ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?おすすめ銘柄3選

ユースケ
ユースケ

こんばんは。ユースケです。

僕の自己紹介:経歴9年の現役バーテンダー。ウイスキー文化研究所認定「ウイスキーエキスパート」。JSA認定「ソムリエ」。

この記事ではウイスキーの瓶詰め業者「ボトラーズ」について、わかりやすく解説いたします。
ボトラーズと、オフィシャルボトルとの違いを説明。さらには人気のあるボトラーズのウイスキーを5つご紹介いたします。ボトラーズ会社のウイスキーにご興味のある方は必見の内容になっています。
主にスコッチウイスキーで多く取り扱われているのが「ボトラーズ商品」です。ボトラーズには蒸留所が直接販売する「オフィシャル」とはまた違った魅力があります。ボトラーズの魅力についても記載していますので、ボトラーズ商品を飲む機会があったときには今回の記事をぜひ参考にしてみて下さい。

 

ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?

ボトラーズとは: インディペンデント・ボトラーズ(独立瓶詰業者)が正式な名称。独自にウイスキーを買い付け、ブレンドやボトリングをする会社のこと。

例:マッカラン蒸留所が自社のウイスキーをボトリングしたも
→オフィシャル・マッカラン(オフィシャルボトル)
ボトラーズ会社がマッカラン蒸留所から原酒を購入。その原酒をボトリングしたもの
→ボトラーズ・マッカラン(ボトラーズ商品)

 

ユースケ
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ボトラーズと対称になるのが「オフィシャル」です。オフィシャルとは、蒸留所(オーナー)が公式に販売するウイスキーのことを言います。

ボトラーズは蒸留所(または、蒸留所から樽を買い付けているウイスキーブローカー)から樽を買い付け、その原酒を独自にブレンド・熟成・ボトリングなどを行って商品化します。

イギリス以外に会社があるボトラーズの場合、熟成庫を保有していないところが多いため、ウイスキーの買い付けて、すぐにボトリングを依頼するのが一般的です。
熟成庫を所有しているボトラーズ会社は、蒸留所から樽を運び出しすぐにボトリングする場合と、自社のエージングセラーで熟成をさせて、理想のウイスキーに育て上げることもあります。

もともと蒸留所は、ブレンデッドウイスキーの原酒用としてボトラーズにウイスキーを売っていました。しかし、1900年頃にシングルモルトの人気が高まってきます。ウイスキーをブレンドするわけではなく、シングルモルトとしてそのままボトリングする形で商品を作り始めたボトラーズ会社が出てきました。それが有名な「ゴードン&マクファイル社」(G&M社)です。

当時のボトラーズは、ウイスキーの樽を買い付けたら、ブレンドして売るのが常識でした。そのため、G&M社は同業者から笑いものにされていたそうです。
しかし、G&M社はシングルモルト・シングルカスクの可能性を信じて、様々な蒸留所からウイスキーを購入していきました。独自に樽を用意して、ウイスキー原酒を詰め替えるなどのオリジナル製もだしていき、販売されたウイスキーは徐々に人気が出始めました。
G&M社の新たなボトリングスタイルが話題になったことで、他のボトラーズ会社もG&M社の真似をするようになり、シングルモルトのボトリングが普通に行われるようになっていきました。

現在はスコットランドだけでなく、世界中にボトラーズ会社が存在しています。オフィシャル製品よりも、毎年新しくリリースされるボトラーズ商品のほうが銘柄数は多くなっています。

ゴードン&マクファイル

 

ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?ボトラーズとオフィシャルの違い

ボトラーズとオフィシャルの違いについて、比べながらそれぞれ解説していきます。

個性

ボトラーズではオフィシャルと違う、個性的なウイスキーを味わえる。

オフィシャルはブランドのイメージがある為、ウイスキーの個性を一定に保つ必要があります。
例えば「ラフロイグ」ならしっかりとピーティーに作りますし、日本の「山崎」ならノンピーテッドでクセがなく、甘い味わいが特徴です。味わいが変わらないように作っているのです。

ボトラーズは、オフィシャルのように蒸留所のブランドイメージを特に守る必要がないので、オフィシャルでは味わえない、特別な個性のウイスキーを販売することができます。ウイスキーの個性は蒸留所の違いだけではなく、熟成樽や熟成期間によっても変わることを、ボトラーズ商品は教えてくれるのです。
ボトラーズ商品ならば、「ラフロイグ」でもピーティーな風味が若干落ち着いたものがあったり、「山崎」なら、オフィシャルでは絶対にありえない、スモーキーでドライな味わいのものなどが、ボトラーズでは存在することになります。

 

オフィシャルは安定。ボトラーズは一期一会。

オフィシャルでは数百種類の原酒をブレンドして、常に一定の味わいに調整した、理想のウイスキーを完成させます。それには様々な種類の樽と、熟成年数の異なる樽が使用されています。構成原酒(樽)が多ければ多いほど、ブレンドが難しくなるイメージがありますが、実は逆なのです。原酒の数が多ければ多いほど、ブレンドしたときの安定感や増し、完成させたいウイスキーの味わいに近づけることが楽になります。

ボトラーズの場合は、ブレンデッドウイスキーでない限り、多くの種類の樽を使うことはありません。一番多いパターンは「シングルカスク」です。文字通り、一樽からのボトリングをします。合わせる場合でも、同じ仕込み日・同じ種類の樽を使うことが多く、合わせる数も2,3樽というのが一般的です。つまりボトラーズは、樽それぞれの個性を強く感じられる商品を作っているのです。そのため、一度きりのリリースで、売切れたら再販売がされることのない「一期一会」のボトルがほとんどとなります。同じ味わいのウイスキーを再現させるという前提がない訳です。

 

流通量(ボトリング本数)

オフィシャルは大量。ボトラーズは超少量。

オフィシャルは常に大量に商品を流通させている為、酒屋に行けば大体あります。

ボトラーズは限定的なリリースの場合がほとんどで、その場合はボトリング本数が圧倒的に少ないです。バーボンカスクなどのように容量が小さく、なおかつ長期熟成の樽(エンゼルズシェアでウイスキーが揮発する)なら、150本程度しかボトリングできない場合もあります。そのような商品は、再リリースもされないことから「早い者勝ち」になるのです。ウイスキーに限定性・貴重性が生まれるのもボトラーズ商品の魅力の一つですね。

 

アルコール度数

ボトラーズはカスクストレングスが多い。

オフィシャルはアルコール度数40~46%くらいに調整されています。アルコール度数が強すぎると、香りを感じにくいこともありますし、「一般の人」が飲むことを想定して作られるオフィシャルでは、アルコールの刺激も優しくなっています。

ボトラーズでは、オフィシャルのように調整される場合もありますが、カスクストレングス(樽から出された、無加水のアルコール度数)でのボトリングが多い傾向にあります。ボトラーズ商品は、各蒸留所で作られたウイスキーとその樽の個性を、しっかりと表現したものが多いため、加水が一切行われていない商品が存在します。アルコール度数の違いは、香りや味わいにも影響を与えるため、「ウイスキーマニア」にとっては不要な加水は好ましくないということです。

ユースケ
ユースケ

個人的な意見…

ウイスキーの加水は自分の手でやればいいのです。すべてのウイスキーが、カスクストレングスになればいいのに(笑)

 

ラベルデザイン

ボトラーズのほうが個性的なものが多い。

オフィシャルはデザイン変更がない限り、ラインナップは統一性をもったラベルデザインであることが多いです。年数表記によって少し変わるくらいでしょうか。そのほうがお店やバーで、お目当てのウイスキーを探しやすいですよね。

ボトラーズの場合は、各社が「シリーズ化」している商品については、ラベルデザインに統一性があったり、ほぼ変わらない物になっています。しかし、シリーズ化がされていない、単発商品の場合はそれぞれが全く異なるデザインです。ウイスキーの個性と同じく、ボトラーズやそのシリーズによって大きくデザインが変わっていきます。蒸留所名が見えづらいボトルなんかは、ウイスキーのボトルだとわからないくらい、個性的なアーティスティックなラベルの商品も存在しています。

ユースケ
ユースケ

ボトラーズのほうが、ラベルデザインに対しての意識が高いと思います。

 

ラベル記載

ボトラーズはウイスキーの情報が詳細に記載されているものが多い。

オフィシャルでは「銘柄名」「熟成年数」「生産地」の表記が一般的です。中身のウイスキーの「情報」は明確に記載していません。

ボトラーズはオフィシャルと比べると、ウイスキーの情報をしっかり記載しています。これは商品によってかなり差があります。中には情報の記載がほとんどないボトラーズ商品もあります。シグナトリー社の「アンチルフィルタードコレクション」はかなり明確な記載をしているシリーズです。熟成年数はもちろん、蒸留した年月日、ボトリングした年月日、熟成樽のタイプ、カスクナンバー、ボトリングナンバーまで明記されています。ボトラーズ商品は飲んでみるまで味が分からない、多少なりの「博打」的な要素があるだけに、情報の記載は購入者に安心を与えるために必要なのです。

オフィシャルをつくる蒸留所では、自社ブランドのイメージを守る為に、ボトラーズ会社にウイスキーを売っても、蒸留所名を付けさせない場合が増えてきています。または、ほんの少しだけ他の蒸留所でつくった原酒を混ぜて、シングルモルトと名乗らせれないようにしたものをボトラーズに売ることもあります。

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ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?おすすめ銘柄3選

ボトラーズのウイスキーを3つご紹介します。
製品の性質上、すでに売切れ・終売の場合もございます。

ウィリアム ケイデンヘッド 12年

アルコール度数:46度 4700円 (アマゾン表記は「ブレンデッドモルト」になっていますが、それは間違いです。ブレンデッドウイスキーです。)
スコッチ最古のボトラーズと呼ばれている「ウィリアム・ケイデンヘッド」のブレンデッドウイスキーです。
モルトウイスキー65%、グレーンウイスキー35%を合わせ、シェリー樽で1年間のマリッジ(後熟)をしています。
シェリーの風味がしっかりでているので、他のブレンデッドにはないボリュームがあります。

スモーキング・アイラ ブレンデッドモルト (ブラックアダー)

アルコール度数:60.6度 12400円
ブラックアダー・インターナショナル社はシングルカスク、無冷却濾過、無着色にこだわりを持つボトラーズです。
このシリーズも基本のこだわりを守っているウイスキーです。
蒸留所は非公開になっていますが、アイラ島のスモーキーな原酒を使用していることはわかります。
スモーキーで柑橘。アルコール度数の割に喉ごしが良い所は、「ブラックアダーだな」と思ってしまう特徴です。

ビッグスモーク 60 (ダンカンテイラー)

アルコール度数:60度 6400円
有名ボトラーズの「ダンカンテイラー」が作る、ブレンデッドモルトウイスキーです。
この商品は60度と、加水調整された46度があります。
スモーキーでパワフルに焚き火。ややスパイシーにも感じられます。
ほぼカスクストレングスと言っていい商品です。その割にはお手頃価格ですね。

 

まとめ

ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?
→独自にウイスキーを買い付け、ブレンドやボトリングをする会社のこと。
ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?ボトラーズとオフィシャルの違い
→個性、樽、流通量、アルコール度数、ラベルデザイン、ラベル記載
ウイスキー初心者向け講座 ボトラーズとは?おすすめ銘柄3選
→ウィリアム ケイデンヘッド12年、スモーキング・アイラ ブレンデッドモルト (ブラックアダー)、ビッグスモーク 60 (ダンカンテイラー)

 

 

ボトラーズ会社のリリースする商品は、ウイスキーブームによって増加傾向にあります。また、最近では一部のボトラーズ会社が、ウイスキーの生産に携わるようになっています。
これからも、オフィシャルとは違う形で、ウイスキーの魅力を発信し続けてくれことでしょう。既存の蒸留所だけではなく、ボトラーズ会社の動向にも目が離せませんね。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、また。

 

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