【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー18選|価格帯別に厳選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

芳醇な甘みと複雑な香りで、世界中のウイスキー愛好家を魅了し続ける「シェリー樽熟成ウイスキー」。ドライフルーツやチョコレートのような濃密な風味が魅力です。

しかし、シェリー樽ウイスキーとひと口に言っても、その個性や価格帯はさまざま。高価な長期熟成ボトルだけでなく、手頃で品質の高い銘柄も数多く存在します。

この記事では、2025年の最新ラインナップから、4つの価格帯別(5,000円以内、5,000~10,000円、10,000~15,000円、15,000~20,000円)に厳選したおすすめのシェリー樽ウイスキーを18本紹介。

プレゼント用や自分へのご褒美にぴったりな一本が見つかる内容となっております。

 

 

 

【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー18選|価格帯別に厳選

5,000円以内
1,ザ・セクストン シングルモルト
2,アイル オブ ジュラ 12年 シェリーカスク
3,グレンタレット シェリー
4,シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク

5,000~10,000円
5,アラン モルト シェリーカスク
6,グレンドロナック 12年
7,グレンファークラス 15年
8,ザ マッカラン 12年 ダブルカスク
9,タムデュー12年
10,ロイヤル・ブラックラ 12年

10,000~15,000円
11,ザ マッカラン 12年 シェリーオーク
12,グレンファークラス 17年
13,グレンドロナック 15年
14,桜尾 シェリーカスク スティルマンズ セレクション
15,グレンアラヒー 12年 オロロソ & PXシェリーカスクフィニッシュ

15,000~20,000円
16,カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス
17,アベラワー 18年 ダブルシェリーカスク フィニッシュ
18,グレンゴイン 21年

 

 

【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー|5,000円以内

ザ・セクストン シングルモルト

ザ・セクストン シングルモルト

「ザ・セクストン シングルモルト」は、ブッシュミルズ蒸溜所で造られているシングルモルトアイリッシュウイスキーです。日本市場では2024年11月からリリースされていますが、アメリカ市場では最も売れているシングルモルトアイリッシュウイスキーとして、すでにメジャーなブランドに成長しています。

セクストンは「シングルモルト ブッシュミルズ」と同様に、アイルランド産麦芽100%を使用し、ポットスチルで3回蒸溜されています。「ザ・セクストン シングルモルト」の特徴としては、原酒をシェリーカスクで熟成させているところ。オロロソシェリー樽で4年以上熟成させることで、「シングルモルト ブッシュミルズ」とは異なる、濃密で複雑な風味と、シェリー樽由来の深い色合いが生み出されています。

「ザ・セクストン シングルモルト」を手掛けたのは、女性マスターブレンダーのアレックス・トーマス氏。彼女はアイルランド・バルモニー出身で、2004年からブッシュミルズ蒸溜所で経験を積み、2017年には「ザ・セクストン シングルモルト」のマスターブレンダーを務め、2021年11月からはブッシュミルズ蒸溜所のマスターブレンダーにも就任しています。

トーマス氏は、新たな役割を引き受けるにあたり、伝統と品質を維持しながら、新しいウイスキーの開発やフレーバーの実験に意欲を示しています。彼女は、短い熟成期間でもシェリー樽由来の濃厚な風味を引き出す技術を完成させ、「ザ・セクストン シングルモルト」を作り上げました。

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アイル オブ ジュラ 12年 シェリーカスク

アイル オブ ジュラ 12年 シェリーカスク

「アイル・オブ・ジュラ」は、スコットランド西岸、アイラ島のすぐ隣に位置する人口わずか200人足らずの小島「ジュラ島」に唯一存在する蒸留所です。荒涼とした自然と海に囲まれたこの島で造られるウイスキーは、スコッチの中でも独特の個性を持っており、世界中のファンを魅了しています。

「アイル オブ ジュラ 12年 シェリーカスク」は、バーボン樽でじっくり熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で追加熟成(フィニッシュ)しているウイスキーです。熟成の大部分はバーボン樽ですが、後半に加えられるシェリー樽の影響で、リッチな甘みとジュラらしいやわらかな潮気が絶妙に調和。個性豊かで奥行きのある味わいが特徴的。

しかも、12年熟成のシングルモルトでありながら、5,000円以内で手に入るという高コスパ。手頃な価格帯でシェリー樽ウイスキーを楽しみたい方におすすめの1本です。

 

グレンタレット シェリー

グレンタレット シェリー

スコットランド南ハイランドの地に佇むグレンタレット蒸留所は、自らを「スコットランド最古の蒸留所」と称し、1763年から伝統的な製法でシングルモルトを造り続けてきました。現在は、ラグジュアリークリスタルで知られるラリック・グループの傘下となり、少量生産にこだわるクラフト蒸留所として、新たなブランド価値を確立しつつあります。

「グレンタレット シェリー・カスク・エディション」は、スパニッシュオークおよびアメリカンオークのシェリー樽で熟成した原酒のみを使用した、スモールバッチ商品。熟成年数表記はないものの、一定の熟成期間は感じます。シェリー樽100%のシングルモルトらしい甘みとリッチ余韻、フルーティーやスパイス、タンニンのバランスも整っています。

アルコール度数は43%。飲みやすさを保ちながらも、シェリー樽の濃厚な風味をしっかりと楽しめる個性。このクオリティで5000円以内はお得です。

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シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク

シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク

「シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソシェリーカスク」は、原酒の一部をオロロソ・シェリー樽で熟成させた、ブレンデッド・スコッチウイスキーです。ブレンディングを手がけたのは、シーバスリーガルの名ブレンダー、サンディ・ヒスロップ氏。

香りはフレッシュな赤リンゴやドライフルーツが印象的で、みずみずしく華やか。グレーンウイスキー由来の軽やかさと爽やかさが加わり、リッチさの中にも親しみやすさがあります。

シーバスリーガルの定番ラインに比べると、やや個性を際立たせたブレンドとなっており、加水による香りの伸びは控えめ。とはいえ、シェリー樽の風味は優しく香り、全体的にバランスのとれた味わいに仕上がっています。

飲み口は非常にスムーズで、ストレートでもロックでもハイボールでも楽しめる柔軟さが魅力。ウイスキー初心者にもおすすめできる、飲みやすさと上品さを兼ね備えた1本です。

 

 

【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー|5,000~10,000円

アラン モルト シェリーカスク

アラン モルト シェリーカスク

「アラン シェリーカスク」は、スコットランド西岸のアラン島にあるロックランザ蒸溜所(旧アイル・オブ・アラン蒸溜所)で造られる、力強く芳醇なシングルモルトです。1995年の創業以来、個性的な味わいと高い品質でモルトファンを魅了してきたこの蒸溜所は、今や“アイランズモルト”を代表する存在となっています。

蒸溜所の規模はコンパクトながら、ポットスチルは4基を構え、仕込み水にはスコットランド本土からわざわざ運び込んだ水を使用するというこだわりよう。その丁寧なクラフト精神は、ボトルにも如実に表れています。

「アラン シェリーカスク」は、ファーストフィルのシェリーホグスヘッド樽で熟成させた原酒のみを使用し、加水なしのカスクストレングスでボトリング。アルコール度数55.8%というハイプルーフながら、シェリー樽由来の濃厚な甘み、アランらしい潮気、モルティな旨味が美しく調和しています。

価格は8000円前後。このクオリティで1万円を切るのは非常に魅力的。今後の値上がりを見越すなら、今が“飲み時”と言えるシェリー樽のウイスキーです。

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グレンドロナック 12年

グレンドロナック 12年

グレンドロナック蒸溜所は1826年に創業され、スコットランド北東部ハイランド地方に位置する歴史ある名門です。ゲール語で「ブラックベリーの谷」を意味するこの蒸溜所は、伝統的な製法を守りながら、スパニッシュオークのシェリー樽でじっくりと熟成させることで、独特の濃厚な風味を生み出しています。

「グレンドロナック 12年」は、ペドロ・ヒメネスとオロロソの二種類のシェリー樽を用いて熟成された原酒を使用。シェリー樽の芳醇な甘みとドライフルーツ、ナッツの香りが特徴で、琥珀色に輝くウイスキーは、甘みが強く、豊かな味わい、優雅な余韻を生み出しています。

シェリー100%のスコッチといえば「マッカラン」ですが、グレンドロナックはマッカランとは異なる個性。マッカランがオロロソシェリー100%であるのに対し、ドロナックは「PX(ペドロヒメネス)シェリー」も使用していることで、凝縮したフルーツ香と甘みが付与されています。

2024年にブランドリニューアルが行われ、モダンでラグジュアリーなデザインへ一新。世界的にも高く評価されており、サンフランシスコ世界スピリッツコンペティションで2023年・2024年と2年連続ダブルゴールドを受賞しています。

オロロソとペドロ・ヒメネス、二種のシェリー樽で熟成された贅沢な味わいが魅力。リッチで本格的な風味を手頃な価格で楽しめる、コストパフォーマンスに優れた1本。

 

グレンファークラス 15年

グレンファークラス 15年

グレンファークラス蒸溜所は、1836年創業の家族経営による歴史ある蒸溜所。150年以上にわたり一族経営を貫き、短期的な流行に迎合せず、品質第一のウイスキー造りを続けています。その象徴とも言えるのが、「グレンファークラス 15年」です。

12年よりもアルコール度数が高く、ファースト&セカンドフィルのオロロソ・シェリー樽熟成に特化。クラシックなハイランドスタイルをベースに、濃密でエレガントなシェリー感を備えた中堅熟成モルトの傑作。

オレンジピール、レーズン、ミルクチョコレート、カカオ、ベリーコンポート、スイートスパイス(カルダモン、シナモン)。ほんのりローストしたアーモンドと焼き菓子のニュアンスも。

口当たりはなめらかで、すぐにビターなドライフルーツとスパイスが広がります。中盤からはタンニンとローストナッツの深み。後半は心地よくドライに締まり、余韻は中程度~長め。甘さだけで終わらず、渋みと複雑さが調和した奥深さも魅力的。

「グレンファークラス 15年」は、甘さだけでなく、渋み・スパイス・熟成感というシェリーカスクの複雑な側面まで余すところなく楽しめるウイスキーです。

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ザ マッカラン 12年 ダブルカスク

ザ マッカラン 12年 ダブルカスク

「ザ・マッカラン 12年 ダブルカスク」は、“シングルモルトのロールスロイス”と称されるスペイサイドの名門「マッカラン蒸溜所」の人気銘柄。オロロソ・シェリー樽熟成の魅力を堪能できるウイスキーです。

本品の大きな特徴は、熟成に使用されるシェリー樽の種類にあります。「ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク」がヨーロピアンオーク(スパニッシュ・オーク)の樽のみを使用しているのに対し、「ダブルカスク」はそこにアメリカンオーク樽も加え、2種類のオークで熟成された原酒をヴァッティングしています。これが「ダブル(=二重の)カスク」という名称の由来です。

どちらもシーズニング後の「オロロソ・シェリー樽」であり、厳密には“樽材の違い”が風味の分かれ目。アメリカンオークのほうがバニラやキャラメルといった甘やかなニュアンスが強く、結果として、ダブルカスクはマッカランらしい高級感を保ちつつ、よりやさしく穏やかな飲み口に仕上がっています。

香りはバニラクリーム、キャラメル、煮詰めた洋梨、オレンジピール、レーズンにナツメグやシナモンのアクセント。味わいはまろやかで、アメリカンオーク由来の甘みが先行し、後半にかけてヨーロピアンオークの持つドライフルーツやウッディな渋みがゆっくりと広がっていきます。

「ザ・マッカラン12年 ダブルカスク」は、マッカランの中でも“甘やかでクリーミーな表情”を持つボトル。華やかでスムースな口当たりは、シングルモルト初心者にもおすすめしやすく、それでいて奥行きのある香味も魅力です。

価格面でも「シェリーオーク12年」よりやや手頃で、1万円未満で購入できることが多いため、「マッカランを初めて飲んでみたい」という方にも良い選択肢となるでしょう。

ただし、シェリー樽由来の重厚な風味を本格的に楽しみたい方には、やはり「シェリーオーク」のほうがおすすめ。まずはダブルカスクから試し、気に入ればシェリーオークへとステップアップしていくのも一つの楽しみ方です。

 

タムデュー12年

タムデュー12年

タムデュー蒸溜所は1897年創業のスコットランド。スペイサイドに位置する蒸溜所です。2010年に一度閉鎖されたものの、2011年にイアン・マクロード社が買収し、伝統的な製法を守りつつ再稼働を果たしました。「シェリー樽熟成を極める蒸溜所」として近年再注目を集めており、シェリーカスク系のクラシカルなシングルモルトを好むファンから支持を集めています。

「タムデュー 12年」の最大の魅力は、バーボン樽を一切使わず、すべての原酒をオロロソ・シェリー樽で熟成している点。これは業界でも稀なこだわりで、「1stフィル」と「2ndフィル」のヨーロピアンオーク・オロロソシェリー樽を組み合わせることで、華やかさと重厚感のバランスを高い次元で両立しています。

ドライフルーツ、ダークチョコレート、バニラ、ベリー系のコンポート、ローストナッツ。なめらかな口当たりに続いて、レーズンやフィグ(いちじく)の濃厚な甘み。奥からシェリー樽由来のスパイスとビター感が現れ、しっかりとした骨格を形成しています。

スペイサイド産のシェリー樽シングルモルトといえば、「マッカラン」や「グレンファークラス」が定番ですが、クラシカルなシェリースタイルを楽しみたいなら「タムデュー 12年」も見逃せません。モダンで力強い味わいが特徴で、初心者というよりは、シェリー樽ウイスキーに慣れた中級者以上にこそ響く仕上がりです。

 

ロイヤル・ブラックラ 12年

ロイヤル・ブラックラ 12年

ロイヤル・ブラックラ蒸溜所は、1835年にウィリアム4世から王室御用達を授けられた、スコッチで最初の“ロイヤルワラント”蒸溜所です。現在も「ロイヤル」の称号を冠する蒸溜所は、世界で3か所のみという希少な存在。

バカルディ社傘下であり、ブレンデッドウイスキー「デュワーズ」のキーモルトとしても知られていますが、近年はノンチルフィルター・無着色による自然な造りのシングルモルト展開にも注力しています。

「ロイヤル・ブラックラ」は、2022年11月にラインナップを一新。現在リリースされているオフィシャルボトルは3種類で、すべてシェリー樽フィニッシュが採用されています。それぞれ異なるシェリー樽で後熟することで、多彩な個性が生み出されています。

「ロイヤル・ブラックラ 12年」は、ブランドを象徴するフラッグシップボトル。アメリカンオーク樽で熟成させた後、オロロソシェリー樽で仕上げられています。リニューアル後は、アルコール度数が40%から46%に引き上げられ、ボトルには「シェリー・カスク・フィニッシュ」の表記が加えられました。

新しくなった「ロイヤル・ブラックラ 12年」は、シェリー樽由来の風味がより際立ち、従来のブレンデッドウイスキー用のキーモルトという枠を超え、シングルモルトとしての個性がより明確になりました。

カカオやドライフルーツ、スパイス、洋菓子を思わせるアロマが複雑に広がり、リッチで濃厚なフルーティーさが特徴的。「オロロソシェリー樽100%」ではないものの、まるでフルマチュアードかと思うほど奥深く、完成度の高い味わいに仕上がっています。

王室御用達の称号にふさわしい、力強く飲みごたえのある1本。シェリー樽好きならぜひ試してほしいウイスキーです。

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【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー|10,000~15,000円

ザ マッカラン 12年 シェリーオーク

ザ マッカラン 12年 シェリーオーク

「ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク」は、マッカラン蒸溜所を代表する象徴的な1本です。現在のマッカランは複数の種類のシェリー樽を使い分けていますが、やはり“マッカランといえば”思い浮かぶのは、スパニッシュオークのシェリー樽。

このボトルでは、スペイン産オロロソシェリーでシーズニングしたヨーロピアンオーク樽のみを100%使用。伝統的なこのスタイルは、マッカランが長年貫いてきたハウススタイルそのものであり、ブランドの真髄を体現しています。

香りはリッチで芳醇。ドライフルーツやスパイス、シナモン、オレンジピール、チョコレートのニュアンスが幾重にも重なり、味わいはなめらかで濃厚。甘みと樽由来のタンニンが調和した深いコクが、余韻に至るまで続きます。

かつては1万円以内で購入できた「ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク」ですが、近年の価格改定により、現在では1~1.5万円が相場となりました。ぎりぎり“1万円以内のご褒美ウイスキー”とは言えなくなったものの、その完成度と「シェリー樽ウイスキー象徴」といったブランド価値を考えれば、依然として高い満足感が得られる1本。プレゼントにも喜ばれること間違いなし。

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グレンファークラス 17年

グレンファークラス 17年

スペイサイドの名門、グレンファークラス蒸溜所が誇る「グレンファークラス 17年」は、15年物よりも一段と落ち着いた、まろやかでエレガントな味わいが魅力のシングルモルトです。

オロロソシェリー樽で熟成された原酒のみを使用。15年と同じくシェリー由来の芳醇な香味が軸ですが、17年はそれよりもスパイス感が穏やかになり、タンニンの角も取れて、非常に上品にまとまっています。

15年のビターでコク深いシェリー感も魅力的ですが、「グレンファークラス 17年」はより熟成感があり、全体のトーンが柔らかく感じられます。特にストレートやトワイスアップで飲むと、熟成年数の違いは明確になります。

香りはドライイチジク、熟したプラム、紅茶、オレンジマーマレード、ナッツ、キャラメル。味わいはリッチな甘みに始まり、ほどよいウッディさとスパイスが寄り添い、長くやさしい余韻が続きます。口当たりはソフトで、加水しても香味が崩れず、非常にバランスのよい仕上がりです。

2025年現在、「グレンファークラス17年」の実勢価格は12,000~14,000円ほど。17年という酒齢や完成度を考えると、依然としてコストパフォーマンスの良い1本と言えるでしょう。

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グレンドロナック 15年

グレンドロナック 15年

シェリー樽熟成のシングルモルトといえば、必ず名前の挙がる「グレンドロナック」。その中でも「グレンドロナック 15年」は、力強さとエレガンスを兼ね備えた“名作”として知られており、「グレンドロナック 12年」よりもさらにリッチなシェリー樽の個性を持っています。

「グレンドロナック 15年」の熟成樽は、オロロソとペドロヒメネス(PX)。2種類のシェリー樽を100%使用。12年物と同じですが、15年は、熟成期間の長さから、シェリー樽熟成の「濃さ」「深さ」「甘やかな重厚感」が頭ひとつ抜けています。飲みごたえと複雑さでは、断然こちらの方が上です。

香りは、レーズン、プラム、ダークチョコレート、スパイス、紅茶、オレンジピール。口に含むと、ビタースイートなチョコ、煮詰めた果実、ドライイチジク、わずかなスモークが舌の上で溶け合い、奥行きのある味わいがじわじわと広がります。

オロロソ由来のドライフルーツやナッツのニュアンスに、PXの濃厚な甘みとレーズンのような深みが重なり、重厚な味わいに。どこか洗練された柔らかさを感じるのも、15年熟成ならでは。

「グレンファークラス」や「マッカラン」といった他のシェリー樽系と比べても、“ダークで奥深いシェリー感”は魅力的。シェリー樽好きには間違いなくおすすめできる一本。

 

 

桜尾 シェリーカスク スティルマンズ セレクション

桜尾 シェリーカスク スティルマンズ セレクション

広島県・廿日市市にあるSAKURAO DISTILLERY(桜尾蒸留所)がリリースする「桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION」は、2種のクリームシェリー樽で熟成させたジャパニーズシングルモルトウイスキーです。通常、シェリーカスクは「オロロソ・シェリー」や「ペドロヒメネス・シェリー」を用いることが多いので、「クリームシェリー」の樽で熟成させた商品は、ジャパニーズはもちろんスコッチでも珍しいものとなります。

クリームシェリー(Cream Sherry)とは、スペイン・ヘレス地方で造られる甘口のブレンドシェリーのこと。オロロソ(辛口タイプ)をベースに、ペドロヒメネス(極甘口タイプ)をブレンドし、甘みを加えたタイプで、上品な甘さとまろやかな口当たりが特徴です。この樽で熟成されたウイスキーには、シェリーカスク由来の甘い香味が色濃く移り、リッチでフルーティーな風味が生まれます。

「2種類のクリームシェリー樽使用」という表現については、具体的な内訳は明らかにされていませんが、考えられるのは以下の2点。

  • ブレンド比率の異なるクリームシェリーを使用。
  • 使用されている樽材(アメリカンオーク/スパニッシュオーク)の違い。

いずれにしても、桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTIONでは、この異なる2種のクリームシェリー樽で熟成された原酒をブレンドすることで、ひとつの樽だけでは表現しきれない奥行きのある甘さと、芳醇な香りを見事に引き出しています。

“シェリーカスク100%”という贅沢な造りと、クラフトマンシップが詰まった「SAKURAO DISTILLERY」の秀作。オロロソシェリーとは異なる、クリームシェリーならではの個性を愉しめる数少ないウイスキーです。

 

グレンアラヒー 12年 オロロソ & PXシェリーカスクフィニッシュ

グレンアラヒー 12年 オロロソ & PXシェリーカスクフィニッシュ

グレンアラヒー蒸溜所は1967年、スコットランド・スペイサイドに誕生。2017年に伝説のプロデューサー、ビリー・ウォーカーがオーナーとなってからは、その卓越したシングルモルトで世界中の愛好家から熱い支持を集めています。

彼の信念は「安定した一貫性」ではなく「一つの作品としての完全性」を追求すること。これにより、個性豊かで高品質なウイスキーが生まれ続けています。

「グレンアラヒー 12年 オロロソ&PXシェリーカスクフィニッシュ」は、2025年2月に日本市場限定でリリースされた商品。バーボン樽で約5年熟成した原酒に、75%がオロロソシェリー樽、25%がペドロヒメネス・シェリー樽で追熟した原酒をブレンド。カスクストレングス(58.8%)でボトリング。総生産数は3,654本。

色はシェリー樽の豊かな色調が反映された、艶やかなマホガニー。香りはサルタナレーズンの凝縮された甘さにシナモンやクローブのスパイスが絡み合い、砂糖漬けのチェリー、蜜蝋、プラムシロップが華やかに広がります。

口に含むと、ドライフルーツやダークチョコレートの芳醇な甘みが、力強く、豊かに広がり、ほろ苦さが後から追いかけます。余韻は長くて複雑。カスクストレングスならではの、奥深い味わい。

価格は12,000〜15,000円ほどで、12年熟成のカスクストレングスとしては比較的手頃です。シェリー樽100%ではありませんが、オロロソとペドロヒメネスという2種類のシェリー樽が濃厚なフルーティーさを引き出しています。むしろ、バーボン樽をベースに後熟させたことで、バランスが整い、飲みごたえがありながらも繊細さを感じさせる贅沢な仕上がりとなっています。

 

 

【2025年版】シェリー樽熟成のおすすめウイスキー|15,000~20,000円

カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス

カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス

「カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス」は、台湾の人気蒸溜所カバランが誇るフラッグシップシリーズ「ソリスト」の一つで、シェリー樽で熟成された原酒を樽出しのカスクストレングスでボトリングした贅沢な商品です。亜熱帯の台湾で熟成することで、スコッチとは全く異なる、独特な個性を生み出しています。

熟成は短期間でありながら、濃厚で長期熟成のようなコク。ドライレーズン、ココアパウダー、シナモン、カルダモン、焼きリンゴ、キャラメル。焼き菓子のような香り。アルコール度数が高いため、ストレートでも、加水しても多彩な表情を楽しめるのも魅力です。

「カバラン ソリスト シェリー カスクストレングス」は、非常に完成度の高いシェリーカスクウイスキーですが、唯一の注意点として、ボトルごとに味わいが異なることが挙げられます。シングルカスクならではの特性で、同じ味を求めてもロットごとに違いが出るため、「常にまったく同じ」という訳ではありません。とはいえ、極端にシェリー樽由来の個性が変化しているわけではなく、少し違いを感じる程度。

この違いこそが、シングルカスクウイスキーの魅力の一つでもあります。飲み終わる前に次のボトルを手に入れて飲み比べるのも、また楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

 

 

アベラワー 18年 ダブルシェリーカスク フィニッシュ

アベラワー 18年 ダブルシェリーカスク フィニッシュ

アベラワー蒸留所は1826年創業。ベンリネス山の雪解け水を仕込みに使い、スムースな口当たりと芳醇な香味を両立するシングルモルトで知られています。火災による再建や近代化を経て、現在はペルノ・リカール社のもとで、シェリー樽熟成を得意とする高品質なウイスキーを生産しています。

「アベラワー 18年 ダブルシェリーカスク フィニッシュ」は、オロロソとペドロヒメネス、2種のシェリー樽で原酒を後熟させた商品。通常の「アベラワー18年」とは異なるボトルであり、ラインナップの中でもひときわ濃密で、シェリー樽の複雑な個性を持っています。

100%シェリー樽ではありませんが、18年熟成ならではの凝縮感と品の良い甘みがあり、リッチなフルーティーさが全体に溶け込んでいます。華やかで親しみやすく、レーズン、リコリス、PXシェリー由来の甘美なアロマも引き立っています。

価格は約19,000円と、18年熟成の中ではやや高めの設定です。しかし、ゴールドのエンボス加工が施された高級感のあるキャニスターや、創業者とマスターディスティラーのサインが入ったラベルなど、細部にまでこだわったデザインは価格に見合った特別な仕様と言えるでしょう。

 

グレンゴイン 21年

グレンゴイン 21年

スコットランド・ハイランド地方、ローランドとの境界に位置するグレンゴイン蒸溜所。1833年の創業以来、「スロー・ディスティレーション(ゆっくりとした蒸溜)」を信条とし、現在も変わらぬスタイルでシングルモルトを造り続けています。

かつてはエドリントン傘下でマッカランやハイランドパークの原酒にも関わっていたグレンゴインですが、2003年に独立系ボトラー「イアン・マクロード社」に譲渡されて以降、オフィシャルボトルの質が飛躍的に向上。熟成原酒のポテンシャルを最大限に活かしたボトリングが多く、特に「グレンゴイン 21年」は、ラインナップの中核を担う存在として高い評価を得ています。

「グレンゴイン 21年」は、ファーストフィルのヨーロピアンオーク・オロロソシェリー樽を主体に、一部ペドロヒメネス・シェリー樽の原酒も使用した長期熟成モルト。シェリー樽由来のレーズンや赤リンゴ、トフィー、シナモンケーキのような甘く芳醇なアロマが広がります。

口に含むと、ハチミツやオーク、ダークチョコレート、ドライフルーツ、スパイスが重層的に絡み合い、ふくよかで深みのある味わいが広がります。21年の熟成を経たことで、まろやかな口当たりとともに、温かみのあるドライ感やウッディなスパイスの余韻が長く続き、非常に複雑で豊かな仕上がりです。

そして注目すべきは、シェリー樽100%の21年熟成モルトでありながら、価格が2万円以下という圧倒的なコストパフォーマンス。長期熟成のシェリー樽シングルモルトを味わいたい方にとって、これ以上の選択肢はないかも…

 

 

 



 

 

シェリー樽熟成ウイスキーは、その豊かな香りと深い味わいで、多くのウイスキー愛好家を魅了し続けています。今回ご紹介した18本は、価格帯ごとに選りすぐりのラインナップですので、初心者から上級者まで幅広く楽しんでいただけます。

ぜひ、自分の好みや予算に合った一本を見つけて、シェリー樽がもたらすウイスキー世界を味わってみてください。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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