ウイスキー用語 「は」
ハート
モルトウイスキーの最後の蒸留(2回目および3回目)で、ウイスキーの熟成にまわす用の蒸留液のこと。「本留」または「ミドルカット」とも言う。ハートの見極めこそが蒸留過程でもっとも重要な作業である。蒸留についての詳しい説明はこちら。
バーボンウイスキー
アメリカンウイスキーの一種。トウモロコシを51%以上原料として使い、内側を真っ黒に焦がした新樽で熟成させて作る。
バーボンバレル
アメリカンホワイトオークで作られたバーボン樽のこと。容量180~200リットル。内側を焦がした新樽。
バレル
バーボンウイスキーに使われる樽の名前。「バーボンバレル」、「バーボン樽」とも呼ぶ。バーボンで使用されてあとは、スコッチウイスキーなどに再利用される。世界中で最も流通している蒸留酒用の樽といえる。
ハイボール
ウイスキーを炭酸で割って作ったカクテルのこと。海外では「ウイスキー&ソーダ」と呼ばれる。カクテル用語では、炭酸飲料でつくるカクテルスタイルのことを「○○ハイボール」とも表現することもある。
ハイランド
スコットランドの北部地方のこと。スコットランドの文化はハイランド地方で生まれたものが多い。ハイランドは広域なので、ウイスキーの世界ではさらに東西南北に分けて、蒸留所の区部をすることもある。
バッテッドモルトウイスキー (ブレンデッドモルトウイスキー)
異なる蒸留所でつくられたモルトウイスキー同士をブレンドしたもの。樽(バット)と樽をあわせたウイスキーなので、そう呼ばれている。現在では「ブレンデッド・モルトウイスキー」と呼ぶのが一般的になった。
パテントスチル
グレーンウイスキーの製造に使用する連続式式蒸留器のこと。1831年に「イーニアス・コフィ」がパテント(特許)をとったことからこのように呼ばれている。
麦芽
モルトウイスキーやビールの原料。大麦麦芽(モルト)のこと。大麦を発芽させ、ピートなどの熱風で乾燥させて作る。麦芽にすることで糖化酵素が生まれる。
発酵
ウイスキー用語ではアルコール発酵のこと。糖化させたモロミにイースト菌をいれて発酵させる。イースト菌がモロミ液の中の糖分をたべて、アルコールと炭酸ガスになるのがアルコール発酵である。
パラタイズ式
パレットと呼ばれる板の上に樽を縦に並べて熟成さえる熟成方法。アイリッシュ、カナディアン、スコッチやジャパニーズのグレーンウイスキーおよび、一部のモルトウイスキーにも採用されている。ダンネージ式やラック式にくらべ効率良くスペースを活用できるのが利点だが、液漏れしやすいという欠点がある。
パンチョン
熟成樽のサイズの一種。容量480~500リットル。シェリーバットに比べて胴体がずんぐりしているのが特徴。
ウイスキー用語 「ひ」
ビアスチル
バーボンで使われる1塔式の連続式蒸留器のこと。
ピート
泥炭(でいたん)のこと。大麦麦芽を作るときに使われる燃料であり、ウイスキーのスモーキーな香りづけに必要な素材でもある。ピートはスコットランドのほか、世界中に存在しているが、その中でもアイラ島産のピートは香りが強く、独特な風味をもたらす。
ピュアモルト・ウイスキー
原料を大麦麦芽のみで作ったウイスキーのこと。シングルモルトウイスキーや、ブレンデッドモルトウイスキーのことをさす。
ピュア・ポットスチル・ウイスキー
伝統的に作られていた、アイリッシュウイスキーの一種。「シングルポットスチルウイスキー」とも呼ばれる。5種類の穀物を混ぜて糖化・発酵させて蒸留する。
ピュアリファイアー
精留器のこと。ポットスチルと冷却装置を結ぶ、ラインアームの中間に取り付けられている。補助的な冷却装置であり、還流を促すことで純度の高いアルコールを生み出すことができる。精留器は蒸留所ごとに設置の有無が分かれている。
ウイスキー用語 「ふ」
フェノール値
ピート燻煙を由来とするフェノール化合物のこと。この数値が高ければ、モルトにスモーキーなフレーバーが強く付与されていることになり、蒸留したウイスキーはピーティーでクセの強いものとなる。単位は「ppm」。
フェインツ
二回目の蒸留所際に、最後のほうにでてくる留液のこと。アルコール度数が低く、不快な香りをもっているため熟成用にはまわさない。ローワインに混ぜて次の蒸留に使用する。「テール」、「後留液」とも言う。
フォアショッツ
二回目の蒸留所際に、最初のほうにでてくる留液のこと。アルコール度数が高く、不純物が多いため熟成用にはまわさない。ローワインに混ぜて次の蒸留に使用する。「ヘッズ」、「前留液」とも言う。
プルーフ
「証拠、立証」という意味だが、ウイスキー用語ではアルコールの濃度を表す単位としての意味を表す。英国プルーフと米国プルーフがあり、それぞれ単位が異なる。
英国は1プルーフに対して0.571をかける。(例:80プルーフ×0.571=45.68 アルコール度数は45.7度)
米国プルーフは1プルーフに対して0.5をかける。(例:80プルーフ×0.5=40 アルコール度数40%)
ブレンダー
ウイスキーの原酒をブレンドして、製品をつくる職人のこと。ブレンダーは既存製品のブレンドと、新商品の開発が主な仕事である。一日に数百種類ものウイスキー原酒の個性を、ノージングだけで見極めることができるという。ブレンダーはまさに神業である。
ブレンデッドウイスキー
異なる種類のウイスキーをブレンドして作ったウイスキーのこと。スコッチウイスキーでは、グレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンドしたもののことを言う。ブレンデッドウイスキーの詳しい解説はこちら。
フロアモルティング
スコッチで伝統的に行われている製麦作業のこと。水を吸わせた大麦を、均一に発芽させる為に床一面にまいて空気を吸わせる。定期的に「モルトマン」と呼ばれる職人が、シャベルを使って攪拌させる。非常に重労働な上に、現在はフロアモルティングのできる職人も少ないため、ほとんどの蒸留所でこの作業は行っていない。
ウイスキー用語 「へ」
ヘビリーピーテッド
ピートの風味が強くついたもののこと。「ヘビリーピーテド麦芽」、「ヘビリーピーテッドウイスキー」などと使われることがある。最近はクセの強いウイスキーの人気が高いため、この言葉が使われることが多くなっている。
ウイスキー用語 「ほ」
ホイートウイスキー (ウィートウイスキー)
アメリカンウイスキーの一種。原料の51%以上がホイート(小麦)で作られたウイスキーのこと。生産量は少ない。
ホワイトオーク
ウイスキーの熟成樽に使われる木材の種類。日本語なら「かしの木」とも訳すことができるが、基本的には「ナラの木」のこと。ホワイトオークにも品種がたくさんある。採取された土地の違いで、それぞれの特性を持つオーク樽が作られる。
ホワイトドック
アメリカンウイスキーで使われる言葉で、蒸留した直後の熟成させる前のウイスキーのこと。「ホワイトウイスキー」や「ムーンシャイン」とも呼ばれる。スコッチでいう「ニューポット」のこと。アルコール度数が強く、トウモロコシの風味を感じる。
ボトラーズ
独自にウイスキーを買い付け、ブレンドやボトリングをする会社のこと。インディペンデント・ボトラーズ(独立瓶詰業者)ともいい、そこから「ボトラーズ」と言われるようになった。「ボトラーズ」と言う呼び名は、「オフィシャル」とよばれる蒸留所が直接瓶詰・販売をしているものと区別するためつかわれることが多い。
ボトリング
ウイスキーを瓶に詰めること。
ホグスヘッド
バーボン樽を解体し、側面を増やして組みなおしを行いサイズを大きくした樽のこと。容量は約250リットル。ホグスヘッド「豚の頭」と名付けられているのは、ウイスキーを詰めた樽が豚一頭分の重さだったことから。
ポットエール
初留で蒸留後に残った廃液。「スペントウォッシュ」「バーンとエール」とも言う。
ポットスチル
銅製の単式蒸留器。モルトウイスキーの蒸留に使用する。