こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
この記事ではシングルモルトウイスキー「ボウモア12年」の解説と、ボウモア蒸留所のラインナップからおすすめ銘柄をご紹介致します。
「アイラの女王」と呼ばれ、シングルモルトとして人気の高いボウモアについてを、わかりやすく徹底解説いたします。
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」おすすめ銘柄解説 ボウモアとは?
ボウモア蒸留所とは?
ボウモア蒸留所の歴史は古く、創業は1779年でアイラ島最古の蒸留所です。アイラ島の中心部ボウモア町にあり、小さな港の近くに建っています。ウイスキーはアイラとの中ではバランスがとれた味わいで、アイラ島南部にあるヘビリーピーテッドなウイスキーと、北部の軽めのウイスキーとの中間のような個性をもっています。
蒸留所では伝統的な製麦方法である「フロアモルティング」を行っています。麦芽を乾燥される際に使われるピートも、島の中央部から切り出した独自のものです。ボウモアのピートは、ポートエレン(製麦工場)やラフロイグ蒸留所で使われているヨード臭の強いものではなく、比較的穏やかなスモークとなっています。自家製麦は全体の30%ほど行われており、残りは本土の業者が作ったものを使用しています。
ウイスキーの熟成庫は伝統的なダンネージ式と、ラック式も1棟あります。創業当時から存在する「第一熟成庫」は、海抜0mに建てられており、満潮時には海面1mに沈んでしまうそうです。海からの潮風を浴びながら熟成したウイスキーは、内陸で熟成されたものとは一味違う、潮気を感じさせる味わいとなります。
ボウモアの年間生産量は200万リットルで、作られたモルトウイスキーはすべてがシングルモルトとして販売されており、。ブレンデッド用の原酒としては供給されていません。2020年現在、アイラ島のシングルモルトの中で3番目の売り上げ本数となっている蒸留所です。
ボウモア蒸溜所
所在地: スコットランド・アイラ島
オーナー: サントリー(モリソン・ボウモア社)
創業年: 1779年
蒸留器(ポットスチル): ストレートヘッド型 4基 (初留釜2基、再留釜2基)
発酵槽(ウォッシュバック): オレゴン松6基
貯蔵方式: ダンネージ式、ラック式
仕込み水: ラーガン川
仕込み麦芽のフェノール値: 25~30pm(自家製麦芽30%、シンプソンズ社70%)
ボウモア蒸溜所の歴史
1779年: アイラ島の商人である「デイビット・シンプソン」が創業。
1873年: グラスゴーのジェームズ&ウィリアム・マターが買収。
1892年: ボウモアディスティラリー社が買収。蒸留所が増築される。
1963年: 「スタンリー・P・モリソン」が買収し、モリソン・ボウモア社を設立。
1979年: 蒸留所200周年記念「ボウモア バイセンテナリー」を発売。
1993年: 「ブラックボウモア29年」を発売。94、95と三年連続で発売される。
1994年: サントリーがモリソンボウモアを子会社化する。
2006年: ビジターセンターを改修。
2007年: 第四弾となる「ブラックボウモア42年」を発売。
2008年: 「ホワイトボウモア43年」を発売。
2009年: 「ゴールドボウモア44年」「テンペスト」発売。
2014年: ビームサントリーがオーナーとなる。
2015年~2018年: 4年連続で50年以上熟成したボトルを発売する。
2015年「ボウモア50年1965」
2016年 第五弾となる「ブラックボウモア50年」
2017年「ボウモア50年1966」
2018年「ボウモア52年1965」
2020年: アストンマーティンとコラボレーションした「ブラック ボウモアDB5 1964」を発売。販売本数27本。価格は5万ポンド(約700万円)。
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」解説
ボウモア12年
シングルモルトウイスキー
アルコール度数: 40%
容量: 700ml
参考価格: 3500円
商品説明
スモーキーさと独特な潮気、樽から由来のフルーティーなフレーバーがあり、エレガントで個性的です。この「12年」こそボウモアを代表する味わいといえます。
仕込み麦芽のフェノール値は25~30pmで、アイラ島の南側に位置するラフロイグやラガブーリン、アードベックと比べると控えめです。ボウモアはピーティーな香りが強すぎず、その他のフレーバーを繊細に感じ取ることができます。
構成原酒にはバーボン樽と、スパニッシュ・シェリー樽を主に使用しています。アイラ島の蒸留所の中でも、シェリー原酒が多めに使われていることから、果実のようなフルーティーな香りも感じ取れます。
スモーキーさとフルーティーさ、お花のようなエレガントさがバランスよく感じられる、アイラ島の中でも一番おすすめできるウイスキーです。
テイスティング・ノート
ハチミツ、レモン、オレンジの砂糖菓子、優しいハーブ、フラワー系の香水のような香り。
味わいはやわらかく、ミディアムボディ。中盤でドライ。徐々にスモーキーでソルティーな長めの余韻。骨格があり、少しビター。
ボウモアを支えてきたブランドなだけあり、よくできています。ラベルデザインの変更と共に幾度となく「味変」してきたボウモア12年ですが、現在のボトルは安定感のあるしっかりとした味わいです。クセが強すぎず、甘さも割と控えめでドライに仕上がっており、アイラモルトらしい味わいを今でも大事にして作られているような気がします。
12年熟成のウイスキーの割には、他の蒸留所のシングルモルトと比べても余韻が長いのが特徴です。香りが複雑で、飲み続けていくたびに変化していくような、奥深い味わいですね。
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」おすすめ銘柄解説
ボウモア蒸留所がリリースするおすすめの銘柄「ボウモア15年」をご紹介致します。
シングルモルトウイスキー ボウモア15年
ボウモア15年
シングルモルトウイスキー
アルコール度数: 43%
容量: 700ml
参考価格: 6500円
少し前までは「ボウモア15年ダーケスト」という名前でしたが、現在は「ボウモア15年」となっています。構成原酒はバーボンカスクで、12年熟成の原酒を、さらにシェリーカスクで3年間の後熟を施した商品です。
スパニッシュシェリーカスク由来のフルーティーさ、スパイシーな香りの影響がしっかりと感じられるボウモアです。オンザロックや水割りでも味わいが崩れない個性で、シガーとの相性も良いウイスキーです。
まとめ
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」おすすめ銘柄解説 ボウモアとは?
・創業1779年でアイラ島最古の蒸留所。アイラとの中ではバランスがとれた味わいで、アイラ島南部にあるヘビリーピーテッドなウイスキーと、北部の軽めのウイスキーとの中間のような個性。
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」解説
・クセが強すぎず、甘さも割と控えめでドライに仕上がっており、アイラモルトらしい味わい。12年熟成のウイスキーの割には余韻が長い。
シングルモルトウイスキー「ボウモア12年」おすすめ銘柄解説
・ボウモア15年
スパニッシュシェリーカスク由来のフルーティーさ、スパイシーな香りの影響がしっかりと感じられる。
ボウモアは長期熟成に向くウイスキーです。過去「ブラックボウモア」などの長期熟成をリリースしていますが、どれも素晴らしい味わいでした。スタンダードである12年をおろそかにせず、ファンを裏切らないウイスキー作りを行ってきた結果として、特別なウイスキーを販売することができたのだと思います。
長期熟成やオールドボトルもおいしいのですが、今一度、オフィシャルのボウモア12年を味わってみて下さい。ボウモアの歴史と伝統が詰まっている、魅力的なシングルモルトウイスキーです。
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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