【アイリッシュ伝統】おすすめのポットスチルウイスキー6選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、アイルランドのみで造られている「ポットスチルウイスキー」についての解説と、おすすめの銘柄を6本ご紹介致します。

アイリッシュウイスキーに興味がある方や、「ポットスチルウイスキー」について詳しく知りたい方におすすめの内容となっております。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

【アイリッシュ伝統】ポットスチルウイスキーとは?

ポットスチルウイスキーは、アイルランドでのみ造られる伝統的なウイスキーです。

原料は大麦麦芽(モルト)に未発芽大麦(バーレイ)や、オート麦、小麦、ライ麦などを使用。これらの穀物を混ぜてモロミを造り、単式蒸留機で3回蒸留を行います。大麦麦芽と未発芽大麦の比率は、どちらも全体の30%以上と定められています。

ポットスチルウイスキーの製法は、1800年代に導入された「麦芽税」による税負担を避けるために、麦芽の代わりに未発芽の大麦を使用するようになったことが起源とされています。未発芽大麦を加えることで税の負担を少なくしながらも、大麦の風味が豊かなウイスキー造りを行っていました。

ポットスチルウイスキーは、スコットランドや日本では生産されていないため、アイルランド独自のウイスキーとして再び注目されています。以前は「新ミドルトン蒸留所」でのみ製造されていましたが、現在では多くのクラフト蒸留所で製造されるようになりました。

【アイリッシュウイスキーの種類について】

1,ポットスチルウイスキー:アイルランドでのみ生産。

2,モルトウイスキー:スコッチ・ジャパニーズと異なり3回蒸留が基本。一部の例外を除いてピート(泥炭)を使用しない。

3,グレーンウイスキー:スコッチ・ジャパニーズと同様のスタイル。

4,ブレンデッドウイスキー:「ポットスチルウイスキー」または「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」をブレンドしてつくる。
例:ブッシュミルズ→「モルトウイスキー」×「グレーンウイスキー」
ジェムソン→「ポットスチルウイスキー」×「グレーンウイスキー」

 

そもそもアイリッシュウイスキーの本来の姿と呼べるのが、「ポットスチルウイスキー」です。歴史的にはアイルランドでは、スコッチのような「モルトウイスキー」は少し遅れて発展しています。

19〜20世紀前半のアイルランドでは、3〜4種類の穀物を使用してウイスキーを仕込むことが一般的なスタイルでした。そしてその多くは未発芽大麦と大麦麦芽、オート麦を原料として造られ、(スコッチと比べると)大きなポットスチルで3回蒸留で製造していました。

他の穀物を混ぜることで、大麦麦芽100%(モルトウイスキー)よりも、糖化には比較的長い時間がかかります。また、ポットスチルウイスキーの特徴として、大麦麦芽以外の穀物は殻が硬く、ローラーミルで粉砕できないため、石臼を用いて粉砕していたことにあります。

これらが要因となり、ポットスチルウイスキーは独特のオイリーさを生み出しています。

さらに、単式蒸留器を用いての3回蒸留によって、スコッチよりも高いアルコール度数80%以上の蒸留液を得るため、酒質は比較的軽くなります。ライトボディな蒸留液は長い貯蔵期間を必要としないため、スコッチやジャパニーズと比べて熟成年数が短めなことも特徴の一つとなります。

 

 

【アイリッシュ伝統】おすすめのポットスチルウイスキー6選

  1. ジェムソン シングルポットスチル
  2. レッドブレスト 12年
  3. ティーリング シングルポットスチル
  4. グレンダロッホ ポットスチルウイスキー
  5. グリーンスポット
  6. イエロースポット 12年

 

 

ジェムソン シングルポットスチル

ジェムソン シングルポットスチル

  • 700ml 46%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:4,497円

「ジェムソン」は、アイリッシュの代表的なブランドで、シリーズ累計では世界で最も売れているアイリッシュウイスキーです。スタンダードの「ジェムソン」は、ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られており、クセがなく爽快な味わいで多くの国で人気となっています。

「ジェムソン シングルポットスチル」は、グレーンウイスキーを加えていないジェムソンの新しいタイプとして2023年12月にリリースされました。

バーボン樽とシェリー樽に加え、アイリッシュオーク、ヨーロピアンオーク、アメリカンオークの3種類のバージンオーク樽で熟成させた原酒を使用。5つの異なる樽から生まれる複雑な風味と、ポットスチルウイスキーの特徴的な滑らさを味わうことができます。

ドライフルーツやバニラ、ファッジの甘い香り。トーストしたオーク樽、上品なスパイシーさ。スタンダードよりも飲みごたえがあり、クリアな個性の中にも複雑で魅力的なモルティーさを感じます。

 

 

レッドブレスト 12年

レッドブレスト 12年

  • 700ml 40%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:6,326円

「レッドブレスト」は1939年に誕生したブランド立ち上げたのはイギリスの「ギルビー ドライジン」などで知られているギルビー社。

原酒を供給していたダブリンの「ボウストリート蒸留所」が1960年代に閉鎖し、1971年までは原酒の買い付けを行ことができましたが、1985年に生産終了。しかしその後、アイリッシュディスティラリーズ社(ペルノリカール傘下)がギルビー社からブランド権を買い取り、レッドブレストを復刻させます。

原酒を供給する新ミドルトン蒸留所では、様々なタイプのピュアポットスチルウイスキーを製造しており、「レッドブレスト 12年」に使用されているのは、その中でも比較的ヘビーなタイプ。

スパイシーで豊かなフルーツ香と、スパイス、バニラ、シュガーシロップ、ソフトクリーム。口当たりはモルティー。バターのようなクリーミーさとオイリーでありながらライトボディ。

12年物(最低熟成年数12年)ですが、その割には少しカジュアルな印象もあります。これは、ポットスチルウイスキーが軽快な個性を持つからでしょうか…

 

 

ティーリング シングルポットスチル

ティーリング シングルポットスチル

  • 700ml 46%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:5,800円

2015年に開業したティーリング蒸留所は、かつてはビール工場やウイスキー蒸留所が立ち並んでいたリバティーズ地区にある古い倉庫を改装する形で誕生しました。2017年にはバカルディ社がティーリングの一部株式を買収。バカルディグループとしては初のアイリッシュ市場への進出となりました。

ティーリングのラインナップの内、「スモールバッチ」と「シングルグレーン」は「クーリー蒸留所」の原酒が使用されていますが、「ポットスチルウイスキー」と「モルトウイスキー」は、ティーリング蒸溜所の原酒のみで構成されています。

「ティーリング シングルポットスチル」のモロミは、大麦麦芽と未発芽大麦がそれぞれ50%。熟成樽は、バーボンカスク、ワインカスク、ヴァージンオークカスクの3種類の樽を使用。

香りは青りんご、モルト、草花、ハチミツ、スイカズラ。甘みがしっかりしており、特に三回蒸留によるスッキリ感が際立ちます。オイリーな感じと草原のような青い味わいが共存しており、余韻にはスパイシーさを優しく感じます。

 

 

グレンダロッホ ポットスチルウイスキー

グレンダロッホ ポットスチルウイスキー

  • 700ml 43%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:5,588円

グレンダロッホ蒸留所は、2015年にウィックロー国立公園の近くで創業したクラフトウイスキー蒸溜所です。当初は主にジンの製造に取り組んでいました。

蒸留所の周辺には、セント・ケヴィンが建てた7つの教会とアイルランド・キリスト教建築の象徴である高いラウンドタワーがあります。そのため、グレンダロッホで造られているジンやウイスキーには、セント・ケヴィンが祈りを捧げる様子が描かれており、なんとも神秘的なボトルデザインが施されています。

「グレンダロッホ ポットスチルウイスキー」は、原料に大麦麦芽30%以上・未発芽の大麦30%以上・オート麦・小麦ライ麦などを使用。EXバーボンカスクで熟成させた後、ヴァージン・アイリッシュオークでフィニッシュを行っています。

アイルランド独自の「アイリッシュオーク」由来の個性を感じます。タンニン分の強さと、樽香、スパイス。穀物由来のアイリッシュウイスキーらしい個性も健在です。

グレンダロッホ ポットスチルウイスキー

 

 

グリーンスポット

グリーンスポット

  • 700ml 40%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:5,863円

「グリーンスポット」は、ダブリンに本拠を置く「ミッチェル&サン社」が手がけるピュアポットスチル・アイリッシュウィスキー。「ピュアポット」を名乗る銘柄は決して多くありませんが、その中でも近年生産量を伸ばしています。

ウイスキー原酒の調達は、かつてはジェムソン社から受けていましたが、現在は新ミドルトン蒸留所から買い付けています。原料の比率は明らかにされていませんが、熟成年数に関しては8〜9年物の原酒が主体であるとされています。

また、その他のこだわりとして、シェリー樽を25%使用していることが挙げられています。

「グリーンスポット」は生産量が少なく、現在は年間2000ケース限定で販売されています。ポットスチルウイスキーとしては歴史あるブランドなので、選択に悩んだら、まずこのボトルを購入するものいいと思います。

 

 

イエロースポット 12年

イエロースポット 12年

  • 700ml 46%
  • 楽天市場価格[2024年8月]:11,550円

「グリーンスポット」の上位版。

「イエロースポット 12年」は、新ミドルトン蒸留所のピュア・ポットスチル原酒を使用し、バーボン樽、シェリー樽、スペインの酒精強化ワイン「マラガワイン樽」の3つの樽で熟成させています。

アンダルシア地方で造られているマラガワインは、主にペドロ・ヒメネス(Pedro Ximénez)やモスカテル(Muscat)などのブドウ品種を使用。豊かな甘さがあり、「PXシェリー」に良く似ているワインです。

香りはフルーティーでリッチ。オレンジ、焼きリンゴ、ドライフルーツ、ジャム、焼き菓子、メープルシロップ、キャラメル。マガラワイン樽を由来とするスイートな風味が強く出ており、ウイスキー自体も甘みがしっかりとしています。

「イエロースポット12年」は、「グリーンスポット」と比べると、熟成樽の影響が強く、アイリッシュウイスキー全体と比べても珍しいタイプかもしれません。ポットスチルウイスキーとしては王道ではないかもしれませんが、1万円を超える価格に見合った、しっかりとした飲みごたえと、奥深い余韻を味わうことができます。

 

 



 

 

ポットスチルウイスキーは、アイルランドならではの独自の製法と風味を持ち、その人気は急速に高まっています。歴史あるブランドから新興のクラフト蒸留所まで、多様な選択肢が揃っていますので、ぜひ色々な銘柄を試してみてください。

アイリッシュウイスキーの奥深さとその魅力に触れる良い機会となれば幸いです♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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