こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
この記事では、閉鎖蒸留所のシングルモルトスコッチウイスキー「リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド」のテイスティングレビューと、蒸留所の情報やボトル評価についても解説致します。
「リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド」の味わいを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【ウイスキーレビュー】リトルミルとは?蒸留所解説
Littlemill リトルミル
- 地域:ローランド
- 創業年:1772
- 閉鎖年:1994
現在稼働しているスコットランド最古の蒸溜所は「グレンタレット」ですが、閉鎖蒸留所を含めたときに一番歴史の古い蒸留所は「リトルミル」となります。
創業は1772年。(日本では江戸時代で、田沼意次が老中に抜擢された年…)
リトルミル蒸留所はその歴史の間に何度もオーナーが変わり、その度に一時的な休業や再開を繰り返してきました。1772年から1857年の間に、9回もオーナーが変わっています。
1931年にはダンカン・トーマスが買収し、ウイスキーの製造方法が3回蒸留から2回へ変更され、ローランドの伝統製法に終止符が打たれます。
その後、1971年にはバートン・ブランズが買収。この際、新オーナーの元でウイスキー造りが改められた結果、リトルミル蒸留所では、以下の異なる3つのタイプのウイスキーの生産を開始します。
- これまで通りの「リトルミル」
- ライトピーテッドタイプ「ダングラス」
- ヘビリーピーテッドタイプ「ダンバック」
このような原酒の造り分けは、リトルミルの後継蒸留所である「ロッホローモンド」が受け継いでいるような形とも言えます。(親会社は異なりますが)
リトルミル蒸留所は1984年から1989までは生産停止し、1987年にはギブソンインターナショナルがリトルミル蒸留所を取得し、その後、ウイスキーの生産は1992年まで続けられました。
しかし、再び新たなオーナーへと蒸留所の所有権が移ると、その所有者が博物館にするとの構想を持ちだしたことで、1994年に閉鎖となります。一時は企業の事務所として利用されていましたが、現在は取り壊されています。
リトルミルのシングルモルトウイスキーは、ここ数年で相場がかなり上がっています。10年程前までは、オフィシャルボトルがまだ流通していましたが、今ではボトラーズ会社の商品でさえも見つけることが困難となっています。
【ウイスキーレビュー】リトルミル25年 1988-2014 ザパールズオブスコットランドを評価
リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド
- 49.9% 700ml
- ボトラーズ:ゴードン&カンパニー
- 抜栓時期:2024年9月
- テイスティング時期:2024年10月
- whiskybaseでの評価:不明
「リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド」はゴードン&カンパニーという、2012年にグラスゴー郊外で設立されたボトラーズ会社からリリースされているウイスキーです。
創設者のジム・ゴードンはウイスキー業界で30年以上の経験を持ち、その豊富な知識と情熱を生かして、2013年秋に初のブランド「ザ・パールズ・オブ・スコットランド」を発表しました。ジムの情熱を共有する息子ジョナサンも会社に加わり、今後のさらなる発展が期待される、注目のボトラーズ会社です。
香り
香りは、洋梨、青りんご、レモン、マスカット、ドライレーズン、歯磨き粉、メープルシロップ、メロンパン、エールビール、グラッパ。ピートのクセがなく、フルーティーさとエステルが主体。豊富なアロマを持ち、かなり複雑。
樽香は控えめで、バニラやオーキーさといった熟成樽由来の香りは少ない印象です。
個人的には搾りかすブランデーの「グラッパ」や「マール」のような、ブドウ由来の第一アロマ、第二アロマを感じます。
ちなみに「第〇アロマ」という表現は、ワインの香りの種類を分けたもので、ウイスキーに使う表現ではありません…
第1アロマ:ブドウそのものの香り
第2アロマ:発酵や醸造に由来した香り
第3アロマ=ブーケ:熟成に由来する香り
このウイスキーは…ホントにワインやブランデーのような、フルーツ由来のアロマティックさがあります。フレッシュフルーツというよりは、やはりワインやシェリーのような感じ。ブラインドテイスティングなら、ノージングだけなら「グラッパ」と答えるでしょう。
味わい
口に含むとまろやかでフルーティー。すぐにドライでモルティー。クリーミーさと一緒に、華やかでエレガントなアロマが広がります。中盤以降もドライ。余韻は中程度。穏やかに優しく残ります。
加水後の香りも、マスカットやドライフルーツ、フルーツブランデーにも似た香り立ち。
リトルミルはこの年代、すでに「3回蒸留」を終えて2回蒸留で原酒を造っています。しかし、ハイランドやスペイサイドとは全く異なる個性。
「リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド」の評価としては、「ピーティーではないけど一癖あるぜ、リトルミルよ…永遠に」です。
ローランドモルトとしてはあまりにも個性的すぎたのでしょうか…。閉鎖した理由とは結び付かないかもしれませんが、閉鎖当時、リトルミルの魅力に気が付いていた人は、現在ほど多くはありません。
ピーティーな風味が一切なく、穏やかでクセの無い「昔ながらのローランドモルト」といった感じ。原料はモルトだけなのに、複雑なフルーティーさが印象深い1本でした。
「リトルミル 25年 1988-2014 ザ・パールズ・オブ・スコットランド」は、ローランドモルトの穏やかなさとフルーティーな複雑さを持つ特別な1本。閉鎖蒸留所の希少な味わいを楽しめるこのウイスキーは、今後さらに貴重な存在となるでしょう。
ぜひ一度、その深いアロマと味わいをBARWHITEOAKで堪能してみてください♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
高級ジャパニーズウイスキーを定価で買うなら…
東急クレジットカード会員限定のウイスキー抽選販売がおすすめ!
- 山崎、白州、響などの希少なジャパニーズウイスキー抽選販売の参加が可能。
- 東急グループの他、提携先が豊富なのでポイントを貯めやすい。
- PASMOのオートチャージができる(一体型カードと通常カードの両方で利用可能)
- 年会費は初年度無料。次年度以降は1,100円。
コメント