【ブレンデッドウイスキーレビュー】バランタイン17年を評価

ユースケ
ユースケ

こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

ウイスキー好きなら、一度は飲んだことがあるかもしれない「バランタイン17年」。

長い歴史を持つバランタインを代表するプレミアムブレンデッドで、17年以上熟成したモルトとグレーンをブレンドして造られています。

個人的にも昔から知っている銘柄なのですが、なぜかこれまで本格的にテイスティングしていませんでした(笑)。

そこで今回は、改めて「バランタイン17年」をじっくり飲んでみることに。

実際に飲んでみると、想像していた以上に香りは複雑で、味わいにも17年熟成らしい柔らかさがあります。さらに、加水してもバランスが崩れないのが面白いところ。

今回は、そんな「バランタイン17年」の魅力を、実際のテイスティングをもとに詳しく紹介します。

 

バランタイン(Ballantine’s)とは?

バランタインは、スコットランドを代表するブレンデッドスコッチウイスキーブランドの一つです。現在はフランスの酒類大手ペルノ・リカール(Pernod Ricard)傘下で、世界各国に展開されています。

ブランド名の由来は創業者ジョージ・バランタイン(George Ballantine)です。1827年、19歳だった彼はスコットランドのエディンバラに食料品店を開業。紅茶やワイン、ウイスキーなどを扱いながら事業を拡大し、やがてウイスキーの卸売とブレンドにも力を注ぐようになりました。

バランタインの特徴は、個性的なモルト原酒だけを前面に出すのではなく、複数のモルトウイスキーとグレーンウイスキーを組み合わせ、果実味、麦芽の甘さ、樽由来の風味、なめらかな口当たりを一つにまとめる点にあります。

日本では、バランタイン ファイネスト、バレルスムース、7年、10年、マスターズ、17年、21年、30年など、幅広いラインナップが展開されています。

ブランドの起源と歴史

バランタインの歴史は1827年、ジョージ・バランタインがエディンバラに食料品店を開いたことから始まります。

その後、店舗を移転しながら事業を拡大し、上流階級の顧客にも高級ウイスキーを販売するようになります。1850年代にはモルトウイスキーとグレーンウイスキーを組み合わせるブレンデッドスコッチの製造にも取り組み、1869年にはグラスゴーへ移転。ウイスキーの卸売とブレンド事業に注力しました。

1895年にはヴィクトリア女王から王室御用達の称号を授与されています。1910年には、現在もブランドを代表する「バランタイン ファイネスト」が発売されました。

その後、バランタインは創業家の手を離れ、複数の企業による買収を経て現在のペルノ・リカール傘下へと移っています。

所有企業の変遷

  • 1827年:ジョージ・バランタインがエディンバラで食料品店を開業
  • 1919年:バランタイン家が事業を譲渡
  • 1935年:ハイラム・ウォーカー(Hiram Walker)が取得
  • 1987年:アライド・ライオンズ(Allied Lyons)がハイラム・ウォーカーを取得
  • 1994年:アライド・ドメック(Allied Domecq)が発足
  • 2005年:ペルノ・リカールがアライド・ドメックを買収
  • 現在:ペルノ・リカール傘下で展開

長い歴史のなかで所有企業は変化しましたが、ブレンデッドスコッチとしてのバランタインのスタイルは現在まで受け継がれています。

バランタイン17年とは?

バランタイン17年(Ballantine’s 17 Years Old)は、1937年に誕生したプレミアム・ブレンデッドスコッチです。現在もバランタインを代表する上位レンジの一つとして知られています。

スコットランド各地から選ばれたモルトウイスキーとグレーンウイスキーを組み合わせて造られており、使用される原酒はすべて17年以上熟成されています。

「17年」という表示は、ブレンドに使用される原酒の中で最も若いものが17年以上熟成していることを意味します。17年を超える原酒が含まれることもありますが、具体的な熟成年数や使用比率は公開されていません。

長期熟成によってアルコールの刺激は穏やかになり、モルト由来の果実味や甘さ、グレーン由来のなめらかな質感、樽由来のバニラやスパイスなどが調和します。

「The Scotch(ザ・スコッチ)」という呼称でも知られていますが、これは公式の酒類分類ではなく、ブランドを象徴する表現です。

基本スペック

項目 内容
製品名 バランタイン17年(Ballantine’s 17 Years Old)
分類 ブレンデッドスコッチウイスキー
発売年 1937年
熟成年数 17年以上
構成 モルトウイスキーとグレーンウイスキー
容量 700ml
アルコール度数 40%

バランタイン17年のキーモルト

バランタイン17年には、スコットランド各地の数十種類のモルト原酒とグレーン原酒が使用されています。

代表的なキーモルトとして知られているのが、スキャパ、ミルトンダフ、グレンバーギー、グレントファーズです。

ただし、蒸留所ごとの使用比率やモルトとグレーンの具体的な配合、個々の原酒の熟成年数などは公開されていません。そのため、以下の蒸留所はバランタイン17年を理解するうえで重要な構成原酒として捉えるのが適切です。

スキャパ蒸溜所(Scapa Distillery):オークニー諸島に位置する蒸溜所。ローモンドスチルを使用し、軽やかさの中に複雑さを備えた原酒を生産しています。バランタイン17年では、ブレンドに奥行きを与えるキーモルトの一つとして知られています。

ミルトンダフ蒸溜所(Miltonduff Distillery):スペイサイドのエルギン近郊にある蒸溜所です。フルーティーな香りと甘さを備えた原酒を生産し、バランタインのブレンドを支える主要なモルトの一つとされています。

グレンバーギー蒸溜所(Glenburgie Distillery):スペイサイドに位置する蒸溜所で、1810年創業の長い歴史を持ちます。生産される原酒の多くがバランタインの構成原酒に使用されており、華やかな果実味やなめらかな酒質を支える重要な存在です。

グレントファーズ蒸溜所(Glentauchers Distillery):スペイサイドのキース近郊にある蒸溜所です。豊かな味わいと甘美な余韻を持つ原酒を生産し、バランタインのブレンドに華やかさや奥行きを与える存在とされています。

バランタイン17年の樽熟成と味わい

バランタイン17年については、樽の種類ごとの使用比率や蒸留所ごとの構成比、フィニッシュの有無など、詳細なレシピは公開されていません。

そのため、「シェリー樽が主体」「アメリカンオーク樽のみ」といった具体的な構成を断定することはできません。

味わいとしては、濃厚な樽香や強いピートを押し出すタイプではなく、長期熟成によって生まれる複雑さと調和が魅力です。

蜂蜜を思わせる甘さ、熟した果実、バニラやオークのニュアンスに加え、穏やかなスモーキーさも感じられます。複数の原酒が互いの個性を補い合うことで、クリーミーでなめらかな口当たりに仕上がっています。

個性的な原酒を楽しむというより、異なる原酒が一つの味わいへとまとまった「完成度」を楽しむウイスキーといえるでしょう。

トリビュートリリースとの違い

バランタイン17年には、通常品とは別に「バランタイン17年 トリビュートリリース(Ballantine’s 17 Year Old Tribute Release)」があります。

どちらも17年熟成ですが、通常品がアルコール度数40%なのに対し、トリビュートリリースは48%でボトリングされています。

名称が似ているため、購入やテイスティングの際には注意が必要です。特に、ボトルの名称とアルコール度数を確認しておくと、両者を区別しやすくなります。

バランタインの主なラインナップ

  • バランタイン ファイネスト:ブランドを代表するスタンダードなブレンデッドスコッチ
  • バランタイン バレルスムース:クリーミーな口当たりと樽由来の甘さが特徴
【あす楽】 バランタイン バレルスムース 40度 700ml 正規 shibazaki_BLFBFM whisky_YBBS
  • バランタイン7年:7年以上熟成した原酒を使用
  • バランタイン17年:17年以上熟成した原酒をブレンドしたプレミアムレンジ
  • バランタイン17年 トリビュートリリース:48%でボトリングされた17年熟成の別仕様
  • バランタイン21年:21年以上熟成した原酒を使用する上位レンジ
  • バランタイン30年:30年以上熟成した原酒を使用する長期熟成レンジ

【ブレンデッドウイスキーレビュー】バランタイン17年を評価

バランタイン17年 Ballantine’s 17 Year Old

  • ブレンデッドスコッチウイスキー
  • 40% 700ml
  • 抜栓時期:2024年1月
  • テイスティング時期:2026年8月
  • whiskybaseでの評価:81.76/100
  • 楽天市場価格[2026年8月]:6,300円
  • Amazon価格[2026年8月]:6,452円

香り

オレンジ、カスタードクリーム、レモングラス、クランベリー、レーズン、ドライアップル。そこに松脂、シナモン、カルダモン、白い花、ラズベリー、キャラメル、アーモンド。

ブレンデッドウイスキーらしい軽やかさがありながら、香りの層は意外なほど豊か。甘さ、フルーティーさ、スパイス、樽香が複雑に絡み合います。

加水すると、モルトの香ばしさに清涼飲料水のような爽やかさが加わり、ラベンダー、はちみつ、レモンバーム、エルダーフラワーといった、より柔らかく華やかな香りが現れます。

味わい

なめらかな口当たりで、フレーバーは優しく、繊細に広がっていきます。

洋梨やリンゴを思わせるフルーティーな甘さから、ソフトなスパイス、花束のようなフローラルな香り、そして樽香へ。ボディはミディアムですが、決して軽すぎる印象はありません。

徐々にドライな方向へ変化し、後半になると味わいが引き締まってきます。フィニッシュでは焦がしたキャラメルや、コニャックを思わせる果実香が残り、その奥にかすかなピートのニュアンス。最後は少しビターに。

加水すると甘さが増し、よりクリーミーな口当たりに。味わいのバランスが崩れることもなく、むしろ全体がきれいにまとまります。

評価

「バランタイン17年」の評価としては、「これが17年熟成の実力!6,000円台で買えるブレンデッドスコッチとして完成度の高い一本」です。

これまで数々のウイスキーをテイスティングしてきましたが、うっかり?忘れていたのが、この「バランタイン17年」。説明不要の有名ブレンデッドウイスキーなのに、そういえばまだちゃんと評価していなかった(笑)。

結論から言えば、期待通りの高品質な香りと味わい。さすがはブレンデッドスコッチの銘酒だなぁ、というのが第一印象でした。

ブレンデッドウイスキーでありながら、香りのボリュームや複雑さはかなりしっかりしています。場合によっては、シングルモルトと並べても引けを取らないほど。いろいろな原酒を組み合わせることで、単一の蒸溜所では出しにくい複雑な表情をつくり上げています。

味わいも秀逸です。17年熟成の原酒を使用しているだけあって、口当たりは非常にソフト。それでいて、単に「飲みやすい」だけではなく、ブレンデッドウイスキーとしての骨格もしっかり感じられます。中盤からフィニッシュにかけての変化も魅力的。最初は甘く、そこから徐々にドライになり、最後は上品なビターさへと落ち着いていきます。

まさに、これぞブレンデッドスコッチの王道。

飲みやすさがあるので日々の晩酌にも向いていますが、BARでじっくり向き合っても十分に楽しめる。本格的で重厚な味わいも備えているため、カジュアルなシーンから落ち着いた一杯まで、幅広く対応できるウイスキーだと思います。

そして、個人的に最も印象的だったのが「加水への強さ」。トワイスアップ程度まで加水しても、味わいが全く衰えません。むしろ、40%のストレートよりも心地よく感じる部分すらあります。

ハイボールや水割りにしても個性が失われにくく、加水したことで「もったいない」と感じさせない。原酒の複雑さと柔らかな酒質が、しっかりと残ります。これほどのクオリティで6,000円台というのも、正直言って反則クラスでしょう(笑)。

10年ほど前は4,000円台で購入できたので、当時からすでに価格破壊気味でした。それが原酒価格や輸送費など、さまざまなコストが上昇している現在でも6,000円台。17年以上の熟成原酒を使ったウイスキーとして考えると、かなり安いと感じます。

では、なぜここまで価格を抑えられるのでしょうか。

ここからはあくまで私の考察ですが、ひとつの可能性として考えられるのが「グレーン原酒の比率」です。バランタイン17年は、キーモルトとして使用される原酒についてはある程度情報が公開されていますが、モルトとグレーンの具体的な構成比率までは明らかにされていません。

もちろん17年熟成ということもあり、ラインナップの中では明確に上位クラスです。それでも6,000円台で販売できることを考えると、モルト原酒の比率は私たちが想像するほど高くないのかもしれません。一般論として、グレーンウイスキーはモルトウイスキーよりも効率よく生産できるため、構成原酒に占めるグレーンの割合が高ければ、そのぶんコストを抑えやすくなります。

もちろん、バランタイン17年の具体的な比率が公表されているわけではないので、これはあくまでも価格から考えた一つの推測です。

同じような熟成年数のブレンデッドスコッチとして比較するなら、「シーバスリーガル18年」が近い存在でしょう。こちらは7,000円台後半が相場で、バランタイン17年より少し高めです。この価格差から、あくまで予想ですが、シーバスリーガルのほうがモルト原酒の比率がやや高いのかもしれません。

さらに18年熟成まで広げると、「デュワーズ18年」もあります。こちらは安くても12,000円以上、平均すると13,000円前後。バランタイン17年の約2倍。ここまで価格が違ってくれば、味わいにも当然違いが出てきます。デュワーズ18年はよりリッチで、高級感のある仕上がりです。

デュワーズ18年についてもモルトとグレーンの具体的な構成比率は公開されていませんが、独自の「ダブルエイジ製法(二段階熟成)」を採用しているため、一般的なブレンデッドウイスキーよりも製造コストが高くなっている可能性があります。そうした製法上の違いも、価格差の一因になっているのでしょう。

少し話がそれましたが、いずれにしても6,000円台という価格帯のブレンデッドウイスキーとして、バランタイン17年は非常に優れたパフォーマンスを発揮しています。その実力は、長年にわたって世界中で評価されてきた名声通り、といったところでしょうか。

スコッチには数多くの有名銘柄がありますが、現在では17年前後の熟成年数を設定したブレンデッドウイスキーは決して多くありません。そんな中で、17年熟成ならではの柔らかさと複雑さをしっかり楽しめるバランタイン17年は、今飲んでも満足度の高い一本だと思います。

飲み方については、ストレートだけにこだわる必要はありません。

個人的には、炭酸を入れるよりもロックや水割りがおすすめです。原酒由来の複雑で豊かな香りと、17年熟成ならではの柔らかな酒質を、ゆっくりと楽しむのに適しています。特に加水してもバランスが崩れないのは、このウイスキーの大きな魅力。飲み方を変えながら、その表情の変化を楽しんではいかがでしょうか。

 

「バランタイン17年」は、派手さで勝負するタイプのウイスキーではありません。

いろいろな原酒を組み合わせ、それぞれの個性を一つの味わいにまとめる。その結果として生まれる、香りの複雑さや口当たりの柔らかさ、そして飲み進めるごとに変化する味わいが魅力です。

17年熟成というスペックを考えれば、現在の価格はかなり頑張っていると思います。もちろん価格は今後変わる可能性がありますが、6,000円台で見つけたら、かなり狙い目の一本でしょう。

ブレンデッドスコッチウイスキー「バランタイン17年」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

【お酒に関するご注意】
年齢確認: お酒は20歳を過ぎてから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
健康への配慮: 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
適正飲酒: お酒は楽しく適量を。飲酒運転は法律で厳しく禁止されています。
マナー: 飲酒後は節度ある行動を心がけましょう。

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