こんばんは ユースケです。
自己紹介：BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中！
この記事では、サントリーの最高峰ブレンデッド「サントリーウイスキー響ジャパニーズハーモニー」のテイスティングレビューと、定価、価格、ボトル評価、「響」の構成原酒についても解説致します。
「サントリーウイスキー響ジャパニーズハーモニー」の味わいや、「響」ブランドを良く知りたい方におすすめの内容です。ぜひ最後までご覧ください。
サントリーウイスキー響とは？
サントリーウイスキー「響」は、ジャパニーズウイスキーの象徴的な存在として、国内外で高い評価を受けています。その希少性と洗練された味わいから、世界でも入手が難しいプレミアムブレンデッドウイスキーのひとつとなっています。
「響」の誕生秘話
サントリーは戦前から戦後にかけて、多くの革新的なウイスキーブランドを生み出してきました。特に1984年に発売されたシングルモルト「山崎12年」は、ジャパニーズウイスキーの品質を世界に知らしめる重要な作品となりました。二代目マスターブレンダーである佐治敬三は、この成功を基盤に、さらに高みを目指すべく「響」の開発を進めました。
1989年、サントリー創業90周年を記念し、佐治は稲富孝一に「サントリーの粋を結集したウイスキーを創りたい」という思いを託します。この熱意が原動力となり、「響」という名の傑作が誕生しました。
ボトルデザインに込められた美学
「響」の特徴的な24面カットのボトルは、日本の「24節気」や一日の「24時間」を表現しており、日本特有の季節の移ろいや時間の流れを象徴しています。このデザインは、ウイスキーが時間をかけて熟成するプロセスとも響き合い、サントリーの企業理念である「人と自然が共鳴する」という精神を体現しています。また、ラベルには和紙を採用し、日本文化の繊細さと美しさを強調しています。
構成原酒の多様性
「響」の最大の特徴は、ブレンド技術の高さ。サントリーが所有する山崎、白州、知多から生まれる数十種類の原酒が使用され、それぞれが絶妙な調和を奏でます。
モルト原酒: 山崎蒸溜所のフルーティーで甘美なモルトと、白州蒸溜所の軽やかでかすかにピートの効いた爽やかなモルト。
グレーン原酒: 知多蒸溜所の円熟したグレーンウイスキー。
「響」はラインナップごとに異なる熟成樽の原酒を用い、その多様性が大きな魅力。使用される熟成樽には、アメリカンホワイトオークやバーボン樽、スパニッシュオーク（シェリー樽）のようなオーソドックスなタイプから、ミズナラ樽、桜樽、梅酒樽、赤ワイン樽など、個性的な種類の樽も含まれます。これらの樽が生み出す個性豊かな風味が複雑で奥深い味わいを形成。
特に、梅酒樽で後熟させたモルトは、ほのかな甘さと独特の香りを加え、「響」ならではのユニークな味わいを際立たせています。
「響」は数十種類の原酒が絶妙なバランスでブレンドされており、この調和が特別な風味を形成。飲むたびに新たな発見があり、楽しみ方が尽きないウイスキーとして愛されています。
国際的評価と影響
House of Suntory International Spirits Challenge Awards 2023. Picture: DANNY LOO/CPG Media
サントリーウイスキー「響」は、調和と伝統が織りなす至宝のウイスキー。
これまでに「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」や「ワールド・ウイスキー・アワード」で複数回の金賞を受賞し、その品質が世界で認められています。特に「響12年」は、ヨーロッパ市場でジョニーウォーカーやシーバスリーガルといった名立たるブランドと肩を並べ、ジャパニーズウイスキーの新たな地位を確立しました。
「響」のラインナップ
響17年：1989年発売（2018年終売）
響50.5：2004年発売（17年物の無濾過無加水ボトル。2009年終売。）
響21年：1994年発売
響30年：1997年発売
響35年：2016年発売（インターネット限定販売。定価100万円）
響ジャパニーズハーモニー：2015年発売
響ブレンダーズチョイス：2018年発売
響ブロッサムハーモニー：2021年発売（数量限定）
響ディープハーモニー：2013年発売（ハーモニーシリーズ第1弾。BAR業態限定ボトル。）
響メロウハーモニー：2013年発売（ハーモニーシリーズ第２弾。限定ボトル。）
現在の「響」のラインナップは、「ジャパニーズハーモニー」と「ブレンダーズチョイス」が主力。「響21年」と「響３０」は終売となっていませんが、生産量が極めて少ないことから高額で取引されています。
【ジャパニーズウイスキーレビュー】響ジャパニーズハーモニーを評価
サントリーウイスキー響 ジャパニーズハーモニー
HIBIKI JAPANESE HARMONY
- ジャパニーズブレンデッドウイスキー
- アルコール度数：43％
- 容量：700ml
- 抜栓時期：2023年1月
- テイスティング時期：2025年1月
- whiskybaseでの評価：87.28/100
- 参考小売価格（税抜）：7,500円（税込8,250円）
- 楽天市場価格[2025年1月]：13,750円
- Amazon価格[2025年1月]：14,580円
定価と価格推移
「響ジャパニーズハーモニー」は、2024年4月の価格改定により、税抜5,500円から税抜7,500円へと値がり。2025年1月時点で「響ジャパニーズハーモニー」の値上げ情報はありません。
【響ジャパニーズハーモニーの価格推移（税込）】
- 2022年11月（定価6,050円）：流通価格15,000円前後
- 2024年3月（定価6,050円）：流通価格16,000円前後 ※値上げ直前
- 2024年4月（定価8,250円）：流通価格17,000円前後 ※値上げ直後
- 2025年1月（定価8,250円）：流通価格14,000円前後
香り
ハチミツ、オレンジ、コットンキャンディー、マドレーヌ、洋梨、青りんご、レーズン、プラム、アプリコットジャム、メープルシュガー、ビスケット、アマニ油。
オーク樽のバニラ香とフルーティーなアロマが豊かに広がります。焼き菓子のような香ばしさ。ピートのクセは全くありません。ブレンデッドウイスキーとは思えない程香り立ちが良いウイスキーです。
加水するとメープルシロップ、白いお花、マスカット。
味わい
まろやかな甘みが広がり、シトラスとバニラのフレーバーを豊かに感じます。ミディアムライトボディ。シングルモルトアイリッシュウイスキーにも似たクリーミーさ。中盤以降はややドライ。フィニッシュにかけては穏やかで、雑味の残らないスムースでクリアな印象。
加水するとエステリー。アルコールの刺激はほとんど感じません。テクスチャーが弱い訳でもなく、心地よいアロマが残ります。
評価
「響ジャパニーズハーモニー」の評価としては、「ノンエイジとしては、世界最高峰のストレート用ブレンデッドウイスキー」です。
サントリーの最高峰ブランド「響」の一角を担う「ジャパニーズハーモニー」は、モルトとグレーンが見事に調和し、ジャパニーズウイスキーならではの甘みを存分に感じられる逸品。クセがなく、初心者にもおすすめできる飲みやすさを誇ります。ウイスキーが苦手な方にも、ぜひ一度試してほしい一本ですね。
「響」にはかつて、「響10年」や「響12年」といった年数表記のあるボトルが存在していました。「響ジャパニーズハーモニー」はこれらに替わってリリースされた訳ですが、どちらとも異なる個性を持っているように感じます。熟成年数の「縛り」がなくなったことで、構成原酒の自由度が増し、より安定した味わいを生み出せるようになりました。
特筆すべきは、フルーツやバニラの豊かな香り。これは山崎・白州のモルト原酒や、知多のグレーン原酒によるものと考えられます。幅広い層から支持される、ウイスキーの魅力を象徴するアロマと言えるでしょう。ブレンデッドウイスキーとしての飲みやすさとバランスの良さは、まさに完璧です。
「響ジャパニーズハーモニー」を薦めて「苦手…」と言われようものならば、もはや他の銘柄を選択できません。その人は多分、ウイスキーを飲まない方がいい（笑）
「万人受けする」と表現するのはあまり好きではありませんが、ある程度ウイスキーを飲んできたユーザーならば、味の好みはあるにしても「響ジャパニーズハーモニー」は一定以上に評価されるウイスキーに違いありません。
「響」に限らず、ジャパニーズブレンデッドウイスキーは「ハイボール」や「水割り」などで飲まれることを想定し、ブレンドされています。しかし、私が思うには、「響ジャパニーズハーモニー」の柔らかさな味わいと繊細な飲み口を考慮した場合、おすすめの飲み方は「ストレート」です。
もちろん、加水してもバランスが崩れることはありませんが、ソーダや水を多く加えすぎると「響ジャパニーズハーモニー」本来の個性が薄れてしまいます。入手困難なプレミアムウイスキーだからこそ、ぜひ「ストレート」または「トワイスアップ」でじっくりと味わいたいものです。
ノンエイジのブレンデッドウイスキーとして、世界でも最高水準の品質を誇る「響ジャパニーズハーモニー」。その魅力を存分に楽しめる一杯を、ぜひ自分のスタイルで堪能してください。
「響ジャパニーズハーモニー」は、サントリーが誇るブレンデッドウイスキーの集大成とも言える一本です。モルトとグレーンが織りなす繊細な調和、フルーティーで華やかな香り、そして滑らかな口当たりは、ウイスキー初心者から愛好家まで幅広く魅了することでしょう。
ジャパニーズブレンデッドウイスキー「響ジャパニーズハーモニー」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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