【2024年版】世界のウイスキー売上ランキングTOP20|販売数量で見る最新動向

10位 バランタイン

10位 バランタイン / Ballantine’s

世界第10位はブレンデッドスコッチウイスキー「バランタイン」。昨年の820万ケースから売上を増加させ、2024年は930万ケースを達成しました。スコッチ部門ではジョニーウォーカーに次ぐ2位。特にアジア市場で人気があり、プレミアムウイスキーとしてスコッチ部門1位の売上を記録しています。

バランタインは、スコットランド全土の40種類以上のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして製造されています。このブレンドの技術が、バランスの取れた味わいとスムーズな口当たりを生み出しています。

フラッグシップボトル「バランタイン ファイネスト」は、スコッチらしいスモーキーなフレーバーとドライな味わいが特徴的。軽快でスムースなウイスキーは世界市場では良く売れていますね。

一方、ウイスキー愛好家から支持を受けているのが「バランタイン17年」。長期熟成による複雑なフレーバーとやわらかい口当たりが人気を博しています。

バランタインはラインナップも豊富なので、各国の幅広いユーザーへ販売することができるのも強みの一つ。今後も世界的メジャーブランドとして愛されることでしょう。

 

11位 ロイヤルチャレンジ

11位 ロイヤルチャレンジ / Royal Challenge

  • 生産国:インド
  • 売上数:910万ケース(前年対比 106%)
  • メーカー:ディアジオ(ユナイテッドスピリッツ社)
  • 楽天市場価格[2025年12月]:在庫なし

惜しくもトップ10入りにはなりませんでしたが、世界第11位の「ロイヤルチャレンジ」もまた、1990年代初頭に登場して以来、インド国内外で着実にシェアを拡大していったブランドです。世界第1位のブランド「マクダウェルズ」で知られる、ユナイテッド・スピリッツ社が製造しているブランドです。

原酒にはスコッチのモルトウイスキーとインディアン・モルトウイスキー、インディアン・グレーンウイスキーのニュートラルスピリッツが使用されています。その他、着色に使われるカラメルと、ウイスキーにフレーバーを加えるために香料の添加が行われています。

「ロイヤルチャレンジ」は「マクダウェルズ」とは異なり、プレミアムバージョンも展開しています。こちらは通常のものよりも熟成期間が長く、複雑でリッチな個性。原酒の構成は定かではありませんが、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした、スコッチの製法を取り入れています。

2020年~2021年は、パンデミックの影響で売上が減少。一時は年間400万ケースまで落ちた売り上げも、2023年以降は順調に伸ばしており、2024年は過去最高となる910万ケースとなりました。

 

12位 クラウンローヤル

出典:By Ken Lund from Reno, Nevada, USA – Crown Royal Plant, Amherstburg, Ontario, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=54268201

12位 クラウンローヤル / Crown Royal

世界第12位はカナディアンウイスキーがランクイン。日本でもおなじみの「クラウンローヤル(クラウンロイヤル)」が、カナディアンとして唯一のトップ20入りを果たしました。2023年の販売量は770万ケースでしたが、2024年は800万ケースに増加しています。

「クラウンローヤル」は特にアメリカでの人気が高く、カナディアンウイスキーの代名詞的存在。カクテルのベースとしても使用されることが多いため、幅広く飲まれています。

カナディアンウイスキーは安価な銘柄が多い訳ですが、その中でも「クラウンローヤル」は高級路線を継続。「王冠(Crown)」をモチーフにした高級感のあるブランディングが功を奏し、プレミアムウイスキーとしての地位を確立しました。

ここ数年はフレーバードウイスキーやリミテッドエディションなど、多様な商品展開で幅広い消費者層を取り込んでいます。日本ではあまり馴染みがありませんが、フレーバードシリーズは北米の若年層に人気があり、ウイスキー初心者から愛好家まで幅広く受け入れられています。

 

13位 エイトピーエム

出典:https://item.rakuten.co.jp/

13位 エイトピーエム / 8PM

  • 生産国:インド
  • 売上数:720万ケース(前年対比81%)
  • メーカー:ラディコ・カイタン社
  • 楽天市場価格[2025年12月]:在庫なし

世界第13位もインディアンウイスキーブランド「エイトピーエム(8PM)」。インドの大手酒類メーカー「ラディコ・カイタン社」の主力製品です。昨年は全体10位でしたが、2024年は昨年の890万ケースから720万ケースにまで販売量を落とし、13位となりました。

1999年に発売され、滑らかな飲み口とリーズナブルな価格で人気を博し、販売量のほとんどがインド国内。名前の「8PM」は、夕方から夜にかけてのリラックスタイムを象徴しており、「一日の終わりに楽しむウイスキー」というコンセプトを掲げています。

「エイトピーエム(8PM)」は発売初年度に100万ケースも販売されており、ここ数年は売り上げを落としているものの、急成長を遂げたウイスキーブランドであることは間違いありません。原酒にはインド国内で生産されたグレーンスピリッツと、輸入したモルトウイスキーを使用。親しみやすいフレーバーと手頃な価格帯で、大規模なインド市場で成功しています。

 

14位 ロイヤルグリーン

出典:https://adsdistilleries.com/view.php?name=Royal-Green

14位 ロイヤルグリーン / Royal Green

  • 生産国:インド
  • 売上数:480万ケース(前年対比 117%)
  • メーカー:ADS ディスティラリーズ プライベート リミテッド
  • 楽天市場価格[2025年12月]:在庫なし

世界第14位には、インドのウイスキー「ロイヤルグリーン」がランクインしました。生産拠点の「ADS蒸溜所」は2010年に設立。生産開始から10年足らずで世界のトップ20入りとなった勢いのあるブランドです。

2014年の販売数はわずか10万ケースでしたが、2024年は480万ケースを達成。昨年よりも売り上げを17%増加させており、順位も18位から14位になりました。

このウイスキーは、インドの「ADS ディスティラリーズ プライベート リミテッド」によって製造されています。同社は、品質の高い穀物を使用したウイスキーやスピリッツを製造しており、最新鋭の設備を備えた蒸留所で生産を行っています。

「ロイヤルグリーン」の原酒には、他のインド産ウイスキーと同様、スコッチモルトウイスキーと自社生産のグレーンスピリッツがブレンドされています。価格帯はミドルレンジのようで、「デラックスブレンデッドウイスキー」に恥じない高い品質と手頃な価格を両立。インド国内での人気を基盤に、今後は世界市場の展開も視野に入れています。

 

15位 シーバスリーガル

15位 シーバスリーガル / Chivas Regal

世界第15位に位置するのはブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」。スコッチ部門では第3位となりました。2022年の520万ケースからは減少しましたが、2024年は480万ケースまでに回復。この売上はパンデミック前の水準を超えており、順位も2020年は19位でしたが、15位にまで上昇しています。

「シーバスリーガル」の起源は1801年、スコットランドのアバディーンに開業したシーバス兄弟(ジェームズとジョン)の食料品店がルーツ。彼らは当時のスコッチウイスキーが持つ粗さを軽減し、滑らかで上品なウイスキーを作り出すことを目指して成功。1909年には「Chivas Regal」としてブランド化され、ラグジュアリーなブレンデッドウイスキーとして人気となります。

「シーバスリーガル」は親会社のペルノ・リカールによる強力なマーケティング戦略により、ヨーロッパ、アジア、中東など、世界中の多くで高い知名度を誇ります。幅広いラインナップに加え、年数やフレーバープロファイルが異なる多様な製品を提供することで、ウイスキー初心者からコアな愛好家まで、幅広く支持されています。

スコッチ部門2位の「バランタイン」とは、300万ケース以上の差が開いていますが、どちらのブランドもペルノ・リカールグループですから、グローバル企業のマーケティングはやはり強いと言えるでしょう。

 

16位 アイコニック・ホワイト

出典:https://www.instagram.com/p/Ci-G_mppSyS/

16位 アイコニック・ホワイト / Iconiq White

  • 生産国:インド
  • 売上数:450万ケース(前年対比281%)
  • メーカー:アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ
  • 楽天市場価格[2025年12月]:在庫なし

世界第16位は、2022年から販売されている、比較的新しいインディアンウイスキー「アイコニック・ホワイト」がランクイン。インド最大手のウイスキーメーカー「アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ社」が製造する、プレミアム・ブレンデッドウイスキーに位置するブランドです。

このウイスキーは、高品質なインド産グレーンスピリッツと輸入スコッチモルトウイスキーをブレンド。安価なインドのウイスキーは、廃糖蜜(モラセス)を主原料としたものが主流ですが、アイコニック・ホワイト」が「グレーン(穀物)ベース」のスピリッツとスコッチを混ぜていることで、国際的なウイスキーの基準に近いスタイルでつくられています。

特筆すべきは、その驚異的な売上の伸び率。2023年の160万ケースから、2024年は450万ケース(前年対比281%)を記録。さらに、まだ2025年の正確な統計は明らかではありませんが、2025年上半期の時点で500万ケースを突破しているようで、2025年は順位も大きく上げることになりそうです。

売上急増の要因はいくつかありますが、このウイスキーはインドの大手流通業者が取り扱っているため、都市部だけでなくインドの地方都市や農村地域にまで短期間で拡散できたことが挙げられます。人口爆発が止まれない、インドでなければこうした超急成長ブランドは誕生することはないでしょう…

これは世界のスピリッツブランド全体でも「世界最速クラスの成長」として、業界も驚くほど。これぞまさに、インディアンウイスキー。

 

17位 角瓶

17位 角瓶 / Kakubin

世界第17位には日本が誇るブレンデッドウイスキー「サントリー角瓶」がランクイン。

「角瓶」は、サントリー創業者の鳥井信治郎が「日本人の口に合うウイスキー」を目指して開発したブレンデッドウイスキーで、日本国内でウイスキー文化を広めるうえで大きな役割を果たしました。

その構成原酒には、山崎蒸溜所と白州蒸溜所のモルトウイスキー、そして知多蒸溜所で作られたグレーンウイスキーが使用されています。かつては輸入ウイスキーをブレンドしていた時期もありましたが、現在の「角瓶」は、日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズウイスキーの基準に完全に適合しており、正真正銘の「ジャパニーズウイスキー」として認められています。

また、「角瓶」という名前の由来は、その特徴的な四角形のボトルデザインです。このデザインは、日本酒の伝統的な「徳利」を参考にしており、発売当初から日本人に親しみやすい形として広まりました。

販売量は、2022年に610万ケースを記録した後、2023年には前年の69%にあたる420万ケースに減少しました。2024年はさらにわずかに減少し、400万ケースとなりました。売り上げが落ちた理由は明確ではありませんが、同じく400万ケースで並ぶブラックニッカ・クリアの躍進が要因の一つかもしれません。

ブラックニッカと異なる点は、「角瓶」が純粋なジャパニーズウイスキーであるのに対し、ブラックニッカは海外原酒を含む、いわゆるワールドブレンデッドウイスキーに分類されることです。つまり、「ジャパニーズウイスキー」としては「角瓶」が最も多く売れている商品となります。

世界で400万ケースも飲まれていることは、日本のウイスキー業界にとって誇りであり、非常に素晴らしい実績です。

 

18位 ブラックニッカ・クリア

ブラックニッカ・クリア / Black Nikka Clear

世界第18位には、ニッカウヰスキーの代表ブランド「ブラックニッカ・クリア」がランクイン。統計上は17位の「角瓶」と同率となっており、2023年の330万ケースから2024年は400万ケースへと大幅に販売数を伸ばしています。これにより、ついに世界TOP20常入りを果たし、海外でも存在感を示す結果となりました。

「ブラックニッカ・クリア」は、2015~2023年までは年間240~330万ケースで推移しており、長く“安定した中堅ブランド”という立ち位置でした。しかし2024年は明らかに異なる動きを見せ、特に海外市場での需要が急拡大しています。その背景には、単なる手頃な価格だけでは説明できない、より大きな市場変化が影響しています。

売り上げ増加を強く後押しした要因として、次の3点が挙げられます。

① 世界的な日本ウイスキー人気の高まり

近年、日本ウイスキーは国際的な品評会での受賞や専門家からの高評価によって、世界中で注目度が急上昇しています。この“ジャパニーズウイスキーブーム”が市場全体の需要を押し上げ、比較的入手しやすい価格帯の「ブラックニッカ・クリア」にも自然と関心が集まるようになりました。手に取りやすいジャパニーズブランドとして、需要増加の恩恵を大きく受けている形です。

② ニッカウヰスキーへの国際的な信頼

ニッカウヰスキーは「竹鶴」「余市」「宮城峡」など、世界市場で高く評価されるモルトウイスキーを多数展開しています。しかしプレミアムクラスは入手困難な地域も多く、代わりに「同じニッカだから品質に安心できる」という理由から、ブラックニッカが選ばれるケースが増えています。
つまり、トップレンジの評価が上がるほど、エントリークラスであるブラックニッカの価値も引き上げられるという“ブランドの連動効果”が働いているのです。

③ 豊富なサイズ展開が海外市場と相性抜群

ブラックニッカシリーズは、700mlのスタンダードサイズから大容量ボトル、さらにペットボトル仕様まで、幅広いラインナップが用意されています。アジア・欧州などの大量消費市場では、4リットル級の大容量ボトルが人気で、業務用・家庭用ともにリピートしやすい商品として定着。こうした柔軟なサイズ展開が、海外での売り上げ拡大を後押ししています。

以上のように、「ブラックニッカ・クリア」の海外売上増加は、世界的な日本ウイスキー人気、ニッカブランドの信頼性、そして消費者ニーズに対応したサイズ戦略という、複数の要因が重なった結果によって実現したものといえます。

 

19位 スターリングリザーブ

出典:https://www.abdindia.com/spirits/whisky-brands/sterling-reserve-blend-10/

19位 スターリングリザーブ / Sterling Reserve

  • 生産国:インド
  • 売上数:390万ケース(前年対比 78%)
  • メーカー:アライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズ
  • 楽天市場価格[2025年12月]:在庫なし

世界第19位は、インドのウイスキー「スターリングリザーブ」。比較的新しいブランドでありながら、近年急速にインド市場での存在感を高めていましたが、昨年の14位から大きく順位を落とす結果となりました。

「スターリングリザーブ」はインドを拠点とするアライド・ブレンダーズ・アンド・ディスティラーズが製造しているブランド。アライド社は「オフィサーズチョイス(2490万ケース)」も手掛けていますが、「スターリングリザーブ」はそれよりもプレミアムなウイスキーとして展開しています。高品質なモルトウイスキーを複数ブレンドすることにより、フルーティーでスパイシーな香りを生み出しています。

ちなみに、アライド社はインド最大級のウイスキーメーカーであり、グループの年間総生産量は1億7000万ケースとされています。

スコッチは全メーカーの、すべての銘柄を合わせても約7000万ケースと言われているので、アライドグループだけで、スコッチウイスキーの生産量をはるかに超えています。アライド社インドを代表するというより、「ディアジオ」や「ペルノリカール」といった、世界的なウイスキーメーカーに匹敵しています。(生産量だけなら…)

「スターリングリザーブ」が売上を落とした理由として最も考えられるのは、他ブランドの急成長です。現在のインディアンウイスキー市場はまさに群雄割拠の状態で、わずか1年の間にも順位や勢力図が大きく入れ替わるほど競争が激化しています。その結果、スターリングリザーブのシェアが押し下げられた可能性が高いといえます。

 

20位 ディレクターズスペシャル

出典:By Human3015 – Own work (This image is based on another image File:Director’s Special Whisky Bottle.JPG which I clicked), CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=42869082

20位 ディレクターズスペシャル / Director’s Special

  • 生産国:インド
  • 売上数:360万ケース(前年対比 109%)
  • メーカー:ユナイテッドスピリッツ社(ディアジオ)
  • 楽天市場価格[2024年11月]:在庫なし

最後に紹介するのは、インド産ウイスキー「ディレクターズスペシャル」。2023年に続き、2024年も世界第20位にランクインしました。2016年には500万ケースという驚異的な販売実績を誇りましたが、その後は徐々に減少し、2024年は360万ケースで落ち着いています。

このブランドを製造する「ユナイテッドスピリッツ社」は、インド最大の酒類メーカーであり、世界規模でもディアジオに次ぐ第2位の超巨大企業です。さらに2014年には、そのディアジオが株式の過半数を取得し、ユナイテッドスピリッツを完全に傘下へ収めています。

同社はウイスキーに限らず、140以上ものブランドを展開しており、そのうち15ブランドが年間100万ケース以上を販売。さらに3ブランドは年間1000万ケースを超える“メガブランド”として世界市場に君臨しています。

ディアジオがユナイテッドスピリッツを買収した最大の狙いは、「人口ボーナス」を背景に成長し続けるインド市場の取り込みです。一見すでに成熟しているように見えるインド市場ですが、依然として消費拡大の余地は大きく、インド産ウイスキーだけでなく、自社のスコッチウイスキーを本格的に浸透させるための戦略的買収でもあります。

ユナイテッドスピリッツが保有する強固な国内販売網は、今後拡大が期待される高級ウイスキー需要にも対応可能であり、ディアジオにとって非常に価値の高い資産といえるでしょう。

 

 

【2024年版】ウイスキーの販売数量で見る最新動向

2024年の世界販売数量データは、ウイスキー市場の「常識」が塗り替えられたことを明確に示しています。かつて市場の主役だったスコッチが後退し、インド系ブランドがランキングを席巻する現状。その裏側にある、国ごとの定義の違いや戦略の変化を解説します。

1. インド系ブランドが「世界標準」を塗り替えた理由

現在、世界トップ20ブランドのうち11銘柄をインド系が占めています。これは単なる一時的な流行ではなく、圧倒的な「人口」と「価格戦略」がもたらした必然の結果。14億人の巨大市場: ウイスキー消費量において、インドは現在、世界最大のマーケットです。

  • 日常酒としての定着: インド系ウイスキーの多くは低価格帯に設定されており、特別な日のためではなく、日常的に消費される「大衆酒」としての地位を確立。
  • 圧倒的な供給力: 「大量に飲み、大量に供給する」というサイクルが、スコッチを遥かに凌ぐ販売数を生み出している。

2. 「数量」のインド vs 「価値」のスコッチ

販売数量だけを見ると、スコッチは「ジョニーウォーカー」「バランタイン」「シーバスリーガル」の3銘柄に絞られ、一見勢いを失ったように見えます。しかし、これはスコッチ業界の戦略的シフトによるもの。

  • 量から質への転換: スコッチ各社は、販売数量を追うのではなく、熟成年数表記(エイジド)ボトルや、高単価なプレミアムレンジ、限定品への注力によって「ブランド価値」を高める方向に舵を切っています。
  • 「語られる酒」としての地位: スコッチはもはや「世界で最も飲まれるウイスキー」ではないかもしれません。しかし、世界中で品質が比較され、語られ続ける「高級ウイスキーの指標」としての存在感は、むしろ高まっています。

3. なぜ「世界一のウイスキー」を日本で見かけないのか?

ランキング上位のブランドが日本の店頭に並ばない理由は、TOP20入りしている多くの銘柄が、「本格的なウイスキー」とは呼べない品質だから。この背景にはインド独自の規格「IMFL(Indian Made Foreign Liquor)」を知る必要があります。

  • ウイスキーの定義の違い: インドで流通する多くの銘柄(IMFL)は、廃糖蜜(モラセス)を原料とした中性スピリッツをベースにするなど、国際的な「ウイスキー」の基準(穀物原料、木樽熟成など)を満たしていないものが多く含まれます。
  • ガラパゴス的な巨大市場: これらはインド国内で日常的に消費される「洋酒スタイル」の蒸留酒であり、国際市場に出回る「本格ウイスキー」とは製品の性格が根本的に異なります。

4. ジャパニーズウイスキーの現在地

2024年の統計では、サントリーの「角瓶」とアサヒビールの「ブラックニッカ」がトップ20入りを果たしました。

  • 堅実な成長: 爆発的な増減はないものの、定番商品としての信頼が販売数量を支えています。
  • 「希少価値」という戦略: 近年のジャパニーズウイスキーは、原酒不足や世界的な評価の高まりを受け、プレミア化が進んでいます。
  • 数量ではなく「憧れ」を追う: 厳格な品質管理と長期熟成を前提とする日本にとって、インドのような大量生産によるランキング上位争いは目指すべき方向ではありません。むしろ「手に入りにくい高付加価値ブランド」としての地位を固めています。

 



 

2024年の世界ウイスキー売上ランキングTOP20では、「日常酒としてのインド」と「嗜好品としてのスコッチ・ジャパニーズ」という、市場の完全な二極化を浮き彫りにしました。販売数量という「数字」は市場の活況を示しますが、ウイスキーの本質的な魅力やブランドの優劣は、それとは別の「価値」という指標で語られるフェーズに突入しています。

今後も市場の動向に注目が集まる中、各ブランドがどのような進化を遂げるのか、ますます目が離せません。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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