

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
アイリッシュウイスキーといえば、すっきりと飲みやすい「ブレンデッド」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし近年、麦芽の旨みや多彩な樽の個性をしっかりと感じられる「シングルモルト・アイリッシュウイスキー」が大きな注目を集めています。
この記事では、アイリッシュウイスキーの伝統を受け継ぐ王道ブランドから、ユニークな熟成樽を使う新進気鋭の銘柄まで、おすすめのシングルモルト12選をご紹介します。
これからシングルモルトに挑戦してみたい方も、スコッチとは違うフルーティーなウイスキーを探している方も、ぜひ最後までごらんください。
【2026年版】シングルモルト・アイリッシュウイスキー銘柄12選|蒸留所・特徴を解説

- ブッシュミルズ(Bushmills)
- バスカー(The Busker)
- カネマラ(Connemara)
- ティーリング(Teeling)
- ザ・セクストン(The Sexton)
- ディングル(Dingle)
- アイリッシュマン(The Irishman)
- ザ・ポーグス(The Pogues)
- クロナキルティ(Clonakilty)
- イーガンズ(Egan’s)
- ティアコネル(Tyrconnell)
- グレンダロッホ(Glendalough)
ブッシュミルズ(Bushmills)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:オールド・ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)
- 所在地:北アイルランド、アントリム州ブッシュミルズ
- 所有企業:プロキシモ・スピリッツ(Proximo Spirits)/ベクレ(Becle)グループ
ブッシュミルズ(Bushmills)は、北アイルランドのアントリム州ブッシュミルズ村で造られる、世界的に知られたアイリッシュウイスキーの代表的なブランドです。
ブランド名を語るうえで欠かせないのが、ボトルに記された「1608」という数字です。これは、イングランド王ジェームズ1世がサー・トーマス・フィリップス(Sir Thomas Phillips)に、この地域での蒸留を認める許可を与えた年に由来します。
ただし、1608年を現在のオールド・ブッシュミルズ蒸留所の創業年とするのは正確ではありません。現在の蒸留所につながる会社が設立・登録されたのは1784年です。「1608年の蒸留許可」と「1784年の蒸留所設立」は分けて考える必要があります。
現在のオールド・ブッシュミルズ蒸留所は、プロキシモ・スピリッツを通じてベクレ・グループ(Becle Group)が所有しています。2014年にディアジオから所有権が移って以降も、伝統的な年数表記品に加え、多彩な樽を使用した限定品や長期熟成品にも力を入れています。
ブッシュミルズのシングルモルトは、ノンピート麦芽を使用し、3回蒸留で造られるのが特徴です。軽やかで滑らかな酒質をベースに、バーボン樽、オロロソ・シェリー樽、ポート樽、マルサラ樽などを使い分け、それぞれ異なる味わいを引き出しています。
初めて飲むなら、軽快でバランスのよい「ブッシュミルズ10年」がおすすめ。より豊かな甘みと樽の厚みを求めるなら12年、長期熟成による果実味と複雑さを楽しみたいなら16年が候補になります。
ブッシュミルズ 10年

- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 熟成:シェリー樽とバーボン樽で10年以上熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:4,260円
ブッシュミルズ10年(Bushmills 10 Year Old)は、ブッシュミルズのシングルモルトを代表する定番ボトルです。3回蒸留したモルト原酒を、シェリー樽とバーボン樽で10年以上熟成させた原酒を使用。
ハチミツ、バニラ、熟した果実、チョコレートを思わせる穏やかな甘さが持ち味で、ピート香を伴わないため飲み口は非常に滑らか。シングルモルト・アイリッシュウイスキーの基本を知る一本として選びやすく、普段ブレンデッド・アイリッシュを飲む方が次の一本へ進む際にも向いています。
ストレート、ロック、少量加水のいずれでも楽しみやすく、食後酒はもちろん、ナッツやドライフルーツと合わせる一杯としても使いやすいでしょう。
ブッシュミルズ 12年
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 熟成:バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で熟成後、マルサラワイン樽で約6か月フィニッシュ
- 楽天市場価格[2026年8月]:4,902円
ブッシュミルズ12年(Bushmills 12 Year Old)は、バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で最低12年以上熟成したモルト原酒を使い、最後にマルサラワイン樽で約6か月仕上げたシングルモルト。
ブッシュミルズらしい軽やかな酒質に、マルサラ樽由来の甘い果実味、ハチミツ、ブラウンシュガー、ナッツ、穏やかなスパイス感が重なります。10年よりも熟成樽の存在感が増しており、甘さと複雑さを求める方に適した一本です。
シェリー樽熟成のスコッチが好きで、より滑らかでフルーティーな方向性を試したい方にも向いています。ストレートやロックで、時間とともに開く香りを楽しみたいボトルです。
ブッシュミルズ 16年
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 熟成:オロロソ・シェリー樽とバーボン樽で約15年熟成後、ポートワイン樽で約9か月フィニッシュ
- 楽天市場価格[2026年8月]:11,308円
ブッシュミルズ16年(Bushmills 16 Year Old)は、バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で約15年熟成したモルト原酒をマリッジし、ポートワイン樽で約9か月仕上げる長期熟成のシングルモルトです。
ポート樽の影響により、熟した果実、ベリー、ナッツ、スパイス、チョコレートを思わせる豊かな香味と、わずかに赤みを帯びた色調が生まれます。10年や12年と比べると明らかに厚みがあり、シェリー樽とポート樽がもたらす果実味を楽しめる一本です。
ブッシュミルズらしい3回蒸留由来の滑らかさは失われていません。食後にストレートでゆっくり味わいたいボトルであり、ドライフルーツ、ミックスナッツ、ビターチョコレート、ミディアムボディのシガーとの組み合わせも楽しめます。
バスカー(The Busker)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:ロイヤルオーク蒸留所(Royal Oak Distillery)
- 所在地:アイルランド、カーロウ県
- 所有企業:ロイヤルオーク・ディスティラリー/イルヴァ・サロノ(Illva Saronno Holding S.p.A.)グループ
バスカー(The Busker)は、アイルランド南東部のカーロウ県にあるロイヤルオーク蒸留所(Royal Oak Distillery)が展開するアイリッシュウイスキーブランドです。ブランド名の「Busker」は、街角で演奏する大道芸人やストリートミュージシャンを意味し、音楽やにぎわいを思わせる現代的なイメージで展開されています。
ロイヤルオーク蒸留所は、モルト、ポットスチル、グレーンという、アイリッシュウイスキーの主要な3カテゴリーを蒸留できる設備を持つ蒸留所です。その中でバスカーは、アイリッシュウイスキーの多様なスタイルを分かりやすく楽しめるシリーズとして育てられてきました。
バスカーの現行シングルモルトは、ロイヤルオーク蒸留所の自社蒸留原酒のみで構成されるシングルモルト・アイリッシュウイスキーです。ノンピート麦芽を原料とし、軽やかでフルーティーな酒質を軸にしながら、親しみやすさと華やかさを両立しています。
味わいの方向性は、アイリッシュらしい飲みやすさを保ちながら、一般的な40%ボトルよりやや高めの度数によってモルトの輪郭をしっかり感じやすい点が特徴です。手頃な価格帯でシングルモルト・アイリッシュウイスキーを試したい方には、まず候補に入れやすいブランドといえるでしょう。
バスカー シングルモルト

- 容量:700ml
- アルコール度数:44.3%
- 熟成:バーボン樽とシェリー樽で熟成したモルト原酒を使用
- 楽天市場価格[2026年8月]:2,790円
バスカー・シングルモルト(The Busker Single Malt)は、バスカーの中核を担うシングルモルト・アイリッシュウイスキーです。ロイヤルオーク蒸留所の自社蒸留モルト原酒のみを使用し、バーボン樽とシェリー樽の個性を組み合わせることで、豊かな果実味とやわらかな甘さを引き出しています。
香りには、バニラ、ハチミツ、キャラメル、黄桃、洋梨、レーズンを思わせる要素があり、口に含むとフルーティーさの中に穏やかなスパイス感が重なります。ノンピートで親しみやすく、それでいて44.3%という度数が味わいに芯を与えているため、軽すぎず、飲みごたえも感じられる仕上がりです。
カネマラ(Connemara)

- 種類:ピーテッド・シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:クーリー蒸留所(Cooley Distillery)
- 所在地:アイルランド、ラウス県
- 所有企業:サントリーグローバルスピリッツ(Suntory Global Spirits)グループ
カネマラ(Connemara)は、アイルランド東海岸のラウス県にあるクーリー蒸留所(Cooley Distillery)で造られる、ピーテッド・シングルモルト・アイリッシュウイスキーです。ブランド名はアイルランド西部、ゴールウェイ県の景勝地として知られるコネマラ地方に由来しますが、ウイスキーそのものはアイルランド東部のクーリー蒸留所で造られています。
クーリー蒸留所は、ジョン・ティーリング(John Teeling)が1987年に設立した蒸留所です。当時のアイルランドでは、稼働するウイスキー蒸留所がごく限られていました。クーリー蒸留所は、失われつつあったブランドやスタイルを再び世に送り出し、現在のアイリッシュウイスキー復興につながる重要な役割を果たしてきました。
カネマラは、ピートを焚いた麦芽を使うアイリッシュ・シングルモルトとして知られています。一般にアイリッシュウイスキーは、ノンピート麦芽と3回蒸留による軽やかなスタイルのイメージが強いものです。しかしカネマラは、ピート由来のスモーキーさを取り入れ、2回蒸留によってモルトの厚みを残すことで、他のアイリッシュとは異なる個性を打ち出しています。
その味わいは、アイラモルトのような強烈なヨード香や海藻香を前面に出すタイプとはやや異なります。ハチミツ、バニラ、麦芽、果実の甘さを土台に、焚き火、木の煙、穏やかな土っぽさを思わせるピート香が重なるスタイルです。スモーキーでありながら飲み口は比較的やわらかく、ノンピートのアイリッシュウイスキーからピーテッドモルトへ進む際の一本としても選びやすいでしょう。
カネマラを初めて選ぶなら、まずはブランドの基本となるオリジナル・ピーテッドがおすすめ。より長期熟成らしい丸みと深みを求める場合は、12年物を選択肢に加えるとよいでしょう。
カネマラ オリジナル・ピーテッド

- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 熟成:主にバーボン樽熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:4,367円
カネマラ オリジナル・ピーテッド(Connemara Original Peated Single Malt)は、カネマラの基本となるノンエイジのシングルモルトです。ピートを焚いた麦芽を用い、2回蒸留したモルト原酒を主にバーボン樽で熟成させています。
香りには、ハチミツ、バニラ、青リンゴ、洋梨、麦わら、穏やかな木の煙を思わせる要素があります。口に含むとモルトの甘みが先に広がり、その後からピート由来のスモーキーさと、かすかなスパイス感が続きます。
カネマラの魅力は、ピート香だけが突出しないことです。アイリッシュらしいなめらかさと、スコッチのピーテッドモルトを思わせる香ばしがを両立。スモーキーなウイスキーの入門としても使いやすい飲みやすさです。
カネマラ 12年
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 熟成:主にバーボン樽で最低12年以上熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:7,898円
カネマラ12年(Connemara 12 Year Old)は、12年以上熟成したピーテッド・モルト原酒を使うシングルモルトです。主にバーボン樽で熟成され、カネマラ オリジナルよりも熟成由来の丸みと複雑さが強調されています。
香りは、ハチミツ、バニラ、熟したリンゴや洋梨、麦芽、やわらかなスモークといった要素が中心です。口当たりはオリジナルよりもなめらかで、ピート香はより穏やかに溶け込み、ナッツやトフィーを思わせる樽由来の甘さが続きます。
オリジナルの若々しいスモーク感に対し、12年はピートと熟成感の調和を楽しむタイプ。食後にストレートでゆっくり飲みたい方や、強すぎないピーテッドモルトを好む方に向いています。
ティーリング(Teeling)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:ティーリング・ウイスキー蒸留所(Teeling Whiskey Distillery)
- 所在地:アイルランド、ダブリン、リバティーズ地区
- 所有企業:ティーリング・ウイスキー・カンパニー(Teeling Whiskey Company)
ティーリング(Teeling)は、ダブリンを拠点とするティーリング・ウイスキー・カンパニーが展開するアイリッシュウイスキーブランドです。ティーリング家は長くダブリンのウイスキー産業に関わってきた家系で、1782年にはウォルター・ティーリングが、リバティーズ地区のマローボーン・レーンに蒸留所を設けました。
現在のブランドは、ジョン・ティーリングの息子であるジャック・ティーリングとスティーヴン・ティーリングによって2012年に設立されました。ブランド創設当初は他蒸留所から調達した原酒を用いて熟成・瓶詰めを行い、その後2015年にダブリンのリバティーズ地区でティーリング・ウイスキー蒸留所を開設しています。
ティーリング・ウイスキー蒸留所は、125年以上ぶりにダブリン市内で新設された蒸留所として知られます。現在は自社蒸留を行う一方、ティーリングの全商品が自社蒸留原酒のみで構成されるわけではありません。特に、ブランド初期から続く一部の通常品や長期熟成品には、蒸留所名を公表しない調達原酒が使われる場合があります。
ティーリングの大きな特徴は、伝統的なアイリッシュウイスキーの枠にとどまらない樽使いです。通常のシングルモルトでは、バーボン樽を基礎に、ヴァージン・アメリカンオーク、マデイラ、カルカヴェロス・ホワイトポート、ルビー・ポートという5種類の樽がもたらす個性を組み合わせています。果実味を前面に出した華やかなスタイルは、ティーリングを代表する個性といえるでしょう。
また、ティーリングはピーテッド・シングルモルトのブラックピッツ(Blackpitts)も展開しています。ノンピートの通常版とは対照的に、3回蒸留したピーテッドモルトへバーボン樽とソーテルヌ白ワイン樽の要素を重ね、果実味とバーベキューを思わせるスモークを両立させています。
ティーリング・シングルモルト

- 容量:700ml
- アルコール度数:46%
- 原料:100%麦芽大麦
- 熟成:バーボン樽、ヴァージン・アメリカンオーク、マデイラ樽、カルカヴェロス・ホワイトポート樽、ルビー・ポート樽の影響を組み合わせる
- 楽天市場価格[2026年8月]:7,173円
ティーリング・シングルモルト(Teeling Single Malt)は、ティーリングを代表するスタンダードなシングルモルトです。100%麦芽大麦から造られたモルト原酒を用い、5種類の樽がもたらす香味を組み合わせることで、一般的なバーボン樽主体のアイリッシュモルトとは異なる、華やかで果実味豊かなスタイルに仕上げています。
香りは、ドライフルーツ、赤いベリー、柑橘、バニラ、スパイスを思わせる方向です。口に含むと、モルトの甘さにルビー・ポートやマデイラ由来の果実味。46%の度数に支えられたしっかりとした飲みごたえが続きます。
アイリッシュらしい滑らかさを持ちながら、樽由来の個性がはっきりしているため、ワイン樽熟成のウイスキーが好きな方にもおすすめしやすい一本。ストレートや少量加水で複雑な香りを楽しむほか、ロックで果実味を引き締める飲み方にも向いています。
ティーリング・ブラックピッツ
- 容量:700ml
- アルコール度数:46%
- 原料:100%麦芽大麦、ピーテッド麦芽を使用
- 蒸留:3回蒸留
- 熟成:バーボン樽とソーテルヌ白ワイン樽
- 楽天市場価格[2026年8月]:6,468円
ティーリング・ブラックピッツ(Teeling Blackpitts Peated Single Malt)は、ティーリング・ウイスキー蒸留所の自社蒸留原酒を用いたピーテッド・シングルモルトです。名称は、ダブリンのリバティーズ地区にかつてあった大麦の乾燥炉が並ぶ地域に由来します。
ブラックピッツの特徴は、ピーテッド麦芽を使いながら3回蒸留を行う点にあります。蒸留によってスコッチのピーテッドモルトに見られる薬品的な印象を抑え、バーベキューを思わせる香ばしいスモークを引き出すことを目指しています。
バーボン樽とソーテルヌ白ワイン樽で熟成することで、焼きリンゴ、洋梨、ハチミツ、クローブ、穏やかなスパイス感に、焚き火やバーベキューを思わせる煙が重なります。カネマラがモルトの甘みと素直なピート香のバランスを楽しむスタイルなら、ブラックピッツはワイン樽由来の果実味と香ばしいスモークを楽しむ、より現代的なピーテッド・アイリッシュといえるでしょう。
ザ・セクストン(The Sexton)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:オールド・ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)
- 所在地:北アイルランド、アントリム州ブッシュミルズ
- 所有企業:プロキシモ・スピリッツ(Proximo Spirits)
ザ・セクストン(The Sexton)は、北アイルランドのオールド・ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)で造られる、シェリー樽熟成に焦点を当てたシングルモルト・アイリッシュウイスキーです。ブランド名の「Sexton」は、教会や墓地を管理する教会役員を意味する言葉で、黒い六角形のボトルにも、宗教建築や墓石を思わせる意匠が取り入れられています。
製造を手がけるブッシュミルズ蒸留所は、ノンピート麦芽を使い、銅製ポットスチルで3回蒸留するモルトウイスキーで知られます。ザ・セクストンも、アイルランド産の麦芽大麦100%を原料に3回蒸留で造られ、ブッシュミルズらしい滑らかな酒質を土台としています。
ザ・セクストンを開発したのは、マスターブレンダーのアレックス・トーマス(Alex Thomas)です。トーマスはブッシュミルズ蒸留所で長年経験を積み、アイリッシュウイスキーにおけるシェリー樽熟成の魅力を、より親しみやすい価格帯で表現することを目指しました。
最大の特徴は、オロロソ・シェリー樽のみで熟成する点にあります。スペイン・ヘレス産のオロロソ・シェリーでシーズニングされた樽を使用し、約4年の熟成によって、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレート、甘いスパイスを思わせる豊かな香味を引き出しています。
一般的なアイリッシュ・シングルモルトは、バーボン樽由来のバニラやハチミツ、軽快な果実味を軸にするものが多い一方、ザ・セクストンはシェリー樽由来の濃厚な甘さを前面に出します。シェリー樽熟成のスコッチが好きな方や、甘みとコクのあるアイリッシュ・シングルモルトを探している方に向く銘柄です。

ザ・セクストンは、ブッシュミルズ蒸留所のシングルモルトを使いながら、あえて別ブランドとして展開していますが、これは、伝統を訴求するブッシュミルズ本体とは異なる顧客層を開拓するため。黒い六角形ボトルや骸骨のモチーフ、オロロソ・シェリー樽100%熟成という明快な個性を打ち出すことで、若い世代やカクテルを楽しむ層への訴求が狙いでしょう。
ザ・セクストン シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 原料:アイルランド産麦芽大麦100%
- 蒸留:銅製ポットスチルによる3回蒸留
- 熟成:オロロソ・シェリーでシーズニングした樽のみを使用
- 熟成年数:年数表記なし、約4年熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:3,899円
アイルランド産の麦芽大麦100%を使い、3回蒸留後、オロロソ・シェリー樽のみで約4年熟成させたシングルモルトです。バーボン樽を使わず、シェリー樽に熟成を集中させることで、若い熟成年数でありながらも甘く濃い香味を表現しています。
香りは、レーズン、イチジク、オレンジピール、ナッツ、ハチミツ、ミルクチョコレートを思わせる方向です。口に含むと、ドライフルーツやキャラメルのような甘さに、クローブやナツメグを思わせる穏やかなスパイス感。
ストレートやロックではシェリー樽由来のコクを楽しめ、少量加水では果実味が開きます。ハイボールにすると、ドライフルーツの甘さとスパイス感を残した、ややリッチな仕上がりになります。シェリー樽熟成の個性を、比較的手に取りやすい価格帯で味わいたい方にとってもコスパに優れたウイスキーです。
ディングル(Dingle)

出典:https://dingledistillery.ie/
- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:ディングル蒸留所(Dingle Distillery)
- 所在地:アイルランド、ケリー県ディングル
- 所有企業:ディングル・ディスティラリー(Dingle Distillery)
- 創業者:オリバー・ヒューズ(Oliver Hughes)、リアム・ラハート(Liam LaHart)、ピーター・モズリー(Peter Mosley)
ディングル(Dingle)は、アイルランド南西部、ケリー県ディングルの町にあるディングル蒸留所が手がけるシングルモルト・アイリッシュウイスキーです。蒸留所は2012年、アイルランドのクラフトビール業界で知られたオリバー・ヒューズ、リアム・ラハート、ピーター・モズリーの3人によって設立されました。
創業者たちは、アイルランドのクラフトビール黎明期を支えたポーターハウス・ブリューイング・カンパニーにも関わった人物です。彼らは大規模生産とは異なる、小規模な蒸留と手作業による熟成を志向し、ディングルという土地に根ざした独立蒸留所を立ち上げました。
ディングル蒸留所では、原酒の蒸留、樽詰め、熟成、瓶詰めまでを自社で行っています。製法は、麦芽大麦100%を原料としたフォーサイス社製の銅製ポットスチルによる3回蒸留。
現在のディングル・シングルモルトは、同蒸留所の自社蒸留原酒のみで構成されるコアレンジ商品です。初期にリリースされた限定バッチとは異なり、2021年に定番商品として発売され、現在も蒸留所の中核を担うシングルモルトとして展開されています。
ディングル シングルモルト バッチNo.6
- 容量:700ml
- アルコール度数:46.5%
- 原料:麦芽大麦100%
- 蒸留:銅製ポットスチルによる3回蒸留
- 熟成年数:6~7年
- 熟成:トゥニー・ポート樽のみで熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:9,460円
ディングル シングルモルト バッチNo.6(Dingle Single Malt Batch No.6)は、シングルモルト・バッチシリーズの第6弾です。麦芽大麦100%を原料に、銅製ポットスチルで3回蒸留した自社蒸留原酒を使用しています。
バッチNo.6は、トゥニー・ポート樽のみで熟成されていることが最大の特徴です。6~7年の熟成を通じて、ポート樽由来の赤い果実、濃い甘み、スパイス感をモルト原酒に与えています。
香りは、メープルシロップ、マーマレード、バタースコッチ、砂糖漬けショウガを思わせる、甘く華やかな方向です。口に含むと、赤スグリやクランベリーのような果実味に、シロップをかけたワッフル、ジンジャーブレッド、ダークチョコレートを連想させる甘さとスパイ。
余韻では、ジンジャーのスパイス感、ハチミツ、デーツのような濃い果実の甘みがゆっくりと続きます。ポート樽の個性が明確でありながら、46.5%の度数によるしっかりした骨格と、ディングルらしいなめらかな口当たりを兼ね備ています。
ポート樽由来の濃密な果実味とスパイスを、少量の加水で、マーマレードやハチミツを思わせる甘い香りの広がりを楽しめます。シェリー樽熟成とは異なる酒精強化ワイン樽の表現を試したい方、濃厚なアイリッシュ・シングルモルトを選びたい方に向く限定ボトルです。
アイリッシュマン(The Irishman)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- ブランド運営:ウォルシュ・ウイスキー(Walsh Whiskey)
- 蒸留所:原酒の蒸留所名は非公表
- 所有企業:アンバー・ビバレッジ・グループ(Amber Beverage Group)
アイリッシュマン(The Irishman)は、アイルランドのウォルシュ・ウイスキーが展開するプレミアム・アイリッシュウイスキーブランドです。ウォルシュ・ウイスキーは、バーナード・ウォルシュとローズマリー・ウォルシュによって1999年に設立されました。現在はアンバー・ビバレッジ・グループ傘下で、アイリッシュマンとライターズ・ティアーズ(Writers’ Tears)を主力ブランドとして展開しています。
アイリッシュマンを理解するうえで重要なのは、「どこの蒸留所で造られたウイスキーなのか」という点です。しかし、現在のアイリッシュマンは、特定の蒸留所名を前面に押し出しているブランドではありません。
ブランドを手掛けるウォルシュ・ウイスキーは、かつてカーロウ県にあるロイヤルオーク蒸留所の設立に携わっていました。そのため、アイリッシュマンをロイヤルオーク蒸留所と結びつけて紹介されることがあります。しかし、2019年に蒸留所事業とブランド事業が分離されたため、現在のアイリッシュマンを「ロイヤルオーク蒸留所のブランド」と位置付けるのは正確ではありません。
では、アイリッシュマン・シングルモルトには、どこの蒸留所の原酒が使われているのでしょうか。
実は、原酒の供給元となる蒸留所は公式には公表されていません。ウォルシュ・ウイスキーは過去にミドルトン蒸留所由来とされる熟成原酒を扱っていたことから、現在のアイリッシュマンにもミドルトンの原酒が使われているのではないか、という見方があります。しかし、現行品について供給元を明確に示した公式情報はないため、ミドルトン蒸留所の原酒と断定することはできません。
また、アイリッシュマン・シングルモルトは3回蒸留・ノンピートという特徴を持つため、同じく3回蒸留を行うブッシュミルズ蒸留所を連想することもあります。ただし、ブッシュミルズとアイリッシュマンの間に原酒供給の関係があることを示す確かな情報は確認されていません。ロイヤルオークについても同様で、過去の関係があるからといって、現在のアイリッシュマンに同蒸留所の原酒が使用されているとは限りません。
つまり、現行のアイリッシュマンについては、「○○蒸留所の原酒を使ったウイスキー」と考えるよりも、ウォルシュ・ウイスキーが原酒を選定し、熟成やヴァッティングを通じてブランド独自の味わいをつくり上げているシングルモルトウイスキーと捉えるほうが適切でしょう。
アイリッシュマン・シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 原料:アイルランド産麦芽大麦100%
- 蒸留:3回蒸留
- 蒸留所:非公表
- 熟成:アメリカンオークのバーボン樽、ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽
- 熟成年数:ノンエイジ
- 楽天市場価格[2026年8月]:5,500円
アイリッシュマン・シングルモルト(The Irishman Single Malt)は、アイリッシュマンを代表するノンエイジのシングルモルトです。3回蒸留したアイルランド産麦芽大麦100%のモルト原酒を、バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で熟成し、軽やかなアイリッシュらしさに豊かな果実味を加えています。
香りは、ハチミツ、砂糖漬けオレンジ、リンゴ、洋梨、バニラ、レーズンを思わせる方向です。口に含むと、やわらかな麦芽の甘さにバーボン樽由来のバニラやキャラメル、シェリー樽由来のドライフルーツとオークスパイス。
ストレート、ロック、ハイボールのいずれでも扱いやすく、ピート香のないフルーティーなシングルモルトを探している方におすすめ。ブッシュミルズよりもシェリー樽の存在感を求めつつ、ディングルほど濃厚なスタイルではないボトルを選びたいときにも候補になるでしょう。
ザ・ポーグス(The Pogues)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 製造者:ウェストコーク蒸留所(West Cork Distillers)
- 所在地:アイルランド、コーク県スキバリーン
- ブランド:ザ・ポーグス(The Pogues)公式ライセンス商品
ザ・ポーグス(The Pogues)には、ブランドの原点であるブレンデッド・アイリッシュウイスキーと、後に加わったシングルモルトがあります。国内で一般的に流通する「ザ・ポーグス アイリッシュウイスキー」は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを合わせたブレンデッドウイスキー。この記事では、ラベルに「Single Malt」と記されたザ・ポーグス・シングルモルトを紹介します。
ザ・ポーグスは、アイリッシュ・トラッドとパンクを融合させたバンド、ザ・ポーグスの名を冠するアイリッシュウイスキーです。製造を担うのは、アイルランド南西部コーク県のウェストコーク蒸留所(West Cork Distillers)です。蒸留所名を冠するブランドではなく、バンドの世界観とアイリッシュウイスキーを結びつけた公式ライセンス商品として展開されています。
ウェストコーク蒸留所は2003年、ジョン・オコンネル、デニス・マッカーシー、ジェラルド・マッカーシーの3人によって創業されました。創業地はコーク県ユニオンホールで、現在はスキバリーンを拠点にモルト、グレーン、ブレンデッド、ポットスチルなど幅広いアイリッシュウイスキーを生産しています。
ザ・ポーグス・シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 蒸留所:ウェストコーク蒸留所
- 熟成:バーボン樽熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:3,080円
ザ・ポーグス・シングルモルト(The Pogues Single Malt Irish Whiskey)は、ウェストコーク蒸留所がバンドとの協業によって生み出したシングルモルトです。ブランドの基本ボトルであるブレンデッド版とは異なり、グレーンウイスキーを加えず、モルトウイスキーのみで構成されています。
香りは、ラベンダーやスミレを思わせる花のような印象。ナッツ、バニラ、キャラメル、チョコレートを思わせる甘さ。口に含むと、モルトのやわらかな甘み、ヘーゼルナッツ、オーク由来の穏やかなスパイス感が広がり、フィニッシュにはキャラメルやシナモンを思わせる余韻が続きます。
ストレート、ロック、ハイボールのいずれにも合わせやすく、気軽に楽しめるアイリッシュ・シングルモルト。ブッシュミルズやバスカーのような王道銘柄とは異なる、音楽文化と結びついたストーリーも魅力です。
クロナキルティ(Clonakilty)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:クロナキルティ蒸留所(Clonakilty Distillery)
- 所在地:アイルランド、コーク県クロナキルティ
- 所有企業:クロナキルティ・ディスティラリー(Clonakilty Distillery)
- 設立:2016年
クロナキルティ(Clonakilty)は、アイルランド南西部コーク県の町クロナキルティにあるクロナキルティ蒸留所(Clonakilty Distillery)が展開するアイリッシュウイスキーブランドです。蒸留所は、9世代にわたってコーク県の沿岸部で農業を営んできたスカリー家によって2016年に設立されました。
蒸留所は大西洋に面するワイルド・アトランティック・ウェイ沿いにあり、海風が届く熟成環境をブランドの重要な個性として掲げています。原料にはコーク県産の麦芽大麦と未麦芽大麦を用い、発酵時間を長く取り、3回蒸留を行うことで、軽やかで甘みのある酒質を目指しています。
クロナキルティを紹介するうえで重要なのが、蒸留所の創業当初から、外部から調達した原酒を自社の海辺の熟成庫で熟成・フィニッシュしてきた点です。そのため、現在の商品には、他社から調達した原酒を使用するものと、自社蒸留原酒のみで造られるものがあります。
2024年には、2019年に自社で蒸留した原酒を使用した、初のシングルポットスチル・ウイスキーを発売。一方、シングルモルトの「ギャレーヘッド(Galley Head)」は原酒の蒸留所名を公表していないため、外部から原酒を調達し、クロナキルティが選定から熟成、瓶詰めまで手掛けた製品と考えられます。
クロナキルティの持ち味は、海辺の熟成環境と、多様な樽を使った現代的な熟成設計にあります。バーボン樽だけに限らず、ポート、シェリー、アモンティリャードなどの樽を使うリリースもあり、アイリッシュらしいフルーティーな酒質に、果実味やスパイス、チョコレートを思わせる奥行きを加えています。
クロナキルティ・ギャレーヘッド・シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 蒸留所:原酒の蒸留所名は非公表
- 熟成:海辺の倉庫で熟成・仕上げ
- 楽天市場価格[2026年8月]:5,299円
クロナキルティ・ギャレーヘッド・シングルモルト(Clonakilty Galley Head Single Malt)は、クロナキルティを代表する通常品のシングルモルトです。名称は、コーク県西部の大西洋岸に立つギャレーヘッド灯台(Galley Head Lighthouse)に由来します。
このボトルは、クロナキルティが選定したモルト原酒を、海辺の倉庫で熟成・仕上げたシングルモルトです。原酒の蒸留所名は公表されていません。
香りには、バニラ、ハチミツ、洋梨、柑橘、オークスパイス、ダークチョコレートを思わせる要素があります。口に含むと、モルトの穏やかな甘さに、赤い果実、オーク、やわらかなスパイス感が重なり、なめらかな余韻へと続きます。
軽快でフルーティーなアイリッシュ・シングルモルトを土台にしながら、樽由来の奥行きも楽しみたい方に向く一本です。ストレートやロックのほか、ハイボールでも香りが残りやすく、食中酒としても扱いやすいでしょう。
イーガンズ(Egan’s)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- ブランド運営:P. & H. Egan Limited
- 拠点:アイルランド、オファリー県タラモア
- 蒸留所:原酒の蒸留所名は非公表
イーガンズ(Egan’s)は、アイルランド中部オファリー県タラモアを拠点とするP. & H. Egan Limitedが展開するアイリッシュウイスキーブランドです。ウイスキー事業は1852年、パトリック・イーガン・シニア(Patrick Egan Sr.)と弟のヘンリー・イーガン(Henry Egan)によって始まりました。
P. & H. Egan Ltd.は蒸留所を持つメーカーではなく、原酒の選定から樽の調達、熟成、ブレンド、瓶詰めまでを手がけるボンダーとして発展しました。アイルランドで酒類の輸入や麦芽製造、醸造など幅広く事業を展開し、タラモアを代表する酒類商社へと成長します。
1968年に事業は一度途絶えましたが、2013年に第5世代のジョナサン・イーガン(Jonathan Egan)と第6世代のモーリス・イーガン(Maurice Egan)によって再興。現在も自社蒸留所は持たず、アイルランド各地から選定した原酒を熟成・仕上げ・瓶詰めする、伝統的なボンダーのスタイルを受け継いでいます。
そのため、イーガンズのシングルモルトは、特定の蒸留所を代表する味わいというより、原酒の選定や樽熟成によって独自の個性を引き出したボンダー・ブランドとして捉えるのが適切です。なお、使用している原酒の蒸留所名は公表されていません。
現在の代表的なシングルモルトが「フォーティテュード」。このほか、モルト原酒とグレーン原酒を組み合わせたブレンデッド・アイリッシュウイスキーも展開しています。
イーガンズ フォーティテュード シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:46%
- 原料:麦芽大麦100%
- 蒸留:3回蒸留
- 蒸留所:非公表
- 熟成:ペドロ・ヒメネス・シェリー樽のみで熟成
- 熟成年数:ノンエイジ
- 楽天市場価格[2026年8月]:6,980円
「イーガンズ フォーティテュード シングルモルト」は、イーガンズがヘンリー・イーガンに捧げるシングルモルトです。3回蒸留したモルト原酒を、ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximénez)シェリー樽のみで熟成させ、46%・ノンチルフィルターで瓶詰めしています。
バーボン樽を併用せず、PXシェリー樽だけで熟成することで、濃いレーズン、プルーン、赤い果実、ハチミツ、マジパン、チョコレート、ナッツを思わせる豊かな香味を引き出しています。アイリッシュ・シングルモルトでありながら、シェリー樽の影響を明確に感じられる点が最大の魅力。
ストレートでは濃厚な果実味と甘いスパイスを楽しめ、少量加水ではハチミツやマジパンを思わせる甘さが開きます。シェリー樽熟成のスコッチモルトを好む方や、ザ・セクストンよりも高い度数と濃いPXシェリー樽の個性を求める方におすすめです。
ティアコネル(Tyrconnell)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- 蒸留所:クーリー蒸留所(Cooley Distillery)
- 所在地:アイルランド、ラウス県クーリー半島
- ブランド運営:キルベガン・ディスティリング・カンパニー
- 所有企業:サントリーグローバルスピリッツ
ティアコネル(ターコネル)【Tyrconnell】は、アイルランド東部ラウス県クーリー半島のクーリー蒸留所で造られるシングルモルト・アイリッシュウイスキーです。現在はキルベガン・ディスティリング・カンパニーがブランドを運営し、サントリーグローバルスピリッツ傘下で展開されています。
ブランド名は、1876年に競馬のナショナル・プロデュース・ステークスで大穴を覆して勝利した栗毛の競走馬「ティアコネル」に由来します。その勝利を記念して、デリーのワット蒸留所が同名のウイスキーを発売しました。ラベルに描かれる疾走する馬は、この歴史的な競走馬をモチーフにしたものです。
かつてのワット蒸留所の閉鎖後、ティアコネルのブランドは長く市場から姿を消しました。その後、クーリー蒸留所によって復活し、現在は同蒸留所を代表するノンピートのシングルモルトとして展開されています。
ティアコネルの個性は、同じクーリー蒸留所で造られるカネマラと対照的。カネマラがピーテッド麦芽によるスモーキーな個性を持つのに対し、ティアコネルはピート香を前面に出さず、麦芽の甘さと果実味を生かしたスタイルを目指しています。
原料には麦芽大麦100%を用い、カネマラと同じく、銅製ポットスチルで2回蒸留します。3回蒸留が多いアイリッシュウイスキーのなかで2回蒸留を採ることで、軽快さだけでなく、モルト由来の厚みやクリーミーな口当たりを残している点が特徴です。
基本のシングルモルトに加え、10年熟成後にマデイラ、ポート、シェリーの各樽で仕上げるシリーズも展開されています。なかでも10年マデイラ・カスク・フィニッシュは、ティアコネルらしいフルーティーなモルトへ、酒精強化ワインであるマデイラ樽由来の甘い果実味とスパイスを重ねたボトルです。
ティアコネル・シングルモルト
- 容量:700ml
- アルコール度数:43%
- 原料:麦芽大麦100%
- 蒸留:銅製ポットスチルによる2回蒸留
- 熟成:アメリカンオーク樽熟成
- 楽天市場価格[2026年8月]:3,487円
ティアコネル・シングルモルト(The Tyrconnell Single Malt Irish Whiskey)は、ティアコネルを代表するノンエイジのシングルモルトです。アメリカンオーク樽で熟成され、果実味、モルトの甘さ、なめらかな口当たりを前面に出した、親しみやすいスタイルに仕上げられています。
香りは、青リンゴ、洋梨、柑橘、バニラ、ハチミツ、麦芽を思わせる軽快な方向です。口に含むと、果実のやわらかな甘さ、バニラやキャラメルを思わせる樽香、ほのかなスパイス感が広がり、クリーミーでなめらかな余韻につながります。
ストレートやロックはもちろん、果実味を生かすハイボールにも向きます。クーリー蒸留所らしいモルトの厚みを試してみたい方に適した一本です。
グレンダロッホ(Glendalough)

- 種類:シングルモルト・アイリッシュウイスキー
- ブランド運営:グレンダロッホ蒸留所(Glendalough Distillery)
- 拠点:アイルランド、ウィックロー県ニュートン・マウント・ケネディ
- 所有企業:マーク・アンソニー・ブランズ・インターナショナル(Mark Anthony Brands International)
グレンダロッホ(Glendalough)は、アイルランド東部ウィックロー県にある渓谷「グレンダロッホ」にちなんで名付けられたアイリッシュウイスキーブランドです。グレンダロッホはアイルランド語で「二つの湖の谷」を意味し、古い修道院跡や湖が点在するウィックロー山地を象徴する場所として知られています。
ブランドは2011年、ダブリン出身の5人の友人によって設立されました。ウイスキーだけでなく、ジンやポティーンなども手がけるクラフトスピリッツブランドとして成長し、現在はマーク・アンソニー・ブランズ・インターナショナルの傘下で展開されています。
グレンダロッホのウイスキーには、シングルモルト、シングルグレーン、シングルポットスチルなどがあります。なかでも特徴的なのが、熟成後に異なる樽へ移して仕上げる「カスク・フィニッシュ」です。ワインや酒精強化ワインなど、さまざまな樽を使い分けることで、原酒の個性に樽由来の複雑さを加えています。
代表作の一つが「7年ミズナラ・カスク・フィニッシュ」。アメリカンオークのバーボン樽で7年間熟成したシングルモルトを、日本産ミズナラ樽で追加熟成したボトルです。アイリッシュモルトらしい果実味や柔らかな甘みに、ミズナラ特有の白檀やオリエンタルなスパイスを思わせる香りが重なり、個性的な味わいに仕上がっています。
また、グレンダロッホは蒸留所としても成長を続けており、ウィックローの自然環境を生かした自社蒸留にも取り組んでいます。伝統的なアイリッシュウイスキーのスタイルを踏まえながら、樽使いや熟成方法で新しい表現を追求している点が、このブランドの大きな魅力です。
グレンダロッホ 7年 ミズナラカスクフィニッシュ
- 容量:700ml
- アルコール度数:46%
- 原料:麦芽大麦100%
- 蒸留:銅製ポットスチルによる3回蒸留
- 蒸留所:原酒の蒸留所名は非公表
- 熟成年数:7年
- 熟成:アメリカンオークのバーボン樽で熟成後、ミズナラ樽でフィニッシュ
- 楽天市場価格[2026年8月]:10,868円
グレンダロッホ 7年 ミズナラ・カスク・フィニッシュ(Glendalough 7 Year Old Mizunara Cask Finish)は、3回蒸留した麦芽大麦100%のシングルモルトを、アメリカンオークのバーボン樽で熟成し、日本産ミズナラ樽で仕上げた一本です。ミズナラ樽を使ったアイリッシュ・ウイスキーとして、グレンダロッホの樽使いを象徴するボトルに位置づけられます。
香りは、メロン、洋梨、バニラ、ハチミツ、キャラメルを思わせる甘い方向に、白檀、シナモン、ほのかなオークスパイス。口に含むと、ハチミツのような甘さ、果実味、ダークチョコレート、アーモンド、オークの印象。
ストレートや少量加水では、アイリッシュモルトの果実味とミズナラ樽由来の香りを繊細に感じます。現時点では、おそらくアイリッシュウイスキーで唯一のミズナラ樽熟成のオフィシャルボトルでしょう。

ここまで、多様な個性を持つアイリッシュ・シングルモルトの銘柄を解説してきました。
普段、お手頃なブレンデッド・アイリッシュを飲んでいる方の「次の一本」としてはもちろん、普段はスコッチをメインに飲んでいる方にとっても、アイリッシュならではの華やかさや樽使いは新鮮な発見があるはず。
この記事を参考に、ご自身の好みに合ったこだわりの一本を見つけていただければ幸いです。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。



















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