
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
南アルプスの清らかな自然に抱かれ、「森の蒸溜所」と称されるサントリー白州蒸溜所。ここで生まれるシングルモルトウイスキーは、ジャパニーズウイスキーの中でも特に爽やかで清涼感のある個性を持ち、国内外のウイスキーファンから高い評価を受けています。
なかでも「白州12年」は、ノンエイジボトルとは一線を画す熟成感と奥行きのある味わいで、ストレートやロックで味わうと、青りんごや洋梨を思わせるフルーティーさが豊かに広がります。
この記事では、そんな「白州12年」の魅力を余すことなく解説し、香味の特徴やおすすめの飲み方、ボトルの評価まで詳しくご紹介します。
サントリー白州蒸溜所とは?
オーナー企業:サントリー(サントリーホールディングス)
創業年(蒸留開始年):1973年
仕込水:南アルプス甲斐駒ヶ岳水系の花崗岩を通った地下水(硬度約30 軟水)
麦芽のフェノール値:0~40ppm
モルティング:有り
モルトミル:4本ローラーミル(ポーティアス製)
ワンバッチ麦芽仕込量:10~18トン
糖化槽(マッシュタン):ステンレス・フルロイタータン(三宅製作所製)
イースト菌/添加量:ディスティラーズ酵母、ブリュワーズ酵母
発酵槽(ウォッシュバック):オレゴンパイン×18基/約7万5,000リットル(約5万5,000リットル)グレーンウイスキー用のステンレス製ファーメンター×6基。
初留器:ストレート型×5基、ランタン型×3基(マクミラン製・三宅製作所製)ガス直火 計8基
初留器の冷却装置:シェル&チューブ×7基、ワームタブ×1基
再留器:ストレート型×6基、ランタン型×2基(三宅製作所製)スチーム加熱 計8基
再留器の冷却装置:シェル&チューブ
グレーンウイスキー蒸留器:フォーサイス製カフェ式2塔式連続式蒸留機×1セット
ウェアハウス(貯蔵庫):ラック式×18棟、ほか近江エージングセラー(19棟)など
見学:要予約
サントリー白州蒸溜所は、南アルプスの「森の蒸溜所」としてよく知られています。
山梨県北杜市白州町、南アルプス・甲斐駒ヶ岳の裾野に位置し、標高は約700メートル。東京ドーム約17個分に相当する825,000㎡の広大な敷地。そして、豊かな緑に包まれており、多様な野生動物が生息する自然豊かな環境です。
サントリーの第二の蒸溜所としての役割を果たすだけでなく、自然に調和したウイスキー造りを行っています。
【ジャパニーズウイスキーレビュー】白州12年を評価
白州12年 Hakushu 12-year-old
- 43% 700ml
- 抜栓時期:2025年6月
- テイスティング時期:2025年9月
- whiskybaseでの評価:85.35/100
- 希望小売価格: 16,500円(税込)
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白州12年とは?
「白州12年」は、白州蒸溜所の自然豊かな環境が生み出す「森のシングルモルト」を象徴する一本です。1994年に誕生した「最初の白州ブランド」であり、現在ではノンエイジボトルと並びブランドの中心を担っています。
その特徴は、爽やかな青りんごや洋梨を思わせるフルーティーさに、清涼感のあるハーバルなニュアンス、さらに程よいピートスモークが溶け合ったバランス感。加水しても崩れない構成力をもち、「甘くスッキリ」した飲みやすさと、しっかりとした飲みごたえの両立が魅力となっています。
ボトル変遷
ピュアモルト表記(1994年~2004年頃)
「サントリーピュアモルトウイスキー」の表記があった時代。白地に金の縁取りが施されたラベルで、現行よりもやや大きめ。色合いは現在よりも濃く、シェリー樽や長期熟成原酒を多くブレンドしていたように思えます。
シングルモルト表記(2004年以降)
「ピュアモルト」から「シングルモルト」表記へ完全移行。獅子のエンブレムは一部のミニボトルにのみ残り、フルボトルからは無くなりました。現行品に近いデザインながら、味わいはより軽快でクリーンな方向へシフトチェンジしています。
休売と再発売(2018~2021年)
「白州12年」は、原酒不足の影響で2018年に休売が発表されました。これはジャパニーズウイスキー全体の需要急増に伴い、長期熟成原酒が確保できなかったためです。
その後、2021年3月に数量限定で再発売。ラベルが和紙素材に変更されるなどデザイン面に小さなリニューアルがありましたが、中身の味わいは従来通り。サントリーは生産設備への大規模投資を行い、段階的に供給体制を整えてきたことが背景にあります。
ただし生産量は「山崎12年」よりも少なく、再販からしばらくは入手困難でした。2025年現在は、流通量が以前よりも増えたことで、価格は「山崎12年」と変わらない水準にまで落ち着いています。
香り
青りんご、アプリコット、ドライアップル、ドライイチジク、バニラ、アップルパイ、スモモ、シナモン、ハチミツ。
加水するとフローラルでエステリー。ハンドソープ、マスカット、ラベンダー。
味わい
甘くてまろやか。ミディアムライトボディ。スムースでフルーティー。中盤以降は軽くスモーキ―。レモングラス、マドレーヌ、焼きリンゴ。フィニッシュにかけてはドライでスッキリとしています。余韻は中程度。
加水後はさらに飲みやすくなりますが、味わいに広がりを感じません。
評価
「白州12年」の評価としては、「独自の個性を持つスムースでアロマティックな1本!ハイボールよりストレートがおすすめ」です。
再販直後には「山崎12年」を上回るほどの高値で取引されていた「白州12年」ですが、現在では流通量が回復し、BAR業態でも安定して提供されるようになっています。12年以上の熟成原酒を使用していることから、若さ由来の尖りはなく、まろやかな質感が特徴。香りの複雑さや濃厚なフルーティーさは、やはりノンエイジの白州を一段上回る完成度を誇ります。
香りの第一印象はフルーティー。青りんごのような爽やかさに加え、ドライフルーツやキャンディーを思わせる、砂糖菓子と果実が溶け合ったような甘やかなアロマが広がります。ノージングの段階ではスモーキーさはほとんど感じられません。
一口飲むと、ノンエイジ白州よりもはるかになめらかで豊潤。バニラやハチミツといった熟成樽由来の風味がしっかりと感じられます。余韻にかけてはわずかにスモーキーさが現れますが、その存在感はノンエイジよりも穏やかです。
ノンエイジの白州も高い完成度を誇りますが、「白州12年」には一段上の深みがあります。スムースさに加えて、森を思わせるアロマティックな香りが広がり、飲むほどに複雑さが顔を出す。フレッシュハーブの爽快感と、熟成によるまろやかさが絶妙に溶け合い、モルトウイスキーとしてのバランスは見事と言うほかありません。ただ飲みやすいだけではなく、説明し尽くせない独自の個性を放っています。
「白州12年」に似たウイスキーを探すのは、なかなか簡単ではありません。スコッチではライトリーピーテッドのスタイル自体は珍しくありませんが、白州特有の風味を再現した銘柄はほとんど見当たりません。
唯一、ネット上で比較対象として挙げられるのが、ブレンデッドモルトウイスキーの「ジョニーウォーカー グリーンラベル15年」です。ピート感は「白州12年」よりやや強めですが、フレッシュなフルーツ香と樽香のバランスに共通点があります。
複数のモルト原酒を組み合わせて作られたこのブレンデッドモルトと、「白州12年」が似ているという点を考えると、単一蒸溜所のウイスキーでありながら、これほど複雑でバランスの取れた仕上がりを実現している「白州12年」の凄さに驚くばかりです。
一つ気になるのは、加水した際の味わい。アロマは心地よく開きますが、口に含むとやや弱まった印象を受けます。「加水に弱い」とまでは言えませんが、やはり「白州12年」はストレートで楽しむ方が、その魅力をより感じられます。
これはノンエイジ白州との大きな違いです。ノンエイジはハイボールにも向きますが、「白州12年」は加水よりも、ストレートやロックで楽しむ方が、熟成の深みと唯一無二の個性を堪能できると思います。
公式テイスティングノート↓
色 :明るい黄金色
香り : 若葉、青りんご、ジャスミン
味 : ふっくらとした甘み、クリーンな味わい
フィニッシュ : 甘く柔らかなスモーキーさ、キレがよい
「白州12年」は、森の恵みを感じさせるフルーティーさと、熟成によるまろやかさが絶妙に調和した一本です。ストレートやロックで味わうことで、その複雑さと唯一無二の個性を存分に楽しむことができます。
ノンエイジ白州がハイボールで親しまれる一方で、12年もの熟成を経たこのボトルは、より深い味わいを求める方にこそおすすめ。ジャパニーズシングルモルトの魅力を余すことなく体感できる「白州12年」は、ウイスキー好きならぜひ手元に置きたい一本です。
「白州12年」及び、サントリーウイスキーを飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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