
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
スモーキーなシングルモルトウイスキーは、ピート由来の焚き火の煙や、薬品、潮風を思わせるフレーバーがあり、ひと口で飲み手を異世界へと誘います。特にアイラモルトやアイランズモルト(諸島モルト)は、非常に個性的かつ、多彩な表現を見せてくれます。
しかし「スモーキーなウイスキー」と一口に言っても、その香りや味わいの強さは千差万別。数多くの銘柄から、どれを選べばいいか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2025年の最新ラインナップから、4つの価格帯別(5,000円以内、5,000~10,000円、10,000~15,000円、15,000~20,000円)に厳選した、おすすめのスモーキ―なシングルモルトウイスキーを15本紹介致します。ぜひ最後までご覧ください。
【2025年版】スモーキ―なシングルモルトウイスキーおすすめ15選|価格帯別に厳選|一覧
5,000円以内
1,ラフロイグ セレクト
2,フィンラガン カスクストレングス
3,アードベッグ ウィービースティー 5年
5,000~10,000円
4,ラフロイグ10年
5,アードベッグ10年
6,ラガヴーリン8年
7,レダイグ10年
8,キルホーマン マキヤーベイ
9,トルベイグ アルトグラン レガシーシリーズ セカンドエディション
10,ポートシャーロット10年
10,000~15,000円
11,アードベッグ コリーヴレッカン
12,ラガヴーリン16年
13,アードナッホー セカンドリリース インフィニット ロッホ
15,000~20,000円
14,オクトモア 15.1 スコティッシュバーレイ
15,ラフロイグ 10年 カスクストレングス バッチ16
【2025年版】スモーキ―なシングルモルトウイスキー|5,000円以内
ラフロイグ セレクト
ラフロイグ セレクト
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 40%
- フェノール値:40~45ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:4,620円 送料別
2014年に登場した「ラフロイグ セレクト」は、ラフロイグの中では比較的新しいボトルです。特徴は、あえて“バランス”を重視して仕上げられている点にあります。「セレクト」の名が示すように、複数の樽で熟成された原酒を選び抜き、従来のラフロイグとは一味違う、モダンで飲みやすいスタイルを実現しています。
最大の注目ポイントは、その樽構成の豊かさ。「ラフロイグ10年」がファーストフィルのバーボン樽のみで熟成されているのに対し、セレクトはペドロヒメネス・シェリー樽、ヨーロピアンオークのオロロソ樽、バーボン樽など、さまざまな熟成原酒をブレンド。さらに、チャーしたアメリカンオークの新樽で後熟(フィニッシュ)を行うという、手の込んだ工程が取られています。
このようにして複数の樽原酒をヴァッティングすることで、熟成年数の表記がないノンエイジながらも、しっかりとした個性と複雑な味わいが生まれています。
「ラフロイグ セレクト」のスモーキーさは「ラフロイグ10年」と比べると控えめですが、それでも十分にラフロイグらしい存在感を放っています。ヨードや薬品のようなクセのある香りと、しっかりしたピートの主張は、5,000円以内で手に入るシングルモルトの中でもトップクラスのインパクト。
スモーキーウイスキーの入門にも、ピート好きの日常使いにもおすすめできる1本です。
フィンラガン カスクストレングス
フィンラガン カスクストレングス
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 58%
- フェノール値:不明
- 楽天市場価格[2025年8月]:4,862円 送料別
「フィンラガン(Finlaggan)」は、スコットランド・アイラ島産のシングルモルトでありながら、蒸留所名を明かしていない“謎多きボトラーズウイスキー”です。手がけているのは、1992年にグラスゴーで創業した独立系ボトラー「ザ・ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニー(The Vintage Malt Whisky Company)」。その実力は、世界中のウイスキーファンから高く評価されています。
中でもこの「フィンラガン カスクストレングス」は、加水や冷却ろ過を一切行わず、58%という高いアルコール度数のまま瓶詰めされた力強さと、ピートの効いたスモーキーな個性、ワイルドな飲みごたえが魅力です。
価格は5,000円以内と非常に手頃ながら、“コスパ最強のスモーキーモルト”とも呼ばれ、バーテンダーや愛好家の間で密かに支持を集めています。
ラベルには「アイラ島」とだけ記されており、原酒の蒸留所名は非公開。ただし、過去の香味傾向や業界内の噂から、「ラガヴーリン、カリラ、ラフロイグなどのいずれかでは?」と推測されていますが、ボトリングごとに中身が変わっている可能性もあるため、この“正体不明感”も、また楽しみのひとつです。
香りは、焦げたピートスモーク、ヨード、海藻、湿った土のようなアーシーさ。口に含むと、強烈なアタックとオイリーな質感が広がり、黒胡椒のようなスパイシーさとモルトの素朴な甘みが続きます。
「フィンラガン カスクストレングス」の個性の強さは、「ラフロイグ10年」や「アードベッグ10年」にも匹敵するレベル。とはいえ、全体としてはややシンプルにまとまっており、複雑さや奥行きでは正規品のフラッグシップに一歩譲る印象です。
それでも、この価格でここまで濃厚なアイラらしさを楽しめるのは驚き。ピートモルト好きなら一度は体験しておきたい、隠れたスモーキーシングルモルトです。
アードベッグ ウィービースティー 5年
アードベッグ ウィービースティー 5年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 47.4%
- フェノール値:55ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:4,620円 送料別
アードベッグ蒸溜所が2020年にリリースした「アードベッグ ウィービースティー 5年」は、同ブランドの中では最も若い年数表記のシングルモルトです。”Wee Beastie”(=小さな野獣)という名前が示す通り、若さゆえの荒々しさとピートの爆発力が最大の魅力。年数の浅さを“弱点”ではなく、むしろ“個性”として打ち出した、スモーキーな1本。
熟成にはバーボン樽とオロロソ・シェリー樽が使われており、甘みとスパイスのバランスも意識されています。ただし、味わいの主軸はあくまで「ピートの直球勝負」。ノンチルフィルター、アルコール度数47.4%でボトリングされており、パンチの効いたテクスチャが楽しめます。
「アードベッグ ウィービースティー 5年」は、「アードベッグ10年」のようなピートのパンチ力は健在。年数が若いからといって“軽い”印象もありません。むしろ、10年よりもワイルドで攻撃的な味わいに仕上がっており、飲み手の好みによってはこちらの方が刺さるという声も。
野性味あふれるアードベッグ。ピートの洗礼をリーズナブルに楽しみたい方におすすめです。
【2025年版】スモーキ―なシングルモルトウイスキー|5,000~10,000円
ラフロイグ10年
ラフロイグ10年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 40%
- フェノール値:45ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:5,375円 送料別
「ラフロイグ10年」は、スモーキーなアイラモルトの代表格として長年にわたり世界中で愛されてきた、ラフロイグ蒸溜所のフラッグシップボトルです。強烈なピートスモークと独特の薬品香(ヨード香や正露丸)は、一度飲めば忘れられない“クセの強さ”。好みがはっきりと分かれるウイスキーとして、長く語り継がれています。
このウイスキーの原酒はすべて「ファーストフィルのバーボン樽」。10年以上熟成させています。ラフロイグでは今もなお、自社製麦(フロアモルティング)やダンネージ式貯蔵といった伝統製法を守っており、そのクラフトマンシップは、ラフロイグの個性に色濃く反映されています。
「クセが強すぎて無理」という人もいれば、「このクセこそ唯一無二」と熱烈に愛する人もいる、まさに“両極端”な評価を受けるシングルモルト。スモーキーシングルモルトの入門書として、あるいはひとつの到達点として、「ラフロイグ10年」は外せない存在です。
アードベッグ10年
アードベッグ10年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46%
- フェノール値:55ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:5,199円 送料別
「アードベッグ10年」は、アイラ島の南岸に位置するアードベッグ蒸溜所の定番中の定番。世界的なウイスキーアワードでも数々の受賞歴を誇り、「ピートの教科書」とも称されるウイスキーです。特にその特徴はもちろん、圧倒的な「スモーク」。焼け焦げたような個性は、ピートモルトの奥深さを物語ります。
「アードベッグ ウィー・ビースティー 5年」と比べると、スモーキーさはしっかり残しつつも、熟成によって香味の複雑さとバランスの良さが一段と際立ちます。ピートのインパクトは健在ながら、全体としてはまろやかで調和の取れた味わいに仕上がっており、ストレートでもじっくりと楽しめる1本。まさに、完成度の高いスモーキーモルトといえるでしょう。
アードベッグは、ピートのフェノール値「55ppm」と、非常にヘビーな麦芽を使用しています。ボトリングの際は、冷却ろ過を行わず、香味の輪郭もしっかりと残っています。
「アードベッグ10年」は、単に“スモーキーで力強い”だけではなく、柑橘系のフレッシュさやバニラの甘みなど、奥行きのある複雑な香味が楽しめるのが魅力。「ラフロイグ10年」の「薬品的」なクセとはまた異なり、より構成的に美しくまとまった個性をもっています。
ラガヴーリン8年
ラガヴーリン8年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 48%
- フェノール値:38ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:6,545円 送料別
「ラガヴーリン8年」は、2016年に蒸溜所創業200周年を記念して限定リリースされたボトルでしたが、あまりの人気により現在は定番商品としてリリースされています。ラガヴーリンといえば「16年」が有名ですが、この8年もまた、異なる角度からブランドの魅力を体現する存在です。
熟成年数はわずか8年ながらも、ラガヴーリンならではのオイリーで濃密な酒質と、力強いピートスモークの存在感によって、短熟とは思えない密度と厚みのある味わいに仕上がっています。
たしかに、「ラガヴーリン16年」の持つ熟成感や奥行きも魅力的ですが、8年はそれとは対照的に、キレのあるドライな飲み口と、よりクリアに立ち上がるスモーキーさが印象的。荒削りでいてシャープ、その分だけピートの輪郭が際立っており、より強い個性やクセを求める人にはむしろこちらの方が“美味しい”と感じられるかもしれません。
さらに、同じアイラ系スモーキーモルトでも個性はさまざまです。「アードベッグ10年」がタールや黒胡椒のような複雑で重厚なスモーク感、「ラフロイグ10年」がヨードや薬品香を含む強烈なクセを打ち出しているのに対し、ラガヴーリン8年は“乾いた煙”と“ローストナッツのような香ばしさ”が主役。飲み心地はクールでスマート、どこか品のある落ち着きすら感じさせます。
つまり、「スモーキー=ヘビー」というイメージを覆す、キレのあるドライタイプのピートモルト。それが「ラガヴーリン8年」の真骨頂ではないかと。
価格はおおよそ7,000円前後。定番の16年が12,000円を超える価格帯であることを考えると、より手頃にラガヴーリンの世界観を味わえる選択肢としても魅力的。短熟でありながら完成度の高いスモーキーモルト。まさに“隠れた実力派”といえるでしょう。
レダイグ10年
レダイグ10年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46.3%
- フェノール値:35ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:5,148円 送料無料
ヘブリディーズ諸島が生んだ、“アイラとは一味違う”スモーキーモルト「レダイグ10年」は、スコットランド西部「マル島」にあるトバモリー蒸留所が製造する、ピーテッドタイプのシングルモルトです。同蒸留所は「トバモリー」というノンピートタイプと、ピート麦芽を焚いて仕込む「レダイグ」の、個性が異なる2種類のモルトウイスキーを生産しています。
スモーキーなシングルモルトといえば「アイラ島」を思い浮かべる方が多いかもしれません。それは決して間違いではありませんが、「レダイグ10年」は、アイラモルトに親しんでいる方にこそ、ぜひ試してほしいウイスキーです。
レダイグのピート香には、アイラ系に見られるヨードや海藻のようなニュアンスは控えめ。その代わりに感じられるのは、乾いた薪の煙や焦げたハーブ、焚き火の灰のような、素朴で温かみのあるスモーキーさ。まるで海辺ではなく、山小屋や暖炉の前で感じるような落ち着いた香り。ピートの存在感はしっかりありつつも、全体としてはどこかナチュラルで柔らかい印象を残してくれます。
「アイラ系とは違うスモーキーな味わいを探している」「新たなピートの個性を楽しみたい」──そんな方にとって、アイランズモルトの逸品「レダイグ10年」は、新しい世界への扉を開いてくれる1本になるでしょう。
キルホーマン マキヤーベイ
キルホーマン マキヤーベイ
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46%
- フェノール値:50ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:6,795円 送料無料
キルホーマンは、2005年にアイラ島に誕生した最も新しい独立系蒸溜所のひとつ。長らく「古豪」が支配してきたアイラモルトの世界に、フレッシュで革新的な風を吹き込んできました。その代表作が「キルホーマン マキヤーベイ」。蒸溜所近くの美しい海岸の名を冠したこのボトルは、キルホーマンのスタイルを象徴するフラッグシップボトルです。
キルホーマンの設立者は、アンソニー・ウィルズ氏。「本物のクラフトウイスキーを、アイラ島で復活させたい」という強い信念のもと、ウィルズ一家による完全な独立系家族経営が続けられています。
他の大規模蒸溜所と一線を画すのは、その徹底した自社生産体制。蒸溜所のすぐ隣に広がる自社農園で大麦を栽培したり、仕込みの一部に伝統的なフロアモルティングを採用。また、発酵・蒸留・熟成・瓶詰めまですべてをワンサイトで完結しており、この「Farm Distillery(農場型蒸溜所)」というスタイルこそが、キルホーマンの哲学といえます。
「キルホーマン マキヤーベイ」には、おおよそ3〜5年熟成の原酒を使用。若さを感じさせるフレッシュな印象がありながらも、ブレンドによる絶妙な調和で、完成度の高いスモーキーモルトに仕上げられています。
アイラモルトといえば「重厚でクセが強い」というイメージを持つ方も多いですが、マキヤーベイはスモーキーでありながらも非常にクリーンで爽やか。アードベッグ10年のような重厚感、ラフロイグ10年のヨード感とは異なり、軽やかで透明感のあるピートスモークが印象的です。
スモーキーながら飲みやすく、ストレートでもハイボールでも美味しく楽しめる汎用性の高さも魅力。価格帯は6,000〜7,000円ほどで、“次世代のスモーキ―アイラモルト”として注目されています。
トルベイグ アルトグラン レガシーシリーズ セカンドエディション
トルベイグ アルトグラン レガシーシリーズ セカンドエディション
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 46%
- フェノール値:50〜75ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:8,800円 送料別
スコットランド・ハイランド地方の西岸に浮かぶスカイ島――その名を聞いて、多くのウイスキー愛好家は「タリスカー」を思い浮かべることでしょう。しかし近年、この地に新たな誕生したのが「トルベイグ蒸溜所(Torabhaig Distillery)」です。
トルベイグ蒸溜所は、スカイ島南部のアーマデイルという自然豊かな土地に2017年に創業。インディペンデントボトラーとしても知られる「モスバーン・ディスティラーズ(Mossburn Distillers)」によって運営されています。この蒸溜所は、クラフト精神にあふれた造りと、伝統と革新が融合したウイスキーづくりで注目を集めています。
スカイ島で蒸溜所が新設されるのは、実に約190年ぶりのこと。その意味でも、トルベイグ蒸溜所は、歴史と未来の分岐点に立つ存在と言えるでしょう。
トルベイグのウイスキー造りのキーワードのひとつが、“Well-Tempered Peat”(調和の取れたピート)。スモーキーでありながら刺々しさを抑え、優しく複雑な味わいに仕上げるという哲学を持っており、アイラモルトの刺激的なスモーキーさとは少し異なる、独自の個性を持っています。
「トルベイグ アルトグラン レガシーシリーズ セカンドエディション」は、小規模バッチで造られるスモールリリースの第2弾。ニューメイク時(蒸留直後)のフェノール値は「77ppm」と、かなりヘビーなスモーキーさ。しかし、樽詰め時には「17ppm」に落ち着き、最終的にはまろやかで調和の取れたスモーキーさとなっています。
熟成は、1stフィルのバーボンバレル80%、2ndフィル20%。厳選された30樽以下の原酒をブレンドし、スカイ島の潮風を思わせる塩気と、穏やかで品のあるピートスモーク、バニラやトーストオークの香ばしさを感じます。
「トルベイグ アルトグラン レガシーシリーズ セカンドエディション」は、フェノール値はアイラモルトを凌ぐほど高いにもかかわらず、スモーキーさにはどこか上品さが漂います。荒々しさではなく、調和のとれた燻製香が印象的で、これこそがトルベイグならではの魅力。
タリスカーとはまったく異なるスタイルのウイスキーなので、ぜひ一度その違いを体感してみてください。
ポートシャーロット10年
ポートシャーロット10年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 50%
- フェノール値:40ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:6,160円 送料別
「ポートシャーロット10年」は、アイラ島にあるブルックラディ蒸溜所が「100%スコットランド産大麦使用」というこだわりのもと製造する、フェノール値40ppmのピーテッドモルトウイスキーです。ポートシャーロットは2001年の蒸溜再開後に復活したブランドで、伝統的なアイラモルトのようなヘビーなスモーキーさに、複雑で芳醇な個性も付与されています。
香りは、バニラ、ココナッツ、海風、焚き火、土っぽいスモーク感。ややシトラスや花のニュアンス。麦芽感とピートのバランスが絶妙で、ハチミツ、スパイス、潮気と樽香がしっかり残ります。
熟成にはバーボン樽やシェリー樽、ワイン樽など多彩な樽が使われており、ヘビリーピーテッドでありながらもフルーティーで厚みのある味わいに仕上がっています。スモーキーさの中にしなやかな甘みや奥行きが感じられ、口当たりも驚くほど滑らか。
「ブルックラディ」がノンピートであるのに対し、「ポートシャーロット10年」はその真逆の個性を持ちながらも、丁寧な造りや味の構成に共通する美学が感じられ、あたかもブルックラディをピーテッド仕様で再構築したような印象を受けます。
ラフロイグやアードベッグのような直球のアイラに比べ、少し穏やかで深みのあるスモーキーさ。「スモーキーだけど飲みやすい」点は、ピートラバーはもちろん、アイラモルト初心者にもおすすめの一本です。
【2025年版】スモーキ―なシングルモルトウイスキー|10,000~15,000円
アードベッグ コリーヴレッカン
アードベッグ コリーヴレッカン
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 57.1%
- フェノール値:55ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:10,490円 送料無料
「アードベッグ コリーヴレッカン」は、アイラ島北部に実在する大渦潮「コリーヴレッカン」にちなんで名づけられた、フルボディタイプのスモーキ―モルトです。アイラモルトの中でもとりわけ力強いスタイルで知られるアードベッグ蒸溜所ですが、その真骨頂を発揮した一本でもあります。
使用される原酒の一部は、フレンチオークの新樽で熟成されており、濃厚でスパイシーな香味が特徴的。香りはダークチョコレート、胡椒、エスプレッソ、クローブ、木炭。口に含むと、ピートの力強さが広がり、トーストしたオーク、アニス、タール、海藻のようなニュアンスが押し寄せます。
アルコール度数は57.1%と高めで、加水なしのカスクストレングス。濃厚で飲みごたえのある味わいは、「アードベッグ10年」では味わえない魅力です。力強さの中にもバランスがあり、単なるパワフル系とは一線を画す、複雑で深みのある仕上がりとなっています。
「アードベッグ コリーヴレッカン」は、爆発的なピート、スパイシーな余韻、そしてアイラの海を思わせるようなミネラル感が渦巻くように重なり合い、その名のとおり“渦潮”のようなインパクトを持った一本。価格は1万円前後と手頃で、このクラスの力強く濃厚なスモーキーさを楽しめるボトルは貴重。コストパフォーマンスにも優れた、印象深いウイスキーです。
ラガヴーリン16年
ラガヴーリン16年
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 43%
- フェノール値:34~38ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:10,280円 送料無料
「ラガヴーリン16年」は、アイラモルトの中でも特に重厚でスモーキーな個性をもつ名品として知られ、世界中のピートラバーにはもちろん、ウイスキー評論家などのプロからも高く評価されている一本です。
しっかりとしたピートスモークに、ドライフルーツやシェリーのような甘み、ほのかな塩気や薬草のニュアンス、さらにオーク樽由来の熟成感が折り重なり、長期熟成ならではの深みを感じさせてくれます。なめらかな口当たりも、16年という熟成期間を経たラガヴーリンならではの魅力です。
特に「燻製ハム」「潮風」「ヨード香」といった、ラガヴーリンに特有の香味はアイラモルトの中でも際立っており、唯一無二の個性を放ちます。アルコール度数は43%と控えめながら、味わいにはしっかりとした密度があり、ストレートでも加水でもその奥行きある世界を楽しむことができます。
「ラガヴーリン8年」は若い熟成ゆえに、よりストレートで鮮烈なスモーキーさが際立ち、ピートの力強さをダイレクトに楽しめる一本。軽快で引き締まった飲み口のなかに、ラガヴーリンらしい芯の強さをしっかりと感じさせてくれます。
一方で「ラガヴーリン16年」は、ドライフルーツやオークの熟成感、スモーク、塩気、薬草などが幾層にも重なった複雑な香味と、長い余韻、なめらかな口当たりが魅力。
「ラガヴーリン16年」は、まさに熟成の深みをじっくり味わう“重厚派”の代表格。若く鋭い8年を飲むことで、16年の完成度の高さや奥行きを改めて理解できると思います。
ラガヴーリンの魅力をより深く知るためにも、ぜひこの2本を飲み比べてみましょう。
アードナッホー セカンドリリース インフィニット ロッホ
アードナッホー セカンドリリース インフィニット ロッホ
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 50%
- フェノール値:40ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:11,768円 送料別
アードナッホー蒸溜所は2017年に設立され、2019年から本格稼働したアイラ島で9番目の蒸溜所です。名前はゲール語で「くぼ地を見渡す丘」を意味し、美しい景観を誇る立地が特徴。
運営するハンターレイン社は、「OMC(オールドモルトカスク)」や「オールド&レア」などのボトラーズブランドで知られています。代表のスチュワート・レイン氏は、ブルックラディ蒸溜所での勤務経験を持つ人物で、家族とともに、アードナッホー蒸溜所で伝統的なピーテッドスタイルの正統派アイラモルト造っています。
「アードナッホー セカンドリリース インフィニット ロッホ」は、「深淵なる湖」を意味する、アードナホー湖の神秘的な深さにちなんだ、同蒸留所のセカンドリリースボトル。
ファーストフィルのバーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成された原酒を使っており、具体的な比率や熟成年数は公開されていませんが、およそ5年程度の熟成と推測されます。
海のしぶきやアイラ島らしいピート、ダークチョコレートの香りが感じられ、口に含むとメンソールや新鮮なフルーツ、焚き火の香りが広がり、スモーキーでピリッとした余韻が続きます。
「アードナッホー」は、アードベッグやラフロイグと匹敵するほど、しっかりとしたスモーキーさをもっており、次世代のアイラモルトとして注目されています。
【2025年版】スモーキ―なシングルモルトウイスキー|15,000~20,000円
オクトモア 15.1 スコティッシュバーレイ
オクトモア 15.1 スコティッシュバーレイ
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 59.1%
- フェノール値:108.2PPM
- 楽天市場価格[2025年8月]:16,500円 送料別
オクトモア(Octomore)は、スコットランドのアイラ島にあるブルックラディ蒸留所が製造する、世界でもっともピーティーでスモーキーなシングルモルトウイスキーのシリーズです。
極めて強烈なピート香に加え、バーボン樽由来のまろやかな甘さや果実味が共存し、非常に重層的でインパクトのある味わいが特徴。ピート好きにはたまらないパワフルな一本でありながら、ウイスキー初心者にとっては刺激が強すぎる可能性もありますが、その圧倒的な個性こそがファンを惹きつけてやみません。
「オクトモア 15.1 スコティッシュ・バーレイ」の大麦は、2017年に収穫されたスコットランド産コンチェルト種大麦。モルトのフェノール値は「108.2PPM」。
熟成樽は、ファーストフィル・バーボン樽で熟成させた原酒(72%)と、リチャーリングされたエクスバーボン樽原酒(28%)を組み合わせた構成。「.1」バッチではこれまでバーボン樽のみで熟成されていたため、今回が初めてリチャーリング樽が加えられたバージョンとなります。
ファーストフィル・バーボン樽とは、バーボンの熟成に一度使用された後、初めてスコッチウイスキーの熟成に使用される樽のことを指し、樽由来の風味が豊かに反映されます。一方、リチャーリング・エクスバーボン樽は、スコッチの熟成用としてすでに一度以上使われた古樽を、樽の内側を焼き直して再活性化したもの。
このリチャーリング処理によって、古樽でありながらも新樽に近い熟成効果が得られ、ウイスキーに新たな深みを与えます。サステナブルな観点からも注目されるこの技術は、オクトモアを含め多くの蒸留所で採用されています。
口に含むと、まず甘さとクリーミーさが広がり、ややオイリーな質感が感じられます。すぐに立ちのぼるのは、圧倒的なスモークと薬品のようなニュアンス、そしてBBQを思わせる香ばしさ。高めのアルコール度数によるピリッとした刺激が舌に焼けつくように押し寄せてきます。
「オクトモア 15.1 スコティッシュ・バーレイ」は、時間が経つにつれて、スモーキーさとピート香が前面に出てきて、「もはやこれ、本当にウイスキーなのか?」と戸惑うのも無理のない強烈な個性。常識を突き抜けたインパクトをもつ、スーパーヘビリーピーテッドモルトです。
ラフロイグ 10年 カスクストレングス バッチ16
ラフロイグ 10年 カスクストレングス バッチ16
- シングルモルトスコッチウイスキー
- 700ml 58.5%
- フェノール値:45ppm
- 楽天市場価格[2025年8月]:15,800円 送料別
「ラフロイグ 10年 カスクストレングス バッチ16」は、2022〜2023年にリリースされた、ラフロイグ10年向けに仕込んだ樽の中から、優れたものを厳選し、カスクストレングス(無加水)でボトリングした商品。このシリーズは、ラフロイグ10年の個性を、より野性味のあるかたちで味わえることで人気となっています。
ラフロイグらしいヨード香や薬品のような香り、ピートの煙たさは健在ですが、その奥にバニラやキャラメル、塩気を帯びたモルトの甘みを感じます。強烈なスモーキーさとアルコールの刺激が一気に押し寄せ、その後に広がるのはオイリーで厚みのある味わい、ほのかなナッツ感、潮風のような塩っぽさ。
ボトラーズのラフロイグ・カスクストレングスは価格が高騰しがちですが、この「ラフロイグ 10年 カスクストレングス バッチ16」は、10年熟成・無加水というスペックにもかかわらず、15,000~20,000円前後で購入できることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れた1本。
ラフロイグならではのスモーキーで力強い味わいをストレートに体感したい方には、特におすすめ。迫力ある味わいと満足感をしっかり届けてくれる、ヘビーピートファン必見のウイスキーです。
スモーキーなシングルモルトは、単なる「煙たさ」以上のものをもたらしてくれます。焦がした麦芽の芳ばしさ、潮風の塩味、森や焚き火の深み——それらが複雑に絡み合い、味わうたびに新たな発見をもたらします。
今回ピックアップした15本は、初心者から玄人まで幅広く楽しめる銘柄ばかり。価格帯もさまざまで、自分のペースや好みに合わせてじっくり選べるのが嬉しいポイント。
スモーキーなウイスキーは、飲み手の感覚を研ぎ澄まし、新たな味覚の扉を開く鍵となるでしょう。

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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