー / Alistair Walker Whisky Company

  • ボトラーズ会社

アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニーは、2018年にスコットランドで設立された独立系ボトラーズ会社で、創業者のアリステア・ウォーカー(Alistair Walker)氏の名を冠しています。アリステア氏は業界で20年以上のキャリアを持ち、その深い知識と経験をもとに、自社ブランド「インフリークエント フライヤー(Infrequent Flyers)」を中心としたシングルカスクウイスキーを展開しています。

創業者、アリステア・ウォーカー氏の父はビリー・ウォーカー(Billy Walker)氏。かつてベンリアックやグレンドロナックを率いた名プロデューサーで、現在はグレンアラヒー蒸溜所を経営しています。

アリステア氏自身も、父とともにベンリアック・ディスティラリー・カンパニーに在籍し、主にセールス&マーケティングを担当。同社がブラウン=フォーマンに売却された後、独立して自身のボトラーズブランドを立ち上げました。

アリステア・ウォーカー・ウイスキー・カンパニーの主要ブランド「インフリークエント フライヤー」は、シングルカスク、ノンチルフィルター、ナチュラルカラー、カスクストレングスといった特徴を持ち、スコットランド各地の多様な蒸溜所の原酒をボトリングしています。蒸溜所が非公開のボトルもありますが、このシリーズの多くは明確にされています。

インフリークエント フライヤー

 

アンガス・ダンディー/ Angus Dundee

  • ボトラーズ会社
  • グレンカダム、トミントール蒸留所を所有

1950年に設立されたアンガス・ダンディー(アンガス・ダンディー・ディスティラーズ Angus Dundee Distillers Plc)は、スコットランドに拠点を置く、ウイスキーのボトラー兼、製造メーカーです。「グレンカダム」と「トミントール」蒸留所を所有していることで知られていますが、その一方で、自社の原酒を用いた独自ブランドの展開や、ウイスキーンの輸出までを手がける総合企業となっています。

アンガス・ダンディーの、ボトラーズとしての特徴は、自社原酒を活用した多様な展開にあります。シングルカスクでのボトリングでは、グレンカダムやトミントールの厳選された樽を使用。その他、限定リリースや蒸溜所非公開のシリーズ、「ザ・ダブル・ピート」など、蒸溜所名を出さずにボトリングされたウイスキーもリリース。

また、海外のバイヤーや市場ニーズに合わせて、専用ラベルや熟成年数違いのボトルを供給。これは、典型的なボトラーズ会社と重なる部分ですが、アンガス・ダンディーは世界中のウイスキー市場に幅広く展開しており、特にアジアとヨーロッパでは強い需要を誇っています。

アンガス・ダンディーの主要ブランドは「モンゴメリー(Montgomerie’s)」。

シングルカスクを中心にしたセレクションで、長期熟成の原酒などを使い、ノンチルフィルターやノンカラーでボトリング。自社の原酒だけでなく、スコットランド各地の蒸溜所から仕入れた原酒を使用しています。ラベルには蒸留年、瓶詰め年、樽番号などの詳細な情報が記載されています。

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アーカイヴス / Archives

  • ボトラーズブランド
  • 運営会社:Whiskybase B.V.(オランダ)

アーカイヴス(Archives)は、オランダ・ロッテルダムに拠点を置く、世界最大級のウイスキーデータベースおよびコミュニティプラットフォーム「ウイスキー・ベース(Whiskybase)」が手がけるプライベートボトラーズブランドです。「Whiskybase」の豊富な知見とネットワークを活かして、特に品質に優れた樽を厳選・ボトリングしています。

アーカイヴスの最大の魅力は、その厳選されたシングルカスクのラインナップにあります。ノンチルフィルター(非冷却濾過)かつナチュラルカラー(無着色)を徹底し、ウイスキー本来の個性を尊重する姿勢を貫いています。また、ラベルにはアジアの浮世絵や古典的な博物画など、芸術性の高いデザインが用いられており、コレクターズアイテムとしての魅力も兼ね備えています。

ラベルデザインに魚類・鳥類・爬虫類などの博物画を採用しているのが大きな特徴で、地域によって異なるシリーズを展開。世界向けの「フィッシュ・オブ・サモア」シリーズ(魚類)、アジア圏向けの鳥類ラベル、日本向けには爬虫類ラベルなどがあります。

日本での代理店はエイコーン。信濃屋のプライベートボトルもエイコーンを通じてリリースされています。

 

アートフル ドジャー ウイスキー コレクティブ / Artful Dodger Whisky Collective

  • ボトラーズ会社

アートフル ドジャー ウイスキー コレクティブは、ロンドンを拠点に活動する個性派インディペンデント・ボトラーです。創業は近年ですが、すでにその斬新なコンセプトと高品質なボトリングで、ウイスキー愛好家から注目を集めています。

ブランド名は、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』に登場するキャラクター「アートフル・ドジャー(ずる賢い少年)」に由来し、既存の枠にとらわれない遊び心や、したたかな知性を象徴しています。ラベルには風刺の効いたアートワークが採用されており、視覚的なインパクトも抜群の注目ボトラーです。

 

アスタ モリス / Asta Morris

  • ボトラーズ会社

アスタ モリスは、ベルギーのインディペンデント・ボトラーであり、ウイスキー愛好家で著名なバート・ブルイニール氏によって2009年に設立されました。​彼は1994年に友人のバーテンダーからジャックダニエルのシングルバレルを勧められたことをきっかけに、ウイスキーの世界へ。

1999年にはベルギーで「Wee Dram Whisky Society」を共同設立し、2006年には国際的なウイスキー評価団体「Malt Maniacs」のメンバーとなりました。​

アスタ モリスのボトルは、シングルカスク、ノンチルフィルター、カスクストレングスで提供されることが多く、ラベルには特徴的な「バブルスタイル」のデザインが施されています。さらに、ウイスキー樽で熟成させたジン「No Ordinary Gin(NOG!)」や、ラムのボトリングブランド「Rasta Morris」も展開しています。​

日本市場向けに手がけたシリーズとしては、「ガイアフロー GAIAFLOW」、からリリースされている「東海道五十三次シリーズ」が有名。

このシリーズは、浮世絵師・歌川広重の名作『東海道五十三次』をラベルに採用しており、東海道に沿って、各宿場町ごとに異なる蒸溜所の原酒がボトリングされています。最終的には東京・日本橋から京都を経て、静岡にある「ガイアフロー静岡蒸溜所」と合流する構成になっており、全体を通じて旅を味わうような、ユニークなボトルデザインとなっています。

 

ベリーブラザーズ&ラッド / Berry Bros. & Rudd

出典:By Elisa.rolle – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=57745662

  • ボトラーズ会社

ベリーブラザーズ&ラッド(通称BBR)は、ロンドン最古のワイン&スピリッツ商であり、世界的に知られるインディペンデント・ボトラーの一つです。創業は1698年。ロンドンのセント・ジェームズ・ストリート3番地。現在も同じ場所に本社を構えています。

もともとはコーヒー商としてスタートしましたが、18世紀にはワインやスピリッツの取り扱いを本格化。王室御用達商としても知られ、イギリス王室からは二度も「ロイヤル・ワラント(Royal Warrant)」を授与されています。

また、同社は「マスター・オブ・ワイン」という、ワイン界で最も難しい超難関資格の保有者が複数いることでも有名です。マスター・オブ・ワインは、世界に500人程度しかいません。(日本人は2名のみ)

BBRはワイン業界では最も権威のあるワイン商ですが、ウイスキー業界でも長い歴史と高い評価を誇るインディペンデント・ボトラーでもあります。ウイスキーのリリースは非常に幅広く、 代表的なシリーズに「ベリーズ・オウン・セレクション(Berry’s Own Selection)」があります。

このシリーズは、主にシングルカスクで構成され、蒸溜所名を明記。伝統的なデザインでコアファンに人気です。その他、「エクストラ・スペシャル・リリース(Extra Special Releases)」という、長期熟成や特別な樽熟成のウイスキーをボトリングした限定シリーズも高く評価されています。

Berry Bros. & Ruddは、300年以上にわたる歴史と伝統を持ちながらも、現代のウイスキーファンのニーズに応える柔軟さも持つ、非常に稀有な存在。「本当に良いものを、誠実に届ける」という姿勢が、今も昔も変わらないその魅力。ウイスキー初心者から上級者まで、安心して手に取れる一本が見つかるブランドといえるでしょう。

 

ブラックアダー / Blackadder

  • ボトラーズ会社

ブラックアダーは、1995年にロビン・トゥチェック(Robin Tucek)氏によって設立された、イングランドのサセックス州に本拠を置くインディペンデント・ボトラーです。社名の由来は、スコットランドの古い姓「Blackadder(ブラックアダー家)」にちなみ、ロビン氏の家系にも関係があるとされています。

ブラックアダーの魅力は、何といっても徹底したナチュラル志向と、個性的なシリーズ展開にあります。ノンチルフィルター(冷却ろ過なし)、無着色、カスクストレングスを基本とし、樽の沈殿物(カスクサンプ)入りのボトルも存在します。

最も有名なシリーズは「Raw Cask(ロウ・カスク)」。ブラックアダーを象徴するシリーズで、フィルターを通さず、樽の沈殿物までボトルに入れた極めて珍しいスタイルで、ボトルの底には黒い沈殿物(ウッドチップやチャーなど)を目視することができます。

また、「Black Snake(ブラックスネーク)」も人気のシリーズ。シェリーバットでソレラ方式的に熟成されたバッチリリースであり、熟成を重ねていく中で定期的にボトリングされ、樽の中身を少しずつ入れ替える独特の手法を用いています。

 

ブレイブ・ニュー・スピリッツ / Brave New Spirits

  • ボトラーズ会社

ブレイブ・ニュー・スピリッツは、スコットランド・グラスゴーを拠点に、2020年頃に設立された、比較的新しいインディペンデント・ボトラー。創業者たちは業界経験者で、モルトの価値やポテンシャルを熟知しており、設立当初からクオリティに強くこだわったボトリングをリリースしています。

ブランド名はオルダス・ハクスリーの小説『すばらしい新世界(Brave New World)』に由来し、「新しい世界」「新しい感覚」「新しいウイスキーの楽しみ方」を提案するという理念が込められています。

ブレイブ・ニュー・スピリッツは、個性豊かな4つのシリーズを展開。

「イエロー・エディション」は、 カラフルなラベルと親しみやすい価格帯が魅力。比較的若い原酒ながら、樽の個性を活かしたシリーズ。その他、「カスク・ノワール」や、スコットランドの神話や伝承をモチーフにしたリミテッドシリーズ「ミス&レジェンズ」などがあります。

 

ケイデンヘッド / Cadenhead’s

  • ボトラーズブランド
  • 運営会社:J&Aミッチェル社(スコットランド)

ケイデンヘッドは、スコットランド最古のインディペンデント・ボトラーとして知られる老舗ブランドで、1842年創業という長い歴史を誇ります。創業地はアバディーンで、現在はキャンベルタウンのスプリングバンク蒸溜所を所有する「J&Aミッチェル」社の傘下にあります。

特徴としては、老舗ボトラーらしく、シングルカスク、カスクストレングス、ノンチルフィルター、無着色。自然な味わいへのこだわりがあります。また、商業的成功よりも品質を最重視。派手なパッケージではなく、クラシックなデザインを基本とし、中身で勝負する硬派な姿勢が信頼を集めています。

幅広い蒸溜所から原酒を調達し、しばしばオフィシャルでは出回らないような個性的な原酒を発掘・ボトリングしています。

「オーセンティック・コレクション」は、ケイデンヘッドを代表するスタンダードシリーズ。多くがシングルカスク&カスクストレングスで、蒸溜所の個性をありのままに伝えます。「スモールバッチ・シリーズ」は、複数の樽をヴァッティングしてバランスを取った限定シリーズ。また、「オリジナル・コレクション」は2020年代に登場した新たなレンジで、求めやすい価格帯でありながら、飲みやすさと品質のバランスが取れた、デイリードラム向けにリリースされています。

 

カスクシェア / Caskshare

  • ボトラーズ会社

カスクシェアは、スコットランド発の新世代インディペンデント・ボトラーであり、「ウイスキーの民主化」を理念に掲げています。その名の通り、樽(カスク)を“シェア”するというコンセプトを軸に、従来のボトラーズとは一線を画す販売スタイルと透明性で注目を集めています。

カスクシェアでは、個人がシングルカスクウイスキーの一部をボトル単位で予約・所有できる仕組みを構築しています。​高額な投資が必要だった「樽の購入」ではなく、より手軽に楽しめるようにすることで、多くのウイスキー愛好家にも門戸を開いています。

また、高い透明性も話題となっています。どの蒸溜所の、どんな原酒が、どの樽で熟成されているかを、詳細に公開。消費者は熟成の進捗やボトリング時期をリアルタイムで確認できます。

 

チャプター7 ウイスキー / Chapter 7 Whisky

  • ボトラーズ会社

チャプターセブン・ウイスキーは、2014年にスイスで設立され、現在はスコットランドを拠点に活動するインディペンデント・ボトラーです。創設者ニコラス・ポレディス氏は、「ウイスキーのストーリーテラー」として、各樽の個性や背景に注目し、それぞれが“本の一章”のように語りかけてくるウイスキーを届けたいという思いから「Chapter 7」と名付けました。

チャプターセブン最大の特徴は、「個性を引き出すこと」。大量生産や均一な味わいを避け、シングルカスクやごく少量のバッチにこだわり、ウイスキーが本来持つ個性や物語を最大限に表現しています。ボトリングは基本的にノンチルフィルター、ノンカラー、カスクストレングスで行われることが多く、純粋な味わいを追求しています。

日本ではまだ知名度が低めですが、スイス、イギリス、ドイツなど複数国で流通しており、独立系ながら確かな品質とユニークなコンセプトで高い評価を得ています。

 

チーフタンズ / Chieftain’s

  • ボトラーズブランド
  • 運営会社:イアン・マクロード・ディスティラーズ(スコットランド)

チーフタンズは、スコットランドの独立系ボトラーである「イアン・マクロード・ディスティラーズ(Ian Macleod Distillers)」が展開するブランド。限定シングルカスクのシリーズとなります。​このシリーズは、自然な色合いを保ち、冷却ろ過を行わないことで、ウイスキー本来の風味と滑らかな味わいを最大限に引き出しています。 ​

チーフタンズは、スコットランド各地の蒸溜所から厳選された樽を使用。シングルモルトやシングルグレーンなど多彩なウイスキーを提供しています。過去にリリースされたアイテムでは、1996年に蒸留されたアードベッグ20年があり、わずか2つの樽から601本のみがボトリングされました。

また、1993年蒸留の29年熟成シングルグレーンウイスキーは、閉鎖されたカンバス蒸溜所の希少な原酒を使用し、蜂蜜や柑橘、花の香り、穏やかなオークの風味が調和した洗練された味わいを持っています。 ​

【閉鎖蒸留所★ミルキー、ウッディ、ココナッツ】リトルミル 1990 28年 チーフタンズ 53.8% 700ml

 

チョルトン ウイスキー / Chorlton Whisky

  • ボトラーズ会社

チョルトン・ウイスキーは、イングランド・マンチェスターを拠点とするインディペンデント・ボトラーで、2016年にデイヴィッド・ベネット氏によって設立されました。​彼は、ウイスキー愛好家としての情熱から、テイスティングイベントを開催しており、その後、自ら厳選した樽をボトリングする事業を開始。

ウイスキーは、シングルカスク&カスクストレングスでボトリング。​冷却濾過や着色を行わず、ウイスキー本来の風味と色合いを大切にしています。 ​また、芸術的なラベルデザインも特徴で、中世の絵画や幻想的なアートを用いたラベルは視覚的にも楽しめるボトルと好評です。

 

クラクストンズ / Claxton’s

  • ボトラーズ会社

クラクストンズは、イングランド・ヨークシャー州リポンを拠点とする家族経営のインディペンデント・ボトラーです。​2015年の設立以来、スコットランド各地の蒸溜所から厳選したシングルカスクのウイスキーをボトリングし、その品質と独自性で注目を集めています。​

クラクストンズは、すべてのウイスキーをナチュラルカラー(無着色)、ノンチルフィルター(非冷却濾過)、カスクストレングス(樽出し度数)でボトリング。​各樽の個性を最大限に引き出すため、熟成のピークに達したと判断した時点でのみ製品化し、品質、風味、香りを最優先にしています。

代表的なシリーズは「Dalswinton Series」。​クラクストンズの熟成庫がある、ダルズウィントン・エステートにちなんだシリーズで、長期熟成の希少なシングルモルトを中心に展開しています。

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コンパスボックス / Compass Box

  • ボトラーズ会社

コンパスボックスは、スコッチウイスキーの独立系ボトラーズおよびブレンダーとして、2000年にアメリカ人ジョン・グレイサー(John Glaser)によって設立されました。

ジョン・グレイサー氏は元ジョニーウォーカーのグローバルマーケティングディレクターで、自らのウイスキー作りへの情熱から、2000年に「コンパスボックス」を設立。アメリカ出身ながらロンドンを拠点に、ウイスキーを「アート」として捉え革新的なスタイルを追求しています。

彼のブレンディングは高く評価されており、「イノベーター・オブ・ザ・イヤー」や「パイオニア・オブ・ザ・イヤー」など多数の受賞歴があり、手がけたウイスキーは通算40以上の賞に輝いています。

2024年に、グレイサー氏は23年間の活動を経てコンパスボックスの経営から退きましたが、株主として引き続き関与しています。​現在は、ウイスキーディレクターにジェームズ・サクソン氏が就任し、ブランドの哲学を継承しつつ新たな展開を図っています。​

コンパスボックスの商品としては、フレンチオークの影響を受けたスパイシーなブレンデッドモルトの「スパイスツリー(The Spice Tree)」や、​アイラとハイランドのピートを組み合わせた「ピートモンスター(The Peat Monster)」などが有名です。

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カーンモア / Càrn Mòr

  • ボトラーズブランド
  • 運営会社:モリソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ(スコットランド)

カーンモア(Càrn Mòr)は、スコットランドの老舗ウイスキー家系である「モリソン家」が所有する独立系ボトラーズ「モリソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ(Morrison Scotch Whisky Distillers)」が展開するブランドです。モリソン家は18世紀から現在までウイスキー業界に携わっています。

カーンモアは、スコットランド各地の蒸留所から厳選した樽を用いて、個性豊かなウイスキーをボトリングを行います。冷却濾過や着色を行わず、樽の個性を最大限に引き出しています。

主なシリーズに「Strictly Limited」があり、こちらは​比較的若い原酒を使用し、47.5%のアルコール度数でボトリングされた小ロットのシリーズです。また、15年以上熟成されたシングルカスクをカスクストレングスでボトリングした「Celebration of the Cask」は、​プレミアムシリーズとして人気となっています。

そのほか、年に数回のみリリースされる限定シリーズ「Family Reserve」は、モリソン家の特別な原酒セレクションであり、​希少な原酒がボトリングされています。

 

DSテイマン / DS Tayman

  • ボトラーズ会社

DSテイマン(DS Tayman)は、2020年にロンドンで設立されたインディペンデント・ボトラーズで、スコッチ・シングルモルトの革新的なボトリングを手掛けています。

創業者のダニー・ソルトマン(Danny Saltman)氏は、スコッチ業界で20年以上の経験を持ち、グレンゴラス、グレンドロナック、ベンリネックなどの蒸溜所で勤務。ダンカン・テイラーやゴードン&マクファイルなどのインディペンデント・ボトラーでも活躍していました

DSテイマンの特徴は、シングルカスクのスコッチ原酒に、イスラエル産のワインやポートでのフィニッシュを施すことです。​これにより、各ボトルは独自の風味と個性を持ちます。また、製品はすべてコーシャ認証を受けており、ユダヤ教の食事規定に準拠しています 。特定の宗教的背景を持つ消費者にも配慮したウイスキー造りは、ウイスキーブランドで唯一と言えるでしょう。​

 

ダークネス / Darkness

  • ボトラーズブランド
  • 運営会社:アトム・ブランズ(スコットランド)

「ダークネス(Darkness)」は、スコットランドのインディペンデント・ボトラーズである「アトム・ブランズ(Atom Brands)」が展開するウイスキーブランドです。​アトム・ブランズは、他にも「That Boutique-y Whisky Company」や、クラフトジンの「Bathtub Gin」などを手掛ける企業。2018年に「AB InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)」に買収され、同社の傘下となっています。​

ダークネスの特徴は、シェリー樽の影響を強く受けた深い色合いと豊かな風味。​その製造過程では、オクタブ樽(64リットルのシェリー樽)を使用し、ウイスキーの熟成を行っています。​これにより、樽との接触面積が増加し、より濃厚で複雑な風味が引き出されます。

ダークネスのラインアップには、さまざまな熟成年数のシングルモルトが揃っていますが、シェリー樽やバーボン樽での熟成を経て、最終的にオクタブ樽でのフィニッシュが施されることで、独自の風味が生み出されています。

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